頑張って書いた8000文字が全ロスしました(半ギレ)
モチベも全ロス。
代わりに超急ぎ足で書いた2500文字を投下。クオリティは言うまでもなく低い。
低気圧が原因で降り続ける雨。かれこれ2日間は続いている。本当に春なのか疑わしいレベルだ。
足場がなくなってしまうほどに水たまりが大きくなり、外に出るのならば長靴は必須になってくる。
そんな今日は学校が休みの土曜日で、俺が歩いているのは食材の買い出しの帰り道。時刻は17時を回っている。パシャパシャとはじける足音が少しやかましく感じ始めてきた。
でも、あと少しで家につく。十数分の辛抱だ。なんてことはない。
「きゃっ」
「うおっ!?」
なんてことあるんですねこれが。前方不注意、前から歩いてきて女性にぶつかってしまう。傘は手から滑り落ち、あらぬ方向へ飛んでゆく。ぶつかった女性は水浸しのコンクリートに尻もちをついてしまった。
「ごっごめんなさい!大丈夫ですか!?」
「ってて……あ、はい……すみません、前見てませんでした……」
女性に手差し伸べ、立ち上がってもらう。
「あ、ありがとうございます……」
「いえいえそんな!俺もよく前見てなくて……え?」
「? ……あっ」
「「奏ちゃん!?/小夏?」」
ぶつかった女性―――艷やかな銀の髪を腰あたりまで延ばした少女と、顔を見合わせ目を丸くする。無理もない。
たまたまぶつかった人が、小さい頃に一度あったきりなのに何故か忘れられない少女だった。
そんな漫画みたいなことが実際にあることだなんて、夢にも思わないだろう。
「やっぱり!奏ちゃんだ!久しぶりだなぁ……!」
「ひ、久し振り……」
「あぁ!それにしても奏ちゃん、随分と変わったな!髪すんげぇ長い!」
「あ、えと……小夏は、変わってないね」
彼女の名前は宵崎奏。父に連れていってもらったとある音楽展で出会った少女だ。
もう10年以上前のことになる。奏ちゃんが彼女の父に手を引かれ、おぼつかない足取りで歩いているところに俺がアタック(物理)をしたのが奏ちゃんとの出会いだった。
それにしても、本当に変わったな、奏ちゃん。
昔の彼女はもっと快活で元気な女の子だったのに、今では見る影もなく、とても落ち着いた雰囲気を纏っている。
「そうだろうか?……いや、そうだな!今も昔も俺は声がデカイからな!ハハハ!」
「うん、ホントにあの時と―――っくしゅ。……ごめん」
可愛らしいくしゃみがひとつ。人通りのない、車すら通らない道路に寂しく。木霊するわけでもなく、虚しく消えてゆく。
懐かしい気持ちに浸っていたせいで完全に忘れていたが、今は雨が降っていて、ここは住宅街。ついでに傘はどっかとんでった。
そうしたらもう、風邪を引くしかないだろう。
「すまない!転けた拍子に傘ぶっ飛ばしてしまっていたな!このままじゃ風邪を引いてしまいそうだ!」
てことで家に来い!!!そう言って奏ちゃんの手を引っ張る。
これセクハラで訴えられたりしないだろうか?
◆
ディスプレイと対峙し、視線を落とさぬままキーボード*1を叩く。少し考える。再びキーボード*2を叩く。少し考える。
これの繰り返し。作詞作業なんてこんなもんだ。
「ふぅ」
気づかぬうちに垂れてきていた汗を拭う。
これくらいにしておこうかなと思ったその時、ガチャリ、とまではいかない少し控えめな音でドアが少しだけ開いた。
「お風呂ありがとう。あがったよ」
ほくほくとした湯気発しながら、タオルを首にかけた奏ちゃんがドアの僅かな隙間からちょこんと顔を出す。
「ん?あぁ、奏ちゃん!部屋入ってもらって構わないぞ!」
「あ、じゃあ、お邪魔します……」
問答無用で奏ちゃんを家に連れ込んだ。
字面だけ見ると完全にやばいやつなのだが、俺は奏ちゃんに風邪を引いてほしくなかっただけだ。他意はない。決して。そもそも俺にはまふゆがいる。
「楽器、たくさんあるね」
「父さんのお下がりだ。大事に使ってるぞ」
「使ってる……ってことは、弾けるの?」
「おう、やってみせようか?」
デスクの上に置いてあるキーボード*3を手に取り部屋の真ん中に位置するちゃぶ台へと場所を移す。
「今作ってる曲のメロディなんだけどな」
人前で演奏するのは久し振りだ。少し緊張する。
気を紛らすように両手を組んで指をポキポキとならしてみる。
えぇ、指ってこんな音出るの?ちょっと格好つけようと思ったら結構エグい音したんだが。これ大丈夫なやつか?俺的には人間から出てはいけない音の範囲に収まるレベルのえげつないやつだったんだが。人体の神秘で片付けて平気だろうか?
っていかんいかん。また思考が変な方向に舵を取ってしまっている。
一旦思考を打ち切り、鍵盤に触れる。
意識がパキリと切り替わる。
よし、弾くか。
◆
アウトロの余韻が部屋に響く。鍵盤が指を離して一息。
「……どうだった?」
曲の感想を求め奏ちゃんの方を見やる。奏ちゃんは何やら考え込んでいるようで、顔を少々顰めていた。
その様子をじっと見つめること数秒、奏ちゃんが納得したように頷き、顔を上げる。
「……うん、すごくよかったよ」
「本当か!それは嬉しいなぁ!」
すっと肩の力が抜けてゆく。
奏ちゃんの様子からしてドキツい批評的なことを言われるのではないかと怯えていたが、意外と普通に褒めてくれた。嬉しい。
「……taiyo」
「は?」
「小夏、taiyoっていう名前で活動してるよね?」
「うぇっ!?」
唐突に核心をついてきた奏ちゃん。思わず素っ頓狂な声が出てしまう。うぅ、恥ずかしい。
その恥ずかしさからか、ほんのり頬が紅潮している感じがする。
「……なんで分かった?」
それを誤魔化すように一度咳払いをしてから、少し強い語気で問いかける。
「えっと、メロディラインと転調の仕方が特徴的だったから、かな。でも、確証はなかった」
「カマをかけられたというわけか。奏ちゃん、なかなかやるな」
たしかに、俺の曲のメロディラインは独特というか分かりやすいというか、かなり個性的なものだ。
しかし、それだけで俺の正体がバレるとは。
「流石、作曲家の1人娘だな。あぁそうだ、奏ちゃんのお父さんは元気にしているか?」
ふと気に掛かったことを、何気なく口に出した。それが間違いだった。
「っ……」
奏ちゃんがあからさまに狼狽える。すぐにやらかしたと気づいた。聞いていけないことを質問してしまったようだ。
「……すまない。聞かれたくないことだったか」
「ううん、大丈夫。別に聞かれたくない訳じゃない。でも、この場で話すには少し重すぎる……と思う。……それでもいいなら話すけど……いいの?」
この場で話すには重すぎる。ということは、奏ちゃんのお父さんに何か良くないことがあったのだろう。彼の現状を話すのが憚られる程に深刻な、何かが。
でも、知りたい。何があったのか。
ここで知っておかないと後悔する。そんな気がしてならなかった。
俺はゆっくりと頷き、奏ちゃんと目を合わせた。
「……分かった。それじゃあ、話すよ。お父さんのこと」
切るところが中途半端すぎるし駆け足すぎるし……後から色々と修正すると思います。
追記10/01 最後の部分を大幅に修正しました。まぁ納得できる形にはなった……かな?
そんな感じで、今回は奏との邂逅。
奏とオリ主が出会った音楽展うんぬんは完全にオリジナルです。奏パパ作曲家やし音楽イベントの1つや2つくらい奏ちゃんのこと連れてっててもおかしくないやろ!みたいなノリで考えました。
今回の話、ぶっちゃけなくてもいいんですが、あったほうが話を展開させやすいんですよね。奏IFの伏線だったりもする。
拙作のことを少しでも良いな、と思っていたただけた方がいらっしゃったら、感想、評価、お気に入り登録の方をしていただけると作者の励みになります。
ところでスパダリは
-
ええんちゃう?
-
いやーちょっとね……
-
きっしょ、しねば?