入り口から現れた少女は両手を腰に当て、待ってましたとばかりにカイト一行をジロジロと見ている。
「何だ、このチビジャリは……んっ? AAのロクジュ――『ク・ロ・モ・ト・サン?#』――だと!? あっ……グヘッ!?」
「!?」
「うわぁ…………」
余計な事を言おうとしたクロモトにミクからの天誅が下ったようだ。突然自分の胸のサイズを言われ……そうになった少女は腰に当てていた手を、胸を隠すようにクロスさせ、クロモトを睨みつけるように見るのだった。
「こんな可愛らしい少女の胸まで凝視して、何を言おうとしてますか#」
「クロモトさん……流石にこんな小さな子どもまでは……」
カイトとミクが少女を守るようにクロモトとの間に入る。当事者の少女はプルプルと体を震わせ、怒りを顕にするように顔を赤らめ、俯いている。
「……チビジャリ……子ども……#」
頭を上げた少女は、不気味な笑みと共に猛獣と化した……かと思ったところで、入り口から飛び出してきた誰かによって止められた。
「全く会って早々お主らは何をしておるのじゃ! シルフィーも落ち着かんかぁ!!」
止めに入ったのはギルドマスターで、放とうとしていたシルフィーの魔法をディスペルして打ち消し、暴れるシルフィーを後ろから羽交い締めにする形で押さえこんだ。
「バッ!?――って、どさくさに紛れてどこ触ってんだ# クソジジイ!!」
「ふ〜む……アレからまた成長しとらん様じゃのう。いや、これで全く問題は無いのじゃが」
幼気な少女を後ろから羽交い締めにして、胸を触る変態ジジイ……うん。ギルティ★
「ミク!」
「はい! カイト様!」
「――ウッ!? ヒョ!? ヌオォォォォ!?」
ミクのナイフが少女の胸にのびるジジ……ギルドマスターの腕へと切りかかり、ギル……エロジジイが離れたところにカイトの横凪の一閃が走る……しかし、その攻撃はギリギリのところで見切られてしまった様だ。
膝から崩れ落ちる少女。その前に武器を構え、ギルドマスターと対峙するカイトとミク。クロモトは……いつもの事なので置いておきましょう。
「…………」
「「「…………」」」
「ふむ。また腕を上げたようですなカイト様……それとようこそミク様! 歓迎致します!!」
げんなりとしたミクを横目で見ながら、苦笑いなカイト王子。何かおかしい…………
「変態ジ……ギルドマスターは放っといて、彼女を連れてさっさと出発しましょう、カイト様!」
「えっ……う、うぅん――「「ちょっと待てい!!」」――うん?」
ミクがシルフィーの手を取って、出発しようとしたところで、復活したクロモトさんとギルドマスターからのストップがかかる。
「出発もなにも先ずは冒険者登録だっつーの!」
「そうですじゃ! それとミク様は手続きの間は是非、教団の方でおくつろぎ下さい!」
「嫌です★ 結構です★ 遠慮します★……でも、仕方ありません……冒険者登録だけは済ませて出ましょう」
仕方なさげに体を180度回転させ、ギルド受付に向かうミク。繋いだ手はそのままにシルフィーもミクに引っ張られていく。
「ほら、カイトさ……カイトも早く! あっ、シルフィーは冒険者登録済ませてるの?」
「アタシ? アタシは既にDランクの冒険者よ」
新しい仲間は既に一端の冒険者であったことに驚いているミク。そう考えたら……最初はLvも経験も俺が一番未熟だったよな〜そういえば。それでこの後俺が怒られたんだっけ。ここはあえて怒られときましょうかね。
「まだこんな小さな子どもなのにDランクって凄いじゃな――『フン!』――ゴフッ!?」
「『小さな子ども』は余計だよ# それにこれでもアンタらよりかは年上なんだからね!」
「えっ?…………」
そうそう。シルフィーは子ども扱いされるのが嫌な、実はお姉さんなんだよな……見た目は中学生くらいなんだけど。
ミクが笑顔のまま固まっている。そうなんだよね、ミクよりも年上なんだよな〜
「えっ、冗談よね? シルフィーちゃん?」
「いや、事実だから」
そう言うとおもむろにローブのフードを脱いだシルフィー。そしてフードに隠されていた秘密が露わになる。
明日からストック切れるまで11:30予定です!