裏のある天使と前向きな少女 作:はちみつレモン
「へ?明日?」
「そう。空いてる?」
「普通に午前中は試合入ってるけど午後なら空いているな。どうした?」
「…ちょっとね。少しだけ失敗しちゃって。」
桔梗が珍しく真面目な話でどこか失敗したようらしく俺に珍しく頼りごとらしい。
「…そういえば佐倉と話していたな。もしかしてなにか関係あるのか?」
「うん。実はね。」
と佐倉と桔梗が話しかけたきっかけを話し始める。どうやらきっかけは佐倉と交渉中にカメラを落としたらしくその時にカメラを壊したことが原因だそうだ。
……まぁ佐倉にとってはカメラは唯一本島で支えてくれる人に向けているメッセージだから仕方ないか。
「そういえばあんたは佐倉さんのこと何か知ってる?」
「ん?一応何個か情報はあるけど?というよりも佐倉にとっては結構大きい情報だし、今の佐倉は正直一番人の目を警戒しないといけないからな。」
「…どういうこと?」
「ん。これ。」
俺はとあるSNSツールでサイトを開く。この学校では文字の入力などはできないけど写真などで外部に情報を漏らすことができる。
「ん?えっとシズク?ってこれって。」
「佐倉だろうよ。入学した時から気づいていたけどグラビアで結構人気あったからな。それに最近写真は投稿されてるけどコメントしてないからほぼ確定かな。」
「……」
そして当分の間黙り込む桔梗に俺は小さく首を傾げる。
最近分かっていたことだが疑いのある言葉は基本的には黙る癖がある。なので不安を取り除く為に何が原因かを告げる。
「どした?」
「もしかして、佐倉さんのこと。」
「いや、それはない。つーか目撃者が誰かと言われたらあのクラスで可能性があるのは唯一佐倉だけだったからな。」
「……孝介くんも気づいてたの?」
「気づいていたっていうよりもあの中でいつもと違う動きをしたのと、桔梗が珍しく佐倉と話しにいっていたから調べたんだろうが。元々シズクなのは昔見た漫画の表紙に写っていたから知ってたし。」
「…あ〜そういや。あんたは漫画見るんだったよね。」
「昔の友達が好きだったしな。」
今でも会話を広げるために読んでいるのもあるのだけど。元々成績もそこまでは高くないので小説よりも漫画の方が読みやすい。
納得を得られたのか桔梗はその情報を見る。
「でも孝介くんよく気づいたよね。」
「ん?見たことあるとは思ってたし伊達眼鏡をかけてたからな。」
「伊達眼鏡?」
「そうそう。横から見ると結構わかるぞ。屈折がないし俺もオシャレで眼鏡かける時はあるから。でもあいつのはどちらかといえばオシャレっていうよりも比較的目立たないようにしているのは桔梗との会話で分かる。まぁ桔梗のアプローチも間違ってはいたとは思うけど。あのタイプは桔梗は結構厳しいだろうな。相性が最悪に近い。ワンチャン俺と堀北以上に相性が悪いぞ。」
「えっ?」
「タイプが真反対なんだよ。桔梗は良くも悪くも人の目を集めやすい。何もしなくてもな。でもな。佐倉の第一優先は目立たないことなんだ。だからこそ桔梗が話すことは本来なら厳しい。桔梗に電話番号を渡したのも桔梗に電話番号を渡さなかった唯一の生徒になるのを防ぐためだろ。」
元々グラビアモデルをやれるほどのビジュアルを持っている佐倉は人目を恐れる。それが佐倉という人間であり桔梗とは真逆だと言えることなのだから。
「まぁだからこそカメラを壊れたついでとは言え買い物にありつけたのは正直桔梗の頑張りだろ?正直それすらもできないと思ってたからな。」
「…本当によく見てるね。」
「まぁ見るだろ。桔梗がやっていることはさすがに気になるし、少しばかりは助けになりたいしな。」
「……」
「どうした?」
「ううん。なんでもない。」
桔梗が頑張っているのは分かっている。それを助けるのは当たり前だだと思う。
「でも何で俺?正直今回に限っては人選は微妙だと思ってるんだけど。」
「別に。特に意味はないけど。」
まぁいいや。桔梗と出かけるの結構楽しみだし、ちょっくら佐倉に恩を売り時だろうからな。
俺も少し危ない位置にいるからここで味方を作っておこうと思うのであった。