ありふれない月の眷属がいるのは間違っているだろうか   作:クノスペ

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前回の雫が使った技なんですが
元ネタと技名書いてた方が良いですかね?

後作者は天之河は好きな部類のキャラです



本編です


67星:砂漠のトラブル

 

 現在、車内には俺のせいで起きていた気まずい空気は無くなっていた。

 それもミュウちゃんの天真爛漫さのおかげだろう。

 

「パパすごいの!前に来た時と違って涼しいし目が痛くないの!」

「そうだね~。ハジメパパはすごいね~。ミュウちゃん、冷たいお水飲む?」

「飲むぅ~。カオリお姉ちゃん、ありがとうなの~」

 

 ミュウちゃんは、前部の窓際の席で香織の膝に乗りながら興奮しながら車内の快適空間を満喫していた。

 そんなミュウちゃんを、子供好きな香織は備え付けの冷蔵庫から水を取り出し、甲斐甲斐しく世話をしている。

 

「あの、白崎さん...ハジメパパって呼ぶのはちょっと...」

「ハジメくんが名前で呼んでくれたら変えてあげる」

「えっ...か、香織.......さん」

「む〜...まぁ今はそれで良っか」

 

 姿は変わってもその根本にあるものは日本にいた時から変わっていない事に、思わず笑みをこぼしてしまう香織。

 

 しかし、そんな空気も少女のある言葉によって変わっていく。

 

「残念でしたね〜、どうやらハジメとは距離があるようで!」

「...シア?それはどういう意味かな?」

「いえいえ〜、私は思った事を言っただけですので」

 

 どこか勝ち誇ったような表情のシアに、悔しそうな表情の香織。

 しかし、何か閃いたのかやり返しと言わんばかりに声をあげる。

 

「け、けど!私はハジメくんの趣味や将来の夢を知ってるよ!特に好きなジャンルとか!シアは知らないんじゃないかな!」

「う...ま、まぁ!これから知っていけば良いので!それこそ2人きりで!」

「ぐぬぬ...」

「むむむ...」

 

 徐々にエスカレートしていく2人の口論を、後部にいる俺たちと運転しているハジメは関わらないようにしていた。

 そしていよいよ取っ組み合いになりそうになった瞬間、挟まれていたミュウちゃんが我慢の限界を迎えた。

 

「......う~、シアお姉ちゃんもカオリお姉ちゃんもケンカばっかり! なかよしじゃないお姉ちゃん達なんてきらい!」

 

 そう言って香織の膝から降り、後部のユエの膝に乗るミュウちゃん。

 嫌いとはっきり言われた瞬間、ショックを受けた2人は一気に落ち込んでしまった。

 

「......2人とも、子供の前でみっともない」

「おじちゃん、もうお腹痛くないの?」

 

 すると、後部に来たミュウちゃんは俺の心配をし始めた。

 どうやら、俺が腹痛で黙り込んでいると思ったらしい。

 

「大丈夫だ、ミュウちゃんは優しいな。そんな子には飴ちゃんをあげよう」

「わーいなの!」

「おい弓人!ミュウが昼飯食べれなくなったらどうすんだ!」

「大丈夫だって、こんくらいの子は食べ盛りなんだから昼飯だって余裕だ。な?ミュウちゃん」

「よゆーなの!」

「はぁ...今日だけだぞ」

 

 昔、やったことのあるような掛け合いをしていながら、俺はユエと雫のことについても考える。

 

 2人のことは当然好きだ。

 けど、この好意は友愛や家族愛なものか、恋愛的なものか分からない。

 2人は待ってくれているが、それに甘え続ける訳にもいかない。

 だから、雫が合流するまでに答えを出すべきだ。

 

「ん?なんじゃあれは?ユミト殿。三時方向で何やら騒ぎじゃ」

 

 ティオに言われた方向を見ると、砂丘の向こう側に、サンドワームのようなミミズ型の魔物が相当数集まっており、砂丘の頂上から無数の頭が見えた。

 

「あいつら、なんであんな所をぐるぐる回ってんだ?」

 

 サンドワームは、何かを中心に旋回しておりどこか違和感を感じられた。

 ティオに尋ねてみると、ティオもそこまで詳しくないのかどこか曖昧に答える。

 

「なんというか...食うべきか食わぬべきか迷ってるようじゃのう」

「確かに...けどあいつらって雑食だったよな?」

「うむ、その上かなりの悪食なのじゃが...」

 

 まぁ、サンドワームは俺たちに気づいていないので、放っておこうとしていた所

 

「っ!お前ら捕まれ!」

 

 突如、ハジメは車を急加速させる。その瞬間、地面からサンドワームが飛び出し、車体を掠める。

 どうやら、サンドワームたちは俺たちの存在に気づいたようだ。

 

 ハジメは車をS字に走らせながら、サンドワームたちの強襲を掻い潜る。

 そして車内にいる香織は遠心力によって思わずハジメに抱きついてしまう。

 

「か、香織さん!?」

「ごごごごめん!ワザとじゃないから!」

「香織さんやりますね...なら私も!」

「あばばばばばば」

 

 美少女2人に抱きつかれ、ハジメは完全にショートしてしまう。

 このままだと不味いため、俺は防塵用のゴーグルとマスクを顔につけ車外に出ようとする。

 

「俺が外に出て撃退する。ティオとユエはもしもの時は魔法で援護してくれ」

「......ん」

「分かったのじゃ」

「おじちゃーんがんばれー!」

 

 そして俺は窓から車の上に移動する、一瞬バランスを崩すが何とか立ち直り弓矢と旋空を取り出し装備する。

 

 その瞬間、背後から1匹のサンドワームが飛び出してきた。

 

「『放たれしは必中、我が矢の届かぬ獣はあらじ』」

「【オリオン・オルコス】」

 

 一閃

 

 白く輝く矢が、サンドワームの頭部を簡単に吹き飛ばす。

 

 仲間意識が薄いのか、それとも食欲でまともな判断が取れていないのか、今度はサンドワーム2匹が同時に飛び出したため、弓を即座にしまい居合の構えを取る。

 

「弓人旋空」

 

 不可視の斬撃が、2匹のサンドワームを容易く斬り裂き絶命させる。

 こうして1匹、また1匹と屠っていき、サンドワームの群れを全滅させた。

 

「ふぅ...これで終わりか?」

「......ん、お疲れ」

「しまった、ミュウちゃんに見せる訳にいかなかったなこれ」

「大丈夫じゃ、ミュウには見せとらん」

「何も見えないの〜」

 

 車内を覗き込んでみると、ミュウちゃんに外を見せないようにユエが掌でミュウちゃんの目を覆っていた。

 流石に4歳の子に、このスプラッタな光景を見せるわけにはいかない。

 

「ハジメはもう大丈夫か?」

「おう...すまなかった」

「で、どうだった?」

「柔らかくて良い匂いでした...じゃねぇ!」

 

 そうやってハジメを揶揄っていると、先ほどまでサンドワームが旋回していた場所の中心に破壊された馬車と倒れている人がおり、どうやら彼を捕食しようとしていたのだろう。

 

「ハジメくん...」

「...分かった」

 

 香織に頼まれて、車は男の下へと近づいていく。

 新たなトラブルが俺たちに舞い込んできそうだ。

 

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三星弓人 Lv.6

     

  力: G : 247 → G : 253

 耐久: H : 198 → G : 200

 器用: G : 215 → G : 222

 俊敏: G : 231 → G : 235

 魔力: H : 174 → H : 180

 頑健: E

対魔力: F

千里眼: E

 直感: G

 

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