「よ〜し。準備はできてるようだな!」
王城の裏口から抜け出し、林の中でクロモトと合流したカイトとミク。その姿はいつもの王子とメイドのものではなく、一般的な冒険者の着る様な旅人の服姿である。
「二人ともいつもと違った印象で似合ってるじゃねぇか」
「ありがとうございます」
「別に貴方に褒められても嬉しくありません」
「相変わらずつれねぇなぁミクは……カイト坊もそう思うだろ?」
クロモトの指摘にミクを見るカイト。いつものメイド姿とは違い法術師に近い格好で、いつも後ろで束ねていた髪はそのままストレートにおろしている。
「いや、このミクも俺はカワイイと思うけどな」
「……カ、カイト様ぁ♡ そのっ……カイト様もお似合いです!」
対してカイトは剣士であるがその姿は斥候、スカウトといった感じの格好で変装の為に帽子を被っている。
「実は超接近特化のヒーラーねぇ……騙されて接近したら最後、ナイフでブスリだからなぁ……恐ろしや恐ろしや…………」
――シッ。
「黙らっ――ケフン。お黙りになられてよろし? クロモト様★」
笑顔(?)でクロモトを見たミクの手には投げナイフが握られており、またクロモトの後ろの木の彼の首の高さ辺りにもナイフが刺さっている。
「殺す気かっ!?」
怒鳴るクロモトを無視し、城下町へとカイトの手を引き進むミク。このパーティー……大丈夫だろうか?
「こうしてカイト様と街に出るのも久しぶりですよね!」
笑顔のまま繋いだ手を引くミクに引っ張られるまま街中を進む。市場は賑わいを見せ、国民は皆平和な日常を謳歌しているように見える。
「オイ、ミク! 目的地はそっちじゃねーぞ。カイト坊と外に出れたからってデート気分ではしゃいでんじゃねーよ!」
「デート!? そんな……私とカイト様で…………♡」
「俺も居るの忘れんじゃねーよ……ったく、先ずは冒険者ギルドに向かうって話してただろう。それとその『カイト様』って呼ぶの禁止な。あくまで俺らは唯の冒険者として活動すんだから」
クロモトさんの激にミクがピクリと反応する。確かに様付けじゃあそれだけで身分がバレる可能性もある。
「ミク。冒険者の間は呼び捨てにしてくれて構わないから」
「呼び捨て?…………カッ、カイトさ…………カイ……ト……!?」
耳まで赤くしたミクが後ろを向いてプルプル震えているが、その口元がニンマリしているのを俺は知っている。お姉さんだけどミクのこういう反応って可愛いんだよなぁ〜
そんなこんな話している間に冒険者ギルドに到着する。俺とミクの冒険者登録をする為と、今回の旅に同行するギルド推薦の魔術師と合流する為である。
魔法が使えない訳ではないのだが、俺は火と光の初級魔法。ミクは水と風の初級魔法に回復魔法のみ中級まで。
クロモトさんは基本の四系統の中級魔法までなら大体使えるらしいが、もっぱら前線で大剣や斧を振るってるのが合ってるのか魔法はあまり使わないらしい。
「やっと来たわね! アタシを待たせるとは良いご身分なものね!」
ギルドの入り口からひょっこり一人の少女が姿を現す。もしかして…………
これで四人揃います。
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