女神様の御心のままに   作:テポドン

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 お世話になっております。
 読んでくださっている皆様、ありがとうございます。

 始めに、投稿が遅れてしまい申し訳ありません。
 寝落ちしておりました。

 今回もパート分けです。
 次話でこのパートも最後となります。
 


7話 決戦 part2

 

福音(ゴスペル)

消滅(エリミネーション)

 

 両名の魔法が激突しては弾ける。

 観戦をする形となった【アストレアファミリア】の面々に不可視の魔法を視認する術はない。

 

 魔法名を発した後、発生する耳を塞ぎたくなるような轟音、辺りの塵を巻き込み吹き荒れる、目を覆いたくなるような風のみがお互いの魔法の威力を物語っている。

 

 魔法の応襲。

 両者片手に武器を携え徐々に距離を詰める。一方は穂は銀、口金から石突に至るまでが白の槍。もう一方は飾り気はないが確かな威圧感を放つ、黒色のナイフ。

 

 両者の得物の衝突。

 先程の魔法の応襲とも引けを取らない衝撃。

 

「あの二人、魔導士だよな……

 なのに何で前衛みたいに動けるんだ…」

 

 それもただの前衛ではない。第一級冒険者(レベル5)ですら太刀打ち出来ないであろう膂力。

 改めて理解する理不尽。

 

 彼女たちでは突くことが出来なかった『音』と『鎧』切り替わりを突いていく。

 一瞬の隙すら許されない攻防を繰り広げていく。

 今のところ青年がやや優勢。

 

 

 ──────と、思われていた。

 

「【福音(ゴスペル)】」

 

 何度も魔法名を連呼して執拗に音の砲撃を浴びせる。

 七度目の魔法を放った直後…

 

「──────っっが!?」

 

 魔法に対して絶対とも言えるような優位を取ることが出来る彼が魔法を受けて仰け反る(・・・・)

 

「……なん……だと!?」

 

 テオは驚愕した。

 これまでこの付与魔法(エンチャント)の鎧を魔法で抜かれたことなど一度もない。

 故に絶対の信頼があった。

 

 だが、鎧を撃ち抜かれた。

 相手はレベル7、舐めてなんかいない。

 しかし、油断していた。何故か?相手が魔導士だからだ。

 

「……【付与魔法(エンチャント)】」

 

 すかさず『鎧』を着け直す。

 内心焦燥感に駆られているが、態度には出してはいないつもりだ。

 

「先日の戦闘その時から感じてはいたが、硬いな。

 だが、破れる事はわかった。」

 

「さて、戦いを再開するとしよう。

 おや…?どうかしたのか?汗をかいているぞ?」

 

「…先日は手を抜いてたんですか?」

 

「質問に質問で返すな。

 自分の絶対と思っていた力を破られて臆したか?

 絶望でもしたか?」

 

「あまり私を失望させるなよ?

 この程度のことで貴様は折れるのか?」

 

「折れたのなら疾く去ね。

 全く……情けない。」

 

「─────舐めるなよ。

 この程度で俺が折れるわけがないでしょう。」

 

 笑う。嗤う。笑って己を鼓舞する。

 

「俺も男なんで可愛い後輩達がいる前でみっともない姿は見せられないんですよ。」

 

「改めて言ってやりますよ。

 舐めるな。ここから面白くなるんですよっ!」

 

 以前も使った技だが距離を【消滅()】す。

 同時に姿も【消滅()】す。

 気配も【消滅()】す。

 音も【消滅()】す。

 

 自身の魔法の利点を全て使う。

 虚空からの無音の攻撃を放つ。

 

「────くっ!?

 気配も音も消すか……」

 

「先日の反省を活かしたことは褒めてやろう。

 だがな、レベル7()を舐めるなよ?」

 

「……ここだ。」

 

 不可視の攻撃に対応された。

 ただのまぐれだと決めつけて何度も攻めるが避けられる。

 一体どういう絡繰りだと思考を巡らせる。

 

「団長!その女の魔法だ!

 魔法の残響、揺らぎで把握されている!」

 

 ライラから助言される。

 

「やはり厄介な小人族(パルゥム)だ。

 そこの小娘の言う通りだぞ。

 いくら小僧が何もかもを消したからと言って存在が消えるわけがない。」

 

「存在が消えないと言うことは、見えないだけでいるということだ。

 動けば空気は揺れる。

 ただそれだけのことだ。」

 

 どうすれば良い?

 

「何だ小僧。万策尽きたか?

 なら先程の小人族(パルゥム)の娘のように私からも助言をしてやろう。」

 

「─────本気を出せ。」

 

「その腹の中に抱えてる(おびただ)しいほどの『雑音』を吐き出せ。」

 

「多対一なら貴様のスキルでほぼ無敵の状態になれるだろうが一対一なら貴様に勝機はないぞ?」

 

 アルフィアの言葉に対して、苦虫を噛み潰したように睨み付ける。

 

「そう睨むな。

 それとも本気になれない理由でもあるのか?」

 

 何も言えない。唯々睨み付けるだけしか出来ない。

 

「沈黙は肯定と受け取るぞ。

 原因は仲間か?それとも制約でもあるのか?」

 

「ふむ……

 ───ものは試しだ。

 手始めに小僧の仲間を一人、物言わぬ屍に変えよう。」

 

 彼女から許容できない発言が飛ぶ。

 

「やめろ!!!

 ……やめてくれ。」

 

 【アストレアファミリア】の団員達はテオのこんなにも弱々しい姿を初めて見た。

 彼の情けない姿なんてものは何度も見てきた。

 アストレア様絡みになるとわりと泣くし、最年長なのに子供みたいなことを言う。

 

 しかし、戦闘においてはそんなことはなかった。

 常に先陣を切って、数々の敵を屠って味方を鼓舞し続けてきた。

 

 そんな彼が今、敵の前で下を向いて懇願している。

 

 彼女達は一様に思った。

 それほどまでに私達は貴方の足枷になっているのかと。

 そんな姿は見たくない。

 そんなことなら一層のこと私達なんか見捨てて、目の前の敵を倒して欲しい。

 

「団長の足枷になっているならいっそ─────「違う!!!」───っ!」

 

「アルフィアさん。

 団員(かぞく)は本当に関係ないんです。

 先程言った制約。それが当たりです。」

 

「ほう?ではその制約はどう解く?」

 

「言っておくが次代の英雄を、黒竜を打倒しうる一を作り出すためなら私は何でもするぞ?」

 

「……ここで解除することは不可能──「いいえ、可能よ?」──え?」

 

 声がした方に振り返ると女神アストレアがいた。

 ここはダンジョンの18階層。

 かの女神が危険に晒されることを何よりも嫌う彼からしてみればあってはならない事実。

 

 事実存在を確認してから彼は、何故?何故?と壊れたように繰り返している。

 

 そんな彼の心情は理解しているが居ても立ってもいられず来てしまった。と言うのはオフレコである。

 

「アルフィアさん。

 最終確認なのだけれど

 ──────本当にこの子の本気を引き出したいの?」

 

「無論だ。神アストレア。

 このままでは『失望』のあまり何をしてしまうか私でもわからん。」

 

「……それがあまりにも絶望的な光景だったとしても見たいと言うのね?」

 

「くどいぞ。神アストレア。」

 

「そう…ごめんなさいね。

 何度も質問をしてしまって。」

 

「わかったわ。

 貴女の望みを叶えてあげます。

 ─────テオいらっしゃい。」

 

「はい。」

 

 二つ返事で神アストレアの元へ歩むテオ。

 かの神の前に立つと片膝を突き頭を垂れる。

 

 神が彼の頭に手をかざす。

 

『貴方の力の解放を許可します。』

 

 神の力(アルカナム)ではない。

 神の力(アルカナム)ではないが、畏怖の念を団員達は抱く。

 

『人々の明日のために、敗北も逃走も許しません。

 巨悪を打倒し、勝利を我が元へ差し出しなさい。

 星の子よ、帰還を果たしなさい。

 幾千、幾万となって帰還を果たしなさい。』

 

 

女神様(アストレア様)の御心のままに。」

 

 

 儀式ともでも言うような行為の後、テオはアルフィアの方へ向き直る。

 自身の元から離れていく彼の後ろ姿を見て、行ってらっしゃいと呟く。

 

「アルフィアさん、お待たせしてしまい申し訳ありません。

 これから望み通り本気でお相手させていただきます。」

 

「そして……どうか、彼らのことをよろしくお願いします」

 

 彼は腹に手を当て、頭を下げる。

 

 

「では、参ります。」

 

「【スキル発動】」

 

 

「【星生異端(テオ・テス・カトル) 超過(オーバーフロー)】」

 

 

 





 約3000字です。
 いつもの半分なので凄く短く感じます。

 次話は今日の仕事が終わり次第制作に取り掛かります。
 今日中にあげたいなとは思っているのですが、明日になると思います。

 いつもは前書きに記載するのですが、今回は後書きに記載させていただきます。
 感想、評価、お気に入り登録をしてくださいました皆様誠にありがとうございます。

主人公はチートと言っても過言ではないか?

  • チートである。やり過ぎなくらい。
  • チートではある。だか、まだいける。
  • 足りない。アストレア様を不幸にするのか?
  • レベル1。
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