ビリビリビリ!
「あんの眼鏡!!婿養子の分際でやってくれるじゃないのよぉぉ!!」
依頼主の女性は写真を手で引き裂くと事務所内に響き渡るような大声で怒鳴り散らしました。
「大丈夫です、これを突きつければ慰謝料をがっぽり頂戴して円満に離婚できますよ」
「!それじゃあ私の気がすまないのよ!!」
バアアンッ!
みしっ
ヒステリックぎみの依頼主が机を力強く叩きました、机からミシッて音がきこえたのですが気のせいでしょうか?
(うるさいなぁ……あっ!どうも、私はこのKWY探偵事務所の事務をしている者です、そしてあそこにいるのが我が探偵事務所の社長、勝さんです。)
「それで結局どうしたいのですか?」
「もちろん分かれるつもりはありませんわ、とにかく主人の弱みをつかめるだけ掴んでちょうだい!」
「最初の依頼内容はご主人の浮気調査では?……なぁ依頼変更の場合は料金は?」
「プラス一万円です」
「そうらしいですよ」
「けっこうよ!とにかくぐずぐずしないで主人の弱みを探してきなさい!」
「分かりました、では後日あらためて」
「まったく、使えない探偵ね」
バン!
依頼主はソファから立ち上がるとそのまま事務所から出て行きました、これで静かになります
「………ふぅ、ああゆう客の相手は疲れる」
勝さんはそう愚痴を漏らしながら窓際にある自分の椅子に腰を下ろしました、その気持ち私も同感です。
「まあ、最近はああゆうお客が多いですからね」
ガチャ
「ただいま社長、相棒」
「…………」
そんな事を考えていると扉が開きyと助手さんが帰ってきました
「おうY、助手どうだ成果は?」
「依頼者の夫をずっと張り込んでるが週二日それも決まって月曜と金曜に会っる事と昼間は真面目に働いてる事ぐらい
しか分からなかった」
彼女はY、このKWYの社員で私の悪友です。
「それで、助手の方は?」
「………………」
彼は助手さん、主にYと別行動の捜査と私の手伝いを仕事にしており私とYの後輩です。
「そうか、Yと同じか……」
「………………」
「一つ分かった事がある?」
「………………」
「夫の昼飯が決まってコンビニのおにぎり二つとお茶だけそれも毎日か、そこまで気にする事じゃないな」
えっ? おにぎり二つ?
今思えばあの時、あんな些細な言葉に反応して良かったと思って……いるのかな?
「あの…ちょっと良いですか?」
「んっ、何だ?」
「確か依頼主のご家庭は少し……と言うかかなり裕福な家庭ですよね?」
「ああ、旦那は確か一流会社の社員だったな」
「その人がお昼におにぎり二つだけなんておかしくないですか?」
「「「………………………」」」
あっ…3人が黙りこんじゃった
「あの…私、変な事言いました?」
「いや…確かにおかしいな……Y、助手」
「何だ社長?」
「………………」
「助手は夫と不倫相手の調査を引き続き続けろ、Yは依頼主の近辺調査だ」
「分かった、任せておけ」
コクッ
Yと助手さんはそのまま事務所から出て行って残ったのは私と勝さんだけになってしまいました
(気まずい…)
「少し出かけてくる」
「えっ?出かけるんですか」
「夕食はいらないから俺の分は作らなくていい」
「分かりました、いってらっしゃい」
勝さんは「行って来る」と言うとそのまま事務所から出て行ってしまいました。
「………お茶でも飲みますか」
私は給湯室にある紅茶とケーキを取り出し私の特等席であるソファに座り紅茶を啜るのでした。
「…………たまには青空を見たいものですね」
空に浮かぶ宇宙船を見上げると遂、そんな言葉が出てしまいました。
侍の国、私達の国がそう呼ばれていたのは今はもう昔の話、20年前突如現れた天人の対等と廃刀令によって侍は衰退の一途をたどっていくのです。
事務所を後にした勝は依頼主が住んでいるマンションに向かい依頼主の夫ではなく依頼主の事を調べ始めた
「ああ、木町さんの事ね、ご主人はいい人なんだけど、あの人はね何かにつけて自慢ばかりするから正直言って…ねぇ」
「ほら、なんて言うのあの人子供と自分の事にしか頭がなくてね、私らから見たらあれじゃあ、ご主人は奴隷だよ」
「お子さんの方もね…奥さんがあれでしょ、あの年になるまで甘やかされて育ったらあんな子になるんだね」
「大きい声じゃ言えないんだけどね、その子、サッカークラブに入ってるんだけ練習だって言って後輩を的にしてボールを蹴るのよ奥さんは奥さんでほら、よくテレビでやってる…モンスターペアレント?あれと同じ事を毎日やるのよ、寺子屋に押しかけるなんてしょっちゅう、噂じゃあ担任が子供に暴力を振るったって言ってきたあげく暴力団を雇って担任を襲わせたらしいわよ」
「昔は取り巻きもいたらしいんだけど暴力団の件も有ってねぇ、もうここじゃあ女王様気取りだよ」
「越して来た住人をいびるなんて恒例行事よ、皆もいやいや参加してるわ、そうしないと次は自分だと思ってね」
「それと、この事は私が言ったなんて言わないでおくれよ」
「……ふぅ」
近くの喫茶店で勝は溜め息を漏らした
「うすうす感づいてはいたがここまで酷いとはな、ご主人が浮気したくなるわけだ」
「あらっ?久しぶりね探偵」
声を掛けられ勝が後ろを振り向くと
「はぁ、お前らか……」
そこには黒い制服を着た金髪の少女と黒髪の少女、そしてその後ろに金髪にメッシュを入れた少年が立っていた
「ちょっと、警察に向かってその言葉は何よ!公務執行妨害で逮捕するわよ!」
「喚くな肉、それにコイツの反応は正しい」
「何でよ!」
「昼間からお前のような肉を見たら誰だって嫌気がさすに決まっている」
「もう一回言ってみなさいよ馬鹿夜空!」
「上等だ肉!」
「おい!星奈よせ、バズーカを出すな!それに夜空も刀を抜こうとするんじゃない!公道の真ん中だぞ!」
「お前も苦労してるんだな、ヤンキー君」
「あんたもその呼び方やめろ!」
2人の喧嘩を収めると4人はなぜかカフェで向かい合っていた
「それにしても勝さん、何でこんな所に?」
羽瀬川 小鷹
真撰組・独立部隊 隣人隊のメンバー
見た目からは想像できないが人が出来た男、ヤンキーに見えるが妹思いで隣人隊の中で唯1人の常識人、他のメンバーに振り回される不幸な男
「大方、仕事でもしてたんだろ探偵は人の秘密を探るのが仕事だからな」
三日月 夜空
隣人隊の自称隊長1
隣人隊の創設者でありやや、性格に難有り
陰険かつサディストである為、何で警察なのか疑いたくなる女、隊長を名乗る事だけはあり剣の腕は真選組、副長 土方十四朗、一番隊隊長 沖田総悟と並ぶほどの腕を持つ
表には出さないが小鷹に惚れている
「まったく本当、探偵ってよくそんなストーカー行為が平気でやれるわよねそこら辺にいる凡人を調べて何が楽しいのやら」
柏崎 星奈
隣人隊の自称隊長2
夜空 同様、性格に難有り
極度のナルシストであり高飛車な女王様気質、夜空とは隣人隊を創設したさい誰が隊長になるかで夜空ともめにもめ、三日三晩争った噂もある
ギャルゲーが趣味でそういったエロゲーなどもする事から真選組の中でも変態女王と影で呼ばれていたりする
小鷹の妹である小鳩には親しく接しているつもりなのだが他人から見たらどう見ても変質者にしか見えないほどである。
夜空と同じく小鷹に惚れている
「探偵の仕事を誤解しすぎてないかお前ら?」
「しょうがないよ、俺ら隣人隊はそうゆう特殊な事件しか回ってこないから」
隣人隊
夜空が設置した真選組でも独立した部隊であり、局長の命令なしで自由に動け、警察組織に縛られない特殊部隊……と、聞こえは良いが実際は真選組の問題児を集めただけの部隊であり、事件もストーカーや変質者の逮捕などの事件しか回ってこずろくな成果を上げていない
「まったくあいつ等、私の事を妬んでるけどこんな嫌がらせしか出来ないなんて本当に無能なんだからあのゴリラ共は」
「肉、お前がそんな事を言えた義理じゃないと思うぞ」
「もお!さっきから横でぶつぶつ言わないでくれる!未練ありまくりの幽霊じゃあるまいし」
「何だ?まだやる気か肉?」
「望むところよ!」
2人が又、一騒動起こしそうになり
「だからやめろって!」
小鷹はそれを抑える
「はは……」
勝はその光景を苦笑いしながら見ていた
「それはそうと、お前等は何でこんな所に?」
「あっ?ああ、ある事件を捜査中でな」
「まあ、それが何とも変な事件でさぁ」
小鷹は懐から2枚の写真を取り出すと勝に見せた
その写真には誰かの名前が書かれているわら人形に釘が無数に打ち付けられた写真と“死ね”や“地獄に落ちろ”などそんな言葉を書いた紙がある家の前に張られている写真
「こいつは……」
「そして最後が、これだ」
夜空は一枚の手紙をテーブルに置いた
その手紙には赤い字でこう書かれていた
『疫病神が!さっさとこの町から出て行け!お前等の様な奴等がいるだけでこの町が汚れる、一ヶ月だけ猶予をやる、さもないとお前等を皆殺しにするぞ!』
手紙は簡潔だったが所々に血のような物がこびり付いており何も知らない人が見たら鳥肌物の手紙だった
「しかし、よくもまぁこんな事をする奴がいたもんだね」
「まったくだ、呆れて物も言えん」
「なあ、勝さん何か心当たりあるか?」
「あるわけないだろ、こんないかれた奴とは関わりあいたくもないね」
「そうか…」
「ところで、アンタはここに何しに来たのよ」
「ああ、実は……」
勝は夜空達に事の経緯を話した
「なるほど、依頼人の調査ではなく依頼人自身の調査か」
「しかし、その婆もよくそんな事するわよね」
「そうだな、さすがの俺も暴力団の件はさすがに……」
勝は何かに気づいたかのように言葉を止めた
「どうしたんだ、勝さん?」
「もしかしたら……」
勝は何かに気づいた様に黙り込んだ
「なあ、お前等」
「何だ?」
「お前等の事件だが、犯人が分かったかも知れんぞ」
「何!?」
「誰よ!それ」
「その前に少し耳貸せ」
「「「……………」」」
3人は勝に耳を傾ける
勝は3人にある計画を話した
「なるほど」
「OK、分かったわ」
「それでいつやるんだ?」
「三日後だ」
「三日後、何で?」
「後少し調べておきたい事があるんでな」
「分かったよ、それじゃあ三日後」
「ああ、じゃあな」
そして4人はそのまま帰っていった
三日後
夕方、探偵事務所に依頼人と勝さん、そして離れた席に私とY、助手さんが座っています。
「それで、主人の弱みが握れたって本当?」
「ええ、実は貴方のご主人、最初の浮気相手の他にもう1人浮気相手がいる事が分かりました」
「何ですって!?」
「これがその女性です」
勝さんはそう言うとテーブルに1人の女性の写真をおきました
「!?この女!」
「お知り合いで?」
「知り合いも何も!この女はとんでもない女よ!あの野郎!よりにもよってこんな奴と浮気するなんて!」
うわぁ、唯でさえブサイクな依頼人の顔が怒ってるせいか見るに耐えない顔に成っています。
「もう許せない!裁判よ!裁判!あのクソ女を死刑にしてやる!」
「それにしてもこの女性、見るからに悪女面ですね」
始まりましたか
「そうよ!探偵さんも分かるでしょ!この女はねクズよ!見栄をはるために何だってするの!」
「なるほど、こんな悪女の子供だ、寺子屋でもズルをして満点でも取りそうですね」
「そうなのよ!あのクソガキ!私の息子が40点しか取れないテストで100点だなんて!絶対、カンニングをしたに決まってるんだわ!それなのに教師もカンニングなんてありませんだなんて!」
「女性の方は何と?」
「私の子がカンニングするはずないなんて言い張るのよ!そのくせ私の清麻呂の頭が悪いだなんて!」
「だから脅迫文やわら人形などを送りつけた」
「そうよ!あの女を……えっ?」
「ありがとうございます恭子さん、自供してくれて、入って良いぞ」
バンッ!
事務所のドアが開き中から隣人隊のお三方が入ってきます、今日は3人だけのようですね。
「木町恭子、お前を脅迫罪の罪で逮捕する」
夜空さんはそう言うと依頼人改め加害者に手錠をつけます、生で手錠をかける所なんてそうそう見れませんよ
「ちょっと!これどうゆう事よ!」
「どうもこうも、私は彼らの調査に協力したまでですよ。犯罪者を捕まえるためにね」
「ふざけんじゃないわよ!私は犯罪なんて…」
「攻撃的な手紙を送りつけたり無断で他人の家に脅迫まがいの紙を貼り付けるのは犯罪だ、言い訳は聴かんぞ」
「何でよ!何で私が逮捕されなきゃならないのよ!こら探偵!アンタ、一生恨んでやるからね!」
加害者はそんな言葉を吐きかけながら夜空さん達に連れて行かれます、自業自得ですね。
「協力ありがとうございます、勝さん」
「ああ、気にするな」
「それじゃあ」
小鷹さんも勝さんにお礼を言うと夜空さん達の後を追っていきました、嵐が通ったようでしたよ、たった数分間の出来事なのに
「けど所長、よく依頼人が犯人だって分かったな」
「考えれば分かる事だ、依頼人の木村は日ごろから自己中心的な言動が多くてしかも暴力団を雇う程の逝かれた頭だ、恐らく逆恨みで被害者を脅していると推測したまでだ、予想通り、被害者の家を張り込んでたら深夜に木村が家に最初に貼られていた紙と同じ物を貼っていた、証拠写真は夜空達にやったがまだカメラに画像が残ってる」
勝さんはそう言うとポケットからデジカメを取り出し依頼主が被害者の家に紙を貼っている写真が写っています良く撮れてますねさすが最新型。
「けど、よくあの人もべらべらしゃべりましたね」
「ああゆうタイプは怒り出すと回りが見えなくなる、そこを付けば簡単に吐くとそう踏んだんだ」
「けど、今回は唯働きか…」
Yは残念そうに勝さんの椅子に座ります、怒られますよ
「いいや、まだだ」
「「えっ?」」
「まだ俺達の事件は終わってない」
勝さんはそう言うとうっすら笑みをこぼしました
(何か、又めんどくさそうな事に成ってきた)
元々この小説はpixivで書いていた物なのですがこちらは二次創作小説が主体なのでこちらに変えました、これから気長に見て言ってください。