超昂どうでしょう【超昂大戦二次創作SS・不定期連載】 作:環 藍河
【前枠】
こんばんは、超昂どうでしょうです。
日本一長いバレンタインと銘打ち、白羽の矢が立ったのはグータラのじゃロリ・白蛇ののの。
カカオを植えるため温泉裏地を開墾、さらにチョコパイを焼く石窯まで作るハメになり。
闇堕ちしたのののは激甘パイ片手に、司令室やNAUに自爆テロをお見舞い(未遂?)したところまで、前編でお届けしました。
さあ、ホントに石窯だけ作って終わりなのか、そんなわけがない続編、スタートです。
2023年2月23日(木・祝)16:21
閂市郊外 旅館併設の工芸室
《皆さんお疲れ様です。》
クラリスさんのリモートナビで始まった、レンガづくり。
《こちらのお宿では、手作り体験ブースを用意しているんです。電気窯でお皿も焼けるんですよ。》
陶芸。
《それではご登場、自ら土地を耕し樹を植え、石窯まで作ってしまう伝説のショコラティエ、ビートアミュレット・ノノノさんですっ!》
「おだてれば喜ぶとでも思うたか…」
(ノノノちゃんっ、もうひとがんばりですっ! ふんすっ!)
作務衣に着替えたノノノと、引き続き着ぐるみのルビーちゃん(中はクルル)、そして…。
「でゅふふふふふ~~っ! イイっ! イイわっ!!!
いぶし銀の和装とロリータのギャップっ!
イエスっ、眼福よお~っ!!」
…やはりブレないニコール。
《皆さんには先ほど、午前中の開墾でわんさか出てきた粘土をミキサーに投入していただきました。
今回は石窯用の耐火レンガですので、ボーキサイトや酸化マグネシウムなどの耐熱素材も混ぜました。あとは真空プレス成形機でじゃんじゃかレンガができあがりますので、皆さんは片っ端から電気窯に並べてくださいね。》
「でゅふふっ、リーマちゃんの、ノノノちゃんの、クルルちゃんのためなら~っ!」
二コールはこういうとき百人力。
(ぴい…ぴいっ…)
ルビーちゃんがたどたどしくも、懸命にレンガを窯へ並べる。
ぺたくた。ぺたくた。
…ノノノ、サボって何か作ってる。
「これも焼いてもらおうかの。」
《(『ぶっ!』)》
ノノノが繰り出した粘土人形は…ねんどろいどルビーちゃん人形と…?
「主さまじゃ。」
丸めた顔に逆立たせた髪の毛を貼って、麺棒で延ばして作ったベルトを頭に巻き巻き。
《か…顔だけ、ですか?》
「何じゃクラリス、頭だけでは不満か?」
そう言うとノノノさん、余った粘土を円柱状にこね、端をつまんで手足を作り。
「ほれっ。」
がすん。
上から先ほどの頭を叩きつけて、トキサダ・パイルダーオン。
《ず…ずいぶん簡単に作りますねえ。トキサダさんの胴体…》
「何ならサテラを呼ぶのじゃ。粘土なら潤沢にあるでのう。
主さまとルビーちゃんのガーディアン(火炎魔法耐性つき)を量産して最前線に投入し、コマンダーどもを震え上がらせてやるのじゃ…!」
クソダサベルト太郎と。
ルビーちゃんのゴーレム軍団が。
無表情で敵を蹂躙する…?
《やめてくださいっ! トキサダさんもルビーちゃんも、ダイビートのイメージを背負ってるんですよっ!》
クラリスが青ざめた。
《…って、ノノノさん、そちらは…?》
「チョコパイを載せる皿じゃ。ろくろで手びねりで作ったぞい。」
《そ…その規格外サイズがですかあっ!?》(ぴいいいっ!?)
ノノノが両手を目一杯広げてやっと持てるほどの…直径はゆうに1m越え。
「名付けて『世紀末パイ革命・大恋愛大皿』…乞うご期待、なのじゃ。」
《ノノノさん…「大」が2回かぶってますよ…?》
(クラリスさんっ、すべてのレンガ、電気窯へのセットが完了したのです! ふんすっ!)
《あっ、ルビーちゃん、ニコールさん、お疲れ様でした。あとはこの窯で、1200度で3日かけて焼き上げれば耐熱レンガの完成です。できたら積み上げてコンクリートで固めて、粘土で隙間を埋めれば石窯も完成ですよ。》
「そ…そんなに高温じゃったのかっ!?」
1200度。
「主さま…ルビーちゃん…我は三日後、また来るからのう。
この煉獄で…1200度の業火に三日三晩その身をやつした主さまたちは、この宿の道祖神として祀られるのじゃ…。
しあさってが楽しみなのじゃ…。」
《ま…まだ闇墜ちしてますねえ…》
(ぴい…)
「でゅふっ…?」
2023年2月26日(日)8:21
閂市郊外 旅館裏手 遊休地
《さあ、あれから3日が経ちました。
リーマちゃんのカカオ豆熟成も進んでいるところですが、その前に今日は石窯づくりです。》
クラリスは今日もリモート。
NAU経理執行役員として多忙だからなのか、復讐鬼のののからの逃避なのか…?
【経緯は前編をお読み下さい(ステマ)】
《改めてお呼びしましょう。大地を耕し、土から石窯も作ってしまう、伝説のショコラティエ・ノノノちゃんです!》
「…今日はチョコは無いのじゃろ?」
のののさん、朝からご立腹。
《いえいえ、リーマちゃんのカカオ豆は発酵が間に合いませんが、窯の出来具合を確かめるため、チョコパイの材料は準備済みなんです。もちろん試食オーケーですよ?》
「な…何とおおおおっ! それを早く言わぬかああああっ!!」
(くすっ…単純ですね、のののさんは。)
《さらに今回も、お手伝いはこの方たち。ニコールさんに、ルビーちゃんです!》
ぱーぱぱぱっぱっ、ぱぱっぱっ、じゃん!
「ぴい…っ…」
(?)
「ああ~ん、中の見えるルビーちゃんも、やっぱりイイっ!
イエスロリータ、イエスクルルちゃんっ!」
作務衣のルビーちゃん…と言うよりクルルさん(顔面の光学的防御力ゼロ)。
「ク…クルルっ、着ぐるみは何としたのじゃあっ!?」
「…日曜日で、子どもふれあいイベントの営業に…」
《今朝は河川清掃のボランティアに持っていきました。
こちらのルビーちゃんには、今日は頭のお面(認識阻害つき)でお願いします。》
「ぴえええええ~っ!! クラリスさあ〜ん!」
…人見知りクルルに、容赦ない仕打ちであった。
「それでは石窯のレンガ積み…の前に、ノノノさんが作ったお皿と、お人形さんを確認しましょう。」
かぶせてあるシートを、順番に引き上げていく。
世紀末パイ革命・大恋愛大皿は…
思いの外、素焼きできれいに焼けた。
「おおおおおっ!? 我は陶芸家の才能もあるのかのう?!」
(旅館で準備した土を、勝手に使ってましたからね…)
続いて、ねんどろいどルビーちゃん…
「!?」(ぴいっ!?)
首の後ろ…ちょうどADDDを装着するところが破裂。
「さ…最終決戦じゃあるまいに…!」
「縁起が悪いのです…!」
《ノノノさん…人形用の粘土、ちゃんと菊練りしましたか?》
「き…菊、練り?」
《中に空気が入ったままだと、焼き窯の中で爆発しちゃうんですよ。》
陶芸の土は、下準備で粘土をねじりながら押し潰し、空気を抜く。
すると粘土に菊の花の模様がつくので、菊練りと呼ばれる。
「そ…そんなこと、我は知らぬのじゃあっ!」
…はっ。
「ぬ…主さまの、人形は…?」
がばっ。
「ぎゃあああああああああっ!?」
(ぴいいいいいいいいいいっ!!)
「でゅふうううううううっ!!!」
カバーの下のトキサダは。
スナイパーにヘッドショットされたかのように。
頭がベルトごと、焼成中に爆発。
「ぶははははははははっ!! はあーーーっ!!
と…トキサダがっ、脳みそ爆発してっ、
クソダサベルト爆裂太郎さんにっ、なってりゅ~っ!!!」
トキサダ、爆死。
「はひいいいっ、でゅふっ、でゅふう~~っ!!」
笑い転げる二コーラを横目に、神妙な面持ちのノノノ。
「主さま…、我は主さまを決して忘れぬ…。
主さまの分まで生きて、チョコも存分に食べて、全力でぐうたら楽しんで生きるゆえ…
どうか安らかに眠るのじゃぞ…
決して祟るでないぞ…。」
ノノノさん(トキサダ狙撃犯)合掌。
ありがとう、トキサダ。
すべての超昂戦士は、貴方を決して忘れない。
《さ…さあ、気を取り直して、レンガ積みを始めましょう。》
…
……
石窯作りは、思いの外順調に進んだ。
窯出しレンガは二コーラのパワーで同時大量搬送。
さらに、今日は着ぐるみナシのルビーちゃんの慎重さと器用さで、手早く石窯が組み上がっていく。
ノノノはチョコパイの下ごしらえ。
ただし、主につまみ食いで、ちんたら。
最後に粘土で隙間を塞ぎ、石窯完成。
《それでは薪をくべて、石窯でチョコパイを焼きましょう!
改めてご紹介。トキサダさんの死を越えて、今日もパイ生地と格闘する!
炎のショコラティエ・ビートアミュレット・ノノノさんです!》
「…げふっ。」
げふっ?
「我はもう十分チョコを食したのじゃ。
自分で食べないチョコパイなど、わざわざ我は作らんのじゃ。
チョコは存分に砕いておいたゆえ、あとはルビーちゃんとニコールで好きなだけ焼くのじゃ。」
石窯横の冷蔵庫にあったとおぼしき、パイチョコを。
世紀末パイ革命大恋愛大皿(直径1m)にありったけ載せたパイチョコを。
おそらく20個以上はあった、パイチョコが。
ノノノがチョコパイ用に砕いた…おそらく2〜3個分を除き、あとはノノノの胃袋へ。
目視できるのは今や2個のみ。
(…あれっ?)
《ノノノさん…そのチョコパイ…じゃなくて、ホワイトチョコ…どこで…?》
「何じゃ? もともと冷蔵庫に入っておったぞ。」
《あの…今日の窯用のチョコは…
旅館の厨房の冷蔵庫で保管してるんですが…?》
「我はそんなところ、行っておらんぞ?」
…つまり。
《ノノノさん…、そのチョコ…どんな形でしたか…?》
「おう、中華まん型じゃったな。
手のひらでわしづかみできるサイズで、てっぺんにイチゴチョコが乗っておったぞ。
そう言えばこの前、主さまがコレと同じチョコを2個、胸にぼいんぼいん乗っけてはしゃいで、ユーノを笑わせておったのう! ぬははははっ!」
おっ…パイ、チョコ…!!!
《お…落ち着き、ましょう…。
アレは魔女にしか、効果が無かったはず…!?》
「ぴえええええええええっ!!!」
《っ!?》
「やあやあ、ダイビート代表マスコット・ルビーちゃーーんっ!!
誰もが和むお主の活動、実に見事っ!
しかああーーーしっ!
我とてダイビートの愛されキュート巫女・ご存じ、ビートアミュレット・ノノノなのじゃあ!!
キャラ被り、許すまじ! よってここにい、おっ…パイチョコ早食い対決をお、申し込むうっ!!」
「ぴいいっ! そっ…ソレっ、この前ニル様もニコールさんも食べたヤツっ…!!」
のののさん、壊れる。
(お…おかしいのじゃ…!
チョコが我の全身をほとばしって…!
ルビーちゃんに…ズキズキ、どぎまぎ…!)
…(おっ)パイチョコ。
それはエリートコマンダーが完成させた、魔女に催淫効果をもたらし、そして今年のバレンタインシーズンをカオスに叩き落とした、禁断の甘味。
《ノノノさああああんっ! あなた、それを食べた由雅がどうなったか、見ていたでしょおおおっ!?》
「わ…我は食べるところは見ておらぬっ! あのときのおっ・パイチョコが、こんな形じゃということもっ、未だこんなところに残っているともっ…思わなかったのじゃああああっ!!」
《そ…ソウデスヨネ〜…》
(…ぴっ?)(でゅふっ?)
クラリスさん、トーンダウン。
(リ…リーマに毒抜きしてもらおうって…
旅館に持って行って…
温室横の冷蔵庫に入れたままでした…!)
…そもそも、おっ・パイチョコを爆買いしてしまい、魔女に広めてしまったのがクラリス。
そのまま捨てるには危険なため、カカオ豆の発酵に付きっきりのリーマを頼り、持ち込んで保管中のおっ・パイチョコが生んだ、惨劇であった。
「のう〜、ルビーちゃん、ええじゃろ、ええじゃろ? 今宵は我ととことん、腹を割って話そうぞ〜!?」
「ぴいいいいっ! ノノノちゃんっ、ダメですうっ、チョコ食べ過ぎですよおおおおっ!!」
「ああ~んっ、ノノノちゅわん、何でワタシに勧めてくれないのおおおおっ!?
ノノノちゃんのチョコだったらっ! たとえまた魅了されようともっ!
何度だってはぐはぐちゅばちゅばしゃぶしゃぶしてっ!
ノノノちゃんごとhshsくんかくんかずびずびしてっ!
喜んで食べちゃうのにい~~~っ!!!」
…本日の石窯試験運用・断念。
【後枠】
さあ、中編をお届けしました。いかがでしたか?
原作「超昂大戦」本編のバレンタインも黄色いエリートコマンダーさんにお見舞いされましたが、二次創作のこちらも、負けずに大概でしたよ。
さあそれでは次回、いよいよチョコパイを焼きます!
「待て待て待てえーーーいっ!」
(?)
「作者ーーっ!
お前っ、前回『前後編』って書いてたろう?」
…次回! 完結篇ですっ!
「また見切り発車で、終わりどころを読み違えたんだろっ!? 何とか言えっ!」
…もうちょっとだけ続くんじゃ。
【制作著作 超昂どうでしょう制作委員会】