エレジアの不響和音 作:匿名P
「うん。だいぶできるようになってきたね」
ウタが武装色の覇気の特訓を始めて1週間ほど経った。ウタは相変わらずの恐ろしい成長スピードで、武装色を扱えるようになってきた
「そうかな?」
「もう1回ここ目掛けて殴ってごらん」
キールはそう言うと手を前に出した
「でやぁぁー!」
独特な声を出しながらキールの手に覇気を纏った拳を入れる
「!?」
キールはウタに殴られたことで後ろに倒れそうになり、咄嗟にバク転をする
「…?」
ウタは何が起こったのか分からず呆然としていた
「やるね!(戦闘の天才だ)」
キールは手に着いた土を払って落とし言った
「ほんと!やったぁ!」
ウタはキールに言われ無邪気に喜んだ
「よく身に付いてる。その調子だ」
「これなら実戦をしても大丈夫かな」
「実戦??」
「うん。実戦的な方が成長も早いし、得られるものも多いからね」
ウタはキールに連れられ砂浜に来た
「ウタからどうぞ。能力は使ったらダメだよ。修行にならないからね」
砂浜に来るとキールがウタに振り返り、戦闘態勢に入り言った
「うん。フゥー」
ウタは深く深呼吸して体を落ち着ける
「…!」
ウタが覇気と同時に鍛えていた「剃」を使い一気にキールとの間合いを詰め、覇気を込めたパンチをキールに打つ
「剃か!上手くなったな!」
キールはウタのパンチを受け止める。キールはウタを褒める余裕があった
「たけど…」
キールはウタの手を弾き、隙だらけの胴体にパンチを入れに行く
「…(重い!)」
ウタは体を武装色で硬化し、キールのパンチから身を守るが、ウタの今の覇気ではキールのパンチを完全には守れなかった
「まだ出来るだろう!」
キールはウタが後ろに引いた所を見逃さず、追撃を入れに行く
「…!」
追撃をしようとしたキールは唐突に止まる。その直後、ウタの蹴りがキールの目の前を通り去った
「外れた…!」
ウタはキールとの間合いをとる
「間一髪…!」
キールはウタの蹴りのスピードに戦慄した
「成長しすぎてるな」
キールは改めて戦闘態勢に入る
「ありがとう」
ウタもお礼を言うと構える
「!?」
ウタの目の前にいたキールが急に消えた
「限界がわからない。伸びしろしかないね」
ウタが気づくと数センチ前にキールの拳があった
「…お手上げ」
ウタは少し笑って両手を上げ、降参のポーズを取った
「今日はここまで。私は魚を取るから、先に帰っていいよ」
「うん。またね」
ウタはキールに手を振ると帰って行った
「さて…あの向こうに見えるのはなんだ?」
キールが目を細め海の向こうを見るとうっすらと世界政府のマークが見える
______
「今回の任務は?」
ロブ・ルッチが足を組んで座りながら言った
「ウタの捕縛じゃ。無理と判断した場合、殺しても構わないということじゃ」
カクが飲み物を手に座りながら言う
「女1人にこんな大勢で行くのか?」
「見誤ったらダメよ。彼女の周りには鬼神がいるんだから」
「それに鬼神に良いようにされたのは誰かしら?」
ステューシーが上目遣いで言う
「あのようなヘマはしない…!」
〜〜〜
「世界政府…でしゃばりだなー。海軍に任せておけばいいのに」
キールは呆れたように大きなため息をつく
「これでいいか」
キールは落ちていた貝殻を拾うと覇気を込め始める
「よいっと」
キールは世界政府の船に向けて思いっきり貝殻を投げた
「もう一個行っとくか」
キールはもう一個手に取ると覇気を込め投げた
「…当たった。あと何隻だ?」
キールが投げた貝殻は船に当たり、船は爆発して沈んで行った。キールが目を凝らして見るが、目視できるだけでもあと5隻はある
「貝殻の数は足りるけど、当たるかどうか…それ考えると足りないな」
キールの周りにある貝殻は10個以上あるが、足りないと判断した
〜〜〜
「船が沈んでいきます!」
船員がキールの貝殻が当たった船が撃沈して行く光景を慌ただしく伝える
「何が起きている!?」
艦長らしき人物が状況確認を急ぐ
「慌ただしいわね」
CP0は緊急事態でも落ち着いていた
「砲撃準備をしろ」
ルッチが立ち上がり言った
「え?」
艦長はルッチの言葉が理解出来なかった
「鬼神のせいに決まっている。船を前進全速でエレジアに近づけろ」
「は、はい!」
〜〜〜
「早いな。もう来るか」
船からの砲撃が始まり、砲弾が続々と飛んでくる
「スピードも上がっている。誰が乗ってるかな?」
キールは貝殻を砲弾にぶつけ相殺して行く
「数が思ったより多いな…貝殻足りないぞ。いや、流木でもいいか」
キールは身の回りにあるものを全て有効活用し、砲弾を防いでいた
「…?何か飛んできてる」
帆の世界政府の模様がはっきり見えるほど、近づいてきた船から誰かが向かってくる
「久しぶりだね」
キールは素早く刀を鞘から抜き、向かってきた人物のパンチを防ぐ
「やはりお前か…!」
ルッチがキールと間合いを取りながら言う
「負ける気で来たのか?」
「お前に用はない。UTAを差し出せ」
「無理な願いだ」
「「なら、お前を殺していく!」」
ルッチは獣に変化し、キールに向かって行く
「「やってみろ!政府の奴隷」」
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