“世界の歌姫”のやり直し   作:ぷに凝

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タイトルがちょっと内容を伝え切れてないかな〜と感じて、思い切って変更しちゃいました。
新しいタイトルは『“世界の歌姫”のやり直し』!これだけ“ルウタ”作品がたくさん増えてる中で、自作の一番の取り柄は“やり直し”要素があることなので、それを前面に押し出してみました。
旧タイトル『麦わらの一味“音楽家”・ウタ』に愛着があった方々は申し訳ない!けど、このタイトルにもちゃんと意味があります。その辺りも含めて、今後とも本作をよろしくお願いします!ここからが面白いよ!


Tot Musica②

「“無錐龍”〜〜〜!!」

「ぬぅ!!」

 

ガープさんは、空を飛んできた海賊の人を前に、拳を構えた。

ズンッ、とまるで空気自体が重くなったようなプレッシャーが放たれる。

 

「“無錐釘”ィ!!!」

「せェい!!」

 

「うわァ!!」

「きゃあっ!!」

 

ガープさんが思い切り振り抜いた拳と、海賊の人の頭がぶつかり合い、衝撃波となって私たちを襲う。

 

「ぐっ...!こんなとこでガチ喧嘩やってる場合かよ!」

 

吹き飛ばされそうになった私とルフィを、ダダンさんが受け止めてくれた。

でも、見た目すごく強そうなダダンさんも、あの二人の気迫を前に冷や汗をかいていた。

 

「ひやホホホホ!ガ〜プ!!“最弱の海”への遠征など、退屈だとばかり思っていたがなァ!!わからぬものよ!!!」

「えぇい、どけぃ丸頭ァ!貴様に構ってる暇などないわァ!!」

「誰のせいで丸頭だァ〜〜〜!!!」

 

なんだか、あの二人には因縁があるっぽい。海賊の人からすごい怒りを感じる...。

 

「フン!ならばその丸っこい頭ァ!!今度は跡形もなく粉砕してやるわァ!!」

「出来るものならやってみせろ!貴様への積年の恨みィ!!一日たりとも忘れたことは...ん?」

 

「“拳骨メテオ”ォ!!」

「ぶげぇーっ!!?」

 

ザッパーン!

 

「あ、海に落ちた」

 

二人に何があったのか...わかる間もなく海賊の人は沈んでしまった。意外と早い決着だった。

 

「おい!ルフィ、ウタ!今から言うことをよーく聞け!」

「ん?なんだよじいちゃん?」

 

ガープさんは戻ってくるや否や、マキノさんの乗っている船を指差してこう言った。

 

そしてそれは私と、多分ルフィにとっても、これから先に待つ苦難の序章だった。

 

「お前達を今から、あの船に飛ばす!!お前達がマキノを救ってこい!!」

「...え」

「え?」

 

「「えぇ〜〜〜!!?」」

 

 

 

「お、おい!!なんだこれ!!やめてくれ!!じいちゃ〜〜〜ん!!!」

「ええか!!(チンジャオ)は恐らくすぐにこの場に戻ってくる!!呑気に海中遊泳などしとったら、奴の丸頭の良い的じゃ!だが、奴の狙いはワシ一人!!だからお前が助けに行くんじゃ!!」

「だ、だからってなんでこんな...!!ボールみてェな持ち方すんだァ〜〜!!」

 

「ル、ルフィ〜〜〜!!!」

 

目の間に地獄が繰り広げられていた。

 

家族という関係であるはずの二人が、私の目にはまるで投手とボールのように映っている。...実際その通りのことをやるつもりなのだろう。

 

「ワシの腕も昔に比べ鈍ったがのう...!あの頃は、砲弾を大砲より強く投げたもんじゃ!!こういう風にな!!“拳骨”〜〜〜!!!」

「うわああァァ!!?」

 

「“メテオ”〜〜〜〜〜!!!」

「わああああぁぁぁぁ....」

 

...。

 

「あ...!あ、あ...!」

 

ルフィが...殺された...!お祖父ちゃんに...!

 

身体中がガクガクと震え、歯がガチガチと壊れた楽器のように音を立てる。涙が止まらない。

 

私はその瞬間。

 

「...さて、次じゃ」

「い、いやあああぁぁぁ!!!」

 

かつてないほど“死”を覚悟した。

 

 

「ええか。ルフィにはお前をしっかり受け止めるよう言ってある。だから安心せい」

「はい...(シクシク)」

「マキノを助けたら、どこぞに隠れてやり過ごすんじゃ。あのアホを片付けたらワシもすぐに向かう」

「はい...(シクシク)」

「ルフィの奴が戦おうとしたら、絶対に止めろ!それが出来ると言うから連れて来たんじゃ!そんなことも出来んようではルフィと一緒に海へ出るなんぞ、このワシが許さんぞ!」

「はい...!(シクシク)」

 

「ガ〜〜〜プ!!貴様よくも〜〜〜!!!」

 

私がガープさんの腕の中でガタガタ震えていると、海の中から吹き飛ばされた海賊の人が浮かび上がってきた。本当に生きてたんだ...。私は死にそうだけど。

 

「チッ、思ったより元気じゃのう。飛ばすぞ!ええな!!?」

「は、はいぃぃぃ...!」

「“拳骨”〜〜〜〜!!」

 

あ、なんか前世の私がお空の上で手を振ってる...。

 

「“メテオ”〜〜〜〜!!!」

 

 

「あばばばっばばばっばば」

 

 

し、死んじゃう...!

 

「き、来た!“ゴムゴムの”〜!!」

「だずげでル゛フ゛ィ゛〜!!!」

 

大人気なく大泣きしながら私は空を飛ぶ。船の上でルフィが両手を広げて仁王立ちしているのが見えた。

 

...まさかそれで受け止めるつもり!?

 

「“クッション”!!ぶへぇ!!」

「あぶっ!?」

 

爆発にでも遭ったかのような衝撃と共に、私とルフィはゴロゴロと転がる。

目がぐるぐる回り、自分が今立ってるのか倒れてるのかもわからない。

 

「あうぅぅ〜...ル、ルフィ〜...?」

「げほっ、げほっ...き、効かねェ...!ゴムだから...!」

 

...けっこう、苦しそうなんだけど。

 

「...負け惜しみ?」

 

でも。とりあえず生きてはいるらしい。.

 

...奇跡だった。

 

 

「ルフィ!さっさとして!マキノさん探さないと!」

「お、お前...!さっきまでフラフラだったクセに...!」

 

私とルフィは、静かに(?)船内を探索し始めた。目標は、見つからずにマキノさんを救出することだ。

 

甲板には誰もいなかった。恐らくマキノさんは船内だ。

 

「...人、いないね」

 

外からこの船を見た時、マキノさんと一緒に数人の山賊っぽい人達が一緒にいた。中にはもっといるのかと思ったけど、予想に反して船内はもぬけの殻だった。

 

「甲板で見たあの人達で全員だったのかな。じゃあせいぜい数人しかいないのかも」

「ししし!じゃあおれのパンチでも倒せるな!」

「やめなさい」

 

そんな風なやり取りをできるくらいの余裕はあった。

 

そのまましばらく、船内を二人で探索する。

 

「ウタ、マキノいたか?」

「ううん。見つかんない。どこにいるんだろ...」

「う〜ん。マキノを連れてったってことはよ!あいつらにとっちゃマキノは宝みてェなもんなんじゃねェか?」

「うん...うん?」

「それならさァ!宝って奥の方に仕舞うだろ?奥の方探してみよう!」

「そんな単純なワケ...」

 

「あった...」

 

「〜!〜〜!!」

「マキノ〜!ほら見ろ当たった〜!」

「案外ルフィの勘もバカにできないね」

 

船内を奥の方に進むと、見つけたのは独房室だった。

 

そのうちの一室に、マキノさんが捕らえられている。早く助けてほしいと懇願するように、首を必死に横に振って訴えかけていた。

 

「ルフィ!この独房の鍵探して来て!私はなんとか鍵無しで開けられないか試してみる!」

「おう!わかった!鍵だな!鍵〜鍵〜、かーぎはどっこだ...ぁ?」

 

...?

 

「ルフィ?」

 

バキッ

 

...

 

......。

 

 

...目を覚ますと、私はどこかの暗い室内にいた。

 

...ここ、どこ...?...暗い、怖い。

 

シャンクス、助けて...。

 

「あ?おい。女の方は目ェ覚ましたみたいだぞ」

「ん、浅かったか。もっと強くイった方がよかったか?まぁいいだろ。子供一人ぐらい目覚めたって。大した影響はない」

「本当か?せっかくここまで逃げてきたのに、ガキのせいで捕まるなんて御免だぞ...まぁ、いい。で、女は売り飛ばすとして、どうするよ」

 

ぐわんぐわんと揺れる視界の中で、必死に探す。

 

「こっちの男の方のガキは」

 

「...ル、フィ...」

 

一緒に海に出ると約束した男の子の姿を。

 

「んー、まぁ生かしてもいいけどな。そんな高くはつかねェだろうけど」

「そうか?なんでもこいつ、あのガープ中将の孫だって言うじゃねェか」

「え、マジか。アイツの?ふーん、じゃあ...」

 

 

「バラすか?」

 

 

ーーーーーーー!!!!

 

金属が擦れ合うような、暴力を振るうためだけに存在しているかのような音が聞こえる。私には、その音が次の瞬間には命をただの物体に変えてしまうような残虐性を持っていることが、直感で分かった。

 

「...やめて」

 

体が動かない。

 

「おいおい、あんま散らかすなよ?片付けんの面倒臭ェんだから」

「わーかってるって。ちゃんと...」

 

 

「やめろ」

 

 

「一撃でブッ殺すからよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルフィに触れるな。ゴミ共」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ

 

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ

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