以前からウマ娘の日常系ssを書いてみたいなぁと思っていたのですが、思い切って投稿してみることにしました。もしかしたらキャラ崩壊等あるかもしれませんが、楽しんでいただけたら幸いです。
「……ということがありまして……」
「あはは……。カフェは相変わらずタキオンに振り回されてるんだね」
放課後のトレーナー室にて。ウマ娘の一人であり長い黒髪が特徴的な少女──マンハッタンカフェと、彼女の専属トレーナーが話をしていた。カフェのトレーナーは、カフェが淹れたコーヒーに口をつけながら彼女の話を聞いている。
念のため補足だが、彼女らは決してサボっているわけではない。今日はトレーニングの休息日なだけだ。担当ウマ娘が休みでも、トレーナーは休みではない。そんな彼女を案じて、カフェが様子を見に来たというわけだ。トレーナーが休憩に入ったために二人で世間話をしていたところ、カフェがタキオンの話をし始めたわけだ。
「あの人は……もう少し周りを見た方が良いかと……」
「悪い子ではないんだけどねぇ。せめてもう少し色んなことに関心持った方が良いとは思うよね」
ここでカフェのトレーナーが何か考え始めた。
「トレーナー……?」
「ねぇ、ちょっと良いこと思いついたんだけど」
顔を上げたカフェのトレーナーは、新しい悪戯を思いついた子どものような顔をしていた。
※
「……タキオンさん」
「うん?なんだいカフェ」
いつものように実験に集中しているタキオンに、カフェが後ろから話しかけた。カフェの手には、みかんが一つ乗っている。
「今から……何もしません……」
「……うん?」
タキオンはカフェの唐突でよくわからない発言に、思わずカフェの方を振り向いた。カフェは相変わらず手にみかんを持ったままだ。
「……」
「……」
「……」
「……カフェ?」
「何ですか……?」
「いや、この時間は何なんだい?」
「私は何もしないと言ったはずですが……?」
何を言ってるんだお前は、と言わんばかりにカフェはタキオンを見つめながら首を傾げた。
このカフェの一連の言動に、タキオンは戸惑った。カフェは自分の世界を大切にしているウマ娘だが、他人を巻き込むことを善しとしない少女だ。
しかし今はどうだろうか。タキオンを一方的に巻き込み、真意の読めない言動を継続している。
「カフェ、もしかして怒っているのかい?」
「?いいえ……?」
「えーと、じゃあどうして──」
こんなことを、と続けようとしたタキオンの台詞はみかんを持った手に遮られた。カフェはみかんをタキオンの近くに置かれていた缶の上に乗せると、
「アルミ缶の上に……あるみかん……」
「……」
「ふふっ……」
未だに困惑するタキオンを置いて部屋を出ていった。
※
「……ということがあったらしくて」
その次の日。カフェのトレーナーはタキオンのトレーナーに話しかけられていた。
「あぁー……それ間違いなく私のせいですね」
「というと?」
「私言ったんですよ。『それなら、カフェが逆にタキオンを振り回してみたら?』って。……まさかそんな行動に出るとは思いませんでしたが」
カフェのトレーナーはそう言って苦笑した。
「なるほど……」
そう言って二人は未だにタキオンを振り回すカフェを見やった。
今回出てきた専属トレーナーたちの簡単な設定
カフェのトレーナー
女性。カフェを優しく見守るお姉さん。
タキオンのトレーナー
男性。タキオンの実験にも耐えられる頑丈な体の持ち主。