「おい、聞いたかよ何でも最近 幕府の重鎮が襲撃される事件が起こってるらしいぜ」
「ああ、聞いた聞いた屋敷にいた全員皆殺しにしたとか」
「それが何でもよ、遠目から見た奴がいたらしくてな、そいつが言うには屋敷襲った連中は5人いたらしくてしかも全員……」
「皆、女だったらしいわよ」
「えっ!?女!……けどよ、屋敷には護衛とか警備の人間がいたんだろ」
「いくらなんでも女5人で全員殺るってのは……」
「そう思うだろ、けどよその話にはまだ続きがあってな」
「その女、全員が変な鎧を着てたんだよ」
「変な鎧?」
「ああ、そいつも遠目で良く見えなかったって言ってたんだが」
「その鎧着た女達が空を飛んだ瞬間を見たって言うんだよ………」
幕府重鎮の屋敷
「ぎゃあああ!!」
「ぐわあああ!!」
屋敷の殆どの障子は破れその全てに赤い血がべっとりと付いており、いたる所に頭や腕、体から真っ二つに分かれた胴体、蜂の巣にされ、辺りに内蔵や脳みそがぶち撒かれた庭
屋敷の中は地獄絵図と化していた
バサッ
「ぎゃあ!!」
重鎮を護衛していた最後の1人が振り下ろされた刀で切り殺された
重鎮「ひいぃぃぃぃぃ!」
重鎮の男は自分の目の前にいる謎の鎧を着た女の姿に恐怖し、悲鳴を上げる
女は……美しかった
長い黒髪は人の血で赤くなり、身にまとっている鎧は人の血と本来の紅色で禍々しい色をしている
だが、それでも女は美しかった、重鎮は恐怖で目の前にいるはずの女が目に見えておらず唯、目を閉じて怯えるだけだった
???「…………」
女は無言で右手にある刀を振り上げる
重鎮「まっ、待ってくれ…お前達の目的は何だ?金か、金ならいくらでもやる!欲しいものがあるんだったら何でも用意してやる!」
???「欲しいもの?」
重鎮「そっ、そうだ!頼む、命だけ「……貴様」……はっ?」
???「貴様の命だ!」
ザバッ!
女が振り下ろした刀は重鎮を上から真っ二つに切り開いた
ブシャアアア!!
重鎮は魚の開きの様な姿になりそこから大量の血が噴出す
???「…………」ニヤッ
女はその光景を見て笑みを浮かべる
女が屋敷の外に出るとそこには女と同じように体中を血に染めた4人の女達が立っていた
その女達は形は違えど黒髪の女と同じような鎧を着ていた
???「遅かったね」
金色の髪を束ねた女は黒髪の女にそう話しかけた
???「豚が最後に悪あがきをしてな、そのせいで時間をくった」
???「はっ、そんなのに足止めくうなんてあんたバカじゃなにの?」
茶色い髪をした二つ結いの女は黒髪の女を茶化す
???「ふっ、そうかもな」
???「とにかく、これで残るはあの男だけですわね」
もう1人の金髪の女は意味ありげな言葉を口にする
???「ああやっとだ、これでやっと……」
銀髪に眼帯をした小柄な女は狂喜の笑みを浮かべ
???「僕達の復讐が終わる」
???「徳川定々は高杉にとられたが…」
???「あの男だけは」
???「私達の手で……」
???「殺す……」
そう言って女達は空に飛んで行く
???「待っていろ…」
黒髪の女は男の名前を口にする、その男の名を……
???「待っていろ……勝海船!」
自分の復讐の対象である その男の名を……
12月30日 大晦日 前日
私と助手さんはおせち料理やその他の準備をする為、近くの大型スーパーに来ておせちの材料を買い揃え事務所に戻る道の途中でした。
私「あと二日で今年も終わりですか、年末は忘年会やら大掃除やらで忙しいかったですね」
助手『けど、楽しかった』
私「助手さんは良いですね、何でも楽しめて…」
プルルル
私「!……ちょっと、助手さん荷物持っててくれます」
こくっ
私は料理の材料が入った袋を助手さんに渡しポケットに入れてある携帯を取り出し電話に出ます
私「はいっ、どちら様でしょうか?」
勝「俺だ…」
私「勝さん、どうしたんですか?携帯は?」
勝「事務所に置き忘れてきた」
私「珍しいですね、勝さんがそんなミスするなんて」
勝「すまない、今日は帰りが少し遅れる」
私「えっ、年末なのに仕事ですか?」
勝「個人的な用事だ、夕方には必ず帰るから心配するな」
私「まったく……戻ったら明日の年越しそばとおせちの準備、お願いしますよ」
勝「分かってるって、それじゃあな」
私「ええ、早く帰ってきて下さい」
勝「はいはい」
ガチャッ
勝は電話の受話器を戻すと電話ボックスから出て歩き出すと近くのベンチに腰掛ける
勝「あれからもう5年か……」
勝は手に持っている菫の花束をベンチに置くと
そのままベンチで眠ってしまった
???(江戸の船団?面白い夢だな)
???(私もお前と同じ考えだ今のままでは私達は天人には勝てない)
???(どうやら、はめられたようだな私達は)
???(勝、私はお前が――――)
勝「はっ!」
勝が目を覚ますと辺りは日が落ちかけ夕暮れになっていた
勝「しまった寝ちまったか、今から急いでも帰りは夜だな……しょうがねえ、行くか」
勝はそう言って菫の花を持ちベンチから立ち上がるとある場所に向かって歩き出した
10分後
勝はとある墓場の隅の林の中に有る二つの墓の前にいた
勝「…………」
勝はその墓に菫の花束を供える
勝「久しぶりだな……そう言えば定々が死んだよ、どうやら暗殺だったらしい……暗殺で全てを築いた男が暗殺で死ぬなんて皮肉な結末だな……それと……やっぱ止めとくわ、じゃあな」
勝はそう言って墓場から出て行く
???「………」
その後ろに勝を追いかける影があった
真撰組 屯所
屯所内では先日の幕府重鎮暗殺の事を真選組局長 近藤勲、副長 土方十四朗、一番隊隊長 沖田総悟、隣人隊隊長その1 三日月夜空、監察の山崎下が話し合っていた
夜空「事件は先日の夜中、殺されたのは屋敷の主を含め、護衛に付いていた他所の隊士が10名、屋敷の使用人達、合わせて23名殺された…ほぼ、奴等の仕業だろう」
土方「確かにな、そこ等辺にいる攘夷浪士共にはこんな芸当 出来るはずがねえ」
沖田「けど、本当なんですかい?女5人で屋敷にいた全員を皆殺しにしたなんて」
近藤「俺も最初は信じられなかったが、3件目の事件の時に偶然 監視カメラに少しだけだが、屋敷を襲った奴等が映っていてな、俺とトシと夜空、3人でその映像を見たんだが確かにあれは女だった」
山崎「それで局長、襲った奴等はどんな格好をしていたんですか?」
近藤「ああ…一人目はツインテールの髪で報告にあった鎧は赤み掛った黒、中国で使われていた青龍刀を武器として使っていた」
近藤は言い終えると懐から二枚の写真を取り出した、一枚には近藤が先ほど言った少女が顔は見えないがうっすら写っており、二枚目には金髪の女性が写っていた
近藤「次はこいつだ、金髪の長い髪をした女で形や色は違うが、最初に言った女と同じ鎧を着ている、色は青 特徴はこの巨大な銃だろうな」
近藤は写真に写っている、巨大な銃を指差す
近藤「この銃に撃たれた奴は体が真っ二つになっていた」
土方「そんで、これが黒と橙の鎧を着た奴等だ」
土方は近藤と同じように写真を取り出す、その写真には眼帯をした少女、短い髪の少女の2人
そして……
勝「…………」
???「…………」
勝は自分を追う謎の影に気づいておりわざと路地裏に入る
???「………!」
謎の人物が路地裏に入るとそこに勝はおらず
勝「追いかけっこはここまでだ」
その謎の人物の後ろに勝が回りこんでいた
夜空「そしてこいつが最後だ」
夜空は懐から写真を取り出し
???「………ふふっ、さすがは勝海船、勘は鈍ってないようだな」
夜空「こいつだけは顔がはっきりと写っていてな」
夜空が出した写真には黒髪の少女がはっきりと写っていた
謎の人物は笠を取り、自分の顔を勝に向ける
勝「!?お前は!」
???「久しぶりだな、海船」
勝「……篠ノ之 箒」
最近少しスランプ気味です。