エレジアの不響和音 作:匿名P
「まだ続けるかい?」
キールが座っているウタに手を差し伸べる
「うん!」
ウタはキールの手を掴み立ち上がりながら言う
「その意気だ。続きを始めるよ」
キールは木剣を構えるとウタに言った
「!?」
キールは深呼吸するとウタに向かって行く。ウタはキールが振り下ろしてくる刀を避け、キールと間合いを取る
「手加減はしないよ」
キールは最初から手加減をせず、先程と同じスピードで木剣を振る
「…(早いけど…!慣れれば大したことないや!)」
ウタはキールのスピードに徐々に慣れて来ており、余裕が出てきた
「…(もうついてきている。恐ろしいスピードだ)」
キールはウタの成長スピードに戦々恐々としていた
「君には毎回驚かされる。ここまで成長スピードが早いとはさすがだな」
「これならもっとスピードをあげてもいいな」
キールは不敵に笑うとさらにスピードをあげた。このスピードはキールにとって5割といったところだ。
「え?まだ早くなるの?」
ウタはまだスピードが上がるとは思っておらず一瞬戸惑った
「このスピードについてこい」
「…(早すぎるよ!)」
キールのスピードにかろうじてついているウタだが、かすり始めてきている
「焦りは天敵だぞ」
「…(落ち着け私、感じるんだキールさんの意志を)」
キールの言葉でウタは落ち着きを取り戻し、冷静にキールの攻撃を躱し始めた
「(焦りが無くなっている。感情をコントロールする力もついてきたか)」
キールはウタの感情が落ち着いてきたのを見ていた
「(キールさんの意志がわかる。未来が見える!)」
ウタはスピードがあがったキールの攻撃も次どこに攻撃が来るのかわかっているように動いている
「(未来が見えている?また1歩私に近づいたか)」
キールはウタの成長を間近で感じ微笑んでいる。キールの笑顔はウタに見られることはなかったが…
「(未来が見えるよ!こっち、こっち)」
ウタは余裕を持って躱し始めた
「これならもっと早くしても大丈夫そうだね」
「え?まだ、あるの?」
ウタは今度こそ確実に死ぬと思った
「行くよ」
キールはさらにスピードをあげる。これにはウタも避けきれず少しかすってきた
「(早い早い早い!当たるよこんなの!)」
ウタは叫びたい気持ちを抑えて必死に躱し続ける
「あっ!」
ウタはまた砂に足を取られ転んでしまった
「精度が上達してきてる。その調子」
キールはまたウタの頭を木剣で叩いた。カーンといい音が鳴った
「痛ったー!」
ウタが叩かれた箇所を両手で抑える
「もう充分じゃないか?」
キールがウタに手を差し伸べる
「まだまだだよ。キールさんに追いつくまではね」
ウタは目隠しを外してにっこり笑う
「伸びしろしかないな。今後が楽しみだよ」
「えへへ」
ウタは照れくさそうに笑う
「そろそろ戻ろう。日もだいぶ登ってきた」
「うん」
ウタとキールが海に背を向け歩き出した瞬間、2人の後ろから強大な気が迫ってきていることに気づいた
「キールさん…!」
「あぁ、ヤバいやつが来てる」
「「
キールが振り返ると強大な気はキールのすぐそこまで来ており、巨大な刃を振り下ろそうとしていた
「ッ…!」
キールは木剣に覇気を纏い対抗する
「お前はキール!懐かしいねェ」
元ロックス海賊団船員・ビッグマムはキールの顔を見るとそう言った
「お前は…!誰だ?」
「あァ!忘れたのかい!元船員を!」
ビッグマムは1歩引いてキールを睨む
「……!?お前、リンリンか!?」
木剣は覇気で纏っていたとはいえ、今の一撃でヒビが入った
「やっと気づいたか?元船員を忘れるとは情もないのかい?」
「情をかける程の仲でもないからな」
「そういうところはロックスと似てるねェ」
「何の用だ」
「俺はお前に用はない。こいつに用があるんだよ」
ビッグマムはウタを指差し言った
「…あれは!」
海から巨大な海賊船がやってきた
「カタクリ!おいで!手を貸しな!」
ビッグマムがそう言うと海賊船から人間が出てくる
「ママ、こいつは任せろ」
カタクリはウタと向かい合う
「ウタ、そいつを頼めるか?私はこいつで手一杯になりそうだ」
「…うん。任せて」
ウタはキールに微笑んだ
「ウタ、くれぐれも能力は使いすぎないようにするんだよ」
「わかった」
「リンリン、なぜウタを狙う?」
「こいつの能力は政府が欲しがる程の
「その情報をどこで手に入れた?」
「俺たちの情報収集能力は随一だ。知らないことはない」
カタクリが口元を隠しながら言う
「デカくなったわけだ。複雑だな。ロックス海賊団から大物海賊が生まれる喜びとそいつらが敵になる厄介さ…」
「ロックス海賊団はこれだから
キールは呆れたように言う
「嫌いな海賊団の副船長をやっていたやつとは思えないねェ」
「お前達が私より力がないからだろう」
キールの言葉がビッグマムという火に油を注いだ
「「威国!!」」
ビッグマムはナポレオンを振り、巨大な斬撃を飛ばした
「「覇道!!」」
キールは木剣に負担をかけすぎないくらいの覇気を込め、木剣を振り衝撃波を飛ばした。2つの巨大な攻撃がぶつかり合い強烈な風が吹き相殺された
「始めたようだ。俺たちも始めよう」
カタクリは組んでいた腕を解き言った
「うん。負けないよ!」
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