ありふれない月の眷属がいるのは間違っているだろうか   作:クノスペ

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やめましょうよおおおおおおお!!!
もうこれ以上設定を増やすの!!!
やめましょうよおおおおおおお!!!
(作品の)命がもっだいだい!!!
キャラはもう...立っているのに...
初期には考えてない設定を増やして...
広げなくていい風呂敷に欲をかいて...
今止めておけばエタらない作品を見捨てて...
その上まだ後付け設定を追加するなんて...

これじゃあ今から頭を悩ませてる作者が....

まるで!!!

馬鹿じゃないですか!!?


やりたかっただけです。反省はしてません

本編です


12.5星:クラスメイトside 失意と決意【半月】

 

 

 彼との出会いは、祖父の開いていた道場だった。

 その時の出会いは、別に特別なものでも無かった。

 

「あ〜、三星弓人って言います。ここには...まぁ、剣術ってカッコいいな〜って思って入りました。よろしくお願いしま〜す」

 

 実に男の子らしい理由だ。

 第一印象は、普通の男の子だった。

 

「三星くんって、他の男の子みたいにアニメの真似とかしないよね」

「ん?まぁ、そういうのしたくって入ったわけじゃないしな〜」

「ふぅん、変なの」

 

 普通の男の子から、ちょっと変な男の子に変わった。

 

「な〜んか、八重樫って変だよな」

「変?私のどこが変なの?」

「だって...なんで()()()()やってるんだ?」

 

 私は彼の手を引っ張ると、誰も来ない道場の裏に走った。

 

「なんで...」

「なんでって...勘」

「勘...?」

「そっ、『なんかすげーつまんなそーにやってんなー』って思って」

 

 この時、私は誰かに話したかったのだろうか

 それともこの時点で、彼になら話してもいいと思ったのだろうか

 私は自身の本音を話した。

 

 本当は、剣術なんてやりたくない

 本当は、女の子らしい服が欲しい

 本当は、可愛いぬいぐるみが欲しい

 けれど、期待してくれてる父や祖父を裏切りたくない

 

「...なぁ八重樫。そのこと、ちゃんと師範代に言ったのか?」

「言ってない...言ってがっかりされたくないし...」

「そっか、でも言わなきゃ駄目だ」

「えっ...なんで?」

「言わなきゃ、伝わんないことだってあるんだ。だから、言わなきゃ駄目だ」

「でも...怖いよ...」

「怖いならよ!俺もいってやるよ!」

「でも...悪いよ...」

「悪くなんかねぇよ!ほら!行こうぜ!」

 

 こうして彼に引っ張られ、父の元へ連れて行かれた。

 

「あのー、しはんだーい」

「うん?どうしたんだい三星くん?それに...雫も?」

「あのさ、八重樫が言いたいことあるんだって」

「えっ!?ちょっと!まだ心の準備が...」

「雫が?言ってみなさい」

 

 父が優しく問いかける。けれど言葉が出ない、

 怖い、怒られたらどうしよう、嫌われたらどうしよう

 頭の中がぐちゃぐちゃになる。

 

 ふと、彼に握られていた手から温もりを感じた。

 

「大丈夫」

 

 彼の言葉に勇気を貰った。

 私は、今まで溜め込んでいたものを全て吐き出した。

 父は、静かに聞いてくれている。

 暫くして、父が口を開いた。

 

「そうか...雫」

「...っ!」

「良いんだよ」

「ごめんなさ...えっ?」

「剣術を辞めても、良いんだよ」

 

 父は優しく、私の頭を撫でながらそう言った。

 

「けど...お父さんもお爺ちゃんも...私に期待してるって...」

「良いかい雫、お父さん達は確かに雫に剣術は続けて欲しい...けどね、それ以上に雫には、好きなことをやって欲しいんだ」

「お父さんとお爺ちゃんは、この道場が好きだ。だから、雫にも好きになって欲しかったんだ...けどごめんね、そのせいで雫に我慢させちゃってたんだね」

「お父さん...良いの?お友達みたいに...ヒラヒラの可愛い服を着ても...可愛いぬいぐるみとかを集めても良いの?」

「あぁ、良いとも...今度の休みの日に買いに行こう」

 

 私は涙が止まらなかった。

 良いんだ、もうイヤイヤやらなくても

 良いんだ、可愛い服を着ても

 良いんだ、可愛いぬいぐるみを集めても

 

 私は勇気をくれた彼の方を見た、彼は笑顔を私に向けていた。

 

「な?言って良かっただろ?」

「〜〜〜っ!うん!!!」

「ありがとう三星くん、雫の助けになってくれて...お礼をさせてくれないか?」

「お礼って言っても、俺そんなつもりでやった訳じゃないし...」

「お願い三星くん!私からもお礼をさせて!」

「八重樫まで...そうだ!じゃあさ!」

 

「俺と友達になってくれよ!()!」

「....うん!()()くん!」

 

 結局私は、剣術は辞めなかった。父と祖父が好きなこの道場が好きになったからだ。

 そして、ここなら彼がいてくれるから。

 

 ちょっと変な男の子から、友達になった。

 

「ねぇ弓人、今度の大会で相談があるんだけど」

「お?良いぜ、放課後でいいか?」

「えぇ、ありがとう」

 

 友達から、頼りになる幼馴染になった。

 

「バレンタインのチョコ作り手伝って!雫ちゃん!」

「はぁ...それも彼のため?香織」

「うっ...け、けど丁度いいじゃん!雫ちゃんも弓人くんに作ってあげようよ!」

「ちょ!...なんで今弓人が出てくるのよ!」

 

 頼りになる幼馴染から、気になる男子になった。

 

「そんなに不安なら、約束しようぜ」

「約束?」

「どっちかが限界を迎えそうになったら。片方が支える。な?」

「弓人...ありがとう」

 

 気になる男子から、好きな人になった。

 

 そして私は、1つ決めたことがある。

 

 日本へ帰ったら、告白しよう

 

 

 

 

 

 

 なんで...あなたはそっちへ走ってるの...?

 そっちは...橋が崩れてて危ないわよ...?

 ねぇ...約束が違うじゃない...

 まだ...好きって言えてない...

 あなたには...まだ話したいことが沢山あるの...

 お願い...弓人...

 

「助けて....」

「雫ちゃん!!!お願い!!!開けて!!!」

「香織...?」

 

 絶望に沈む少女に、親友(すくい)が来た

 





前後編で終わらせるつもりが3部構成になってしまった...

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