てことでニーゴオリ主もの二次創作もっと増えろ。
長くなりそうなので分割とかほざいておいて3000文字程度になりました。テヘペロりんちょ
それはそうとてバースデー瑞希滑り込みゲットでした。いつもお前は遅いんだよ!(end並感)
「聴いて欲しいもの?」
机を挟んで対面するまふゆと俺。
きょとんとした表情を浮かべるまふゆに対し、俺の顔は緊張のせいでかなり強張っている。
「あ、ああ!実は俺、曲を作ってみたんだ。動画サイトにアップしようと思ってるのだが、公開する前に一度まふゆに曲を聴いてもらいたいと思ってな!」
あらかじめ考えておいた口実だ。動画サイトにアップするつもりなのは本当だが。俺の歌をもっと沢山の人に聞いてもらいたい。そういう思いが何処かにあったのだろう。
「曲って……凄いね、小夏って本当になんでもできちゃうんだ」
「いや、別に凄くなんかないぞ。勉強さえすれば誰にだって作れるはずだ」
これは事実。なんなら作ろうと思えば全く勉強をしていない素人にだって曲と呼ばれるたぐいのものは作ることができる。まぁ、曲としてのクオリティに目を瞑れば、の話だが。
俺が言ったことは本当だ。それなのにまふゆは表情を一転させ、露骨に不機嫌そうな顔をする。
「むぅ、私、小夏のそういうところ嫌い。行き過ぎた謙遜は嫌味になるんだよ?もっと自分に自信を持ってよね」
「うっ……善処します……」
「ならよし」
ヒィン……。本心だろうが本心じゃなかろうが、好きな女の子からの「嫌い」はかなり心に来るものがあるのだ。
……まふゆの場合は本心など無いのだろうが。
この季節にしては少し冷たいくらいの生温い風が、窓の隙間から吹き付ける。
本心など、無い。
思考を巡らせる中で自然と出てきた言葉をリフレインさせる。
……俺の曲を聴いて、まふゆは何かを感じ取れるのだろうか。俺の歌を聴いて、まふゆは本当の思いを、本心を見つけることはできるのだろうか。ふと、そんな不安が頭をよぎる。
そもそも、俺の曲なんかで―――
ってダメだ、今まふゆに言われたばかりじゃないか。
ぶんぶんと頭を振ってネガティブ思考を吹き飛ばす。もっと自分に自信を持たねば……
「……それで、どうだまふゆ、聴いてくれるか?」
「もちろん!むしろ聞かせて欲しいくらいだよ。小夏がどんな曲を作ったのか、凄く気になるな」
「本当か! じゃあ、ハイこれ!」
再生ボタンを押すだけだ!と俺のスマホをまふゆに渡す。
「ふふ、ありがとう。早速聞かせてもらうね?」
「お、おう!」
思わず声がうわずる。
俺のスマホを片手にイヤホンを耳にはめるまふゆを見て実感する。
ようやく、このときが来た。
実際はまだそうと決まった訳ではない。それなのに、まふゆを救えた気になっている俺は多分、シンプル馬鹿なんだと思う。分かっている。分かっているのに、ふつふつと湧き上がってくるこの感情を抑えることができない。
今までの努力が遂に実ろうとしている。そう考えるだけで、どうしようもない程に胸が高鳴ってしまう。
まふゆの指がスマホの画面、もとい再生ボタンに触れた。恐らくまふゆの耳には、既に曲のイントロが流れ出しているだろう。
「……」
「……」
俺とまふゆ、二人きり。静寂に包まれた空間の中、画面に視線を落として曲に聴き入るまふゆ。そしてそんなまふゆを緊張した面持ちで見つめる俺。
なんだか気不味い。二人でいる時はいつも喋っていたからか、無言で静かな空気感には耐え難い。
……それにしてもまふゆは正面から見ても美しい。かわいい。
「……」
「……」
先程から汗が額を伝っていくのがうっとおしい。今は春だというのに。まぁ俺が前に見据えるまふゆには、汗を掻くような素振りがないので俺だけだとは思うが。
チクタク。秒針の音がやけにうるさく聞こえる。あぁ、全くもって気が散る。大事な時に限って関係のないものに気が引かれてしまうこの謎現象は一体何なのだろうか。この現象には名前とか付いてるのだろうか?後で調べてみよう。やっぱ面倒だしいいか。
そんな知性の欠片もない、アホなことを考えていた時。
輪郭をなぞって伝ってきた汗が滴り落ちる前に、手の甲で顎を拭おうとしたちょうどその時だ。何気なく、まふゆの顔を見やった。
「……」
「……っ」
動いた。
瞳が揺らいでいる。
恐らく、何かを感じようとしている。
曲が始まって1分ほど経ったあたりだろうか。まふゆの顔に見て取れる動揺が浮かんだ訳でもない。空気が変わった、とでも言えばいいのだろうか。
まるで、まるで……なんだ?いい例えが出ないな。
まぁつまるところ、まふゆを取り繕っていた仮面にひびが入ったということだ。多分。
俺の歌でまふゆにそれ程の衝撃を与えることのできた。彼女が俺の歌に抱いた思いがいい方向のものなのか悪い方向のものなのかは置いておくとして、これはとても喜ばしいことだ。
喜びのあまり叫びだしてしまいそうだが、まふゆの前でそんなことをしたら色々と終わる。ぎゅっと握りこぶしを作って溢れ出んばかりの思いを閉じ込めた。
勝手に拳がわなわなと震えだす。なんだこれおもしろ。感情を無理やり抑え込むとこんなことになるのか。
っといかん。また変なことに気が行ってしまっている。
曲も間もなく終わる頃だ。まふゆの顔を今一度じっと見つめてみるが、やはり何かが違う。何が違うのかはよくわからない。というか表情に変化はない。
ただ間違いなく一つ言えることは、俺は今のまふゆの方が先程までの彼女より好きだ。いやどっちも好きなんだが、なんというかこう、今のほうが本当のまふゆを見れている感じがしてとても嬉しいのだ。
まふゆがすっと顔を上げる。曲が終わったらしい。イヤフォンを外して手に持っていたスマホを机の上に置いて、ため息を一つ。
え?まふゆさんそのため息はなんなんですか?もしかして「は?何この曲きもちわるい」のため息ですか?
ごくりと生唾を飲み込み、緊張のせいで重くなった口を開く。
「……ど、どうだった?」
「……」
……返答が来ない。俺の声が全く届いていない。まふゆはぼんやりとした顔で机を見つめている。これは余韻に浸っているのか、曲が酷すぎて閉口してしまっているのか。前者であってくれと願いながらまふゆに呼びかける。
「お、おーい?まふゆ?聞こえてるか?」
「……え、あ、ごめん!ちょっとぼーっとしてちゃってた。あはは……」
ぶんぶんと彼女の目の前で手を振ったらようやく気づいてもらえた。ほっと一息つくのも束の間、気を取り直してまふゆに問いかける。
「そ、そうか。ならいいが……それで、どうだっただろうか?俺の歌は」
「えっ…………あ、うん。良かった、と思うよ。私には音楽のことはよくわからないけど、すごく優しくて心地よくて……とっても、あたたかい気持ちになった。」
「! そうか……!そう思ってもらえたなら、よかった」
まふゆの幼なじみ歴二桁年の俺が断言しよう。今のまふゆの言葉は、心からのものだ。
あたたかい気持ちになった。昔初めてまふゆの前で歌を歌った時、あの時もそう言ってくれていた。
あのときのまふゆは満面の笑みを浮かべて語っていたが、今のまふゆには見る影もない。なのに何故だろうか、今目の前にいる彼女と遠い昔の記憶、花のように綺麗な笑顔を咲かせる彼女が重なって見える。
俺の感情はもう語るまでもないだろう。
◆
ここ最近、乗りに乗ってる歌い手がいるらしい。なんでもそいつはまだ高校生で、曲を出し始めたのもついこの間のルーキーだ。まぁ俺なんだが。
『君を救える歌声』をキャッチコピーに掲げ、一年ほど前から某動画サイトを拠点として活動をしているシンガーソングライター【taiyo】
彼の男性的でとても力強い、けれどどこか優しさを感じる歌声に救われたという声も少くありません。正に『君を救える歌声』、というわけなんですね。
ネットニュースの記事から抜粋したものだ。自分で読むのは恥ずかしすぎるだろこれ。
まふゆに歌を聴いてもらった日以来、俺はシンガーソングライターとして活動をしている。
投稿を始めたばかりの頃は、再生回数に伸び悩んでいて、良くて4桁程度だった。
しかし下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとでも言うのか、運良く一つの曲が大当たり。エグいくらいバズったのだ。
そこからはもうトントン拍子で事が進み、最初にバズった曲を筆頭に再生回数がぐんぐんと伸びた。メジャーデビューも近いのではないか?と噂されるようにもなった。まぁ実際のところはデビューするつもりなど毛頭ないのだが。俺の本業は高校生だ。
こんな感じで上手いこといっているシンガーソングライター人生だが、俺の目的はまふゆを救うことであり有名になることじゃない。
……まぁでも、少しくらいの寄り道ならば許されるだろう。
さぁ、今日も今日とて歌を歌うとしようか。
どうもバーが伸びててバク宙しました拙者です。これからはバーが伸びるたびにバク宙します対戦よろしくおねがいします。
評価を下さった偉大なる神々へのお礼を兼ねて、お名前の方ご紹介させていただきます。
ワニやろう 様
白花 遥 様
10評価ありがとうございます!貴重な10評価を頂けるなんてこの身に余る幸せ!
霜月ハク 様
AKA_AKA_AKA 様
金のタマ 様
Syurei 様
x+i 様
Kami様かも 様
9評価ありがとうございます!こちらも価値が高い!それなのに6人もの方が評価してくださるなんて……!
頂いた評価に見合うような拙作でありたい。その思いでペンを走らせている今日このごろです!
拙作のことを少しでも良いな、と思っていたただけた方がいらっしゃったら、感想、評価、お気に入り登録の方をしていただけると作者の励みになります。
ところでスパダリは
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ええんちゃう?
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いやーちょっとね……
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きっしょ、しねば?