Ver2.00 2022/11/29
常人ならば、視界内に入れるだけで命を削られるほどの憎悪を振りまく影。超能力者の三人と古き血族の姫子は
判定:《正気度》ロール(1/1d10)
榊凛太郎 《正気度》63 → 91 失敗
秋本楓 《正気度》58 → 54 成功(SAN58→57)
判定:《正気度》減少(1d10)
榊凛太郎 1d10 → 9(SAN63→54)
判定:《アイデア》ロール
榊凛太郎《アイデア》60 → 60 成功 一時的狂気 発症
判定:《正気度》ロール(0/1d4)
榊凛太郎 《正気度》54 → 07 成功
秋本楓 《正気度》57 → 54 成功
「ッ!? …に、にげ……逃げないと…!」
その殺気は歴戦の猛者である凛太郎すらも狂気に堕とすほどのもの。まるで死人みたいな青褪めた顔をする凛太郎の退路を塞ぐように、影の振りまく憎悪を耐え抜いた楓が仁王立ちする。
「お仕事です!」
「そ、そうですけど……! ……あ、あの……うぅ……」
「これで、正気に戻ってください!」
技能:【安らぎ】
秋本楓 :MP 12- 6= 6
心の底から蒼白になる凛太郎の頬を春の日差しのように柔らかい風が頬を撫でる。その身に【安らぎ】の風を浴びた凛太郎は、恐怖に染められた頭がクリアになっていくのを感じていた。これ以上、情けないところを見せるわけにはいかないと歯を食いしばる。
一時的狂気に陥った凛太郎が正気を取り戻せたのは【安らぎ】という超能力の御蔭である。仲間全体の
この超能力により凛太郎は発狂状態から解放されたものの、憎悪を振りまく影は視界に入れるだけで正気度を奪うような怪物である。長期戦になれば、正気度減少に耐性のない二人はまた狂気に堕ちることになるだろう。
ならば、
「狙うは短期決戦…それなら! 姫子!!」
「おう! やるぜ! 大悟!」
高火力で一気に押し切る! 大悟と姫子は、互いのイメージを交差させる。
「「【大破壊】!!」」
技能:【大破壊】
九条大悟 :MP消費無し
小鳥遊姫子:MP消費無し
技能:【古き血族】
小鳥遊姫子:SAN86- 1=85
連携技能【大破壊】。神の権能の一端である【破壊】を更に強化した超極大全体攻撃。大悟と姫子のLvとINTが高いとより高火力になる【破壊】の衝撃は、合計Lv60と合計INT36の超補正を受けて、【大破壊】の名に恥じぬ途轍も無い破壊の嵐を巻き起こす。
それは、並大抵の存在は群れごと消し飛ばすほどの破壊の奔流だ。その衝撃の全てを一個の個体に集束させたのだから、その破壊力が想像を絶するものになるのは言うまでもない。
「アァアアァア、アァアアアァア――ッ!」
と言うのに、【大破壊】を受けたはずの憎悪を振りまく影は未だに健在だった。身に纏う着物の幾分かは傷付いているものの、肝心の本体は大してダメージを受けているようには見えない。
その事実に驚愕する大悟達の精神を蝕もうと、憎悪を振りまく影は耳障りな金切り声を上げる。
判定:《正気度》ロール(0/1d4)
榊凛太郎 《正気度》54 → 24 成功
秋本楓 《正気度》57 → 44 成功
技能:【超能力】
秋本楓 :MP 6+ 1= 7
「アアアア、アァアッ!!!」
精神汚染を耐え抜いた大悟達に憎悪を振りまく影が次に解き放つのは【魔炎の術】。闇の入り混じる神聖なる炎は、天を衝く炎の柱となり大悟達へと襲いかかる。この炎を受け止めたとしても命を落とすことはないだろうが、少なくないダメージを受けることになるだろう。
それ故に、この攻撃を受けるわけにはいかない。事務所の回復要員である礼子が不在の状況で大ダメージを負うのは、それこそ仲間の死に繋がりかねない。
「【煉獄】!!」
技能:【煉獄】
榊凛太郎 :MP 12- 6= 6
炎には炎を。先程、醜態を晒した凛太郎が汚名を返上しようと【煉獄】の炎を解き放つ。本来は全体攻撃である【煉獄】を半球状に集束・展開することで、視界を覆い尽くすほどの魔性の炎から身を護るための防壁を作り上げる。
火力自体は【魔炎の術】の方が高いものの、【煉獄】の防壁を食い破るほどではない。圧縮された【煉獄】の炎は、津波の如く押し寄せる魔性の炎を逆に食い荒らす。
「姫子さん! やりましょう!」
「おう! 殴り飛ばすぞ!」
「「【疾風怒濤】!!」」
技能:【疾風怒濤】
秋本楓 :MP 7- 4= 3
小鳥遊姫子:MP 21- 4=17
技能:【古き血族】
小鳥遊姫子:SAN85- 1=84
二人の少女が【疾風】を身に纏うと同時に【煉獄】の防壁の外に飛び出した。その身に纏う【疾風】が魔炎の壁を切り裂き、憎悪を振りまく影の喉元に拳を届かせる。【疾風怒濤】の連携攻撃は憎悪を振りまく影の胴体を打ち抜き、建物の壁に叩きつけた。
「【光輪】!」
技能:【光輪】
九条大悟 :MP 14- 4=10
技能:【銀の兆し】
九条大悟 :MP 10+ 1=11
憎悪を振りまく影が硬直した一瞬の隙を逃さずに凛太郎が写真を撮る横で、大悟は右手の先に高速回転するリング状のエネルギー体を作り出す。そのエネルギー体は次第に大きくなり、遂には最初に現れたものより二回りは大きいサイズに変化した。
そのエネルギー体の名称は【光輪】。大悟は【光輪】を頭の後ろまで振り被ると、金切り声を上げながら起き上がろうとする憎悪を振りまく影に向けて投げつけた。
「はぁっ!」
投げられた【光輪】は丸鋸のように回転しながら憎悪を振りまく影の下に向かっていく。真っ直ぐに突き進んだ【光輪】は憎悪を振りまく影の首をスパッと斬り裂いた。宙に舞った憎悪を振りまく影の首は、重力に引かれるままに落ちていき――
「んなっ!?」
何事もなかったかのように胴体側の断面とピッタリとくっついた。海底神殿で死闘を繰り広げた旧支配者も触手を再生したりしたが、ここまで理不尽な回復能力は持っていなかった。邪神らしい並外れた防御力と耐久力で攻撃を受け止めるのみだった。
一方、憎悪を振りまく影にはそもそも攻撃が通じていない。攻撃した直後には肉体の損傷が完全に回復している。それこそ、確実に消滅するような攻撃を受けたとしても、だ。
単純な力押しでは倒せないタイプの異形であるのをその場の全員が察していた。或いは、以前対峙した『シロオトコ』という怪異のように、本体をどうにかしないとどうしようもない類の存在であるのは間違いないだろう。
なるほど、他の徘徊者とは一線を画す力を持つ”影”とは言ったものである。目の前にいる異形の正体は、文字通り、本体であるナニカの姿を投影したものなのだろう。
恐らくは、本体からの供給が続く限り憎悪を振りまく影を完全に倒すことは不可能だ。時間をかければ影の維持をできないほどに本体を削り取ることができるかもしれないが、時間のない現状ではそれほどの長期戦をするわけにはいかない。
つまり、正攻法以外の方法で憎悪を振りまく影をこの場から退散させる必要がある。数秒の間にそこまで思考を纏めた大悟だが、それ以上の思考を許すほど”影”は甘い存在ではなかった。
「アァアアアア、アァアァァッ!!」
判定:《正気度》ロール(0/1d4)
榊凛太郎 《正気度》54 → 7 成功
秋本楓 《正気度》57 → 86 失敗
判定:《正気度》減少(1d4)
秋本楓 1d4 → 3(SAN57→54)
技能:【超能力】
榊凛太郎 :MP 6+ 1= 7
秋本楓 :MP 3+ 1= 4
技能:【銀の兆し】
九条大悟 :MP 11+ 1=12
技能:【光を継ぐもの】
九条大悟 :MP 12+ 2=14
技能:【古き血族】
小鳥遊姫子:MP 17+ 2=19
憎悪を振りまく影の左右背後に出現したのは無数の火球だ。その数こそ多くはないものの、火球の一つ一つが【紅蓮】以上の高温と威力を秘めている。凛太郎は、憎悪を振りまく影の行使した術の正体に心当たりがあった。
――否。
心当たりがある、等という程度で済むようなものではない。その術を凛太郎自身も行使することができた。大悟との連携技能、という形で。
「【焦熱】!?」
その名を【焦熱の術】。無数の火球が雨霰の如く降り注ぐ。全身にチカラを巡らせることで、降り注ぐ火球の衝撃を耐えるものの、それだけでは火傷までは防ぐことができない。改めて火傷無効機能を持つ【ボディアーマー】の存在に感謝する。
大悟達が身に纏う【ボディアーマー】は防護性能に優れたセラミック製の防具であり、守備力を3上昇させる防御性能と、出血と火傷を完全に防ぐ機能を併せ持つ。この出血及び火傷の無効機能はなぜか肌の露出している部分にも働いている。
因みに、この【ボディアーマー】は烏丸超常探偵事務所と協力関係にある研究所【DIFFERENT DIMENSION LABORATORY】、通称【D・D・L】が開発したものである。
D・D・Lでは超常現象を三次元より上の次元、高次元からの干渉によって発生しているものとして研究を進めており、その研究内容の一つに【デバイス】というものがある。
物を合成する素材があれば、理論上は何でも生成することができる。そんな夢のような
降り注ぐ火球を両腕のプロテクターで受け止める姫子はその幼い美貌を苦痛に歪めながらも、共に【焦熱の術】を受け止める仲間達に大きな声で指示を出した。
「…おまえら! 少しでいい! アイツの動きを止めろ!」
「え?」
「分かりました!」
凛太郎が困惑するのとは裏腹に、楓は迷いなく鞄の中から古いカメラを取り出した。
使用すると強い光を放ち、徘徊者の目を眩ませることで一時的に足止めすることができる。如何に憎悪を振りまく影が規格外の力を持つ存在だとしても、この回廊の中で誕生した徘徊者の一個体であることに変わりはない。ならば!
「輝け、フラッシュ!」
技能【撮影術】を持たない楓だが、事務所の一員として異形の写真を撮ってきた経験はある。ただフラッシュを当てるのはそれほど難しいことではなく、
その代償に、古いカメラは自らの役割は終わったとでも言うように崩れ去ってしまう。パラパラと細い砂状に崩れ落ちた古いカメラは、楓の足元に小さな砂の山を生み出した。
「【Extinction】!!」
呪文:【Extinction】
小鳥遊姫子:MP 19- 5=14
SAN84- 5=79
姫子の行使した【Extinction】は異界文書に記された大いなる呪文の一つだ。古の時代に書かれた大いなる魔術書【異界文書】には暗黒の呪文が記されている。その中で【Extinction】は対象1体を別の次元に消し去る呪文である。
その過程は次の通りである。まず、右掌に集約した時空エネルギーを光線状の衝撃波にして射ち出す。これで標的の動きを封じると同時に、その背後に微小ブラックホールを出現させる。その中に吸い込まれた存在は次元の狭間に送り込まれた上で超重力により圧殺されて、そのまま跡形も無く
但し、この呪文には明確な欠点が存在している。その欠点とは、一定以上の力を持つ存在には通用しないという点だ。微小ブラックホールの効果範囲がそれほど広くはないため、時空エネルギーによる拘束を振り払える存在には意味を成さないのである。
また、旧支配者のように単独で時空を渡る能力の持ち主にも効果はない。次元の狭間から自力で帰還することが可能であるからだ。
本来ならば、前者の基準に当て嵌まる憎悪を振りまく影には【Extinction】は通用しない。それ故に、姫子は一工夫を加えることにした。それが【Extinction】を発動すると同時に投げられた手鏡である。空間転移、門の機能を有する手鏡を合わせることで、憎悪を振りまく影を強引に追放する。
鏡の砕け散る音と共に視界を光が覆い尽くし、憎悪を振りまく影を回廊の彼方に消し去った。
「…やったか…?」
「大悟さん、ダメですって……!」
「おう。この世界の外縁まで飛ばしたからしばらくは戻ってこれないだろうよ」
「よっしゃー!!」
「フラグは折るものです!」
戦闘終了。憎悪を振りまく影から生き延びた大悟達は一段と成長した。具体的には、恐怖を乗り越えた大悟達はLvが1上がり、人の体が馴染んだ姫子もまたLv31になった。
同時に、心身共に成長したことで削れていた四人の精神がほんの僅かにだが正気を取り戻す。
結果:経験値
九条大悟 :Lv30 → 31
榊凛太郎 :Lv30 → 31
秋本楓 :Lv30 → 31
小鳥遊姫子:Lv30 → 31
結果:Lv上昇
九条大悟 :SAN64 → 65
榊凛太郎 :SAN54 → 55
秋本楓 :SAN54 → 55
小鳥遊姫子:SAN79 → 80
『本当に、あの影を退けるなんて……あなたたちは本当に凄い人ですね』
「あっ、黒猫さん!」
憎悪を振りまく影を退けた大悟達の前に先程の黒猫が再び姿を見せた。四人の背後から飛び出してきた黒猫は、本当に驚きました、と素直な感想を口にする。実際、憎悪を振りまく影の性質は非常に厄介だったので、黒猫がそう思うのも無理はない。
『深淵の中は私が案内します。まずは大勾玉を回収して、それから彼の下に向かいましょう』
そう告げると、黒猫は目の前の屋敷の中に飛び込んでいく。少しくらいは休ませてほしい、という気持ちは無くはないものの、そんな時間が無いことは大悟達も理解していたので、黒猫の後を追うように屋敷の…深淵の中に足を踏み入れた。
憎悪を振りまく影
悍ましい殺気
ターン開始時 0/1d4の強制《正気度》ロール。
この能力による正気度減少に慣れのシステムは適応されません。
魔炎の術
1ターンの詠唱後、敵全体を呪いの炎で攻撃する。火傷効果・呪い効果。
焦熱の術
敵全体を火炎で攻撃する。火傷効果。
九条大悟
Lv 31
HP 50/50
MP 14/14
SAN 65/65
榊凛太郎
Lv 31
HP 48/48
MP 7/12
SAN 55/65
秋本楓
Lv 31
HP 48/48
MP 4/12
SAN 55/60
小鳥遊姫子
Lv 31
HP 48/48
MP 14/21
SAN 80/90
所持品
・混沌の神楽鈴×5
・金色の鍵×3
・ひかり石×18
・爆竹×2
・古いカメラ×1
・コンパス
・勾玉×2
・特別な勾玉×1