ありふれない月の眷属がいるのは間違っているだろうか 作:クノスペ
一応今回で、オリオンの過去映像回を終わらせる予定です。
正直長くて申し訳ありませんという気持ちでいっぱいです。
【アルテミス・ファミリア】と一時的に分かれた私たち【アストレア・ファミリア】は、敵本拠地の奥へと進んでいく。
そこには、闇派閥幹部【
『【
『ヒャハハハハ!それを聞いてハイそーですかって降伏する奴がいるとでも思ってんのかぁ?殺るぞてめーら!』
その瞬間、潜んでいた
そして、乱戦に近い形で戦いの火蓋が切られた。
『おいおい、この程度かよ【
オラリオでも突出した【Lv.5】のヴァレッタに、アリーゼと輝夜が。
共に【Lv.3】の2人はステイタスの差を『技』『駆け引き』そして『連携』でどうにか食らいついていた。
加勢しようにも、突入時にいた奴等より質の上がった敵兵が邪魔をする。
しかし、私は今回の作戦が成功することを確信していた。
あと少しで、彼が来る。
【Lv.4】の彼が来れば、ヴァレッタも捕らえれることが出来るはずだ。
『あ、ああああ!』
突如、私の背後から聞こえる甲高い叫び声。
反射的に木刀を薙ぎ、背後からの攻撃を弾いた。
そして、私は目を疑った。
『ぁ、ぁぁぁ...』
『こ、こんな幼い子まで...』
視界に飛び込んできたのは、周囲にいる
私たちより幼いのは瞭然で、少女はナイフを握りしめ瞳に涙を浮かべていた。
私は何度目になるか分からない怒りを
すると、少女は私の顔を見て軽い悲鳴を上げ後ろに下がり始める。
可哀想だが少し気絶してもらおうと木刀を振り上げようとした瞬間、彼の言葉が脳裏をよぎった。
―人を赦すのは...お前の『正義』に反するか?
そして私は、武器を下げ少女へ手を差し伸べた。
『安心してください。私は貴方を傷つけません』
『......』
『もう大丈夫です。だからそんな危ないものは捨てて下さい』
できる限り怯えさせないように笑いかけ、ゆっくりと近づく。
少女は、私の手と自信が持つナイフを交互に見た後ナイフを手放した。
『おとうさん...おかあさん......』
きっと無理矢理やらされていたのだろう、少女は私に手を伸ばしていない方の手を自身の胸元へと持っていく。
そして少女の手が私の手に触れそうになった瞬間
少女の額を1本の矢が貫いた。
私を狙った物なのか、それとも少女を狙ったのかそんなものはどうでもいい。
私は少女を殺した者を裁くため矢が放たれた場所を見る
『.........ぇ?』
何故
何故よりによって
貴方なのですか
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先ほどまで剣戟が鳴り響いていたのが嘘のように静まり返っていた。
【アストレア・ファミリア】の少女たちは、ありえないものを見る目で彼を見ていた。
そんな彼は、まるで機械の様な表情で詠唱を開始した。
『【我が宿命、月女神に乞い願う】』
『...ちっ【三星の狩人】折角面白れぇもんが見れそうになったのに邪魔してんじゃねぇよ』
弓人?が詠唱を続ける中、【殺帝】と呼ばれていた女は不機嫌さを隠すことなく悪態をつく。
女と対峙していたアリーゼと輝夜はその言葉に疑問を持つが、女は構わず話し続ける。
『まあいい、『花火』はまだ残ってんだよ!てめぇらもさっさと始めろ!』
その言葉を聞くが否や、闇派閥の者たちは自身の胸元の撃鉄装置に手を伸ばそうとするが
閃光が走り、鮮血が舞った。
『やめてください...』
敵を、短剣で斬り殺した。
『やめて...』
敵を、弓矢で射殺した。
『やめろ...』
敵を、拳で殴り殺した。
『やめろおおおおおおおお!』
リオンが叫ぶが、彼は止まらない。
そして、『地獄』が作られていた。
「うっ...」
「香織、大丈夫か?」
香織は、ここに来て何度目かになる吐き気に襲われた。
今回は前世の姿とはいえ、仲の良い幼馴染が人を殺している場面の為精神的ダメージも大きいようだ。
『くそ!使えねぇクソザコどもがぁ!!』
『後はお前だけだ...ぐほっ!?』
そして弓人?が女に近づこうとした瞬間、彼を包んでいた光が無くなり口から大量の血を吐き出した。
そして彼の体から、何かが千切れる音と砕ける音が鳴り響き始める。
それを見た女は、邪悪な笑みを浮かべる。
『ヒヒ、ヒャハハハハハ!なんだよ、私を殺るんじゃねぇのか?』
『くそ...ここでかよ...』
『お前のせいで最高のショーを見損ねたんだ。絶対に殺してやるよ』
【魔法】の反動により立っているだけでやっとの状態の彼を殺そうと、女は武器を振り上げ襲い掛かる。
アリーゼたちは彼の生み出した光景に放心していたせいで、反応が遅れてしまった。
しかし、女の武器が当たりそうになる直前、1つの人影が弓人?へ飛びかかり紙一重で助けた。
『■■■■!大丈夫か!?』
『ア、アタランテか...』
『【あの魔法】を使ったのか...全員、全力で■■■■を守れ!』
『『『『『了解!』』』』』
アタランテの指示で、弓人?を守る様に立ち塞がる【アルテミス・ファミリア】の団員たち。
不利だと感じた女は後方へ下がり忌々しげに彼を睨みつける。
『【三星の狩人】お前だけは私が必ず殺してやる...』
『なっ、待ちなさい!』
アリーゼが追いかけようとするが、女は自身の持っていた武器を投げつける。
アリーゼが咄嗟に剣で受け防御するが、その時には女の姿がどこにも無かった。
『何故...殺したんですか...』
アタランテの肩を借り、どうにか立っていた彼にリオンは震える声で問いかける。そんな彼女の腕には、彼が最初に殺めた少女の亡骸が抱えられていた。
『お、おい落ち着けよリオン...■■■■にも何か理由があったんだろ...』
『それでも!殺す必要はなかったはずだ!』
『......お前たちを守るのに、他に方法が思いつかなかった』
彼が発した言葉に、リオンは怒りを通り越し憎しみに近い視線を向け叫んだ。
『ふざけるな!こんな...こんな血に塗れたものが【正義】なはずがない!』
『なっ、取り消してください!■■■■さんはこいつらが身に『やめろ』■■■■さん!?』
『いい...いいんだ』
【正義】それは、前の映像で彼が言った【誰かの為に動くこと】ということを指しているのだろう。
彼女の言葉を否定しようとする団員の言葉を、彼は遮る。
そして、何も言わずにリオンの言葉を聞き続けていた。
『私は認めない...貴方は
その言葉を最後に、突如ブレーカーが落ちた様に景色が最初の暗闇に戻った。
ここで【アストレア・ファミリア】が動けていなかった理由は
闇派閥との戦闘の際、オリオンは1人も殺したことがなかった
街のパトロールをしていた際、悪さをした民間人を見逃していた
それで『彼は人を殺すことはない』というある種の決めつけをしていたせいで、今回のことで混乱してしまったと解釈してください。