クラス最強となった俺が二度目の転生をして、平凡(?)な学園生活を送る俺物語   作:渡月 夢幻

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〜第四章 入学試験2日目と友、再び〜

  〜第四章 入学試験2日目と友、再び〜

 

 職員会議は延長することになった。まぁ、俺のせいだと思うが……。かくして俺たち受験生は異例の一日休みを与えられた。

 

 

 ー職員会議ー

「一応受験生たちには本日行う試験は明日に持ち越し、本日は休みをとるように指示しておきました。ですが不思議なことに15代《剣聖》グレル様が負けたことは誰一人知っておらず、しかも話題にも上がっていないそうなんだよ!」

「なにっ!?あんな大事が話題にならないなんてありえないだろ!」

「……それで、受験生たちの調査はしたんですか?」

「いえ、それは……」

先生方は慌ただしくなり、まさに飽和状態であった。するとそこへ普通の職員とは違う王としてのオーラを纏う人物が入ってきた。慌ただしくしていた教員は一瞬で静まり返りその方に体を向け話を聞く体勢に入っていた。背中はピシッとしていて手は足の付け根の辺りに軽く乗せられていた。

「おはようございます、学園長ルシ様。」

一同は声を揃えて学園長に挨拶をした。

「やぁやぁ、みんなおはよう!」

と、明るく元気な声で職員室へと入ってきた。ちなみに学園長であるルシとは、《クラス最弱地位の俺が異世界転生して、クラス最強になる俺物語》に登場する魔王様だ。現在は戦いのない平和な世の中になったので魔族領で優秀な生徒を育てる為にこの王立イーセンダルト魔法学校を運営している。

「んで、入学試験はどうなんだい?」

近くに座っていた職員にルシが質問する。職員は「それが……」と言いながら現在に至るまでの事情を説明した。それを聞いたルシはなるほどと頷きながら、一番奥に座って、串焼きを食していた女に、

「なぁ、ルサールカよ。あれから何年経つ?」

周りから聞くと意味不明な質問をしたルシは、彼女の返答を待った。彼女は少し悩み

「あれから約1200年です。」

とはっきり答えた。その答えに納得しルシは大きく頷いた。そして少ししてから、

「じゃあ、奴だね。」

と、周りからしたら意味不明な答えをした。その一言にルサールカだけが納得していた。

「よし、じゃあ明日行う試験の内容を変更するね!」

その一言に今起こっていることに悩んでいた職員たちは驚きを隠せなかった。こんな事態に無茶なことを要求してくる学園長に少し呆れていた。

「して、ルシ様。何を変更するんですか?」

一人の職員がそう質問する。

「うんとね、チームによる試験だ!例年は難度が少し高めのモンスターをチームを組んで討伐するっていう内容だったけど、今回は受験生チームVS魔王軍幹部だよっ!」

「えぇぇぇぇえ!」

一同は驚愕した。それもそのはず、魔王軍の幹部はこの世で最強の12人と謳われる者たちの一部である。ちなみに現在、世界最強の12人は(The XodiacK)と呼ばれている。その(The XodiacK)と言われている内、魔王軍の幹部はルサールカ、オノケリス、イフリート、アザゼル、そして、現在の魔王であるルシ。この4人は世間一般に公表されている。だが、残りの6人は今ここでは明らかにされていない。それも竜種であるのか、妖精種であるのか、人族であるかさえも……。

「いやぁ、楽しみだなぁ〜」

と、ルシは軽い笑みを浮かべながら自分の業務を開始した。職員たちは、「今年の受験生達は可哀想だな…」と少し肩を落としながら明日の試験の準備を再開した。

「ねぇ、ルサールカ!明日の試験にイフリートとオノケリスに参加するように言っておいて〜。」

「分かりました、魔王様。いえ、学園長。」

ルサールカは昔の癖で学園長のルシをつい、魔王様と呼んでしまった。そして、彼女はお詫びの意味を込めてルシに一礼して職員室を後にした。

 

 

 一方、休日を貰った俺とメーティスは、初日に引き続き街中を散策していた。

「やっぱ、懐かしいな。なんか1200年前とあんま変わってねぇなぁ〜。」

「そうかな?お兄ちゃん。」

「そうだよ!メーティス。だってほら!」

と、俺は街中にある一件の店を指差した。その指の先には1200年前によく通っていた食堂、イリアスがあった。その食堂は前世の俺が魔族領の無法地帯となっていたエリアを統一した時、その無法地帯の西側、アルバドーラに住んでいたアラクネの女の子のミルシャが営業している店だった。店の名前のイリアスとは、その無法地帯を俺が統一する前、人間が攻め込んできて無法地帯を分捕ろうとした時そこに住んでいたアラクネの一族が自分たちの住処を守ろうと必死に抵抗した際、亡くなってしまった母親の名前である。

「なぁ、メーティス。久しぶりにミルシャの店、よってかねぇか?」

と俺がメーティスに問いかけると彼女は手元の時計を確認した。時刻はちょうど12時を指していた。

「いいよ、お兄ちゃん。本当は久しぶりにミルシャ特製のオムライスが食べたいだけなの知ってるんだからね?」

「ギクッ、バレてたか……」

そう、俺がミルシャの店によりたかった目的はオムライスだった。彼女が作るオムライスは、ほかの店とは比べ物にならないくらい格段に美味で虜になってしまっているからである。俺はスタスタと歩くスピードをだんだん加速させ彼女の店に一直線に向かった。メーティスは「待って〜」と言いながら、俺のあと急いで追いかけた。ドアを開けると、チャラリン、チャラリンと客が入店する際の音が店中に響き渡った。その音を聞いたウエイトレスは、「いらっしゃいませ〜」と明るい声で俺たちを迎えてくれた。そして「2名様でよろしいでしょうか?」と俺たちに確認をとりテーブルへ案内してくれた。俺たちのテーブルへ案内される途中、ミルシャ特製のハンバーグが完成し奥から

「このハンバーグ、2番卓に運んで〜」

と料理を作り終えたシェフが表に出てきた。そして、そのシェフは無意識に俺たちの方を見ると、

「メッ、メーティス様!?」

と、これまた店中に響き渡る声で叫んだ。俺たちは少しビクッと体を震わせて彼女の方を見た。彼女と目が会った瞬間は彼女は一目散に俺たちの所へと来て、

「メーティス様、そしてメーティス様のお連れ様。どうぞこちらのお部屋へ!」

そう言って俺たちを案内してくれたウエイトレスに「早くお水の準備を」と少し強引に急かし水を取りに行かせた。そして俺たちは奥の少し豪華な部屋へと案内された。

「メッ、メーティス様!お帰りなさいです。」

「あっ、うん…ただいま。」

メーティスは少し戸惑った様子で返事をした。

「お待たせしました。こちらお冷です。」

先程急かされたウエイトレスは俺たちに水を運んでくれた。

「ちなみに、シャトウ様は何処に?」

ウエイトレスに聞こえない程度の小さな声でミルシャはメーティスに聞いた。すると、メーティスは

「話す前にウエイトレスの人を下げてもらっていいかな?」

と小声で返した。それを聞いたミルシャは、ウエイトレスの人に「仕事に戻ってくれ。」と一言言ってウエイトレスをこの部屋から下げた。

「ミルシャが言うシャトウは私の隣に居るよ?」

とメーティスは俺を指さしながら彼女に告げた。それを知ったミルシャは少し黙り込んで、「えぇぇえ!」と声を上げて驚いた。

「ホッ、ホントにシャトウ様ですか?」

ミルシャは声を震わせながら俺に確認をとった。

「そうだよ、ミルシャ。1200年ぶりだな。後 あと、腹減ったからミルシャのオムライス食わせてくれねぇか?」

俺がシャトウだと分かるとミルシャは涙を流し俺に抱きついてきた。

「うわぁぁあ!シャトウ様ぁ!会いたかったぁ!」

「シッー!もう少し静かに泣いてくれないか?周りの人にも俺のことがバレちまう。」

「うぐっ、大丈夫です。この部屋は防音の魔法が付与されているのでその部屋の外にいる人たちには何も聞こえてません。うぐっ…」

彼女は泣きながら俺たちにそう告げた。その一言に俺たちは安心し、泣き止んだ彼女は俺たちの注文を聞き厨房に戻ってものの5分で料理を仕上げ俺たちの前に持ってきてくれた。俺たちは彼女の料理を食べながら、今までの経緯を伝えた。彼女は納得し俺たちに笑顔を見せた。食べ終わって一息つくと、俺たちはお会計を済ませるためにレジに向かった。そして無事会計を終えると、

「また来てくださいね!」

ミルシャの元気な声が俺たちをあと押した。満足した俺たちはとりあえず、他に必要な物資がないかを確かめる為、再びを街を散策し始めた。時刻は午後2時を過ぎていた。俺とメーティスは、ドワーフが営んでいる武器屋に足を運んだ。明日行われる試験でチームによる試験という科目で必要になるかもしれないと思い、一般的な剣を購入しておきたかった。店の中に入ると身長80cmぐらいのドワーフが奥からでてきた。

「いらっしゃい、俺はこの武器屋の店主を務めてるもんだ。んで、あんちゃんたちはどういう剣が欲しいんだ?」

ドワーフの店主は率直に問いかけてきた。

「えっとですね…俺は日本刀っていう武器が欲しいです。」

「私は両手の短剣が欲しい……」

「あいよ、日本刀と両手短剣だね、ちょっと待ってな。」

そう言うと、ドワーフの店主はまた店の奥に戻った。少し経つとドワーフの店主は日本刀を持って俺たちの前に戻ってきた。

「はいよ、これはあんちゃんのね。お嬢ちゃんに合いそうな短剣は今お店にないから俺が作る。だから、2時間後に戻ってきくれねぇか?」

ドワーフの店主はそう提案した。つまり、メーティス合うオーダーメイドの短剣を作ってくれるという事になる。これはメーティスにとっちゃありがたい。

「じゃあまた2時間後に戻ってきます。」

俺たちはそう返事して店を後にした。2時間ほど暇を潰し店に戻ると先客の男がドワーフの店主に文句を言っていた。そしてその男の服装を見ると、どうやら王立イーセンダルト魔法学校の受験生らしい。まさか俺たちと同い年でこんなに威張ったヤツがいるとは……

「おい、くそドワーフ!この剣はどうゆう事だ?俺が試し斬りしようと思ったらすぐにぶっ壊れたじゃねぇか。ぼったくっるな!」

「いや、俺が作った剣でこんな耐久性の低い武器は作ってない。本当に俺の店で買ったのか?」

冷静に見極めたドワーフの店主は彼にそう質問し返した。すると、男は一歩後退りしこの状況を打破しようと考えていた。そして、男は懲りずにもう一度ドワーフの店主に、

「どっちにしろ、俺はこの店でこの剣を買ったんだ!だから悪いのはお前だよ!金払え!」

と、図々しく物申していた。このままじゃ俺たちの精算が遅れると思い、男が持っていた剣を密かに鑑定した。そして、

「あの、君。」

「あん?なんだよ!俺は今このドワーフにぼったくられた金を返してもらうのに忙しいんだよ!」

男は更に熱くなり俺たちの方にも飛び火してきた。だが、

「君の剣を鑑定したけどその剣を作ったのはこのドワーフの店主じゃないよ。更にはこの店の品物じゃない。」

俺は冷静に物申すと、その男はまた後退りし、目線はドワーフの店主と俺を行き来していた。圧倒的不利と嘘がこれ以上通じないと分かった男は「ちくしょー!」と叫び、走って店を出ていった。男が去るのを確認したドワーフの店主は「助かった」と一礼しメーティスの両手短剣を持ってきてくれた。

「ドワーフのおっさん、俺の日本刀と両手短剣合わせて10000ルシぐらいで足りるか?」

俺はドワーフの店主にそう聞いて金の準備をしようとすると、ドワーフの店主は「待て」と俺の右手を掴むと、

「あんちゃんたちは俺を助けてくれたから8000ルシでいいよ。」

「本当か!ありがたい。」

俺はすかさず8000ルシを出すと、店主は金を受け取り「毎度あり。」その一言だけ言って俺たちを見送った。「すっかり、暗くなっちまったな、メーティス。」

俺はメーティスにそう問うと、メーティスは手元の時計を確認する。時刻は午後5時を過ぎていた。

「お兄ちゃん、そろそろ宿に戻る?」

「あぁ、そうすっか。」

俺たちは宿への最短ルートで宿屋に戻った。時間はそんなにかからず、ものの30分程度で着いた。宿屋のドアを開けると受付の横に広がる共同休憩スペースで何故かざわついていた。俺たちはその事が気になり近くに行くとそこには俺たちの受付をしてくれた女性が立っていた。俺はその人に「何かあったんですか?」と尋ねると、

「王立イーセンダルト魔法学校からの通達で明日の試験内容の一部変更だそうです。」

そう言った。俺はみんなが注目する掲示板の紙切れを見ると、そこには

 

 〜王立イーセンダルト魔法学校の受験生達へ〜

明日の試験は3種目あったがそれを撤廃し明日の試験はチームによる試験のみとする。残りの2種目は入学したあとの授業に割り込む。そして今回のチームによる試験は指定のモンスター討伐ではなく、The XodiacKのメンバーとの対戦をすることに決定した。今回参加してくれるThe XodiacKのメンバーはイフリート、ルサールカ、オノケリス、そして魔王ルシ様である。各自、得意な属性のメンバーを相手することをおすすめする。ちなみに、The XodiacKを倒すことができた生徒は無条件で合格とする。ただしこれはチーム戦なのでチームの連携力も査定する。武器や魔法は自由とし力を合わせてThe XodiacKを倒そう。

 

と記載されていた。同じ宿屋に泊まる受験生たちは震えていた。ほんとに倒せるのかと。世界最強と謳われる者たちに挑むことはとても難しい。まず、受験生たちが束になって相手をしたとしてもおそらくだが、1分も持たないだろう。

「いやぁ、今年の受験生達は災難だな。」

「この試験の合格者は少ないと思うわ。」

と、受験生以外に止まっている大人達はとてもじゃないが心配していた。

 

 

 そして、当日を迎えた。周りの受験生たちは、一夜漬けをしたような酷い顔をして王立イーセンダルト魔法学校に向かっていた。The XodiacKが余程強い事が分かる。試験会場に着くと職員たちが案内を開始していた。

「水属性の魔法が得意な受験生はイフリート様をオススメします!、風属性の魔法が得意な受験生は、ルサールカ様をオススメします!、闇属性の魔法を得意とする受験生は、オノケリス様をオススメします!、光属性の魔法をを得意とする受験生は魔王ルシ様をオススメします!」

職員はこの文言を永遠に繰り返していた。

「メーティスはどこに行くんだ?」

「私はやっぱり光属性の魔法が得意だからルシのところに行く。お兄ちゃんは?」

「今世の俺は水属性が得意らしいからイフリートのところに行ってくるわ。お互い頑張ろうな!」

「うん!」

と、俺たちは互いに指揮を高めていた。すると、

「あっ、あの……ブレインさんおはようございます。ブレインさんはイフリート様のところに行きますか?」

背後から俺にそう話しかけてきたのはアリスだった。

「おはよう、アリス。そうだけどどうしてだ?」

「わっ、私もイフリート様の試験会場に行くからです。」

彼女は少し震えながら俺に言った。

「そうか、お互い頑張ろうな。」

「はっ、はい。」

話を済まると、俺とアリスはイフリートの会場へメーティスはルシの会場へと向かった。

 

 

イフリートの会場に着くと、ざっと120人ぐらい集まっていた。そこには魔力量が結構高い受験生や周りから剣術で人気を集めている生徒がいた。すると、

「イフリート様の会場に集まった皆さんにルール説明をします。」

職員が入ってきて説明を始めた。

「では、本試験のルールを説明します。今ここに集まっている112名の受験生はみんなでイフリート様に戦いを挑んでもらいます。試験官及び評価の査定はイフリート様が行います。イフリート様に挑む前に20分程の作戦会議の時間を設けます。更にはこちらで用意したアイテムは使用可能とします。魔術、剣術を駆使してイフリート様を倒しましょう。」

そう告げると、職員は大きな20分用の砂時計を運んできて

「では、これより作戦会議の時間を開始する!」

そう叫び砂時計を反対にして俺たちを見守り始めた。すると、俺たち受験生をまとめあげるリーダーの立候補が開始された。立候補したのは、剣術試験でトップを張っていたセイロ・クリスチャンという者と獣人族のアラビル・マクフォード、そして、今回の受験生の中で首席だと言われているレン・オルフォードだ。このイフリートの会場には結構優秀な生徒が集まっていた。そして、各立候補者が演説しものの5分程度でレン・オルフォードがリーダーとなった。レンは俺たちをイフリートを5人1組で囲うように配置し、レン率いる精鋭10名が囮兼攻撃をするらしい。イフリートを囲んでいるメンバーは水魔法で攻撃しつつ、レンたちにバフをかけたりするという役割だ。

「よし、では5人1組を作ってくれ!」

その一言でその場にいた受験生たちはいっせいに5人1組を作り始めた。出遅れた俺とアリスは余ってしまい、2人で相手することとなった。

「時間です!それでは皆さん奥へとお進み下さい。配置が完了したら、リーダーであるレンさんは手を挙げて私に合図をしてください。試験開始のドラを叩いたらスタートです。」

職員はそう言って俺たちを奥の会場へと案内した。その会場はとても広く、そして多重の防御結界で囲われていた。

「よし、お前ら!配置に付け!」

レンの一言で作戦通りの配置に全員が着いた。

「ブッ、ブレインくん。緊張するね。」

アリスが手を震わせながら俺に言う。

「大丈夫だよ。アリスのことは俺が絶対守っから。」

その一言にアリスは顔を赤くして自分の顔を手で隠した。すると、中央で構えているレンが、

「お前たち!自分自身に防御系バフをかけとくんだ!」

抜かりなく指示すると周りの生徒たちは一斉に自分にバフをかけ始めた。俺は自分に火属性耐性、物理耐性、延焼耐性、状態異常耐性、環境異常耐性と防御系統の魔法をかけた。もちろん、アリスにもだ。アリスは少し心配なので、不可視のバリアも張っておいた。

「全員準備は出来たなぁ!」

レンがまた大声で叫ぶ。そして、士気が高まると「お願いします」と一言職員の人に向かって叫び手を挙げた。その瞬間、ドラの音が鳴り響き試験が始まった。すると、レンたち精鋭部隊が立っている中央にイフリートが降臨した。俺は思わず、「1200年前と変わってねぇな。」と一言呟き試験に興奮していた。イフリートは地上10mほどに飛び上がり、辺りを見渡した。そして、「なるほど。」と呟くとレンが、

「作戦開始!」

と大声で叫ぶ。その瞬間みんなは一気に魔法詠唱を始めた。みんなが詠唱している中、レン率いる精鋭部隊は勇敢にイフリートに立ち向かった。そして、剣を振りかざし「うぉぉぉ!」と叫び腕を仕留めようとすると、

「甘いな。」

イフリートとはそう呟き一瞬でレン率いる精鋭部隊の剣を弾き返した。精鋭部隊は地面に叩きつけられ「うぅ」と唸っていた。それを目の当たりにした他の生徒は狼狽え、詠唱のスピードが遅くなった。それを察したイフリートは、

「火炎球弾光線《ファイアブラストレイ》」

を周囲に放ち、レンの精鋭部隊以外を蹴散らし気絶させた。この壊滅的な状態を目の当たりにしたレイたちはガクガクと身体を震わせていた。イフリートが降りてくると、レンたちは恐怖のあまり体が動かなかった。そしてイフリートは、

「お前たちはまだまだ戦いというものを知れていないな。」

そう言って、レンの精鋭部隊をダウンさせた。辺りが煙で蔓延する中開始のドラを鳴らした職員が近づいてきて、

「おっ、お疲れ様です。イフリート様。試験のご協力誠に感謝します。」

そう言うと、イフリートは職員に向かって

「いや、まだ試験は終わってない。」

とだけ言うと煙を消し去った。

「職員よ、離れていろ。」

そう言ってイフリートは再び戦闘モードに入った。職員はさっさと撤収しドラを鳴らした位置まで戻った。煙が完全に晴れて俺は姿を現した。もちろん、アリスもだ。

「ほぉ、あの攻撃で生き残る受験生がいるとは…素晴らしいな。」

イフリートは素直に褒めたたえた。

「いや、お前がまだ力の2割程度しか出てないのは分かってんだぜ。イフリート。」

俺はそう言うと、アリスが慌てて

「ダッ、ダメですよ!The XodiacKのイフリート様に様づけをしないのは。」

「いや、大丈夫だ。俺とイフリートは昔からの仲間だからな。」

「えっ、どういう…」

とアリスが質問しかけると

「大業火《インフェルノ》」

と炎攻撃を仕掛けてきた。それを目の当たりしたアリスはまた慌てていた。だが、俺はイフリートの大業火《インフェルノ》を軽く消し飛ばした。それを見たアリスは、「えっ……」とだけ言って腰を抜かした。

「アリス、この会場の端に行ってこれを持って待っててくれ。」

俺はそう言ってアリスに完全守護《パーフェクトガード》のお守りをした。アリスはこくりと頷いて端へと行った。他の生徒は職員が回収し俺とイフリートの1体1の状態が作られた。

「なぁ、イフリート。この会場の防御結界は柔くねぇか?」

俺はイフリートに問うと、

「そうかもしれないな……」

とだけ言った。俺は現在かかっている防御の結界に更に多重の防御結界を組み立て全力で戦えるフィールドを整えた。

「さてと、ある意味1体1の勝負だがらもう本気出していいかな。」

「貴様は……」

イフリートがそう言いかけると、

「お前、最初から分かってて黙っていただろ。大丈夫だ、安心しろ。さっき防御結界を張るついでに防音の決壊も張ったから。」

「ならば、安心だな。シャトウよ。」

「おう!1200年ぶりの戦いと行こーじゃないか。イフリート!」

軽く会話を交えると辺りに寒気が走り出した。その場に残っていたアリスは、

「すっ、凄い魔力量。これがイフリート様の全力!?うぅ、吐き気がしてくるほどの魔力量なんて聞いたことがない……しかも、ブレインくんが伝説の魔王軍幹部シャトウ様なの!?」

と、独り言を呟いた。

「よっし、じゃあ本気でやるか!」

俺はそう言って構えると、

「あぁ!」

とイフリートも頷いて構えた。激戦が始まる……

 

 

    第四章 入学試験2日目と友、再び  ー完ー

 

 

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