東京 とある場所にて
食事を済ませた私に姫蒲君がグラスにワインを注いでくれた。
「ありがとう、美味しかったよ姫蒲君。君はコックの才能があるよ。」
「調理の道を選んでいたら機関は支援しましたか?」
そんな彼女の問いに少し笑いながら答えた。
「選ぶ?ふっ、機関が支援する才能は神、先駆者のギフトだ。選ぶことなど出来ない。」
「先駆者?」
姫蒲君は疑問に思ったワードを口にするが私は答えるつもりはない。説明するにしても長くなってしまうからね。
「生まれながらに役割が示されている。」
「人生の意味を探す必要はありませんね。」
「そうだ。幸福なことだ。」
私がそう言うと、姫蒲君は私が頼んだ仕事の準備をし始めた。
そんな彼女にワインを傾けながら忠告する。
「千束の扱いは丁重にな。」
「状況しだいです。もし、任務中に彼が割り込んできたらお約束出来ません。」
「史八・・・か。大丈夫。彼はじきにここへたどり着く。彼がここに来てから千束に接触するといい。そうすれば、邪魔されることはないだろう。」
「何故、彼がここに来ると分かるので?それに、彼はこの場所を知らない筈では?」
「来るさ、彼は。」
ぬるま湯に長く浸かりすぎていたとしても人の本質はそう簡単には変わらない。
私には、もうすぐ彼がここに来ることに確信があった。
「
姫蒲君が退室し、私は独り言のように呟く。
「あのふたりに、あんなところでいつまでもままごとをさせてるわけにはいかんのだ。」
__________
喫茶リコリコ
「へい!お待ち!!」
千束がそう言いながらテーブルの上に千束自身が最近発案した、「千束スペシャルエレガントパフェ」が置かれる。
値段1200円。ぶっちゃけた話しをするとこのパフェには色んな材料を使っているため注文を受けたところであまり、収益はない。
ただでさえ最近は赤字続きなのに!
常連の伊藤さんは千束の接客にツッコミをいれる。
「千束ちゃん、飲み屋じゃないんだからぁ。」
「おっ!昼から飲めるのかい?」
「ありますよぉ~。ミズキの飲みかけが。」
「阿部さん、勤務中。」
そんな阿部さんの返しに阿部さんの部下であろう人物が嗜める。
北村さんは、「今日のもすごいねぇ。」と感想をいっている。
「千束Specialだからぁ~。北村さんも食べますぅ?」
スペシャルなのは良いが店の利益のことも考えてほしいものだ。
そんなことを千束が言うと他の常連さんからも「食べたい。」との声が上がる。
「はい!スペシャル一丁、二丁、三丁!!」
そんな光景をたきなと共にカウンター裏で眺めていると千束から声がかかった。
「ハチ!たきな!スペシャル3つだよぉ!」
「ハチさん、マズイです。このままでは。」
「あぁ、マズイ。非常にマズイ。」
「え?」
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本日の営業終了後、座敷にリコリコメンバー全員が集合しパソコンの画面に映っている収支表を見ているが完全に赤字だった。
「やっぱ、変わらず赤字か。むしろ悪くなってる。」
「依頼から得たお金を合算してもこれです。銃弾や仕事の移動にかかる経費はどうしてるんですか?」
わたしの質問にはミズキさんが答えてくれた。
「DAからの支援金があるのよぉ。千束のリコリス活動費って名目。」
「完っ全に足出てますよね?」
ミズキさんは千束に指差しながら強めに言った。
「こぉ~いつが、高い弾をやたら撃つからよ!」
「あのパフェもな。」
クルミからの援護射撃も入り、千束はハチさんも自分と同じように射撃対象にしようとする。
「ハチだって先生の弾使ってるじゃん!私のせいだけじゃないよ!」
「俺は出来るだけ非殺傷弾は使わないように心がけている。お前みたいにばかすか撃たん。」
「そういえば、そうですね。ハチさんってあまり銃弾で無力化するよりも体術で敵を無力化してる印象が強いです。」
「ん?あぁ、ゴム弾って以外と作るのに金がかかるし千束が無駄に撃つから俺が少しでも節約しないとと思ってな。」
「新メニューもハチさんは費用対効果のことも考えてくれてます。」
だからといってあそこまで悩む必要はないと思うが、ハチさんにとってここはそれほど大切な場所なのか?
「正直、千束のあのパフェはいただけん。」
「独立してると言いながら、お金はDAに頼っていたと。」
「うぅ~、楠木さんみたいなことをぉ~。」
今この現状、自分の味方がいないことが分かったのか千束は苦笑いするしかないようだった。
なんとかこの現状を打破しようと思いわたしはメンバー全員の前で宣言した。
「分かりました。以後、私がリコリコの経理をします!!!」
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昨日の突然の宣言通り、翌日からたきなは行動し始めた。
仕事の際は、千束に無駄弾を使わないように注意し、現場も荒らしすぎるとクリーナー代がかかることを再認識させるが、
「クリーナー代は俺が出すからいいよ。」
「ハチさん、そうやって千束を甘やかさないでください。」
「あっ・・・・・はい。」
食いぎみにそう言われ俺は頷くしかなかった。
ちょっと怖かったのは秘密だ。
次の現場ではまた、無駄弾を撃ってしまう千束をワイヤーで拘束してから、犯人達も拘束していく。
徹底してるな。
「ハチ!見てないでこれ、ほどいて!」
「はいはい。動くなよ~。」
俺はリストブレードで千束を拘束したワイヤーを切断しようとするが、
「いやん、ハチってばぁ~。それで私をどうするって言うのぉ~。」
「・・・・たきなぁ、この
「そうですね、行きましょう。」
「ちょっ!冗談!冗~談だから!!置いていかないでぇ~~~!!」
結局、千束のワイヤーはリストブレードで切断した。
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次の現場では千束が無駄弾を使う前に、たきなが千束の銃を取り上げマガジンを確認し、「撃ちすぎです。」と注意する。
店で収支表とにらめっこをしているたきなに声をかける。
「どうだ?」
「う~ん、ダメですね。赤字の一途です。」
「そうか、やっぱ店の方にも改善が必要か?」
「そうですね。わたしに任せてください!」
やだ、たきなさん。めっちゃ頼りになる!
そこからたきなは店の方の改善策に力を入れていく。
冷蔵庫の開けっぱなしのミズキさんを注意し、
レジに戸惑っているボスにはたきな自身が進んでやり、
クルミが皿を落としそうになったときには皿が落ちる前に全て空中でキャッチしていた。
そんなたきなに労いのひとつでもかけようと思い、外の看板を拭いているたきなに声をかける。
「おつかれ、大活躍だな。たきな。」
「ハチさん。流石に疲れました。今までのこんなことやってたんですか?」
「はははっ!たきなほどじゃないさ。現に、たきながこうやって動いてくれてるから少しずつだが変わってきてる。」
「そうですかね?」
「そうさ。初めは機銃掃射するようなリコリスがここに来るってボスから聞いたときは嫌だと思ってたけど、たきながここに来てくれて良かったと今は、思ってるよ。」
「誉めてるんですか?」
「もちろん、最近じゃあ千束の手綱も握って貰ってるしこれでも感謝してるんだ。」
「・・・ありがとうございます、ハチさん。」
俺は言いたいことは言ったので店の中へと戻った。
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先程、リコリスの仕事が入った。仕事内容はしかれられた爆弾の解除だったためハチとは別行動中だ。
たきなに爆弾の解除は任せ、迷いなくニッパーで導線を次々に切断していく。そろそろ終わりそうだ。
そんなときにハゲ頭の男物のチャイナ服を着た奴らが話しかけてくる。
「「さあ、終わったら帰るアルよ!」」
「報酬がまだですが。」
「ほれほれぇ!」
私は報酬を受けとるために奴らに近づく。
「これのことアルか?」
脅そうとしたのか左のハゲ頭が私に銃口を向けるが向けられた瞬間に銃を奪い取り狙いを定める。
右のハゲ頭が私に銃口を向けるが右手で射線をずらし発砲された弾は後ろに飾ってあったワイン瓶に当たる。
撃ってきたハゲ頭にはゴム弾をプレゼントした。
「兄者!」
「これはわたしたちじゃないですからね。」
「あいよ。」
奪い取った銃をハゲ頭に返すと、再び発砲してくるがそんなもの当たるわけがない。
弾は全て再びワイン瓶に当たる。
銃弾が全て当たらなかったことがわからないようだ。
「払いませんからね。」
たきなの言葉のあと、最近見たカンフー映画の決めポーズを取る。
「ホワァ~チャァァ~~~!!」
ハゲ頭は諦めたように膝をつくが本当に面白いのはここからだ。
たきなは諦めたこいつらに事実を叩きつけるようにまだ解除されていない爆弾を見せつけながら言う。
「皆さん!実はまだ最後の2本を残してあります。後は、ご自分でどうぞ。」
私とたきなは爆弾をその場に放置し、店を後にしようとすると店主らしき人から「分かった!払うよ。」と言ってきた。
報酬を踏み倒そうったってそうはいかない。
報酬を受け取ってからたきなは爆弾を完全に解除した。
「どうも~。」
今回の仕事をたきなに誉めて貰おう。
「見たぁ?見たぁ!私、撃ったの一発だけ!どうよ~。」
「良くできました。」
「誉められたぁ~。」
たきなとハイタッチをかわして今度こそ、店を後にする。
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わたしは以前から考えていた喫茶店の新メニューを見て貰おうとハチさんとミズキさんに声をかける。
「ハチさん、ミズキさん!あの、新しいパフェ考えてきました。」
「えっ!見たい、見たい。作ってみて。」
「この前のショートケーキも良かったし、期待大だな。」
そうして、座敷で待っているふたりの前にに今作ったパフェを置く。
「寒くなってきた今の時期に美味しいホットチョコたっぷりなパフェです。」
「「ぁぁ!」」
「どうしました?」
「たきな。」
「どうしました、ハチさん?」
「タイム!」
ハチさんは両手でTの字を作ってからミズキさんと後ろで何やら小声で話している。聞こえないがどうしたのだろう?何かおかしい点でもあったのだろうか?
「どうするのよ!あんなの完全にうんk」
「皆まで言わなくてもいいですよ、ミズキさん!」
「たきなはあんなのを店で出す気?!正気!?」
「問題はたきなが気づいてないことですよね。完全に素でやってます。」
「こんなん店で出したらクレームものよ!」
「いやでも、たきなの初めての新メニューですし、現にチョコ味のソフトクリームとかもありますし。」
「ソフトクリームはこんなにでかくねぇだろ!」
「と、とりあえず店の新メニューとして出しましょう。クレームが入ってしまったら俺がうまく対応しますし、あまり言いたくはないですけど、映えを気にするこの時代では人気もでないでしょうし。今のたきなのやる気は削ぎたくありませんしね。」
数秒後、話し合いが終わったのかふたりがこちらを振り向くとハチさんの口が開く。
「そ、そうだな。季節的にも合ってるしとりあえず期間限定メニューとして出してみるか。」
「ありがとうございます!」
話しがついたところで千束が出勤してきた。
「ぐっどもーにんg、え、え?何コレ?」
「わたしが考えた新メニューです!どうです?」
「こ、これは、うんk」
「千束!」
「しっ!」
「千束?」
千束が何か言いかけるがハチさんとミズキさんがそれを止める。
ホントにどうしたんだろうか?
「ウ,ウン。イイッンジャナイカナ?」
「ほんとですか?!」
「う、うん。」
出す前は少し自信がなかったが3人の許可が貰えたことで自信が持てた。
こうしてわたしが発案したホットチョコのパフェはリコリコの期間限定メニューとしてメニューに並んだ。
_______
たきなから新メニューを提案され、とりあえず期間限定でリコリコのメニューに載せると俺の思いとは裏腹に爆発的な人気を博した。
たきなのパフェはSNSで人が人を呼び喫茶リコリコには大行列が出来るようになった。
「・・・もう映えなんて分からん。」
「ハチ、何独り言を言ってんの?また、パフェの注文入ったから早くしてよね。」
「はいはい。」
まぁ、店が人気なのはいいことだ。
だが、絶対に手が足りない。今はリスの手でも借りたい。
「千束!クルミを呼んでこい!あいつも連れてこなきゃ手が足りん!」
「りょ~か~い!」
数分後、千束に呼ばれて着物姿に着替えたクルミが調理場にやってきた。
「やっときたか。これ3番さんに持ってってくれ、席を間違えんなよ。」
「嘗めるなよ、ボクだってこれくらいは出来る。」
そう言ってお客さんのところにパフェを持っていくが緊張でガチガチじゃねぇか。
「お、お待ちどぅぅ。」
クルミはお客さんに可愛いと言われたり歳などを聞かれていた。
戻ってきたクルミは何故かニヤついていた。
そんなときに電話がなる。
どうして電話ってのはかかってほしくないときにかかってくるのだろうか。
そう思いながら受話器を取る。
「はぁい、こちら喫茶リコリコです。」
「もしもし、山岸です。千束は居る?」
どうやら山岸先生のようだ。まさか、
「すいません、山岸先生。また千束のやつ検診に行かなかったんですか?」
「その通りよ、今日が検診の日だけどとっくに時間が過ぎたからこうやって連絡したんだけどね、どうするの?今日来る?」
「申し訳ありませんけど、手前味噌な話、店が現在大繁盛中で猫の手も借りたい状況でして、勝手なんですけど千束には俺の方からきつめに言っておきますから後日~という事で構いませんか?」
「そっ、じゃまた、後日ね。」
「すいません、ありがとうございます。」
電話を切り、千束にきつめに言っておく。
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現在は千束とたきなの日本語学校の手伝いに一緒に来ている。
一緒に来ていると言ってもたきながメインで千束が助手だ。
だから俺は完全に手持ち無沙汰になってしまっていた。
たきなは外国人に対してスムーズに授業を進めている。
「ネコ!」
「ヌコ!ニャ~!」
千束はネコの物真似をしながら言うがヌコじゃねぇ、ネコだろ。
しかし、生徒の人たちはたきなより直前に言った千束の方を真似してしまう。
「「「「「ヌコ!」」」」」
たきなは諦めずに授業を続ける。
「いぬ!!」
「イッヌ!ワンワン、ワン!!」
「「「「「イッヌ!」」」」」
千束はさっきと同じように舌を出して犬の真似をし、
生徒の人たちも千束の真似をしてしまう。
そんなときたきなが最終手段に出た。
「逆立ち!!!」
千束はその場で逆立ちをし、俺は千束のスカートが重力で捲れないように押さえている。
「ハチ、覗かないでよねぇ。」
「なんで俺が、こんなことを。」
確かにこれなら千束に邪魔はされないが、俺が恥ずかしい。
千束が逆立ちしている間に先程の修正をたきなが行っていく。
「いぬ!」
「「「「「イッヌ!」」」」」
「No!いぬ!」
「「「「「イヌ!」」」」」
千束は足をおろしたきなの後ろに回り込む。
「裸締め~~~!」
「「「「「ハダカジメ~~!」」」」」
「み、皆さん!こんな大人になっちゃダメですよ。」
千束は裸締めでたきなの首を軽く締めるがたきなは生徒達に千束のようになってはダメだと説明する。
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日本語学校の手伝いも終わり次は保育園のハロウィンパーティーだ。
「さぁ、ハチ!たきな!次は保育園だよ!早く行こう。」
そうふたりに声をかけるがハチから予想外の返事があった。
「あぁ~、悪い。ここからは別行動にしよう。野暮用があるんだ。」
「えぇ!なんで?!子供達だってハチに会えるの楽しみにしてるよ?」
「うん、だから速めに野暮用はすませようと思ってるから、終わりしだいそっちと合流するよ。」
「野暮用ってなんですか?」
「ん?う~ん、探し物。」
そう言ってハチはどこかへ行ってしまった。
「でも、そうですね。千束。わたしたちも別行動しましょう。」
「えぇ!?なんでぇ?」
「そっちの方が効率的だからです。わたしは予定どおり保育園に行きますので、千束は外回りをお願いします。」
「えぇぇぇぇぇ!!!」
たきなは一人で保育園へ向かってしまった。
そこから私は外回りの仕事としてコーヒーの配達や迷子の捜索、人里に侵入してきてしまったタヌキの捕獲、怪しい連中の尾行および捕縛、射撃のレクチャーなどをして回った。
もちろん報酬もいただいているので私のもとに結構な大金がある。
「Wow!」
外回りも終わったのでたきなのいる保育園へ向かおうとした時に、ハチとばったりあった。
ハチも私に気づいている。
「あれ?保育園に行ったんじゃなかったのか?」
「いやね、たきなが効率的にぃとかいって分担したんだよ。私はこの通り、外回りね。」
「ははっ!まぁいいじゃん。そのお陰で報酬はがっぽりだろ?」
ハチはそう言って私の背負っている袋を指差す。
「まぁね。ハチこそ、探し物は見つかったの?」
「ん?あぁ、見つかったよ。思いの外近くにあったみたいで助かった。」
「一体、何を探してたのさ?」
「そんなことより
「え?あ、うん、ありがと。」
「早く保育園に行こう。」
無理やり話題を変えられた気がするが気なするほどでもないだろう。
そう思い、ハチとふたりで保育園へと向かう。
保育園に到着すると丁度たきなが子供達にプレゼントをあげているところだった。
たきなに気づかれずに列の最後尾に並ぶと次は私の番だ。
「ハッピィハロウィン!いい子だよぉ~」
手を差し出すがたきなはお菓子をくれなかった。
「あ、あぁ~!私もたきなのプレゼント欲しいぃぃ。」
「子どもですか!!」
「まぁ、デカイ子供みたいなもんだろ?」
「ハチさん。もういいのですか?」
「あぁ、ありがとな。バッチリ見つかったから大丈夫だ。」
そう3人で話していると子ども達はハチが後ろに置いた袋の中身が気になるようだ。
「おっきな袋!」
「なになに?コレ?」
「何が入ってるの?」
「なんだろう?」
子ども達が私たちに聞いてくる。
「史八兄ちゃん、千束お姉ちゃん、これも貰っていいのぉ?」
「いぃよ~。」
子ども達は見たことのない大金に盛り上がっている。
「はっはっは!持ってけ!持ってけぇ~!」
「「あぁ、いけませぇん!」」
_______
本日営業終了後、再びリコリコメンバー全員が集まり収支表に目をやる。
すると今までの、右肩下がりだったものが右肩上がりになっており、見事赤字を脱却したのだった。
ボスとミズキさんは念願だったレコードプレイヤーと食器洗浄器を買えてご満悦のようだった。
さらに、人型ロボットも購入し、店の労働力として迎え入れたそうだ。
「ブンブン、ハロー。」
「マジか。」
「これがIT革命か。」
「安かったので。」
「クルミよりか使える。」
___________
「いやぁ、たきな様様だわぁ~。」
「もうたきなに足向けて寝れませんね。」
「ん?たきな様どこ行った?」
「クルミも、さっきまでいたのに。」
そう言ってから、私は演歌の聞こえる襖を開けるとたきなとクルミの姿があり、何かをふたりでやっているようだった。
「ここかぁ、なぁにしてんのよ怪しいなぁ。」
画面を見ると株をやっているようだった。
「株?」
「クルミさんと組んで投資したらどうかなぁって。」
「そこまでやるかぁ。」
そんなときに私のスマホからあまり聞きたくない着信音がなる。画面には山岸先生の文字が。
嫌々、出ようとするがその前にスマホをたきなに奪われてしまう。
「あっ!あぁ。」
「もしもし、山岸先生ですか?たきなです。定期検診ですよね。彼女、明日行けます。よろしくお願いいたします。」
「組員の健康管理もわたしの役目です。」
「組員?」
「行って下さい。」
「はぁぁい。」
____
営業終了後、私が一人になったところを見計らってたのか史八が声をかけてきた。
「ボス、ちょっと今いいですか?」
「どうした、史八?」
「ちょ~と、お願いがありまして。」
「お願い?珍しいな。どうした?」
「急で悪いんですけど明日ちょっと休みを貰えないかなぁって。」
「休み?突然だな?何か用事でもあるのか?」
「んー?今日の昼頃に楠木から俺のところに直接電話がかかってきて極秘の任務があるそうで。」
「極秘の任務だと?」
勿論、そんなことはすぐに嘘だということはわかった。いくら極秘とは言えここの責任者である私のところに楠木から連絡がないのはおかしい。
「史八、おまえ。」
「お願いします。そういうことにしといてください。」
この子が決めたことなら止めはしない、否止められない。
私にはその権利がないから
「わかった、みんなには私の方から上手く伝えておく。」
「ありがとうございます。」
振り向き帰ろうとする彼の背中に私は声をかけた。
「史八。」
「なんですか?」
「老婆心だと分かっているが、言わせてくれ。」
「?」
「君が今取り戻そうとしているものは必ずしも君のためになるとは限らない。知らない方がいいということもある!」
「・・・・・そう・・ですよね。」
「でも、いいんです。これは俺の目的達成には必要なことだと思うから。」
「君の目的とはなんだ?」
以前と同じ質問を再び問うがあの時とは違う答えを笑いながら彼は言った。
「ボス、貴方と同じですよ。」
皆さん!アニメ第10話見ましたか?
僕は千束ちゃんのあの姿に尊死しました。
いやぁ、アニメも遂に最終局面ですね。次回も楽しみです。
この小説も次回からオリ主君の過去編となるかな?
ワンクッション入れようかなとも考えています。
まぁ、この小説の続きが気になっている人はいないと思いますが・・・。
良ければ高評価、ご感想お待ちしてます。