ありふれない月の眷属がいるのは間違っているだろうか   作:クノスペ

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申し訳ございません

ヒュドラ討伐時に記入するつもりだった
主人公のステータス変化を忘れていたのでここに記入させていただきます

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三星弓人 Lv.5『ランクアップ可能』
     ランクアップ可能理由 : 少人数での迷宮制覇
 
  力: B : 714 → B : 745
 耐久: C : 630 → C : 680
 器用: B : 700 → B : 725
 俊敏: C : 600 → C : 624
 魔力: D : 530 → D : 570
 頑健: E
対魔力: F
千里眼: F
 
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それでは本編です


21星:反逆者の住処

 心地良い感覚が、頬を撫でる

 それと共に、意識が覚醒していく。

 目を覚ますと、俺は今ベッドにいることを理解した。

 軽く周囲を見渡していると部屋にユエが入ってきた。

 

「えっと...なんでベッドに...ていうかここ何処だ?」

「......おはよう」

「えっと...俺はなんでここに?」

「......ユミト...あの後気を失ってた」

 

 混乱する俺に、ユエがあの後のことを説明してくれた

 

 どうやら、あの戦いの後の俺はそのまま寝てしまった様だ

 ただ、あの場所にいつまでもいる訳にも行かないため、俺を引っ張りながら連れて行ったらしい

 奥の扉の先には、広大な空間に住み心地の良さそうな住居があったため、罠が無いことを確認した後、住居内の寝室を見つけ俺をベッドに投げ込んだらしい。そして俺が寝ている間、ハジメとユエが交代で俺の様子を見てくれていたらしい。

 

「あぁ...そういえばそうだった様な...」

「......あれから、2日経ってる」

「まじか...ハジメは?」

「......弾や矢の補充とか、新しい武器を作るからって篭ってる...」

「そうか...じゃあハジメのところに...っいででででで!!!」

「ユミト!?」

 

 俺がハジメの所へ行こうと体を動かした瞬間、全身が軋み痛みが発生した。

 ユエは、俺の体にヒュドラの毒があると思ったのか神水を取り出す。

 

「あぁ...忘れてた...反動のこと...」

「ユミト!神水を飲んで!」

「大丈夫だ、ユエ...これは『あれ』使った時の反動なんだ」

 

 慌てるユエを落ち着かせ、俺は『あの魔法』の説明をした。

 

【アルテミス・アグノス】

 俺の持つ魔法の中で、最も強力な魔法

 その効果は至ってシンプル『一時的なランクアップ』

 だがそのシンプルな効果が最も強力な理由だ

 【ステイタス】において、【Lv】というものは重要とされる

 【Lv】が一つ違う、ただそれだけの理由で勝負が決することがある

 一時的とはいえ、『Lvを上げる』といえばその強さがわかるだろう

 

 だが、無条件で手に入れれるほど美味しい話はない。

 あの魔法は、俺の体を無理矢理ランクアップさせるため、反動が発生する。

 風船に必要以上の水を入れれば破裂する様に、

 注がれる力が、俺の体を壊すのだ。

 

「んで、今その反動で全身筋肉痛って訳だ」

「......逆になんで筋肉痛で済んでるの...?」

「俺の『頑健』とLv5の体だからだろうなぁ...初めて使った時は本当やばかったけど...」

 

 俺がこの魔法を手に入れた時は【Lv3】の時だ

 初めてこの魔法を使った時には、負荷でまともに動くことができずそのまま意識を失ってしまった。

 そして仲間たちに治療系ファミリアへ担ぎ込まれ診察を受けると全身の筋肉が断裂していたらしい。その時の戦場の聖女(デア・セイント)の形相といったら...

 その後、アルテミスからの説教を受け、『ランクアップして体が耐えれる様になるまで禁止』と言われた思い出がある。

 

「だから神水はしまっとけ。ほっとけば治るから」

「良いから飲む!ユミトは寝てて、ハジメを呼んでくるから」

 

 ユエは神水の入った試験管を俺の口へ突っ込み、ハジメを呼びに俺の返事を待たずに部屋から出て行った。

 

 暫く待っていると、ハジメと共に入ってきた。

 

「ようやく起きたか」

「悪いな、ここまで運んでくれたんだろ?」

「気にすんな、神水は飲んだんだろ?ここの案内するから来てくれ」

 

 ハジメとユエに連れられ、部屋から出ると周囲の光景に圧倒された。

 

 『太陽』がそこにはあった。

 もちろんここは地下迷宮であり本物ではない。

 頭上には円錐状の物体が天井に浮いており、その底面に煌々と輝く球体が浮いていたのである。

 僅かに温かみを感じ、無機質さを感じないため、思わず『太陽』と思ってしまった。

 

「......夜になると月みたいになる」

「マジかよ」

 

 そのほかには、大きな畑や川が流れており、そこに植えられている野菜や川に泳いでいる魚は俺でも食べられそうなものであった。

 

「他にも風呂とかあるんだが...先に来て欲しいところがある」

「え!風呂あんのかよ!」

「あぁ、結構デカいから後で入ると良い」

 

 思わぬ朗報に頬を緩ませながら、ハジメが来て欲しいといった場所へと進む

 そこには、直径7、8メートルほどの今まで見たことない形をした魔法陣と、石によって作られた墓があった。

 

「ここが...お前たちが来て欲しいって言った場所か?」

「あぁ、あの墓があった場所には骨になった奴がいたが...俺が埋めて墓を作った...」

「そうか...あの魔法陣が外へ出るためのやつか?」

「いや、違う。...けど、乗ってみれば分かる」

 

 ハジメに言われて、俺は恐る恐る魔法陣の上へと乗る

 その瞬間、魔法陣が輝き出し部屋を純白へ染め上げる

 思わず目を閉じると頭に何かが入り込み奈落に落ちてからの記憶が脳内で流れる

 光が収まり目を開けると、俺の目の前に黒衣の男が立っていた

 


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