エレジアの不響和音   作:匿名P

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狩りの時間

「今回はありがとう!次もまた会おうね!」

今回はウタのライブではなく、ソウルキングのゲストとして出演しているので出番はこれで終わる

 

 

「じゃあね!!」

ウタが観客に手を振ってステージ裏に向かって行こうとする。ものすごい歓声を浴びながら

 

 

「やっと会えたぇ」

ウタがステージ裏へ1歩踏み出した瞬間に後ろから天竜人が現れた

 

 

「天竜人?どうしたの?」

ウタは天竜人がいるとは思わず困惑する

 

 

「天竜人だ…」「本当だ…」

観客は天竜人に頭を垂れる

 

 

「UTAを10億で買うぇ」

 

 

「え?」

 

 

「は?」

キールの口から反射的に出てしまった

 

 

「あの時は邪魔されたぇ。でも今回は邪魔がいないぇ」

 

 

「嫌だ」

ウタの答えに会場がザワついた

 

 

「…!!なに!?」

 

 

「嘘だろ…」「さすがにそれはマズイんじゃ」

 

 

「舐めすぎだぇ!」

天竜人はウタに銃を向けた。その後ろにいる黒服の2人も銃を向ける

 

 

「連れて行くぇ!」

黒服はウタを連れて行こうとする

 

 

「やめてよ!」

ウタは嫌がって抵抗する

 

 

「抵抗するな!」

黒服は懐から海楼石を取り出しウタにつけようとする

 

 

「マズイですよ!」

ステージ裏で一連の流れを見ていたブルックは焦る

 

 

「ウタが攫われる!」

ゴードンもブルックと同じように焦っている

 

 

「どうするんですか!?」

 

 

「どうするも何も早く助けないと!」

 

 

「でも、相手は天竜人ですよ!逆らったらどうなるか…」

天竜人に逆らったことがあるブルックだからこそ言えることだった

 

 

「それは…そうだが…」

ゴードンも相手が天竜人ということで完全に恐縮している

 

 

「どうしましょう?(ルフィさんたちの迎えが来る時間でもない)」

 

 

「……どうすれば」

ウタを助けたいのは山々だが、相手が悪すぎるため手詰まりだった

 

 

「?キール?」

キールが何も発さずに立っているのを見たゴードンが声をかける

 

 

「…」

キールの頭の中に昔の思い出が蘇る

 

 

〜〜〜

 

 

「お母さん待ってよ!」

小さな女の子がお母さんにがっしり掴んでいるが、黒服に離される

 

 

「この人は君のお母さんじゃない」

 

 

「金があればなんでも買える」

キールは天竜人により引き裂かれる親子の絆を間近で見ていた

 

 

「相棒だけは辞めてくれ!!」

次に思い出したのは、海賊の仲間の絆が裂かれる瞬間

 

 

「海の害虫が何を言っている。お前らごときいくら奴隷になろうと関係ない」

天竜人は鎖を持って海賊を引いていく

 

 

「相棒ーーー!!」

 

 

「そんな…」

最後に思い出したのは結ばれたはずの2人の仲が裂かれる瞬間。男は恋人が天竜人に連れて行かれるのを呆然として見ていた

 

 

「あんな男よりわちきの方が幸せになる」

 

 

「あなたといれて私は幸せだった」

彼女は笑顔で連れ去られて行った

 

 

〜〜〜

 

 

「ブルック君。ウタ達を頼むよ」

キールはブルックにそれだけ言うとステージに出て行った

 

 

「え?あ、ちょっとキールさん?」

 

 

「キール!」

 

 

「誰だよあいつ…」「天竜人見えてないの?」

見知らぬ人間の登場により会場はザワつく

 

 

「やめてよ!

 

キールさん?」

 

 

「誰だお前?」

 

 

「お前…!」

天竜人には見覚えのある顔だった。聖地でいいようにされたことが蘇る

 

 

「お前の顔はもう見たくなかった」

 

 

「お前ら早くこいつを殺せ!」

天竜人は焦ったように黒服に命令する

 

 

「ウタから手を離せよ。汚い手で家族を触るな!」

キールは黒服2人を殴り飛ばした

 

 

「ひぃ」

 

 

「あとはお前だけだ」

キールは天竜人の方を向く

 

 

「近づくな!」

天竜人はキールに銃を向ける

 

 

「ウタ、早くあっちに」

キールはウタにステージ裏に行くように催促する

 

 

「死ぬぇ!!」バン!!

天竜人はキールがよそ見した隙に銃を放った

 

 

バチッ!!「焦るなよ」

キールは銃弾を握り潰す

 

 

「でも、キールさんが…」

 

 

「私のことは大丈夫。安心して」

 

 

「…わかった」

ウタはそう言うとステージ裏に向かって行った

 

 

「な、なにをする気だぇ?」

 

 

「……」

キールは黙って刀を抜いた

 

 

「そ、そんなもの」

 

 

「……」

 

 

「やっとだよ」

 

 

「え?」

 

 

「お前たちみたいなゴミが早く降りてこないかってずっと思ってた」

キールの体がわなわなと震わせている

 

 

「何が世界貴族…私利私欲で動く()だろうが!」

 

 

「金でなんでも買えると思ってるんだろ?」

天竜人は何も言わずキールのことを警戒している

 

 

「お前たちに散々な目を見せられてきた…」

 

 

()()()のためにも…」

 

 

殺す…かもな」

キールの言葉に天竜人はビビり散らかした

 

 

「様子おかしいですよ」

ブルックはキールの様子がおかしいことに気づいた

 

 

「ブルック君。あとは頼んだ」

 

 

「ウタ、ゴードン、すまないな。最後のわがまま聞いてくれ」

 

 

「まさか…!」

 

 

「ダメだよ!」

 

 

「もう自分の気持ちを押さえられそうにない」

キールはそう言うと天竜人の方を振り向いた

 

 

「さぁ、()()()()()だ」

キールは獣を狩る狩人のように目を光らせた

 

 

「「お前たちゴミがいつまでも雲の上にいるんじゃない!!」」

キールの刀が天竜人の体を斬った

 

 

「おぉー怖いねぇー」




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