幼馴染がキャンプを始めるらしい。   作:ひーらぎ@1341

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ほぼ原作まんまやん。消そ…と思った時にはかなり書き進めてしまっていたので投稿します


二話

 

「…誰もいない」

 

 部室棟へと走り、野外活動サークルの扉を開いた…んだけど、とっても狭い。主に横幅が。うなぎの寝床かな?

 

 中に入ると、余計に狭さが気になる。…壁の圧力がすごい。

 

 棚のようになっている場所には、薪や松ぼっくり。なぜか大量のツナ缶が入っていた。中を物色していると、がらがらと扉が開いた。

 

「……」

 

 わたしをじーっと見つめる女の子がいた。

 

「え、えっと、わたしはっ……」

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ、空き巣じゃないんか」

 

 座布団を敷いて座るメガネの女の子と、棚の上に座るサイドテールの女の子が私を見る。サークルに入るため、入部動機などをとりあえず伝える。

 

「なるほど…本栖湖で行き倒れていたところ、謎のキャンプ少女とカッコいいお兄さんに助けられたと」

 

「はい!!!」

 

「あーでもウチ、部員募集してないんだよね」

 

「えっ!?」

 

 そ、そんなぁ…私のまったりアウトドア計画が…登山部は嫌だし…うぅ…

 

 沈んでいると、二人がコソコソ話をしていた。そして、メガネの子が私の肩を掴んで、真っ直ぐ目を見つめて言った。

 

「君のような逸材を待っていたのだよ」

 

 後ろの子は少し呆れていたが、私は浮かれて気付かなかった。

 

「私、各務原なでしこっ! よろしくねー!」

 

「私は犬山あおい、こっちのが大垣千明や。よろしゅうなぁ」

 

 やった…私のアウトドアデビューの第一歩だ!

 

「野クルへようこそー!」

 

「わーい」

 

 野クル…良いね! 私は野クルの一員だぁー!

 

「あだっ」

 

「ヴっ…」

 

 あおいちゃんと千明ちゃんが狭い部屋内ではしゃいだせいで、腕や足がぶつかり合う。あきちゃんは鳩尾に足が入ったようで、すごく痛そうだ。

 

「ふ…ふふ、なぁに、こんな狭い部室とはもうおさらばだ…! それに、我々の活動場所は外だからなっ!」

 

 千明ちゃんがバッグから体操服を取り出し、ジャージに着替え始めたため、私も着替えることにした。

 

 

 

「ねぇ、普段はどんなことしてるの?」

 

「校内の落ち葉とか枝で焚き火してコーヒー沸かしとるよ」

 

 校庭の並木の下を見ても、落ち葉などはなく冷たい風が吹き抜けるばかりだ。

 

「落ち葉…ないよ?」

 

「昨日やったからな。……ふ、ふふふ…待っていろっ! とっておきのものを持ってきてやるっ!」

 

 千明ちゃんは部室へと走り去った。あおいちゃんをチラリと見るも、さぁ、と首を傾げるばかりであった。

 

「ねぇ、あおいちゃん。そういえばさっき、狭い部室とはおさらばだーって千明ちゃんが言ってたけど、そうなの?」

 

「あぁ、それ? 今は野外活動サークル、略して野クルやけど、四人以上になったら部として認められるんよ。そうなったら部室が貰えるかもしれんよって話や」

 

 四人…私と、あおいちゃんと、千明ちゃん……あれ、後一人は? 指を折りながら数えるも、やはり3人だ。

 

「あぁ、もう一人の子は今日はおらんのよ。ほら、あっちの…」

 

「おーいっ! もってきたぞぉっ!」

 

 あおいちゃんが運動部のいるグラウンドを指差した瞬間、千明ちゃんが何かを抱えて戻ってきた。

 

「道具は使ってなんぼだからなっ…本物のテントだぞっ!」

 

「て、テントっ!」

 

 私の意識は、完全にテントに釘付けになった。やはり、アウトドアと言ったらテント。テントがなければキャンプはできない。

 

「それ、夏休みにキャンプしようと注文したら、9月に届いた激安テントやないの」

 

「げ、げきやす…」

 

「…しょ、しょうがないだろぉ!? 他のやつは3万とか4万とか、学生の財布をなんだと思ってるんだよぉ!!」

 

 さ…さんまんえん…! そ、それは買えないや…。キャンプって、お金かかるんだねぇ…

 

 テントを立てるべく、中庭へと向かった。キャンプ気分を味わうため、がんばろう。

 

 

 


 

 

 

 

「助けに行かなくていーの?」

 

「……いいよ、別に」

 

 あいつ…ここの生徒だったのか。

 

 本栖湖で出会った逞しい少女が、まさか同じ学校の生徒だったとは。見つかったら面倒なことになりそうだ。

 

 なでしこ…だったか。別れ際に渡された電話番号の紙の下に名前が書いてあったのを思い出す。電話帳の登録もその名前だ。

 確か野外活動サークルの奴らと一緒にテントを立てて遊んでいる。そこで、ポールがばきっと無慈悲にも折れた。

 

「あれってもう買い替えなの?」

 

「ん…まぁ、メーカーに送って修理かな。あとは、小さいパイプみたいなのがあれば修理できなくはない」

 

「それって、こういうの?」

 

 私の友人…というか、腐れ縁の斉藤が、なぜかピンポイントに私が言ったものを取り出した。いや、ご都合主義かよ。

 

「…じゃ、私が行ってくるねー」

 

 私の行きたくないオーラを察したのか、パイプを持って外へいく斉藤。

 

 

 外でワイワイと賑わう斉藤たち。…何か嫌な気がする。

 そしてその予感は的中し、斉藤が私を指差した。何と言っているかはわからないが、大体は見当がつく。なでしこ、にも見つかった。

 

 そしておそらく、私がいる図書室へと走り出したであろうなでしこ。

 

 こうなりそうだったから嫌だったんだよな…

 

 

 …そういえば、あの時会ったお兄さん。なんだろう、どこかであったような気がしていたが、さっきのなでしこを見たらよりその考えが強くなってきた。

 まさかこの学校…はないか、流石に。大学生ぐらいかな。

 

 

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