こういうの好きな人はリクエスト等あればどうぞ☆できる限り対応させて頂きやす★
「ほう、あれが次代の勇者殿にしてヨークランド第一王子のカイト様か」
「可愛らしい子ね。私もあと少し若かったら……♡」
「あれがカイト王子……我が家の為にも今の内からお近づきに」
「我が娘よ……彼が将来お前のお婿さんになるカイト様だ。彼の寵愛を受ける事ができれば我が家は……いや、彼に気に入られるよう頑張るのだぞ!」
今日はカイト王子10歳の誕生日で、公式な場では初めてのお披露目会の日である。国内の伯爵以上の家系の者や、一部隣国の招待客といった小規模なパーティーである。(単に自慢の息子を早く臣下の者達に見せたかった親バカの……ゲフンゲフン)
参加した貴族の方々がカイトを見て色々とコソコソと話すのを、その地獄耳で聞いていたカイトの母ヨークランド王妃が「コホン」と言ったところで何かを感じたのか、会場が一瞬静まり返ったのは偶然だろうか? ま、まぁ、それは取り敢えず置いといて……実はこの日、カイトとは別に初の社交界デビューを飾る少女が居た。それがミクである。
今日はメイドの姿でなく、薄い紫のドレスで身を飾り、綺麗にメイクアップした姿での参加である。
「フフッ、緊張しているのかいミク?」
「御父様……その、こういったドレス姿は久しくする事も無かったので」
「心配せずとも、とても綺麗だよ。この後、会場の視線はミクが独り占めしてしまうかもしれないね?……勿論カイト王子の視線もね☆」
「御父様!?」
ミクは今日限定で実家のミットガルズ聖王国の侯爵令嬢として参加している。15歳になったミクの社交界デビューもひっそりと兼ねていたのである。
各家がヨークランドファミリーに挨拶していく中で、未だ10歳のカイトは緊張と不慣れもあってか、ぎこちない対応も多く、紹介された年の近い娘や息子にも一言二言といった返事しか返せていなかった。しかしミクの親子が順番になりカイトの前にやって来た時、正直つまらなくなりかけていたカイトの表情が笑顔になり、ミクに対してカイトが小さく手を振ったことで会場がざわつき始める。
「あの令嬢は誰だ!?」や「誰なの? あんな娘初めて見ましたわ!?」などザワザワとする中でミクは父親と共に挨拶をしていく。
カイトの視線は最早ミクに固定され、着飾った彼女を上から下までジッと見詰めていた。
「カイト様。本日は10歳の誕生日、おめでとうございます!」
「ありがとう。今日のミクはいつもより綺麗だね! 見てビックリしちゃったよ」
「そ、そんニャ……ありがとうございます」
和やかに挨拶は済み、次の家へと移っていった。そして挨拶が終わりを迎えたところで、会場に盛大な音楽が鳴り響き、国王が王妃の手を取り立ち上がる……舞踏会の始まりである。
ファーストダンスはヨークランド国王と王妃のペアとミットガルズ聖王国から国王代理として来ていた第一王子とその婚約者の公爵令嬢のペアが舞い踊り、場を盛り上げた。本来ならカイト王子も入るところなのかもしれないが、残念な事にカイト王子はダンスが苦手なのとまだ10歳という年齢もあって、実は優しめの曲で一曲踊るのでまだ精一杯な状況なのである。
その為、出番までは席に座ったまま皆の踊りを眺めているだけで、そうとは知らない令嬢達は熱い視線をカイト王子に送り続けるのであった。
「カイト、次の曲だぞ。失敗しても構わん。楽しんで踊ってこい」
「しっかりパートナーをエスコートしてくるのですよ。まぁ、相手は聞かなくても分かってますけどね」
「父上……母上!?」
両親に後押しされ、遂にカイトが席を立つ……令嬢達からの熱い視線は最上級となり、各家の代表は誰を選ぶのかとこちらも注目をする。そんな中でもカイトの歩みは迷う事なく一点へと歩いていく。
「宜しければ一曲踊って頂けますか?」
「はい……喜んで♡」
歳を重ねた後になっても、彼女にとって最高の思い出は? と聞くと必ずこの日の事を語ったらしい。
「キイィィィィ! だからあの女誰なのよ!」
「良いなぁ……二人ともすごく楽しそう」
「そんな……わが娘が選ばれないなんて……いや、まだ曲は終わっていない。次の曲では……ブツブッ…………」
この手の昔話の話もいくつかストックあるので、
随時更新していきます。チッパイ教団の話とかです(笑)