「ちょっ、近い! 近すぎるからぁ!」
「是非【バスト・アッパー】の事――ひゃん!?」
シルフィーの手を取り、まさに唇が触れ合おうかというところまで迫るミクに、流石のシルフィーも対応に困り、一旦距離を取ろうと腕を伸ばす。その時偶然かシルフィーの手がミクのおっぱいに触れ、ビビビッっとシルフィーの体を何かが走る。
「そう……アナタもなのね?」
「シルフィーさん……!」
それ以上言葉を交わすことなく、二人は頷き合い、そして手を握り合う。ここに貧乳同盟が結ばれた瞬間である。「因みに、後にクロモトさんが巨乳至上主義者と知ったウリムさんもコレに加わるんだよね」とのカイトの話しである。
こうして熱い絆で結ばれた二人が、熱く語り合っていると、登録を済ませたカイトがミクを呼びにやってくる。
「なんか凄く会話が弾んでたようだね。俺終わったから、次ミクの番だよ」
「あっ、はい! ありがとうございますカイト。では行ってきますね」
今度はミクが冒険者登録をするために受付へと向かっていく。その後ろ姿を見つめていると、ふとシルフィーが何かを思い出したかの様に疑問を呟いた。
「そういえばアノ娘の顔……どっかで見た覚えが有るのよね?」
「そうなの?」
「どこだったかしら……なんかとっても身近なとこだったと思うんだけど……」
そう悩むシルフィー。カイトもその答えが分からない為、共に悩むのであったが、正解はすぐ側にあるのを二人はまだ気づく事はできなかった。
「さぁ! ミク様。登録も済みました事ですし、是非教団――『出発しましょう、カイト★』――そこをなんとかぁ〜『嫌です★』」
笑顔は崩さず、ギルドマスターの誘いを断るミク。その二人の会話にさっきまで悩んでいたシルフィーがハッとした様に思い出す。
「そうだ! 女神ゾ――ムグッ!?」
「……メガミゾ?」
何かを発言しようとしたシルフィーの口を瞬時に移動したミクの手が塞ぎ、カイトと距離を取らせる。しかし残念ながら口は他にも存在したのだ。
「今もあなたの信者達が女神像の前で祈りを捧げております!」
「クククッ……そういや教団の女神像は……アーハッハッハ!」
「……キョウダン……女神像。あぁ!」
以前ギルドマスターに連れて行かれ見せられた女神像を思い出したクロモトが盛大に笑い出す。カイトも分かったのか納得した顔で思い出したようだ。
「そうじゃ! カイト様も是非見て頂きたい!」
「そうだな! カイト坊も一度見とくと良い!」
ギルドマスターとクロモトに両腕を捕まれ、教団へと連行されるカイト。
「イヤァァァァ!! カイト様はダメェェェェ!!」
急ぎシルフィーを放し、カイトを奪還しようとしたミクであったが……残念。扉が開きカイト達はその中へと入ってしまった。