エレジアの不響和音   作:匿名P

32 / 44
更なる高みへ

「どうしたんだ!?」

キールとウタが戻ってくるとゴードンが案の定、驚きの声をあげた

 

 

「ちょっと事件があってね…」

キールが事の経緯を細かく話した。ビッグマムがやってきて戦い、その際にウタも戦って貰ったことを話した

 

 

「なるほど…ってなんで戦う選択肢しか無いんだ!話し合うことは出来ないのか?同じ仲間だったんだろう?」

ゴードンの言うことも一理ある。しかし、キールにとってロックス海賊団の船員たちは仲間ではなく殺し合いをする仲くらいにしか考えていない

 

 

「あいつらは仲間じゃなくて、同じ船にいた同業者だよ。仲間と思ったことはない」

 

 

「…そうか」

同じ船にいる人間を仲間と思えなかったキールにギョッとする

 

 

「とりあえず休んでいるよ」

キールはそう言うと自分の部屋に入って行った

 

 

「ウタも休んでなさい」

 

 

「うん」

ウタも自分の部屋に入り休んだ

 

 

「刀傷がまた増えた…」

キールはナポレオンに斬られた額を擦りながら言う

 

 

「木剣が無くなってしまった。次からはこれを使うか」

キールはそう言うと愛刀「無頼」を手に持つ

 

 

「色々あったけど、何か掴めた気がする」

ウタは手を開いたり閉じたりしながら、カタクリとの戦闘を思い出す

 

 

「あれが見聞色を極めた先…追いつけるかな」

カタクリの見聞色に苦しめられたウタは自分もああなりたいと思っていた

 

 

「キールさんが言ってた工夫した力、使えたかな」

最後の攻撃、「戦慄の楽譜(トットムジカ)」はキールに教わったものだった。魔王を呼び出すことができるウタウタの実の力を存分に使うための策だった。だが、これを扱うためにはウタウタの実の力を完璧に制御出来なければ話にならない。そのためウタはウタワールドなしでも自分の思うように能力を使えるように特訓していた

 

 

「もっと強くならないと」

ウタは手を握りしめると決意を固め言った

 

 

______

 

 

「海軍本部に入電!

四皇・ビッグマムがエレジアから遠のいて行きます!」

エレジアの件で考えていた赤犬の元に電伝虫が入った

 

 

「やるねぇーロックスの右腕」

爪を切っていた黄猿が言う

 

 

「尚、世界の歌姫も戦闘に参加した模様!シャーロット・カタクリと戦っていたものと思われます!」

 

 

「何?戦闘があっただと?

あれが使われたどうしてくれる!?」

 

 

「……UTAとカタクリの戦闘は鬼神の仲裁により決着はつかなかった模様」

 

 

「あれが使われることがあってはならん!監視を続けておけ」

 

 

「はっ!失礼します」 ガチャ

赤犬は最後まで聞かずに電伝虫を切った

 

 

「兆候ありか…困ったねぇ」

 

 

「で、サカズキどうするんだい?まだ様子を見るかい?」

 

 

「まだ様子を見る…UTAも深刻じゃが、やらねばやらんことはまだある」

赤犬の言う通り海軍にはまだやらなければいけないことは山積みである

 

 

「手遅れにならないといいけどねぇ」

 

 

______

 

 

「四皇・ビッグマムと三将星・シャーロット・カタクリの撃退…ますます手強くなってきたな」

 

 

「キールだけでなくUTAも戦闘に参加した…UTAも侮れなくなってきたのぅ」

センゴクとガープは囲碁を打ち、せんべいを食べながら言う

 

 

「キールが仕込んだんだろう。あいつの教え子となれば厄介だ」

 

 

「キールの覇気は()()を超えておる。数をもろともしないくらいじゃ」

 

 

「そんなやつから直接学んでいる…並の海賊よりも手強い」

 

 

「間違いないのぅ。それにUTAは自分から望んで強さを手に入れているはずじゃ」

 

 

「どうしてそう思うんだ?」

 

 

「キールはUTAを海賊の世界に巻き込みたくはないはずじゃ」

 

 

「それに海賊の中でも、残忍な海賊だったロックスだったからこそ過剰な力を与えたくは無いはずじゃ」

 

 

「それもそうか…自分から望んで力を手に入れるものは強制的にやらされるよりも強くなる」

 

 

「…厄介じゃのう」

 

 

______

 

 

「今日は武装色をやろう」

 

 

「武装色はまだ見せてないよね」

キールはそう言うと巨木の前に立った

 

 

「この木殴ってみて」

 

 

「痛い…」

ウタは言われるがままに木を殴るが、木に傷はつかず返って自分が傷ついた

 

 

「普通はそうなるけど、武装色を使って殴ると…」

キールは武装色を纏った腕で木を殴ると、殴った場所に大きな跡がつき、音を立てて木が倒れた

 

 

「武装色は色んなことに使える。刀にも纏えるし、何しろどんな能力者にも攻撃が通るようになる」

 

 

「どんな能力者って?」

 

 

「この世にはね自然系(ロギア)と呼ばれる悪魔の実がある。それを食べると流動した体を手に入れ、普通の攻撃は当たらない。そんな能力者相手にも攻撃が通るようになるのが武装色の覇気だ」

 

 

「どうやって使うの?」

 

 

「見えない鎧を纏うイメージとも言われる」

 

 

「見えない鎧…」

ウタは自分がライブで着る黄金の鎧を思い浮かべた

 

 

「ウタは実際に鎧を着たりするからイメージがしやすいんじゃないか」

 

 

「イメージはできるけど…」

 

 

「とりあえず私のここ目掛けて殴ってごらん」

キールは右手を出す

 

 

「うん。そりゃあ!」

ウタが鎧を着ているイメージをして思いっきり殴る

 

 

「…普通のパンチだね」

 

 

「難しいよ…」

 

 

「まだ時間はある。ゆっくりやっていこう」

キールはそう言うと落ちていた石を手に取る

 

 

「うん」

ウタは思うようにいかなかったことがショックだった

 

 

「失敗は誰にもでもある。その失敗をどう生かすかで人は変わるぞ」

キールは石を思いっきり投げる

 

 

ドーン!!

 

 

「砲撃中止!」

 

 

「何があった?」

海軍はエレジアに向けて大砲を発射したが、弾は当たることなく途中で爆発した

 

 

「ひゃあ!」

突然の爆音にウタが驚き、尻もちをつく

 

 

「上手く当たったみたいだ」

 

 

「え?どういうこと?」

ウタはキールの言っていることが微塵もわからない

 

 

「砲撃がこちらに向かって来ていた。それを石で防いだだけだよ」

 

 

「…(全然手の届かないところにいる。私なんかじゃ無理なのかな…キールさんに追いつくなんて)」

 

 

「私に追いつきたいと思っているなら…ここで苦戦している場合じゃないよ」

キールの言葉にウタがはっとした表情を見せる

 

 

「ほら早くやろう」

キールはウタの手を掴み立ち上がらせる

 

 

「うん!」




アンケートありがとうございますm(_ _)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。