クラス最強となった俺が二度目の転生をして、平凡(?)な学園生活を送る俺物語   作:渡月 夢幻

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〜第六章 裏組織 グルーデットビーナス〜

 

   〜第六章 裏組織 グルーデットビーナス〜

 

 ルシ率いる魔王軍の幹部たちは受験の合否を判定するために全員職員室に集まっていた。ルシは所用があり1度自室である学園長室に戻った。俺たちの会話を聞かれたかもしれないと思われる3人の男性職員を引き連れて……ルシは学園長室に招いた男性職員たちに強気の姿勢で

「君たちは私と受験番号4333の会話を聞いた者はいるか?ちなみに嘘ついても意味ないからね?私の持つスキル真偽の魔眼で見抜けないものはないからね。」

と問う。ルシは自身の左目を大きく見開いて真偽の魔眼を男性職員たちに見せつけ、さらに圧を加えた。すると、あるひとりの男性職員がとうとう口を割った。

「がっ、学園長をここにお呼びするために幹部の皆様方とお集まりになっていた時に少々聴いてしまいました。もっ、申し訳ありません!」

その男性職員は深々と頭を下げ口を震わせながらルシに寛大なる慈悲を求めた。その姿を見た他の男性職員の1人も聴いてしまったことを白状し深々と頭を下げ始めた。2人の謝罪を目にしたルシは「おもてをあげよ。」と一言言って彼らの頭に手を乗っけて、

「聴いてしまったものは仕方ないよ。私の不注意もあったし…だから、私を呼びに来た部分の記憶だけ改竄させてもらうね。後、ここに呼び出した事も……」

ルシはそう言うと先程乗っけた手に魔力を込め始め彼らの記憶の一部を改竄し始めた。そして……

「よし、これで終わり。君たち帰っていいよ〜。」

と明るく振る舞うと記憶を改竄された男性職員たちはなんでここに呼び出されたかを考えながら「失礼しました。」と言い出ていった。

「さて、君は黙りだけど何も聴いてない?」

ルシは残った1人の男性職員にそう問いかけると、

「私は何も聴いてません。改竄の事は内密にしておきます。」

そう言って部屋を出ていった。ルシは彼が出ていった後彼の脳内の記憶を読み返してみた。だが、彼はブレインとの会話を聴いたという記録が残っていなかった。その事が確認できたルシは学園長専用の椅子に腰かけ「彼には悪い事をしてしまったなぁ〜」と男性職員の顔を思い浮かべながら密かに謝罪した。そしてルシは何かを思い出し自身の愛用する机の引き出しを開けてある資料が入った封筒を取り出した。その資料が入っていた封筒にはSecretと記載されていた。そこには中央に「?」が載っていて顔をかたどった写真が6枚あり、内2枚にはアルゾラとダンテという名前が記載されていた。また、WARNINGが大きく書かれたポスターがある。裏面には裏組織注意の文字が大々的に書かれていた。そしてルシは

「グルーデットビーナスかぁ……」

と険しい顔をしながら呟いた。

 

 

    ー 同日 午後3時 場所・地下下水道 ー

 

 フード被った男が周りをチラチラと人目がないこと確認し地下下水道へと入った。カッ、カツ、カッ、カツ……地下に通ずる階段を下っている音が反響し周囲を警戒させた。階段を下っているのは1人の闇に包まれた者だった。彼が通り過ぎると天井に滴っていた水滴は滝のように流れだした。そして、コンクリートの階段はミシミシと音を立ててひび割れ、めり込んでいた。彼が階段を下る足音とは裏腹に道は荒れに荒れていた……。近くに立っていたラフな格好をした盗賊の下僕らしき人物に溜息をつきながら、

「もっと〜頑丈な〜石材は〜無いのか〜」

と問いかけた。そのオーラと溜息に恐れをなした下僕の2人は

「すっ、すみません!アルゾラ様!すぐにご用意出来るように手配しておきますのでどうか、ごっ、ご勘弁を!」

と震えながらアルゾラに進言し頭を下げた。それを聞いたアルゾラは「ふーん…」と呟きポケットに備えていたタバコを取りだしそれに火をつけ一服し始めた。いつまで居座るつもりなのかと思いながら下僕たちは頭を下げ続ける。アルゾラは「フゥー」と息を吐き口の中に充満したタバコの煙をゆっくりと外に逃がす。輪を描いた煙はゆっくりと消えていく。すると、「吸殻がねぇ〜」と一言呟くと目の前にいた下僕の人に「顔を上げて手を出せ。」と命令した。それを聞いた下僕は恐る恐る自分の手を差し出した。きっと俺の手のひらに灰を落とし俺のいたぶる声を聞くのだろうと覚悟した。ヒヤリと汗を流し息を飲む。するとアルゾラは彼の手のひらに灰を落とさずにまだ燃えているタバコの先端を下僕の左目に押し付けた。下僕は最初は何が起こったかわからず、ただ呆然としていたが徐々に目元が焼けることが分かり「うわぁぁぁあ!俺の目ぇぇぇぇぇぇえ!」と発狂し地面に急いで寝転がりじたばたし始めた。彼の眼球は黒焦げになり黒目と白目の判断もつかなかった。また、眼球に通っている血管は焼け焦げた白目の部分からポタッ、ポタッと流れていた。下僕は左目を失明しながらさらに発狂していた。声は先程よりも大きくなり、そして痛々しい声に変わり隣控えていたもう1人の下僕も伝染するかのように「うわぁぁぁあ!」と嘔吐しながらその場から逃げ出そうとした。だが、もう1人の下僕の足は硬直し逃げ出そうとしても逃げ出せなかった。この状況はまさに生き地獄そのものだった。自分では逃げることが出来ないとを悟った下僕は「助けてぇぇ、助けてぇぇぇぇ!」と叫んだ。その様子を見ていたアルゾラはまた溜息をつくと、

「黙ってろや!ボケカス共がぁ!リーダーの迷惑じゃろがぁぁぁぁぁあ!ボケ!カス!ボケ!カス!ボケ!カス!ボケェェェェェエ!」

と顔の血管を浮かび上がらせながら地面に寝転がり必死に目を抑える下僕を先程のコンクリート同様に地面にめり込ませた。下僕は最後まで苦しみながら全身から血を吹き出させ息を引き取った。血で満たされたコンクリートの道はとても鮮やかであった。それを見たアルゾラはまたタバコを1本取りだし火をつけ再び一服を始めた。その様子を見たもう1人の下僕は恐怖に押しつぶされてしまい両手両足を地面について再び「うわぁぁぁあ!」と叫びながら小便を垂れ流していた。そして気絶寸前の下僕は足の自由を一瞬取り戻した。すると下僕はすぐさまその場を逃げ出した。逃げきれないとわかっていたがこれは必死に生にしがみつく人の姿であった。

「なんて哀れなんだろな〜」

一服していたアルゾラはそう呟いた。下僕は走り続けてアルゾラとの距離はおよそ100m離れた。息を切らし度々後ろを振り返る。アルゾラの姿を確認できなくなったことが分かると体力を回復するため地下水道の中を少しゆっくりめに歩いた。

「このまま行けば逃げ切れる……自白して自首しよう。そうすれば奴らも……」

そう呟くと前方からアルゾラとは違う足音がした。誰だ?と少し警戒しながら前方をまじまじと見つめるとそこには着物を着た1人の女が歩いてこちらへ向かってきた。カラン、コロン、カラン、コロン……殺気はなかった。「助けか?」と少し安堵した下僕の視線はいつの間にかその女の胸元にあった。

「えっ?……」

驚いた下僕は状況を理解するために頭をフル回転したが考えることすら出来なかった。何故だと思い下を向くとそこには血で汚れたコンクリートが目に入った。俺の前に居る女の血ではないことは理解出来た。じゃあ誰の……その瞬間全てを理解した。そして下僕は息を引き取った。

「偉いどすなぁ。あんさんは…でももう少し早く理解しなさらないと……。」

そう、逃亡していた下僕は彼女と会った瞬間、彼の体は頭と首下に切り分けられていた。そして彼の視線が女の胸元にあったのは切断された頭をその女が片手で持っていたからだ。

「血染まりしぃ〜地面は美し〜絵画かなぁ〜」

その場で作った俳句を1句読むと彼女は再びカラン、コロン、カラン、コロン……と音を立てて闇の奥へと消え去った。

 

 

 一服を終えたアルゾラは下水で満たされた水たまりにタバコを投げ込み、壁に手を当て

「我の意に答えよ、パージ。」

そう呟くと壁に魔法陣のような紋章が浮かび上がり壁が左右に分断されその奥には1本の道が広がっていた。

「さ〜て、会いに行きますか〜。」

再び独り言を呟くと、

「アルゾラはん、忘れ物どすよ。」

すると隣には先程逃げ出した下僕を倒した女が立っていた。彼女の手には逃げ出した下僕の頭があった。

「相変わらず怖いな〜颪《おろし》の姉さんはよ〜。」

アルゾラは颪という女を冷酷な目で見下ろし彼女の持っていた頭を後ろへ投げ捨て地面に着地した瞬間木っ端微塵になった。

「今日はなんの集まりどすか?アルゾラはん。ご存知になられるどすか?」

「う〜んとね〜今回はダンテが仕入れた情報についての〜会議らしいぜ〜。ちなみに〜ローネ様も来るらしい〜ぜ。」

「それは……結構な重要事項ってことどすな。」

アルゾラからの話に興奮した颪は天井を見上げて

「光指す〜正義の道は〜終焉に〜……どうですか?アルゾラはん。」

自分がうたった俳句に結構な自信があった颪はアルゾラに評価を求めた。するとアルゾラは少し考え込み、

「う〜ん、64点だな〜。」

「64点ですか?!もう〜アルゾラはんはイケズやなぁ。」

そんなこんなをしていると1本の道の終着地に着いた。そこは白をベースとした洋風の部屋だった。辺りを見渡すと壁にはマリゾアール教の神であるエリナス様の絵が飾られていた。他にも神託で必要とするような者がたくさん置いてあった。そして簡易的な祈りを捧げる場所も存在していた。ここでマリゾアール教について説明する。マリゾアール教とはこの世界に生きるほぼ全ての種族がが信仰する宗教である。1200前まではこのマリゾアール教とスタグフ教の2つが信仰されていたが、スタグフ教の神のケラがこの世界を滅ぼしかけたことにより廃教となった。よって、現在ではマリゾアール教の一教のみとされている。

「まさか〜ここでやるつもりか〜?さすがに〜大胆すぎだろ〜」

アルゾラがそう言うと、

「ごめんなさいね、アルゾラ。私とて、神託やら祈りやらとたくさんの行事がございますので……」

簡易的な祈りを捧げる場所に1人の女性が祈り捧げながらアルゾラに言った。それを見たアルゾラはすぐにその女性の前に従えた。もちろん、颪もだ。

「ローネ様。先程の私の愚な発言をお許しください。」

「許します。そしてアルゾラ、今私は……としてこの場にいるのです。ですので私のことは……」

そう言うとアルゾラ再び頭を深く下げて

「申し訳ありません。……様。」

その一言を聞くとローネは軽く頷いた。

「あっれれ〜アルゾラさん〜。また、……様に迷惑かけたんですかwwwもうこれで何回目だよ!」

アルゾラのことを笑いながらその場に入ってきた男は先程ルシに呼び出されていた職員だった。それも何も知らないとルシに伝えた……。彼を見てアルゾラは「ケッ…ま〜た、お前か」と呟きタバコを取りだし一服しだした。

「首尾はどうですか?ダンテさん。」

祈りを捧げていた女はダンテという職員にそう聞いた。

「う〜ん、まずまずですかね。とりあえず、イーセンダルトの学園長とは接触できたんで……まぁ我らが神を滅ぼしたと思われる奴は発見出来ました。確信がつくまで観察したいと思います。」

「わかりました、ダンテ。引き続きよろしくお願いしますね。」

「あっ、今はラッセルという名前で通っていますんで以後ラッセルとお呼びください。」

「わかりました、ラッセル。ということでいつもの儀式を始めましょう。」

その一言を聞いてその場にいたアルゾラと颪とダンテは自分の首に下げているネックレスを顔の前に取りだして、

「全ては神の名のもとに……そして我らが命を……」

と声を揃え祈りを捧げた。

 

 

  第六章 裏組織グルーデットビーナス  ー完ー  

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