闇に生き光に奉仕する男の話   作:ダレン シャン

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ストーカー被害にあっている女性のボディガードをする話  蒼の彼岸花side

 

千束さんの準備が整ったため、千束さんとともにお店を出る。

これから仕事だ。速く成果を上げて本部に戻ろう。

 

千束さんの後について行くように住宅街を移動していく。

 

「悪いやつじゃないんだけどねぇ。ああいう性格だから。あぁ、フキのこと。」

 

さっきも電話越しに言い合っていたがフキさんとは、仲が良いのか尋ねると、千束さんは、昨日までのわたしと同じでリコリス棟でフキさんと同室だったらしい。それを伝えると笑いながら話しかけてくる。

 

「マジで。それは、ご愁傷さま。歯ぎしり、凄いでしょ。夢でもカリカリしてるのよ。」

 

千束さんはコロコロと表情を変える。

単純に疑問に思ったのであることを尋ねることにする。

 

「千束さんはどうしてDAに居ないんですか?」

 

彼女は少し考えるように腕を胸の前で組み答える。

 

「え?ん〜、あぁ、・・・問題児、だからだよ。」

 

問題児?楠木司令からは優秀、腕が立つと聞いていたがその旨を伝えると嬉しそうな表情になる。

 

「楠木さんがそう言ってた?」

 

「あれも、千束さんの仕事だと。」

 

わたしは、傾いた電波塔を見ながらそう伝える。

千束さんも電波塔を見ながら何か思い返しているようだ。

当時の電波塔のことでしょうか?

ふと、そうわたしが思ったとき慌てて千束さんが否定する。

 

「いやぁ、壊したのは私じゃないよ!」

 

「旧電波塔をひとりで守ったリコリスは地方でも有名ですよ。」

 

千束さんは褒められて少し照れくさいのか頬を紅く染める。

 

「そう?でも、結局壊れちゃってるしねぇ。あの時は、ひとりじゃなかったし。」

1人ではなかった?聞いていた話しと違う。誰と行動していたのか?

「優秀なリコリスはDAにいる人だと思います。」

 

「わたしも、そのはずでした。」

 

「あぁ、例の銃取引?何だかんだで、証品は押さえられたんでしょ。」

 

千束さんは知らないようだったので同じリコリスと情報を共有するため事実を伝える。

 

「いや、なかったんです。」

 

「へ?」

______________________

 

「銃取引自体がなかった、って線もあるんじゃない?」

 

「そうでしょうか?」

 

千束さんは率直な意見を言うが、わたしにはそうは思えない。

そんなとき、フェンス越しに「千束〜!」や「お姉ちゃーん!」と言う元気のいい子供の声が聞こえる。

ここは、保育園であろうか?でも、なぜリコリスである自分たちがこんなところに?

疑問を抱きながら歩いていると前に園長先生だろうか?中年女性が現れる。

 

「いらっしゃい、千束。」

 

女性がそう言った瞬間に、子どもたちがワラワラとわたしたちを取り囲む。

 

「お姉ちゃん?、今日はお兄ちゃんは一緒じゃないの?」

「ハチは、今日来ないの〜?」「兄ちゃん、どこ〜?」

 

「ごめんねぇ〜。今日は、別の用事でハチお兄ちゃんは来れないんだ〜。でも!その代わり、新しいお姉ちゃんを紹介するね!たきなお姉ちゃんだよぉ〜。」

 

「「「「「たきなお姉ちゃ〜〜〜〜〜ん!!!」」」」

 

子どもたちは嬉しそうにわたしの名前を呼んでくれるが、わたしは困惑するしかなかった。

 

 

保育園での仕事を終えた後、訪れたのは日本語学校。

教室内に外国人と見られる人が確認できる。

教師である男性が生徒に向けて「Exercise ONE!戸惑っています!」と、授業をしている。

「戸惑っているのはわたしだ。」と、思いながら教室内を見ている。

千束さんは、今この日本語学校のスタッフであろう男性と話している。

 

「たきな、ロシア語は?」

 

そう聞かれたので、ロシア語で「少しなら。」と答える。

 

日本語学校の次は、絞田組といういわゆる反社会勢力のところだった。今、わたしたちの目の前に見るからに「下っ端ですよ。」と言わんばかりの坊主にサングラスの男が立っている。

 

「オラァ!!ここは餓鬼のくるところじゃねぇぞ!組長は忙しいんだ。怪我する前に帰れ。」

 

やっとリコリスらしい仕事かと身構えると、建物の奥から威厳のある男性が下っ端の男性に近づいてくる。

男性は猫のように下っ端の襟を掴み持ち上げる。

 

「客人だ。」

 

「マジっすか。」

 

下っ端の男性は冷や汗を流していたが、わたしたちが客人?どういうことだ?

疑問は増えるばかりであったが、千束さんとともに、部屋に案内される。

 

「新入りでな、許してやってくれ。千束。」

 

威厳のある男性・・・組長がそう言い、組長の隣に立っている先ほどの下っ端の男性を見ると坊主頭にキレイなコブが1つできていた。

 

「坊は、どうした?今日は、一緒じゃねぇのかい?」

 

「ハチは今日は別件で動いてますよ。」

 

「そうか、まぁ運が良かったかもしれねぇな。もし、坊にこの馬鹿がさっきみたいな対応してたらここで流血事件が起こってたかもな。ガハハハ!」

 

組長は盛大に笑いながら言う。

千束さんも笑いながら答える。

 

「ハチは、そんなことはしませんよ。」

 

「勿論、冗談だ。ただ、まぁやっぱりあっちのイメージがどうしても強くなっちまってなぁ。」

 

「そんなことより、ハイこれ。ご注文の。」

 

千束さんがバックの中から茶色い袋を取り出し、組長に渡す。

組長はそれを受け取り悪い顔になる。

 

「おぉ〜、たっぷり入ってるなぁ。」

 

「そうでしょ〜。上物ですよ。」

 

まさか、危ない薬なのでは?

わたしはそう思い、千束さんと組長を交互に観察し、

銃を構えようと背負っているバックに手を動かすが、千束さんに止められる。

なぜ?

 

「挽きたてだって、先生が。」

 

「ほぉーう、そうかい。マスターに、宜しくな。そちらは?」

 

組長は挽きたてのコーヒー豆を確認しながらわたしの方に視線を向け尋ねてくる。

 

「たきなさん、今日からウチで働く私の相棒!よろしくね。」

 

千束さんがわたしを組の人たちに紹介すると「「「「「たきなさん!!よろしく!!!」」」」」

と、一斉に挨拶してきた。

当たり前だが、保育園の子ども達のほうがまだよかった。

組の建物を出ると千束さんがしてやったりと、言う表情で、聞いてくる。

 

「ヤバい粉だと思った?思ったでしょ〜。」

 

「えぇ。」と目を細めながら答えると、千束さんは「よっしゃぁぁ!」ガッツポーズを取る。

わたしはさらに目を細める。

 

「撃ち殺すところでしたよ。」

 

「こっ?!冗〜談だよ。」

 

そう言いながら、わたしの背負っているバックを叩いて、「ただの、お店のお得意さんだから!」などと言う。ヤクザがお得意様なのか?

 

「はぁ~い、次は警察署にいきます。」

 

左手を挙げながらそう言ったあとに腕時計で現在の時刻を確認している。

まだ、ちょっと速い時間みたいなのでわたしは疑問に思ったことを伝えることにした。

 

「この部署は、一体何をするところなのでしょうか?」

 

「おぅ?」

 

______________________

 

 

 

東京にある広場のベンチにて

 

「ゴメン、先生から聞いていると思ってたよ。何するところかぁ、改めて聞かれると考えちゃうな。」

 

千束さんは先ほど買ったトマトジュースを飲みながら謝罪してくれるが、今のわたしに必要なのは謝罪の言葉ではない。

というか、このトマトジュース血圧が上がるのか。

 

「保育園、日本語学校、組事務所、共通点が見い出せません。」

 

指を折りながら千束さんに疑問をぶつける。

 

「困ってる人を、助ける仕事だよ。」

 

「個人の為のリコリス?」

 

「そそ、コーヒーの配達も外国語の先生も保育園のお手伝いも喜んで貰えるよ。」

 

そう説明されるが納得がいかない。

 

「わたしたちリコリスは、国を守る公的機密組織のエージェントですよ。」

 

「おぉ、そう言われると映画みたいですカッコいい〜。」

「けぇど!凶悪犯を処刑して回っている殺し屋って言われたりも、ねぇ。」

 

千束さんは体を伸ばし、ベンチの背もたれによりかかりながら言う。

 

「あーゆうことが起きる時代ですから。わたしたちが必要です。」

 

わたしは目の前にそびえ立つ傾いた電波塔を見ながら問いかける。

 

「そうねぇ、そうなんかもねぇ〜。」

 

「しかし、新しい電波塔が完成間近なのになぜ残してるんですかね?」

 

「壊れてできた意味もあるんじゃない?」

 

「そんなものありますか?」

彼女はよくわからないことを言う。

 

「さぁ、どぉかなぁ〜。でも、そういう意味不明なところが私は好き。」

 

「だから、意味不明なことしてるんですね。」

わからないことばかりを口にするこの人に少し苛ついてきてしまう。

しかし、わたしのセリフに対しても彼女は笑いながら答える。

 

「あっはは!言うねぇ〜。」

「まぁ、ともかく!DAが興味持たなくても困っている人達は一杯いてさ、助けを求めてる。」

「だから、たきな。力を貸して。」

 

千束さんは、ベンチから立ち上がりわたしに手を差し出してくる。

わたしの目標はここで成果を上げてDA本部に戻ることだ。

少し納得は出来ないがわたしは彼女の手を取る。

 

「なんか、質問ある?」

 

「ありすぎますね。」

 

1つずつ片付けていこう。まずは、今日行ってきたところで耳に入ってきた本日知り合ったばかりの彼のことだ。

 

「大神さんは何者なんですか?」

 

「えっ!なに、たきな?ハチが、気になるの?」

 

「今あなたが想像している感じでは決してありませんが、楠木司令から腕の立つ協力者が、居るって。」

 

「ああ。」

 

「今朝、店長からも紹介されましたが、私には彼がDAの協力者であるとは思えません。」

 

「なんでそう思うの?」

 

「だって、彼からは何も感じないし、立ち振る舞いも隙だらけというか隙しかありませんよ。こう言ってはなんですが、命令があったら数回は殺せてました。」

 

千束さんは、わたしの発言にポカーンとした表情を見せたと思ったら、次の瞬間、突然笑いだした。

 

「あははははは!!!ちょっと、たきな!笑わせないで!あはは!お腹痛い。」

 

「そんなに可笑しいですか?」

わたしは少しムッとして言い返す。

 

「あはは。いやぁ、ゴメンゴメン。笑っちゃって。でも、そうだよね。そう感じちゃうのは仕方ないよ。」

 

「どういうことですか?」

疑問から疑問が生まれ頭が痛くなってくる。

 

「んー、私から言うのは野暮ってものだし、勝手に言ったら後で怒られそうだし。」

腕を組み、唸る。

 

「ま、これだけ覚えておいて。ハチは私が1番信頼してるし、頼りになる。たきなも近いうちにきっと分かるよ!」

 

結局、わたしの疑問は1つも解決されず新たな疑問が生まれてしまっただけであった。

 

___________________________

 

丁度良い時間になったので、予定通り警察署へ向かう。

 

「こちら、新人の井ノ上たきなさん。」

 

千束さんは阿部さんという刑事の方にわたしを紹介する。

どうやら喫茶店の常連客のようだ。

 

「いやぁ、まだリコリコに行く楽しみが増えちゃったなぁ。」

 

「よろしく、警視庁の阿部です。」

 

「初めまして。」

 

「まぁ、ちょっとこっちへ。」

 

阿部さんは聞かれたくない話しがあるのか警察署の隅の方へと促してくる。

話しの内容はないですストーカー被害にあっているという篠原沙保里さんという人物についてだ。

警察はストーカー被害は手が出しにくいらしく、阿部さんも担当ではないため、手をこまねいているよう。女性同士だから話しやすいと判断されて話しを聞いてきてほしいということであった。

阿部さんからバイト代が出るということで、ホクホク顔で千束さんは警察署をでる。

 

「次はたきな向きの仕事かもよ。なんたって、ボディ!ガード!だからね。」

「えっと、待ち合わせ場所は〜。」

 

千束さんはスマホで対象との待ち合わせ場所を確認しているが、そんな彼女に話しかける。

 

「あの。」

 

「ん」

 

「こんなことをしていて、評価されるのでしょうか?」

 

「評価?」

 

________________________

 

対象との待ち合わせ場所であるカフェに移動し、飲み物だけ注文する。

 

「うーん、活躍で評価を上げてDAに戻りたいねぇ〜。・・・戻りたいのかぁ。」

 

「わたしへの人事は、正当だとは思えません。」

 

「じゃあ、・・・何で撃ったの?」

 

十中八九、この間の機銃掃射のことだろう。

返事がないため怒ったのかと勘違いしたのか少し慌てた様子で言葉を発す。

 

「ああ、いやいや、責めてるわけじゃないよ。揉めたくないなら何で命令無視したのかなぁって。」

 

「あの状況において、最も合理的な行動だと思いました。」

わたしは、当時を思い返す。

 

「合理的ぃ?」

 

「それがあんな騒動に。」

 

「なるほど。まぁ、でも騒動になんてなってないよ。多分ね。」

「普段は、そーいうの全部組織が揉み消しちゃう。」

「・・・事件は事故になるし、悲劇は美談になる。今回のもきっと、表向きには別のことになってるよ。」

 

千束さんは注文したコーヒーを飲みながら言う

「最後の大事件も、今や平和のシンボルだ。」

 

「でしたら、わたしは何をしたんでしょうか?」

あのときの私の行動は無意味だったのか?何もしなければよかったのか?仲間を・・・エリカを見捨てればよかったのか?

頭の中で気持ち悪い何かがグルグルと回る。

 

「なぁ〜に、いってんのぉ!仲間を救った!!カッコいいって!わかった!たきなの復帰に私、協力するよ。」

千束さんは指をパチンと鳴らしながらわたしに向かって言う。

その時、カフェの入口のほうから阿部さんに写真の女性が来店したのを確認する。

千束さんは対象に向かって呼びかけながら手を振る。

 

沙保里さんの話しを聞くと、彼氏との写真をSNSに投稿してからストーカー被害に遭いだしたみたいだ。

画像を見ながら千束さんも、「何処で恨みを買うか分からない時代ですからねぇ。」と口にする。

 

「このビルは。」

画像を確認すると背景に写っているのはこの間のビルだ。

 

「そうそう、ガス爆発事件のビル。窓ガラス割れて大変だったとかいう、爆発の3時間ぐらい前かな?」

 

「ガス爆発だって。随分、早くから開けてるお店なんですね。」

 

「そうなの。朝日の映えスポットで有名なのよ。」

 

わたしは、スマホを操作し、気になったところを拡大して見る。隣から千束さんも覗き込んできて口に含んでいたコーヒーを吹き出してしまう。

そこには銃取引の現場が映っていた。

 

コーヒーを吹き出してしまった千束さんを心配して大丈夫か尋ねてくる。彼女は困ったように苦笑いを浮かべる。

 

「沙保里さん、この写真私達の上司にも確認してもらいたいのでいただけます?」

 

「えぇ。」と、沙保里さんは千束さんのスマホに画像を送る。

沙保里さんにも聞こえないように小声で会話をする。

 

「取引の現場、写ってんじゃん!」

 

「知らないですよ!」

 

「銃は消えたんじゃなくてとっくに引き渡されてたんだよ。」

 

「その相手がこの写真をSNSで見て・・・。」

 

「めっちゃヤバなのに狙われてるよ。沙保里さん。」

 

「沙保里さん、ちょっと上司と電話してきてもいいですか?」

千束さんはミカさんに報告するため少し離れたところで電話を掛ける。

 

千束さんは5分程度で戻ってきた。

 

「すいません、沙保里さん。今、報告したら詳しい話しが聞きたいって私達の先輩?が来てくれるそうなので少し待っててもらってもいいですか?多分、ここから近いからすぐに来てくれると思いますけど。」

 

「待つのはいいけど、大丈夫?迷惑とかになってない?」

 

「大丈夫ですよ〜。これが仕事ですから!それに、これから来る人は私が1番信頼してる人なので安心してください。」

 

沙保里さんは、顔をしかめたが彼女のセリフを聞いてすぐに笑顔に戻った。

 

 

 

 

 

5分程度経過したところで、カフェの入り口に紺色のロングコートを着ている人が目に入る。よく見てみると大神さんであった。お店の着物の姿しか見たことがなかったため、一瞬誰だかわからなかった。

千束さんはすぐに気づいた様子で大きく手を振っている。

向こうも気づいたのかわたし達が座っているテーブルに近づいて対象に自己紹介して席に座る。

 

大神さんは丁寧な口調で沙保里さんからの情報を聞いている。

SNSに投稿した画像を見せてもらうようにお願いすると、横から千束さんが自分のスマホを差し出してくる。

 

「ハチ、これだよ、これ。」

 

大神さんは、「拝見します。」と沙保里さんに向かって言い、画像を見る。

 

「あの、申し訳ありませんがこの画像、いただいて僕たちの上司に見せても構いませんか?」と、許可を取り画像データをお店の端末に送る。

 

陽が傾いて来たのでカフェを出た直後に、千束さんが沙保里さんに護衛も兼ねてパジャマパーティーをしようと提案する。

それを、大神さんと沙保里さんは了承し、彼女を自宅へと招く。

千束さんはパジャマパーティーの準備をするためお店に戻り、大神さんは周囲をパトロールすると言って離れていった。

千束さんはわたしの肩に手を置き、

 

「しばらく任せるね。無茶はしないように、命大事にだからね。」

 

そう言って、お店の方角に向けて歩いていく。

 

「今夜は大いに盛り上がりましょう〜〜。」

 

わたしはこれから沙保里さんと沙保里さんの自宅まで同行する。

 

「テンション高い子ねぇ。不安が吹っ飛んじゃった。行きましょ。」

 

沙保里さんはそう言うが「わたしはあの人、不安ですよ。」と、沙保里さんに聞こえないように呟いた。

 

 

 

辺りも暗くなり、住宅街を沙保里さんと2人で会話しながら歩く。

 

「じゃあ、今日2人初めて会ったの?」

 

「はい。優秀な人らしいですが見えませんよね。」

 

「で、前のバイトに戻りたいと。嫌なことがあったから辞めたんじゃないの?」

 

「いえ、少し誤解があっただけです。」

 

「そんなに戻りたいの?」

 

「戻りたいです。」

わたしは食い気味に返事をする。

そんなとき道路にあるカーブミラーにヘッドライトもつけずにゆっくりと走行するワンボックスカーを発見する。

沙保里さんには悪いが囮になってもらおう。相手は画像データが目的だ。殺されることはないだろう。

 

「そっか、あたしも協力するよ。こう見えて、バイト経験豊富なお姉さんだからね。」

 

「早速ですが、いいですか?」

 

「もちろん!」

 

「ありがとうございます。では、先に行っててください。直ぐに戻りますので。」

沙保里さんにそう伝え、曲がり角に隠れ銃を手にしいつでも撃てるようセーフティを外す。

思った通り、車がどんどん沙保里さんに接近する。

沙保里さんが車に無理やり乗させられるのを確認する。

わたしは、車の前に出てヘッドライトが点いた瞬間に発砲する。まずは、ドライバーだ。ドライバーの肩を撃ち抜く。次に車のヘッドライトとタイヤを撃ち犯人側の機動力を奪う。

犯人たちが何やら騒いでいるが私は気にせず発砲しながら犯人に取引した銃の所在を聞く。

 

その時、わたしのすぐ横に人影が降ってくる。敵の増援かと判断したわたしはその人影に銃を向けようとするが途中で右手に阻まれてしまった。

フードを深く被り顔は見えなかったがその人はわたしを曲がり角まで連れて行く。

 

「井ノ上さん、何してんの?!護衛対象を囮にするなんて!」

 

「その声、大神さんですか?え、何処から来たんですか?」

謎の人物からの声で味方であることを知る。

 

「そんなこと今はどうでもいい。なんで護衛対象のいる車に発砲音してるの?当たったらどうする気?千束が命大事にって言ってただろ。」

 

「沙保里さんには当てませんし、貴方が来なかったら既に終わってるはずでした。」

 

彼にそう言うと、大きなため息をつき、千束さんに連絡をするがまだ到着は遅れそうだ。

向こうにあるあの赤い点が彼女であろう。

 

「千束の到着を待ってたら沙保里さんが危険だな。」

「しょうがない、俺がやる。」

 

彼は何を言ってるのだろか。今日、会ったばかりとはいえここで死なれては気分が悪い。

 

「俺がやるって、大神さんは一人で相手するつもりですか?!そんなのむりです。わたしがやr」

 

「井ノ上さん。」

 

「だから、わたしg」

彼はなにか言っているがわたしはそれを気にせずに自分でやるように伝えようとするが、

 

「少し、黙れ。」

彼からその言葉を聞いた途端に背筋が凍った。恐怖した。何故か体が動かない。彼の目を見ると鋭く光る眼光がわたしを捉えていた。

 

次の瞬間、彼はいつもの調子に戻っていて、7時の方角にいるドローンを音を出して狙撃するようわたしに依頼する。

わたしは、おそるおそる尋ねる。

 

「何時気づいたんですか?」

どうやらしばらく前にドローンには気づいていたみたいだから動きがないようなので狙撃するようにした。

 

「10秒後に撃って。発砲音に合わせて奴さんらを奇襲するから。」

 

どういうことか聞こうとし彼がいた方向を振り向くと、彼は消えていた。初めからそこに居なかったみたいに。

今までの会話が幻覚かと錯覚しそうになるが、指示通り10カウント後ドローンを狙撃する。

狙撃に成功し、ドローンが落下するのを確認する。

 

次に犯人の方を確認しようと曲がり角から覗き見るが助手席にいた犯人は既に倒されていた。

車の後方で人が2人倒れる音が聞こえた後、数回、発砲音が聞こえる。

 

大神さんがドライバーの相手をしようとしたとき、私に気づいて「井上さん、沙保里さんをお願い。」と言ってきたので沙保里さんを救出する。

顔に掛けられた麻袋を取り外すと涙目で私に抱き着いてくる。

 

車の前方から千束さんの声が聞こえる。なにか大神さんと話しをしているようだ。

わたしは沙保里さんを宥めながら、2人が話し終わったであろうタイミングで大神さんに話しかける。

 

「命大事にって敵もですか?」

 

「そうだけど?」

私の問いにそれがさも当然であるように答えるが、私にはそれが分からない。

 

「クリーナー、もうすぐ来るって。」

千束さんがそう言うと

 

「そうか。じゃあ、後はクリーナーに任せよう。」

 

クリーナーが来るまで待機し、クリーナーの人たちに沙保里さんと犯人を任せてわたしたちは、その場を去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





はい、ということでたきなちゃんサイドでした。

結局、たきなちゃんはオリ主の戦闘を直接見ていないため彼が強いのか弱いのか判断しかねている状態です。


・・・・・・・話しが進まねぇ!!!!!!
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