女神様の御心のままに   作:テポドン

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 投稿が遅くなってしまい申し訳ございません。

 感想、評価を下さいました皆様、お礼申し上げます。

 ありがとうございます。

 オリジナル展開が多分に入っております。
 苦手な方は申し訳ございません。
 
 今話、約7000文字となっております。

 2022/08/22 自信に移動した病と毒の反応と対応を加筆致しました。


4話 敗戦

 

~~アストレアファミリア side~~

 

 団長が、都市最強(レベル6)の一角が人々を庇い、一帯で炸裂するはずだった爆発を一身に受けた。

 

 爆発が終わり、団長が地面に叩き付けられた。

 誰も爆発に巻き込まないよう空へ跳躍、視界を広げて【天秤(魔法)】の対象を極限まで増やした。

 

 サイズからして100以上もの人を対象としたのだろう。

 それが一斉に炸裂。圧倒的硬度を誇る団長でも一溜りもないだろう。

 

 「リオン!団長に回復魔法をかけに向かって!はやく!」

 

 アリーゼから指示が下った。

 しかし彼女は受け入れ難い現実に足がすくみ、動けないでいた。

 

「何をしている青二才!団長を殺す気か!?」

 

 輝夜から怒声があがる。

 

「わかっています……しかし体が動かない……」

 

 悔しい。情けない。負の感情がリュー・リオンを包む。

 

「っ……この、ポンコツがぁぁ!」

 

 輝夜から罵声が飛ぶ。

 団長の元へ半ば引きずられるように連れていかれる。

 

 爆発という手段を失った闇派閥(イヴィルス)は次々に【ガネーシャファミリア】の手によって無力化されて行く。

 

 地面に倒れ伏す団長を視認し、更にスピードを上げて団長の元に向かおうとした。

 しかし既に先客がいた。闇派閥(イヴィルス)だ。

 

 十数人が剣を持ち、口々に【星乙女の天秤(アストライア)】の首級を上げろと叫んでいる。

 

 アストレアファミリアの面々は止めろと叫び、一様に駆け出す。先程まで意気消沈していたリューまでもが闇派閥(イヴィルス)を止めようと向かう。アリーゼを除いて。

 

「止まって」

 

 アストレアファミリア副団長のアリーゼから止まるよう指示が下る。

 皆止まり、何故だと怪訝な表情で叫ぶ。

 

「あの闇派閥(イヴィルス)は死ぬわ。何が起きたかわからないまま…苦しんで。」

 

「団長が何故私たちの星屑の庭(拠点)で、睡眠を取らないのか知ってる?」

 

「起きているときは発動しないようにしているけれど、意識を落とすと【スキル】が強制的に発動してしまう。そうすると私たちを巻き込んでしまうからよ。」

 

「……あの人のスキルは周囲の存在を許さない。生命力も魔力も果てるまで喰らい尽くす。

 それももの凄い速さで喰らう…」

 

「そして自身の糧にしてしまう。本人曰くレベル5以上になれば体が怠いくらいで済むらしいけど、私たちはガリガリ削られてしまうわ。」

 

「何より皆ごめんなさい。………今さっきまでその事を忘れていたわ。」

 

 ふざけんなぁぁぁ!一同大噴火。それはそうだろう。助けようと思って近づいたら死にましただなんて笑えない。

 

 揃ってアリーゼに掴みかかる。

 えへへ。と笑うアリーゼ。

 すると団長の周りにいた闇派閥(イヴィルス)が胸を押さえて一斉に倒れた。

 

「可哀想だけれど仕方ないわ。あの状態の団長を回復出来るのはロキファミリアの【九魔姫(ナインヘル)】くらいよ。」 

 

「さて、団長はもう大丈夫!私たちも闇派閥(イヴィルス)の無力化にま……!?」

 

 笑顔から一転、顔を蒼くして言葉を止め、振り返る。

 

「━━━━━アストレア様が危ない!!」

 

 一同が焦るアリーゼを見て動揺する。

 

「理由、わかんない。でも直感!

 アストレア様に危険が迫ってる!━━━探さなきゃ!」

 

 アリーゼの焦りが【ファミリア】の面々に伝播する。

 

 

「━━━━━━何だと?」

 

 団長が起き上がった。

 

 瞬間移動と見紛うほどの高速移動。

 

「詳しく聞こう。」

 

~~アストレアファミリア side out~~

 

~~テオ side~~

 

 俺の周りに闇派閥(イヴィルス)の連中が倒れている。死んではいないが虫の息と言った所だろう。

 スキルが勝手に発動して食ってしまったのだろう。

 

 それはそうと聞き捨てならない話が聞こえてきて、目を覚ましてしまった。

 発信源は目の前の女性たち。

 

 よく見るとアストレアファミリア(うち)の子達ではないか。

 詳しく聞かなければならない。

 

 アリーゼたちにアストレア様が危険だと聞いた。

 こうしてはいられない。急ぎあの方の元に参らねばならない。

 

「リュー、肋骨が折れてしまっている。回復魔法をかけてくれないか?」

 

 はい。とどこか元気のない返事。

 

「どうした?元気がないじゃないか。何かあったのか?」

 

 いえ。と一言だけ漏らして回復魔法をかけてくれる。

 どうするべきだろうか。空気が重い。話題がない。

 突如ピンときた。一つだけあった。

 

「リューの(アーディ)は無事だよ。俺が代わったからね。」

 

 彼女は伏せていた目を見開きこちらに向ける。

 

「優しい子だ。小さな子を受け入れてあげようとしていた。相手は爆弾を抱え込んでいるにも関わらず」

 

「きっとあの子が倒れたとしても(リュー)が、(シャクティさん)が自分の正義を『繋いでくれる』。『途絶えさせないでくれる。』そう信じているから出来る行動だ。」

 

「正義を繋ぐ。途絶えさせない。良い正義だと思わないか?

 さてと、回復ありがとう。」

 

「全員よくやった!だが、もう少し踏ん張ってくれ。爆弾持ちは周囲にはいないだろうが、武装しているものはいるはずだ。奴等の凶刃から一人でも多く人々を守ってくれ!」

 

「「「「「「「「了解!」」」」」」」」

 

「ありがとう。俺はアストレア様の元へ急ぎ向かう。アリーゼ、あとは頼んだぞ。」

 

 そう残してあの方の元へ駆け出した。

 

 

 

━━━━いた。

 

 アストレア様は神ヘルメスと一緒におられた。

 

「アストレア様!!」

 

「御身の元への参上が遅れてしまい、申し訳ございません。

 ご無事でございましょうか?」

 

 片膝を突き、跪く。

 そして立つよう促され、ここに来た経緯を聞かれた。

 

「はい。アリーゼがアストレア様の危険を察知したらしく急ぎ参りました次第でございます。

 彼女たちは死傷者が出ないよう、よく動いてくれました。

 私は……不甲斐ない限りではございますが、担当エリアの闇派閥(イヴィルス)が所持していた爆弾を天秤(魔法)にて一斉回収したのですが、爆発してしまい数分ほど寝ておりました。」

 

 ━━━━ゆったりとした拍手が暗闇から聞こえた。

 

 アストレア様を背にして槍を構える。

 蠢く闇を睨み付ける。

 

「我が身を顧みず、挺身し続けた正義の女神。」

 

「故に見つけるのに時間がかかってしまった。」

 

「正義を司る君だけは真っ先に葬り、この地を混沌に染めたかったんだが━━━━」

 

 ………何だと?

 

見事素敵最高(コングラッチュレーションズ)、アストレア。」

 

「君自身の勇断と、そして眷族に感謝しろ。」

 

「そして、見届け……「『様』を付けろ貴様ァァァ!」

 

 闇に向けて槍を投擲した。━━━━━━

 

 闇からかつん、かつんと去っていく足音が聞こえる。

 

「待ちやがれ!ぶち殺してやる!アストレア様を葬るだと!?その前に貴様を葬ってくれるわ!」

 

 もう一本の槍を構えて吶喊(とっかん)する。

 しかし既に何もなかった。

 

「申し訳ございません。逃がしました。」

 ご許可をいただければすぐにでも追走致しますが。」

 

「許可しま……「いや、待つんだテオ君。」

 

「神ヘルメス。貴方には聞いておりません。あとアストレア様の言葉を遮らないでいたきだたい。神に対して不敬が過ぎます。」

 

「僕も神なんだが……」

 

 

━━━━直後、地面が揺れた。

 

 揺れと同時に天へ昇る光の柱━━━━━『神の送還』

 

 一つ、二つ、三つ……次々と昇って行く。

 

 神の恩恵(ファルナ)を失った冒険者の叫び声が遠くから聞こえてくる。

 

 四つ、五つ、六つ……止まらない。

 

 悲鳴が、下卑た嗤いが、木霊する。

 

 七つ、八つ、九つ

 

 【神の一斉送還】である。

 

 これは不味い。冒険者が蹂躙される。こちらの士気が最底辺まで落ち、奴等の活気が最高まで上がってしまう。

 

 断ち切らねばならない。

 流れを持っていかせない。

 

 チッと舌打ちをしてしまった。

 アストレア様の御前だというにも関わらず。

 

 冷静になるよう自分自身に語りかける。

 

 一斉送還から少しして地下世界の神、エレボスと名乗る邪神が都市全体に向けて語り始めた。

 

 ━━━━脆き者よ、汝の名は『正義』なり。

 

 ━━━━滅べ、オラリオ。

 

 ━━━━我等こそが『絶対悪』!!

 

「……アストレア様。御身の前から離れる不敬をお許しく下さい。」

 

「テオ?何をするつもり?」

 

「このままでは全てを持っていかれてしまいます。

 なのでここで一矢報いて参ります。

 まだ折れていない。絶対悪とやらに立ち向かうものも居るのだという証明をして参ります。」

 

「君は一人であの中心部へ向かうつもりか!?止めておくんだ、無駄死にするだけだぞ!?」

 

「貴方は私の主神ではない。故に貴方の命に従う義理もない。」

 

「それではアストレア様、神ヘルメス。行って参ります。」

 

 家屋の屋根の上に跳び、屋根伝いに駆け出す。

 同時に並行詠唱を開始する。

 

 【親弟(あい)を滅する我が身の原罪】

 

 【失墜する平穏、虚無の大地、愚者の慟哭】

 

 【神の降誕、有翼(ゆうよく)への憧憬、星の慈悲、己の全てを賭して祈れ】

 

 【天賦(てんぷ)に愛されし恩寵者よ。星に殉ずる者と成り此処に示せ】

 

 【喰らい滅ぼせ。神愛(あい)に報いて万物を無に帰せ】

 

 【穿て、星幽界】

 

 【星幽界の一撃(アストラル・スマイト)】!!

 

 

 狙うは邪神エレボス。その中心に配置する闇派閥(イヴィルス)たち。

 好き勝手やった罪を精算してもらう!

 『正義』は屈しない!

 ━━━━━放つ。

 

 直撃。━━━━━しなかった。

 

 

 魂の平穏(アタラクシア)

 

 直撃間際に銀髪の女性が空へ跳び、魔法を消し飛ばした。

 

 やはり、いた。

 地面に降り立ち、向かい合う。

 

「お初にお目にかかります神エレボス。

 そしてご無沙汰しております。アルフィアさん、ザルドさん。ついでに闇派閥(イヴィルス)の有象無象ども。」

 

「お二人は俺のこと覚えていらっしゃいますか?十年くらい前から貴殿方に何度も挑んだ愚かな痩せ餓鬼です。」

 

「大きくなったな。だが、愚かなところは昔と全く変わっていないようだ。一人でこのような咽ぶような嵐の中心部へ突っ込んでくるとは。」

 

 答えてくれたのはアルフィアさんだ。

 ザルドさんはこちらを睥睨しているだけ。

 

「俺も男の子なので、勇者とか英雄とか憧れるんですよ。なので━━━━冒険、してみようと思いましてね?」

 

「お二人にはお手数なのですが、俺の冒険に少し付き合っていただきたいんですよ。」

 

「なのでお二人とも構えて下さい。」

 

「今日一番の雑音だ。」

 

「俺は出んぞ。弱者(レベル6)をレベル7二人で(なぶ)る趣味などない。」

 

「……では、強制的に巻き込ませていただきますよ!」

 

 一矢報いるために此処に来たというのに何故か楽しくなってきた。

 今、俺はどんな表情をしているだろうか?

 

 ライバル(オッタル)にザルドさんを譲ったはずだったが此処にいないならどうでも良い。二人とも俺が貰う。

 

 俺も強くなったつもりだ。今の俺がこの二人に何処までやれるか楽しみで仕方ない。

 様子見をするつもりはない開始から全力で行く。

 

「【星生異端(スキル)】、発動。」

 

 対象はザルドさん、アルフィアさん、そして闇派閥(イヴィルス)ども。

 

 発動と同時に闇派閥(イヴィルス)どもが呻き声が上がる。

 何が起きているかも理解できず、生き永らえようと回復を試みる闇派閥(イヴィルス)ども。

 

 それでいい。奴等が回復し続ければ、俺も回復し続ける。

 これで準備は整った。

 

 改めて二人を見る。

 そして視界に写ったのは汗を滲ます強者(ザルド・アルフィア)

 何の冗談だ?

 

 以前、オッタルにふざけて使ったときは気持ち悪いから止めろと言われて殴られた。

 レベル6に使った場合は相手に違和感を与える程度で汗を滲ますなんてことはなかった。

 

 では、目の前にいる相手は?

 レベル7だ。俺たちが至れていない、高みの存在だ。

 それが何故苦しんでいる?

 聞かねばならない。このまま削り続けて勝つなんて冒険じゃあない。危険を冒してこそだ。

 

「……先輩方は体に何を抱え込んでるんですか?

 いや違うな。━━━何故そこまで弱くなられたのですか?」

 

 

「……何のことだ?」

 

 アルフィアさんから言葉が帰ってくるが、声音がどこか苦しそうだ。

 二人にだけ(・・)スキルを解除して再度問いかける。

 

「二人揃って仲良く病にでも侵されましたか?

 体力があまりにも無い。

 そんなお二人を倒したところで冒険にはなり得ない。」

 

「話してください。お二人の体を侵して、俺の冒険を邪魔するものを。」

 

 少しの沈黙のあとアルフィアさんが答えてくれた。

 

「……私は病、ザルドは呪いだ。

 それも只の病、呪いではない。

 不治の病、そしてベヒーモスの毒だ。」

 

 なるほど。

 だが、その程度取り払ってやる。

 俺の冒険を邪魔するには足り得ない。

 

「それで?死に往くのみ身体に鞭打って悪役として出張って来た理由はなんですか?

 俺らの踏み台にでもなりに来たんですか?

 貴方たちがいなくなってから8年の間、いつになっても貴方たちを越えられない俺たちに痺れでも切らしましか?」

 

「それとアルフィアさん。貴女は妹のメーテリアさんがいましたよね?

 こんな悪事に加担してたらあの人が悲しみますよ?」

 

「私に説教を垂れるな小僧。

 メーテリアは死んだよ。子を残してな。」

 

「…え?あの、そのごめんなさい。」

 

 気まずくなってしまった。

 とりあえず二人の病と呪いを取っ払って経験値(エクセリア)をいただこう。

 

 「弱い貴殿方なんて俺が認めない。

 故に今から使う魔法に抵抗しないで下さい。」

 

 

 【生者の仇篝(あだかがり)、死者の怨嗟(えんさ)

 【堕落を憂い、豊穣(ほうじょう)を想う】

 【正義の威光、秩序の安寧、其が(くだ)るは女神の法】

 【我は執行者、(いづる)は天秤】

 【其の罪を以て此処に顕現(おろ)す】

 【告げる】

 

 【星乙女の天秤(アストライア)

 

 「アルフィアさんから病を、ザルドさんからベヒーモスの毒を没収します。」

 

 ━━━━しかし、弱っているとはいえ、相手は俺よりレベルが上。

 抵抗している様子も無いのに取りきれない。

 

 やはり同じレベルにならなければ完治(没収)は出来ないか。

 現状取れるだけ取って天秤を消す。

 

 さて、レベル7を苦しめる病に毒を俺に没収(移動)した。これからその苦痛が俺を襲う。

 どれ程のものなのだろうか?あの二人を弱らせてしまう程の病と毒。さあ━━かかってこい。

 

 ━━━(おびただ)しい程の血を吐く。堪らず膝を突く。今も闇派閥(イヴィルス)の有象無象どもから生命力を吸収しているのに回復がまるで間に合っていない。

 

 朦朧としてくる意識の中、自身に【消滅】の付与魔法(エンチャント)を施す。

 消す。消す。消す。体内を蠢く病を毒を只管(ひたすら)に消す。

 

 なるほど、これは弱くなるわけだ。

 寧ろ、これ程のものを抱え込んでいる状態で、あの佇まい。

 尊敬を通り越して恐怖すら感じる。

 病や毒にはある程度の耐性があるという自負があったが膝を突き、倒れ伏す寸前だ。

 

 闇派閥(イヴィルス)ども早く生命力を供給してくれ。

 血を吐いておいて今更だが、二人の前で弱っている姿は見せられない。

 毅然とした態度を取ろう。

 

「……ふう。どうですか?治りきってはいないと思いますが、体が軽くなったとかありませんか?」

 

 二人とも自身の体を見つめている。

 

「……敵に塩を送って、一体どういうつもりだ?」

 

 アルフィアさんが口火を切る。

 どういうつもりと言われても……

 

「言ったでしょう。冒険をすると。

 そのために付き合ってくれと。」

 

「病だとか、毒だとかに俺の冒険を邪魔されるのは許せない。

 わかってくれましたか?時間が経つにつれて戦う雰囲気じゃなくなってくるんでさっさと構えて下さい。」

 

「「く……はははははは!」」

 

 二人揃って笑い始めた。

 

「アルフィア!やはり俺がいかせて貰おう!」

 

「いや、私がやる。」

 

「いや、俺だ。」「私だ。」

 

 俺だ私だを繰り返している。

 仲が良いことだ。

 

「決まらんな、仕方ない二人でやるか。」

 

「今回のところはそうしておこう。」

 

「「稽古をつけてやる。構えろ小僧。」」

 

 槍を構えて二人に向かって突撃した。

 

 そして━━━━━

 

 

 

━━━━━━━━━負けました。

 

 アルフィアさんの【福音(ゴスペル)】を食らって、ザルドさんの剣戟を食らってを繰り返した。

 何度も反撃もしたが、快復といかないまでも、それなりに復調した二人の耐久は抜くことが出来ず、最終的に吹っ飛ばされた隙に逃げられてしまった。

 

 遠目から見れば、善戦していたように見えたのではないだろうか?

 正直、都市最強(オッタル・テオ)両名が敗北したことで都市全体の雰囲気は悪い。

 

 しかし、たった一人で何百にも及ぶ集団に果敢に挑んだ為なのか、人々の目はまだ死んではいなかった。

 

 市民からは役立たず等の言葉を投げ掛けられることもあるが、中には勇気を貰った等、ありがたい言葉をかけてくれる人もいた。

 

 現在俺はアストレアファミリアの拠点にいる。

 アストレア様も、【アストレアファミリア】の面々も取り繕ってはいるが、時折暗い表情を見せる。

 

 都市の為に挑んだ戦い……結局は自分の為に戦っていたが……は負け。

 そのせいで要らぬ心配を与え、冒険者の士気を下げ、闇派閥(イヴィルス)の士気を上げることとなってしまった。

 

 それにしてもファミリア内のこの空気、とても耐え難い。仕方ないことなのだが嫌だ。それっぽいことを言いつつ、我が儘を言おう。

 

「アストレア様申し訳ございません。口調を崩させていただきます。」

 

 アストレア様は突然どうしたのだろうと、少し戸惑いを見せる。

 アストレア様、団員の皆が視界に入るところまで移動して話を始める。

 

「みんな、昨夜は心配をかけさせてしまって申し訳ない。

 昨夜の一件で心に決めたことがある。

 もう俺は誰にも負けない。

 あまねく邪悪から皆を守る。

 皆を不幸にさせない。

 幸せにしてみせる。

 だから皆には笑顔でいて欲しい。

 どうだろう?こんな俺の我が儘を聞いては貰えないだろうか?」

 

 皆、唖然としている。

 

「テオ、それは(愛の)告白かしら?」

 

「?…そうですね。(皆を守る)告白ですね。」

 

「それは私にも向けられたものなのかしら?」

 

「当然でございます。寧ろ一番と言っても過言ではございません。」

 

「まあ!そうなのね?嬉しいわ。」

 

 両頬を掌に沿えて、眉尻を下げ笑っていらっしゃる。

 先程の問答の意図はわからないが笑ってくださった。

 それだけで俺には十分だ。

 

「「「「不埒者!」」」」

 

 ……団員たちには怒られてしまった。

 

 

 




 
 読んで下さった皆様。ありがとうございます。

 主人公とオッタルには、7割回復したザルドさんとアルフィアさんに戦ってもらいます。

 また、4話を作るに当たってわかったことがございます。
 私、シリアスな表現苦手でございます。
 なのでこの4話以降、シリアスな展開になりそうになったら主人公がその空気を壊しに動かします。

 戦闘描写に関しましては書くか書くまいか迷いましたが、私の文才では酷いことになりそうでしたので、今回は書かず、色々な小説の戦闘描写を読んで、今作に自分なりに落とし込みたいと考えております。

 物足りないと感じられた方、申し訳ございません。

 今は許していただけると幸いでございます。

 今後も精一杯制作して参ります。
 よろしくお願い申し上げます。
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