ガル学。〜GirlsRevolution〜 作:れもねーどすたんど
「え、あぁ...ごめん。無理。」
マジか。
なんか、すごく良い感じになってた好きな男の子に告ったらフラれたみたいな??「一緒にユニット組も!」ってあの微笑みが返ってくると思ってたからさ。ヨウカちゃん、ショック〜。
先にユニット決まってたんだろうなぁ。ミサキ可愛いし、人気者になる予感するもん。
「そっか...なんかごめんね。もう先客いたんだね...」
「あ〜ちがう、ちがう。私、ソロでやりたいんだ。」
え...ソロ?この学院で、ソロ??
そもそも、このガル学でみんなが目標にしているのがガールズアリーナ。でも、そのアリーナに立てるのは毎年1つのユニットだけなんだよね。で、そのユニットを決める“指標”が「ガールズポイント」ってやつ。これは、ユニットでライブをしたり、そのほか活動したりすることでポイントが貯まっていく仕組みなわけだ。例えば、ライブを見てくれたお客さんたちが、応援のためのポイントをユニットに“投げ銭”するとか。いや、ポイントだから“投げポイント”か。まぁどっちでもいいんだけど、そういうポイントの集計をアイちゃんがやってくれるわけね。マジで感謝。
っていう学院のルールと、(今日ホームルームで先生言ってた)学院生活の話によるとさ...。
「この学院ってソロできるの??」
“1つのユニット”って言っちゃってるし。今までにそんな人いたっけ。
「過去にはソロ、いないみたいだけど、私はやりたい!別にソロがダメっていうルールもないし。」
ほえ~。ルールないからやりたいって校則の盲点みたいな感じ??なんか想像つかないけど、本当にやる気なんだ。てかなんで“ソロ”をやりたいんだろ。
「ソロってさ。」
あ、語ってくれるっぽい。
「ステージの、会場の“瞬間”を一つの『点』に集めることができると思うの。私は、その『点』になりたい。『点』に立ってみたい。アリーナの隅から隅まですべての見てくれている人が引き込まれるような完全なパフォーマンスを私はしたい...!」
ほえ~。なんか、ミサキ、カッコイイ...!ポエミーすぎていまいちピンときてないけど。でもなんか言いたいこともわかる。観客みんなの視点が「私」に集まる瞬間。そんなところにたてたら幸せなんだろうな。
美咲は想いを全部うち明けたという調子で語りを止めて、少し恥ずかしそうに頬を赤らめている。
「今日始めて会った人に、むっちゃマジメに夢語ったの恥ずかしい」といった感じのこと顔に書いてあるもん。で、こういう顔の後に大抵の人は照れ隠しの言葉を発するよね。
「ま、まあ、キラちゃんに憧れたってのもあるけどね。す、すごい大それたこと言っちゃってたけど...」
「別に大それたことじゃないと思うよ」
私は首を横に振る。照れ隠し構文だとはわかってるけど。そんなことないよ、ミサキカッコいいって伝えたい。
「ミサキって、ステージに立つ姿が“目標”になってるじゃん。私とかさ、まだボケっとガールズアリーナに立ちたいな~とかしか考えてないし。まあ“夢”ではあるけど。ミサキみたいに、こう、こうなりたい!っていうの、カッコいいよ。」
ただでさえ赤らめていたミサキの頬がさらに赤くなる。今度は「照れてます」って顔に書いてある。
「う、うん!私、頑張るよ!」
「いいね!その意気!あ~私もユニット決めなきゃな~」
私はぼやきながらミサキが飲んでたコーヒーがちょうど飲み干されたのを確認して「いこっか。」と声をかける。二人で立ち上がってスクールバッグをがさがさしながら財布を探す。あれ...財布どこだ??
「あれ、私財布忘れた...?」
学校初日ってのは、まあ破天荒なもんよね、うん...。ミサキ、ごめん、明日お金返すね...