闇に生き光に奉仕する男の話   作:ダレン シャン

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この話しは3人が共同生活をしていたときのお話です。



自分の誕生日の話

 

「HAPPY Birthday~~!!!ハチぃ~!!」

 

俺が家に帰り、リビングの扉を開いたところで、一足先に帰っていた千束とたきなが迎え入れてくれる。

たきなはクラッカーを鳴らせていた。

そうだ。今日は俺の誕生日だった、すっかり忘れていた。

部屋の中も飾りつけがされていてすっかり変わってしまっていたがまぁ、今回ばかりは良いだろう。

 

「よく覚えてたな、俺の誕生日なんて。」

 

「何言ってんのぉ、毎年お祝いしてるのに忘れるわけないじゃ~ん。今日はたきなと一緒にケーキも作ったの!ほら見て!」

 

そう言われて、テーブルの上を見てみると俺の好きな苺のショートケーキが既に準備されていた。

中々の出来映えだ。

 

「スゴいじゃん!これ作ったの?!店で出せるレベルじゃないか?!これ。」

 

「スゴいだろぉ!まぁ、ほとんどたきなが作ったんだけどね。」

 

「それは知ってる。お前はこのクオリティのものを作れないからな。」

 

「なっんだと~~!!」

 

「まぁなんだ、嬉しいよ。本当にありがとな。たきなも。」

 

素直にお礼を言うとふたりは照れてしまった。

 

「ほら、ハチは今日の主役なんだから席に座って!今日は、他にも料理を準備してるんだから!」

 

俺が席に着くと千束とたきなで次々と料理が並べられていく。

食べきれるか、コレ?

準備が全て完了し千束とたきなも椅子に座る。

 

「それじゃあ!改めて!ハチ!誕生日おめでとぅ~!!」

 

「おめでとうございます、ハチさん。」

 

「ありがとう。ふたりとも。」

 

「はぁい!では~早速ですが!プレゼントがあります!」

 

そう言って千束は自分の後ろからちょっと大きめのラッピングされた袋を渡してくる。

 

「今年はなんだ?」

 

「いいから、いいから、開けてみなよ。」

 

千束から催促されたので袋を開けるとワンショルダーのボディバックが入っていた。

 

「ほんとはもっとハチにお洒落に気を遣ってほしかったからネックレスとかのアクセサリーにしたかったんだけど、ハチってそう言うの苦手じゃん。だからバックにしてみた、実用的だしね。」

 

「いいじゃん!デザインも良いし、ってかこれ革じゃん!高かっただろ?」

 

「まぁ、日頃の感謝の意味も込めてってことで。」

 

俺はバックを肩にかける。

うん、サイズ感もバッチリだ。

そんな時にたきなが申し訳なさそうに言う。

 

「すみません、ハチさん。わたしも把握しておけば良かったんですが、先日、千束に今日がハチさんの誕生日だと言うことを教えてもらって、プレゼントが用意できなくて・・・」

 

「いいよ、いいよ。ケーキも作ってくれたんだから充分だって!というかこれ(ケーキ)旨いな。店で出せるぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

そう、フォローを入れるとたきなにも笑顔が戻る。

 

そうして俺たちは千束とたきなが作ってくれた料理を楽しんだ。

 

一息ついたところで俺は気になったことを聞く。

 

「そういえば、たきなの誕生日っていつなんだ?リコリスってDAに登録された日が誕生日になるんだろ?」

 

「私もたきなの誕生日知らなぁい。ねぇ、いつ?たきなの誕生日もお祝いしようよ!」

 

「そうですね、わたしのは今月の2日でした。」

 

ん?でした(・・・)?今月の?2日?

俺と千束は同時に壁にかかったカレンダーを確認する。

今日は俺の誕生日。ということは8月30日。そして、たきなはさっき今月の2日といった。

ということは・・・・。

 

「「いや!過ぎてんじゃん!!!」」

 

「そうですね。」

 

「いや、「そうですね。」じゃなくて、何で言ってくれなかったの?!」

 

「だって。「今日はわたしの誕生日です。」って言うの変じゃないですか?」

 

「いや確かにちょっと変だけども!聞かなかった俺たちも悪かったけども!言ってくれても良かったんじゃないか?!」

 

「そうですか?次からは、善処します。」

 

「たきなの誕生日が過ぎてしまったのはしょうがない。」

 

「そうだねぇ。でも、プレゼントぐらいは渡したいよ。」

 

「そんな、別にいいですよ。気にしませんから。」

 

「ダメだ!自分の誕生日は祝ってもらって逆に祝わないなんて都合が良すぎる!」

 

「そうだよ!せめて、プレゼントぐらいはさせてよ。」

 

「そうだ。何か欲しいものはないか?」

 

そう聞くとたきなは少し考える素振りをみせる。

 

「・・・・・・・・世界平和?」

 

ガンディーか?おのれは?

 

「いやたきな、もうちょっとこう?何かないの?ほら!アクセサリーとか、小物とかさぁ。」

 

「ないですね。そんなに詳しいわけでもないので。」

 

困ったなぁ、たきなの好きそうなものというと・・・。

 

「銃の手入れ道具とか?」

 

「ダメだよ、ハチ。そんなの女の子にプレゼントするものじゃないよ。」

 

「だよなぁ。」

 

「でもちょっと欲しいかもです。それ(手入れ道具)。」

 

「ダメダメ!ぜぇたいダメ!」

 

結局この場では結論が出なかったが、後日千束と相談し、少しお高い化粧品とそれを入れるポーチをプレゼントした。

 

 

__________

 

翌日、朝早くから俺達は部屋の飾りつけを片付ける。

いつまでもこうしているわけにもいかないからな。

しかし、毎回思うがこういう飾りつけを片付ける時は寂しいものがある。

 

今日も店の営業があるため現在時刻を確認しようと愛用の懐中時計で確認すると、まだ時間には余裕があるようだ。

そんな時、たきなが話しかけてくる。

 

「懐中時計ですか?珍しいですね。」

 

「ん?あぁ、そうだな。俺は基本、仕事の時は腕にリストブレードを着けるから物理的に腕時計がつけられないんだ。」

 

たきなは「なるほど。」と言うとそこに千束も混ざってくる。

 

「ずっと持ってるよね、それ。使ってくれるのは嬉しい限りだけど。」

 

「千束があげたんですか?」

 

「うん。ハチと出会ってから初めての誕生日プレゼントで先生と一緒にあげたんだ。」

 

「手巻き式のやつで定期的に巻いてるんだけど、最近たまに止まっちゃうんだよなぁ。」

 

「もう10年くらい経ってるからね。寿命かな?もしかして、新しい時計の方が良かった?」

 

「あ~、いや、大丈夫。」

 

「「?」」

 

「これが良いんだ。」

 

俺はそういい、銀色の懐中時計の蓋を閉めポケットに入れる。

 

 

 

 

 

 

 





オリ主君の懐中時計の蓋の裏にはある写真が貼ってあります。
何の写真が貼ってあるんでしょうね?




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