“世界の歌姫”のやり直し   作:ぷに凝

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ボルサリーノは原作時間から数えて12年前まで中将だったということなので、今年大将になったばかりってことで...どうスか(苦しい)


軍法会議②

“軍法会議”。それは本来、軍規に著しく違反した軍人を裁くための海軍本部の緊急集会。発動権限を持つのは、海軍本部“大将”以上の地位を持つ者のみ。

 

その会議には現役の“元帥”と海軍本部大将“全員”の出席が義務付けられている。

 

しかし、今回の“軍法会議”の開催経緯は極めて異例であった。なにせ裁かれる対象は、軍人ですらない...幼い少女だったのだから。

 

 

「...」

 

私は今、物凄く広い会議室の中で縮こまっていた。

 

...檻の中に入れられ、口を塞がれた状態で。

 

 

「全員揃ったな。これより、“軍法会議”を始める」

 

 

私はあの後、海兵さん達に連れられて、口を何かの装置で塞がれたまま軍艦に乗って移動した。不思議と息苦しくはない。

 

私のウタウタの力を警戒されてるんだと思うけど、口を塞がれなくても何故か力は使えなくなってる。“戻った”ことが影響してるのかも。

 

そして一日独房に入れられ、今朝になると小さな檻に移動させられた。この檻は車輪がついてて、移動が出来るようになってる。

 

連れてこられた会議室にはたくさんの海兵さんがいた。私の位置を囲むようにたくさんある議席はびっちりと埋められていて、必然的に、私に多くの視線が向けられていた。“注目”されることには慣れてるけど...こんな風に疑いの眼差しで見られることはあまりなかったから、凄く緊張する。

 

そして...

 

「ん〜、怖いねェ〜〜〜。こんな子供に、一国を滅ぼす程の“力”か...!」

 

「滅ぼしたのは“バスターコール”って話じゃねェか。実力は未知数だろ?」

 

「被害が出なかったのはただの“幸運”...!未然に防いでこその“治安組織”じゃ!!」

 

 

「...確かに言えることは一つだろう」

 

私の正面には、3人のすごく強くて怖そうな海兵さんが座ってて、さらにその一段奥の席に、頭にカモメを乗せた偉い人っぽい海兵さんが座っている。

 

 

「“魔王”の力は、一人の少女の裁量に委ねられている...!」

 

 

私の前に座ってる3人の海兵さんの内、2人は見たことがある。

痩せてて背の高い人は、ガープさんの知り合いっぽい人。もう一人、サングラスをかけた人は...“前世”で会ったことがある。

 

だけど、私の注意は...真ん中に座る、一番ガタイがいい人に向けられてた。

 

多分、あの人が一番恐い...!

 

「クザン、発案者はお前だったな。議題はなんだ」

「ほいきた。議題は『クゾンサ島』におけるバスターコールの真相解明、及び報告にあった“謎の巨大生命体”の正体についてです」

「...“トット・ムジカ”か」

 

ざわざわ、と会議室がどよめく。かすかに「実在したのか...」「あの伝説の...」「あんな少女が...?」「もう帰っていいか?」という声が聞こえる。

 

「静粛に。バスターコールの件については、発動を要請した“ CP(サイファーポール)”の役員と、実際に攻撃を行った“中将”5名を召喚している。真実は自ずと明らかになるだろう...ブランニュー!」

「はい。まずは事態の概要についてご説明します」

 

カモメの海兵さんに促され、会議室の壇上に立つ海兵さんが、映像電々虫を起こす。そこに写されていたのは、紛れもなくトット・ムジカの姿。

 

...本当に、私が解放したんだ。

 

「先日昼ごろ、“東の海”の『クゾンサ島』に向けて、ゴールデン電々虫を介して“バスターコール”が発令されました。攻撃は即座に行われ、『クゾンサ島』は壊滅...!その最中、突如、巨大生命体...“トット・ムジカ”が現れ、バスターコールは攻撃対象をこちらに変更。この件については、不測の事態における現場の対応として適切であったと評価できます。問題は...」

 

映像が切り替わり、あの白スーツの人が映し出される。

 

「このバスターコールを発令し、さらに攻撃後事態の収拾に介入してきたCPの存在...!大前提として、バスターコールを発令する権限を持つのは海軍“大将”と“元帥”の肩書きを持つ者という、極一部の限られた人間のみです。今回バスターコールを発令した“CP6”のタンボ長官には、本来その権限はありませんでした」

「うむ。確かだな?タンボ殿」

「え、えェまぁ...」

 

促され、大将さんたちの隣に座っていた小柄なおじさんが頷く。

 

この人が、バスターコールを...。

 

「しかしご存知の通り、バスターコールを発動するために用いるゴールデン電々虫は特例として譲渡が認められています。当然、発令権限も一緒に...!タンボ長官に権限を譲渡したのは...大将“サカズキ”殿。間違いありませんね?」

「...あぁ」

 

...サカズキさん。あの一番怖そうな海兵さんが...。

 

「サカズキ。お前は今回の“バスターコール”を把握していたのか?」

「えェ、知っちょりました。CP6の動向については、逐一報告を受けていたもんで」

「...何故、報告せなんだ。CP6との接点も初耳だぞ」

「わしがやったのは、権限の譲渡まで...。その後の動向まで報告してきたのは、向こうさんの都合...!管轄外の情報まで、上に持っていくわけにもいきゃあせんので...」

「...」

 

タンボさん?が、なにかを言いたげにしている。...もしかしたら事実は違うのかもしれない。

 

「...そうか。わかった。話を進めてくれ」

「はい。今回の事件、最大の争点はバスターコールは何故『クゾンサ島』を狙ったのか。より正確には、この島にある“何”を標的として行われたのか...!タンボ殿、ご説明願えますか?」

 

「...はい。我々の標的は...“山賊”でした」

「山賊...?なぜCPが山賊を狙う」

「そ、それは...」

 

すぅ、と息を吸い込んで、ダンボさんは悲痛な面持ちで告げた。

 

「奴らが...“海軍本部”の襲撃を、企んでいたからです」

 

 

世は大海賊時代。世界のあらゆる海には無数の海賊が存在し、それに対抗するため海兵も無数に存在する...そんな時代において、“山賊”の存在感は有り体に言って薄かった。

 

彼らは海を越えず、特定の陸のみで活動する略奪者。無数の島が存在し、大陸というものがほぼ皆無のこの世界では、どうしても勢力拡大は行き詰まる。

 

しかし、それは裏返せば世間の注目が集まっていないということでもあった。世界中、あらゆる“山賊”達はこの大海賊時代の中密かにコネクションを取り合い...やがて、一つの島に集結するようになった。それが『クゾンサ島』。

 

彼らは誓った。自分達を軽視する“時代”への報復を、“海賊”と“海軍本部”への下剋上を。やがて結集した意思は“海軍本部”への強襲計画として形を成した。

 

「...我々は、事態を把握していました。『クゾンサ島』に蔓延る悪意と、その矛先が向けられた場所を」

 

そう話し終えたタンボさんは、ふぅ〜と息を吐いた。

 

「山賊共の逆恨みか...!恐いねェ〜〜〜。我々の敵は海以外にもいると...」

「この“大海賊時代”に比べりゃ、規模は小せェだろ。総本山を叩いたならそうそう新たな脅威は出てこねェはずだ」

「仰る通りです。今回の“敵”は例外...!それだけに、事前に作戦を潰せたのは大きいかと...。なるほど、つまりバスターコールは...」

「はい。計画の阻止のため、行われました」

 

ざわざわ...。

 

「山賊共がそんな計画を...!」「見ろ、私は彼らが正しいと踏んでおった」「サカズキ殿はこれを予知して...?」「そろそろ帰り支度するか...」

 

「静粛に。なるほど、事情はわかった。では、この件については解決したと...」

 

 

 

「異議あり!!!」

 

ドン!!

 

...

 

.......

 

.........。

 

...え、なに今の。

 

「...な!ガ、ガープ...中将!?何のマネだ!!」

 

気づくと、議席に座っていたガープさんが立ち上がり...私に向けて指を指している!

 

「なんだも何も、バスターコールの件について何も解決しちゃおらんじゃろう」

「なんだと...!?」

 

...いや、これって私に向けられたものじゃなくて...。

 

「貴様も老耄したものよセンゴク...。のぅ!お主もそう思うじゃろう?サカズキ...!!」

「...ガープさん、こりゃ何の演目ですかね...?」




一番好きなのは『検事2』です。(?)
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