エレジアの不響和音   作:匿名P

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豆知識:キールは能力者ではない


聖地・マリージョア

「キールさん!?大丈夫!?」

ウタはボロボロになっているキールに心配そうに声をかける

 

 

「大丈夫だよ」

 

 

「大丈夫なわけないでしょ!早く治療しないと」

海軍の治療チームがキールを治療しようとする

 

 

「少し待ってくれ…」

キールはそう言うと黒檻部隊の船へ飛んで行った

 

 

「…!?その傷…まさか黒ひげとやったの!?」

ヒナは飛んで来たキールを見るなりそう言った

 

 

「少しヘマしてしまった。だが、問題はない」

 

 

「黒ひげは!?勝ったの?」

 

 

「捕まえようなんて考えない方がいい…あいつらはもうピンピンしてる」

海賊船は遠ざかっているがキールはそこから複数の強者の気を感じていた

 

 

「そう…ならやめときましょう」

 

 

「大佐!?いいんですか?チャンスですよ?それにこんな得体のしれない男の言うこと聞くなんて…」

 

 

「いいのよ…今は実績よりも命が大切」

興奮気味の海兵とは違いヒナは大人しく言った

 

 

「そうしてもらえると私も助かる。数でこられるとウタの護衛は私1人では務まらない」

 

 

「これだけ言いにきただけだ」

キールはそう言うと元いた船へ戻って行った

 

 

「キールさん!無茶しないで…」

キールが戻るとウタが悲しそうな顔で言う

 

 

「…すまない。あと先考えずに行動してしまった」

 

 

「早くその傷治してよ」

 

 

「あぁわかってる」

 

 

「こちらです」

海兵がキールを担ぐと治療室へ運んで行った

 

 

鬼神の名は廃れてないのね。ヒナびっくり」

 

 

______

 

 

「キールさん着きました」

治療されベッドで横になっていたキールは海兵の声で起きる

 

 

「そうか、ありがとう」

キールは服装を整えると刀を腰に刺し出て行った

 

 

「キールさん大丈夫?」

ウタが心配そうに声をかける

 

 

「もう大丈夫だ。心配かけたね」

 

 

「大丈夫ならよかった」

ウタは心配そうな表情から笑顔に変わった

 

 

「ここがマリージョア…(いつ見ても変わらないな、クズ共の巣は)」

キールは心の中で毒づいた

 

 

「すごい綺麗!地面も自動だし」

ウタはマリージョアの設備に感動している

 

 

「確かにね…(下から人の気を感じる。相変わらずやってることはゴミだな)」

 

 

「あっ、UTAだえ!」

ウタ達が歩いていると正面から天竜人がやって来る。天竜人を見たキールは顔には出ていないものの、心の中は憎悪で満ちていた

 

 

「あれが天竜人?」

ウタがゴードンにこっそり耳打ちする

 

 

「あぁ」

ゴードンも同じように耳打ちする

 

 

「UTA、わちきのところに来るえ」

 

 

「え?今なんて」

 

 

「チャルロス聖様がお前を御所望だ。こっちへ来い」

チャルロス聖のそばにいた黒服がウタを連れていこうとする

 

 

「誰だえお前は?」

黒服の前にキールが出てくる。この状況では海軍も使い物にならない

 

 

「邪魔だえ、やってしまえ」

チャルロス聖がそう言うと黒服が懐から銃を取り出しキールに向けて発砲するが、弾は全てキールが握りつぶしていた

 

 

「やめてくれ!」

 

 

「ちょっと!離してよ!」

キールが振り返るとウタがCP(サイファーポール)に手を掴まれていた

 

 

「天竜人はこの世界の頂点に立つ存在。その方が欲するものは全て手に入る」

 

 

「おい、政府の奴隷、ウタの手を離せ」

キールは静かに怒っている。それを感じたロブ・ルッチは冷や汗を流す

 

 

「逆らえば世界が黙っていない」

ルッチも負けじと言うが、今のキールの前では無に等しい

 

 

「指銃!」

ルッチがキールへ六式の1つである指銃を放つが、キールの武装色に阻まれ、キールにダメージを与えることはできない

 

 

「その程度か?政府の奴隷」

 

 

「何をしているんだえ!早くUTAをよこせ!この男も殺せ!」

 

 

「お前に手出しても何もならないよな?」

 

 

「…!?」

キールの言葉にルッチは固まった

 

 

「使えない奴らだえ!!しねぇ!!」

チャルロス聖は苛立ちを募らせ、キールへ発砲するが簡単に躱される

 

 

「お前が死ぬぞ?」

キールは殺意のこもった声で静かに言った。この言葉にチャルロス聖は汗が止まらない

 

 

「何をしてるんだ!!」

別の天竜人が金棒でチャルロス聖を殴り飛ばした

 

 

「手を離さんか!!」

この言葉にCP(サイファーポール)はウタを掴んでいた手を離す

 

 

「…」

ルッチはこの光景を唖然として見ていた

 

 

「…(天竜人(クズ)の中にああいうやつがいるとは…あいつは例外だな)」

 

 

「ウタ大丈夫か?」

キールはすぐにウタに駆け寄ると心配そうに声をかける

 

 

「怖かったけど大丈夫」

ウタは笑顔を作るが、顔は引きつっている

 

 

「…」

ウタの顔を見たキールは複雑な表情を浮かべる

 

 

「ちょっとあなた!ヒナ、ほんとにビックリした」

ウタが落ち着いてから再び歩き出したところでヒナがキールに詰め寄った

 

 

「問題は起こさないって言ったでしょ?なんで起こすの!」

 

 

「あぁすまない。次はしない」

 

 

「ほんとに…大丈夫だった?」

ヒナはウタに心配そうな表情を見せる

 

 

「護衛してくれるんじゃなかったの?」

 

 

「え?」

 

 

「守ってくれなかったじゃん…海軍って正義の味方じゃないの?それなのに天竜人には逆らえないの?そんな都合いい正義、正義じゃないよ」

 

 

「…」

ヒナはウタに核心をつかれたことを言われ何も言えなくなってしまう

 

 

「何も言い返せないんだ…」

 

 

「君には色々あるだろう。地位、名誉、立場というものがある。それでも正義を掲げた以上はそれに従うべきじゃないか?」

キールから追い打ちで釘を刺されたヒナは下唇を噛んでいる

 

 

「キールさん、ゴードン行こう」

ウタ達は海軍を置いていってどんどん進んで行った




誰でも感情を抑えるのは難しい
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