ありふれない月の眷属がいるのは間違っているだろうか 作:クノスペ
ようやくここまでこれた...
もう、どれだけの時間が経っただろうか...
今は朝なのか...夜なのか...もう分からない...
私が、何をしたというのだ...
誰でもいい...
なんだってするから...
だから誰か...
「助けて...」
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俺たちが、本格的な脱出へと乗り出して1週間ほど経過した。
俺たちは50層手前にいるが、未だに最下層へ辿り着かない。
様々な出来事があった。
毒の痰を吐き出すカエルの魔物と、毒の鱗粉を撒き散らす蛾の魔物のせいで全体が毒に侵され、神水無しでは探索も出来ない階層。
ハジメが歯の奥へ神水を仕込むという提案をしなければ、毒で全滅していただろう。
洞窟にも関わらず。巨大な樹木に覆われていた階層。そこには人の身ほどの大きさのムカデが居たせいで、違う意味で苦戦した。
そして、トレントの様な魔物が実らせていた果実をハジメが美味い美味いと食って狩り尽くしたことが印象的だった。
その結果もあり、俺たちはかなりの成長を遂げた。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:49
天職:錬成師
筋力:880
体力:970
耐性:860
敏捷:1040
魔力:760
魔耐:760
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・言語理解
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三星弓人 Lv.5
力: E : 478
耐久: F : 326
器用: F : 385
俊敏: E : 440
魔力: F : 357
頑健: E
対魔力: G
千里眼: G
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長時間、暗闇で戦闘を続けた影響か【千里眼】のランクがHからGへと変化していた。その結果、ぼんやりとであるが、周囲の把握が可能になった。
そして現在、俺たちは50層手前の仮拠点にて、消費した弾丸と矢の補充及び装備の点検を行なっていた。
その理由は、この階層は明らかに
例えるなら、オラリオの
そんな空気を感じた俺は、同じくこの階層の異様さを感じていたハジメと話し。万全の状態で乗り込むと決めた。
「よし...弾と矢の補充が終わったぞ。そっちはどうだ?」
「問題ない。いつでも行けるぞ」
準備を整えた俺たちは、50層へと足を踏み入れた。
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しばらく歩みを進めると、そこには巨大な扉があった。
扉には装飾が施されており、その脇には二対の一つ目巨人の彫刻が半分壁に埋め込まれるように鎮座している。そして扉の中心には中央に二つ窪みのある魔法陣があった。
「ハジメ、あの魔法陣分かるか?」
「いや...わかんねぇな。結構勉強したつもりだが...こんな式見たことねぇぞ」
「座学に力を入れてたお前が分からんってことは...相当古いってことか...」
俺たちはトラップに警戒しながら、周囲を調べる。
だが、特に成果もなく中に入るしかないという結論になった。
「じゃあハジメ、扉を錬成してくれ」
「了解だ」
押しても引いてもびくともしなかったため、ハジメに錬成するよう頼む。
ハジメは右手を扉に手を置き、錬成を開始した。
その瞬間
「うぉっ!?」
「ハジメ!?」
扉から赤い放電が走りハジメの手を弾き飛ばし、ハジメの手からは煙が吹き上がっている。神水を飲ませ、扉の開け方について話そうとした時。
「「オォォオオオオオオ!!」」
突如、低い咆哮が階層全体を響かせた。
壁に埋め込まれている彫刻だと思っていた存在が動き始めた。
2体の巨人は、扉の封印を解こうとする侵入者を排除するため、俺たちにその視線を向ける。だが
「【オリオン・オルコス】」
既に詠唱を済ませた俺は、矢を放つ。
白く輝く矢は、1体の巨人の眼を打ち抜き。一撃で沈黙させた。
「わざわざ待ってやる必要もないからな」
「まぁ、それもそうか」
ハジメは相方がやられ、呆然としている巨人へドンナーを向ける。
ドパンッ!
勝負は、一瞬でついた。
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巨人の肉を解体していると、それぞれから1つずつ、拳大の魔石が出てきた。
ものは試しと魔法陣の窪みに持っていくと、魔石は元々そうであった様にはめ込まれる。そして、魔石の魔力が魔法陣を満たし輝かせる。しばらくすると、魔法陣の輝きが収まる。
「恐らくこれで開くはず...」
「ハジメ、肉を食うのは後だ。扉の先を見るぞ」
俺たちはそれぞれ扉に手を置くと、ゆっくりと開けた。
そこには、幾つもの石柱が並んでいた。
そこには、部屋の中央に立方体の石があった。
そこには、『なにか』が生えていた。
「確実にアレを封じてたな...」
「だな...ちょっと待ってくれ、今扉が閉まらない様に固定する」
「......だれ?」
ハジメが扉を固定するため大きく開けようとする。
その時、俺たちの耳に届いたのは弱々しい少女の声だった。
俺たちは即座に声の主である『なにか』に向け目を凝らす。
そこに生えていたものは『一人の少女』だった。
歳は恐らく、12か13ほどの、長い金髪と紅い瞳が印象的な美しい少女だった。
「ハジメ.....」
「あぁ...」
俺とハジメはお互いに見合わせ頷く。そして
「すみません。間違えま「待て待て待て待て」
どうやら、同じ考えではなかった様だ