もしエレジアが白ひげ海賊団の縄張りだったら 作:座右の銘は天衣無縫
偉大なる航路、前半の海
凪の海にある島の一つ、マリンフォード
またの名を海軍本部
その一室に将校が何人も集まり、とある会議が開かれていた
会議の内容は海賊につける懸賞金について
各地の支部から送られる写真と驚異度を元にその海賊にかける懸賞金を決めるのだ
それは同時に、将校達で要注意の海賊に対する知識を共有する場でもある
「続きましては、先日恒例の威力偵察を行った白ひげ海賊団についてです。
G1支部から軍艦3隻と中将5名とその指揮下の大隊を派遣しましたが、全滅し逃げ帰る事に。
こちらの被害は死者はゼロ、重軽傷者多数、派遣した軍艦も砲台が破壊され修理が必要となる結果となりました。」
「そこら辺は業腹だが織り込み済みだ。
問題は……新たな戦力が増えていた事。
そちらについて説明を。」
司会の将校の言葉に対し、海軍元帥、センゴクが続きを促す
それに頷いた司会の将校、ブランニュー准将は続きを話し始めた
「センゴク元帥の仰った通り、無視できない新たな顔が見受けられました。
手元の資料をご覧下さい。
この女が歌で白ひげ海賊団の船員達をパワーアップさせていた他、何もない所から弾丸のようなものを放ったという報告も上がっています。」
「確実に能力者じゃろう。
能力の詳細は分っちょるんか。」
「該当する実は絞り込めましたが、まだ確信には至っておりません。
ウタウタ、チアチア、オトオトなど音に関連する能力である、と予想はしていますが。」
挙げられた実の中の一つに多くの将校が反応する
ウタウタの実だ
「ウタウタの実だとしたら厄介だねェ〜〜。
確か白ひげの縄張りにエレジアが含まれてたよねェ〜。
万が一にもトットムジカを使われたら……」
大将の一人、ボルサリーノの言葉がその場にいる全員の内心で考えていることを代弁していた
「一つ良いか?」
そんな時に手を上げたのは中将ガープだ
珍しく会議に真面目に参加したたのか、と一瞬センゴクが顔を上げる
「トットムジカって何だ。」
だが、その言葉にすぐに額を机にぶつける事になった
「ウタウタの実で現れると伝わる魔王だ!
常識だぞ、ガープ!!
攻撃を通すのにかなり特殊な条件があり、倒さなければ世界が滅びるような代物だ!」
「ほお?
面白そうな相手じゃのう。」
「面白そうな相手で済むかァ!!」
思いっきり怒鳴るセンゴクに対して、ガープはせんべいを齧りながら笑うだけだ
「しっかし、何処かで見たことあるような……」
『……はァ!!??』
そして、続いて放たれたその言葉に会議室が一気に騒がしくなる
「思い出せガープ!
会ったことがあるのなら能力だって分かるだろう!?」
「いやァ、そう言われてもなぁ……
どこじゃったか……」
「何処だ!?
新世界か!? 前半の海か!? それともお前がよく行っとる東の海か!?」
東の海→フーシャ村→ルフィ→海賊になりたい→原因は赤髪→赤髪の船に乗っていた子供
「おお、そうじゃ。
ずっと前に東の海で赤髪の船で見た子供がちょうどこんな髪色しとったわい。
いやァ、スッキリした。」
連想ゲームの様な思い出し方をして、モヤモヤしていた事を思い出せたガープはそんな軽い口調で笑顔で語った
「赤髪海賊団にいただとォ!?
どんな関係だ!?
見習いか!? 誰かの娘か!?」
「流石にそこまでは知らん!
敵にわざわざそんな事聞くと思っとるんか?」
「お前なら聞きそうだろうがァ!!」
席から立ち上がってガープの服の襟を掴みながらガタンガタンと揺らすセンゴク
ガープはただされるがままに笑っているだけだ
流石にこれはいけない、と何人かの将校がセンゴクを止めた
「……兎に角、だ。
白ひげ海賊団、そして赤髪海賊団。
四皇の内の二つの海賊団と関わりのある女、さらにはウタウタの実の能力者かもしれん。
潜在的な驚異度は計り知れん。
懸賞金をかけるのは決定として、どの程度にするかが問題だ。
私個人としては1000万以上億以下が妥当だと思うが、他に意見は?」
「初頭懸賞金としては破格じゃねェっスか。
もうちょい低くても良いんじゃねえ?
あんまりいきなり高い懸賞金かけて市民を無駄に怖がらせるのも可哀想でしょうよォ。」
「あっしは妥当だと思うがねェ〜。
強いて言うなら様子見も込めて1500万から高くて4、5000万くらいが丁度良いんじゃ無いかとは思うけどねェ。」
「何を甘っちょろい事言っちょる。
儂ァ、白ひげ海賊団の一員って事も考えて最低5000万は確実じゃろうが。
おつるさん、アンタは?」
センゴクの出した意見に対して、三大将、クザン、ボルサリーノ、サカズキの三人がまず意見を述べる
そして最後に話したサカズキが話を振った相手は、海軍本部参謀長のおつる
何かしらの作戦を立てるのに対して、都合があれば一時的な懸賞金の上げ下げを行うくらいはこれまでにも行われてきたのだ
だからこそ、過激派で知られ、他人の意見をあまり求めないサカズキもおつるの意見には気を配る
「アタシは別に何でも構わないよ。
好きに決めな。」
特に今のところは支障がない様だ
中将以下も含めて会議は進む
だが、その会議の中心となるのは元帥であるセンゴクと三大将の四人だ
そして程なくして結論が出た
「では、このウタという女の懸賞金は2000万とします。
以後、この女の二つ名を『残響』とし、会議で使うときもこの二つ名を使用する事とします。
なお、現在の懸賞金はあくまで様子見であり、赤髪海賊団との関係や能力が分かり次第、再度懸賞金を変化させる事とします。」
『異議なし!』
「では、次に他の白ひげ海賊団の船員について……」
マリンフォードでの会議はまだまだ続く
そして翌日、ニュース・クーに運ばれて新聞に挟まった手配書が世界中に届けられる
日に日に増える海賊達の一人にウタの姿があった
「お頭ァ!!
う、う、う、ウタが!!」
朝の海の上
航海を続ける赤髪海賊団の船、レッドフォース号の甲板上で船員の一人、ラッキー・ルウが新聞を持ちながら騒ぐ
その声につられ他の船員達も起き上がり、甲板上へと上がってきた
「ウタがどうしたって?
もしかして、歌手としてデビューしたのか!?」
甲板上での騒ぎに起きたシャンクスもルウの慌てようと手に持つ新聞を目にしてルウから新聞を奪い取って端から端まで素早く読む
だが、どこにもウタの事は書いていない
「なんだ、書いてねェじゃねェか。」
「違ェよお頭!
こっちだ!
手配書の方!!
白ひげ海賊団の船員達の中にウタが!」
「はあ?
んなわけ……いるゥーー!!!??」
あまりの驚きにビビりまくりながら、何度も何度も手配書を確認する
WANTED
DEAD OR ALIVE(生死を問わず)
『残響』のウタ
20,000,000ベリー
恐らく性が分からない上に名前が短く、収まりが悪いからだろう
二つ名と共にウタの名前と写真が貼られていた
唖然としながら手配書を見ていたシャンクスだったが、やがて肩を震わせ始める
「だっはははははははは!!
野郎共、宴だァ!!
どんな理由かは分からねェが、俺らの娘が海賊として名を上げたんだ!
祝わねェ訳にはいかねェだろう!!」
シャンクスがそう言うと船員達も一気に騒がしくなる
「ベックマン!
額縁なんてウチの船に無かったっけか。」
「飾る気かよ……
さて、どうだったかね。
後で探しておこうか。」
「あ、いや、ちょっと待て。
やっぱり俺が一から作る。」
「親バカか!」
絶対嫌がられるぞ、という言葉は言わないでおく程度にはベックマンは優しかった
「あと今度鷹の目の奴が来たら自慢してやろう!」
「そんな事言われたって鷹の目だってこまるだろうよ。
……それにウタに興味を持ったらちょっかい出しに行くかもしれねェぞ。」
「そうか!
そりゃダメだな、やめておこう。
あぁ〜〜、でも自慢してェなぁ!」
「諦めろ。」
今日も赤髪海賊団の船は騒がしかった
そして、その新聞は白ひげ海賊団にも届く
「おおーい!!
新聞だ、俺らの新しい手配書もあるぞォ!!」
「やっと来たか!」
「俺の懸賞金上がってるか!?」
「バァカ、上がる訳ねェだろうが。」
新聞を受け取った船員達の周りにゾロゾロと人だかりが出来る
そしてウタの手配書が見つかった
「!
ウタちゃんが賞金首デビューだァ!!
懸賞金は……2000万ンン!!??」
「何ィ!!?
一瞬で抜かされたァ!!」
「しかも二つ名ついてるじゃねェか!!
『残響』のウタ!?
カッコいいなあ、オイ!!」
その騒ぎに昨日、夜の見張り番だったウタが起きてくる
眠そうな表情で欠伸をしながら甲板に上がってきたウタに船員達が集まってくる
「うわァ!
なに!?」
「ウタちゃんの手配書が出てるんだよ!」
「え、早くない?
流石にもう二、三回戦ってからだと思ったたんだけど。」
ほら、と手渡された手配書を見れば確かに自分の写真と名前が載っている
「白ひげ海賊団のネームバリューと能力を考えても少し高ェな。
なんか他にも嗅ぎつけた事でもあんのか?」
いつの間にか後ろに立っていて手配書を覗き込んでいたティーチの言葉に一瞬考える
「……シャンクスの娘だって分かったとか?」
「それじゃあ今度は低すぎだな。
まァ、その線で考えりゃ精々赤髪海賊団と何かしらの関係があるのがバレたって程度だろうよ。
まあ、懸賞金が高くて困るのは賞金首狩りの連中や海軍に狙われやすくなりやすい、って位だ。
懸賞金の高さとソイツの強さは比例するもんだ。
まあ、俺ァ長い間この船に乗ってんのに賞金首じゃねェんだけどな!
ゼハハハハハハハ!!
海軍の奴らも見る目ねェもんだぜ!」
ティーチのその言葉に周りの船員達のうち、懸賞金が低かったり賞金首になっていない船員達が騒ぎ始める
「そうだそうだ!
俺ァ、いつかこの船の主戦力になる人物だぞ!!」
「俺なんか今でも戦場じゃあ大立ち回りしてるのによォ!」
騒がしい声と共にまた一日が始まる
賞金額に関してはぶっちゃけ尺度がイマイチ分かりにくいところはある
強いし、危険度も高いから懸賞金も高いっていうのは分かるけど、チョッパーみたく、たまに能力と賞金が明らかに釣り合ってないパターンもあるし……
純粋な強さだけで億単位に入り始めるのは七武海クラスって分かってるだけまだ良いか
あと、前話でウタが簡単に技を作れたのに関して都合良すぎない?と思う人は、スピンオフのエピソードオブAを見てみよう
ネットで一話は無料で見れるから
パンクハザードで入れ替わったスモークとたしぎを見れば分かるけど、ロギア系の能力は初心者にとっては制御が難しいのに、食った瞬間からある程度制御できていて、すぐに自身の代名詞でもある火拳を使えるようになった奴がいましてね
エースって言うんですけど
だから能力との親和性が高ければ技自体はすぐにできる様になるっぽいのよね
ウタも悪魔の実を食べた時期は分からないけど、少なくともフーシャ村にいた頃にはすでに食べてたから前天的か後天的かは分からないけど親和性はめちゃくちゃ高いと思う
感想、評価お待ちしてます
考察談話でもばっちこい
ただ、短くても感想はちゃんと書いてね
全く関係ない事書くと規制の対象になっちゃうから