エレジアの不響和音   作:匿名P

8 / 44
ウタワールド

ウタ達はその後も練習を行い、あっという間にライブ当日になった。ライブ会場は既にウタワールドの中である。バラティエよりも大きいためファンが大勢入っていた。ライブまでまだ時間があるというのに既に会場では熱気が漂っていた。

 

 

「たくさん来てくれてる」

ステージ裏からウタが会場を覗いてあまりの多さに少し緊張している

 

 

「最後の調整をやるよ」

 

 

「うん、キールさんまたあとでね」

 

 

「頑張れ」

ウタ達は最後のリハーサルを行うためステージ裏から練習部屋へ移動した

 

 

「海軍が来てるのか…厄介ごとにならないといいが」

キールがステージ裏から覗くとステージの隅に海軍の人間が立っていた。海軍は今回のライブの警備や誘導を行っている

 

 

「それにしても明らかにおかしい気配がするな」

 

 

「ライブが始まっても私は手を出せない。ウタのステージを邪魔するわけにはいかない」

 

 

「なぁ海賊?」

キールの後ろに海賊がいた。どうやって忍び込んだのかは謎だがステージ裏に入ってしまっている。海軍の警備が節穴というのが証明されてしまった

 

 

「UTAを捕まえればいい金になるんだ…だから邪魔するな!」

海賊はそう言うと持っている剣でキールに斬りかかった

 

 

邪魔するな?

それはこっちのセリフだ!

キールは攻撃を避けると海賊を斬りつけた。海賊が倒れるとキールは刀を鞘にしまった

 

 

「大丈夫ですか!?」

海賊が斬られたあと海兵が慌ててステージ裏に入ってくる

 

 

「これは…!?失礼しました!」

海賊が倒れているのを見て海兵がすぐさま運んで行った

 

 

「(幸先が悪すぎる…それにあいつ1人というわけでもないようだ)」

 

 

「おつかれ」

海賊が海兵に連れ去られてしばらくしたあとウタ達が戻ってきた

 

 

「ライブまであと20分ほどだからそれまで休んでいるといい」

ゴードンが時計を確認しながらウタに言う

 

 

「うん」

ウタは椅子に座ると飲み物を飲んでリラックスし始める

 

 

______

 

 

「ウタ、そろそろ時間だ」

 

 

「わかった。じゃあ行ってくるね!」

ウタはそう言うとキール達に手を振りながらステージへと走っていった

 

 

「いってらしゃい」

キールもそれに応えて手を振る

 

 

「みんなー!おまたせ!ウタだよ!」

ウタがステージに出てくると会場のボルテージが上がりファンの歓声で埋め尽くされた

 

 

「今回は寝ないように頑張るからね!」

 

 

「じゃあ行こう!最初の曲!」

 

 

「そこまでだよ!UTA!」

ウタのステージに海賊が侵入してきた

 

 

「お前のライブは中止だ!」

海兵がステージへ行こうとするが、仲間の海賊がそれを阻止しようと立ち塞がっていた

 

 

「ウタ!」

ゴードンがステージ裏から叫びステージへと走っていこうとするが、キールがそれを止めた

 

 

「キールなぜ止めるんだ!」

 

 

「あそこはウタのステージだ。どんなことがあろうとね。だから私たちが邪魔をしてはいけないないんだよ。それにウタならなんとかしてくれる」

 

 

「ほら、席に戻って。ライブは始まったばかりなんだから」

ウタには海賊達の相手をする気が見られない

 

 

「それは出来ねぇな!お前は俺たちと一緒に来るんだよ!」

海賊達もウタの言葉に耳を傾けようとはしていない

 

 

はぁーなら、無理やり始めちゃおう!あの曲行くよ!」

ウタはため息をつくとバックバンドに合図を出した

 

 

「さぁ、怖くはない〜不安はない〜私の夢は〜みんなの願い〜」

ウタが歌い始めると金の鎧を装備して巨大なランスを持った

 

 

「な、なんだ!?」

海賊達は予想のできない出来事にうろたえている

 

 

「歌唄えば〜ココロ晴れる〜大丈夫よ〜私は最強〜」

ウタは次に指をなぞると五線譜を出現させた

 

 

「私の声が〜小鳥を空へ運ぶ〜靡いた服も踊り子みたいでさ〜あなたの声が〜私を奮い立たせる〜トゲが刺さってしまったなら〜ほらほらおいで〜」

ウタは五線譜で海賊達を巻き付けると五線譜を空中に貼り出す。その五線譜には海賊達がくっついている

 

 

「見たことない〜新しい景色〜絶対に見れるの〜なぜならば〜生きてるんだ今日も〜」

ウタは空を飛ぶと海兵を足止めしている海賊のところへ向かった

 

 

「さぁ、握る手と手〜ヒカリの方へ〜みんなの夢は〜私の幸せ〜」

同じように指をなぞり五線譜を出すと海賊を五線譜で捕まえて空中に貼った

 

 

「あぁ、きっとどこにもない〜アナタしか持ってない〜その温もりで〜私は最強〜」

ウタはステージに戻って来ると最後のポーズを決める。その瞬間会場が歓声で包まれた

 

 

「さぁみんなまだまだ盛り上がっていくよー!」

ウタはいつもの格好に戻ると何事もなかったかのように次の曲を歌い始める。歌い始める前にステージ裏を見るとウインクをする

 

 

「あそこはウタのステージ!誰にも邪魔できないんだよ」

キールはウタのウインクにグッドポーズで応える

 

 

「すごい娘だね…さすがは鬼神(おにがみ)と一緒にいるだけある」

会場から離れたところでさっきの様子を見ていたドクトリーヌは感心したように酒を飲んだ

 

 

「あれが"世界の歌姫"…素晴らしい」

会場にいたドルトンもドクトリーヌと同じように感心していた

 

 

「キールの言う通りだ」

ゴードンはキールの言った言葉が脳内に残っていた

 

 

「「ここ(あそこ)は私(ウタ)のステージ!誰にも邪魔できない(んだよ)」」




アンケートに答えて頂きありがとうございますm(*_ _)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。