ありふれない月の眷属がいるのは間違っているだろうか   作:クノスペ

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ついに通算UA10万超え...

これもこの作品を見てくださっている皆様のおかげです

拙い文章やストーリーですが楽しんでいただけると幸いです


本編です


45星:黒竜【下弦】

 

 

「意識を取り戻すって...策はあるのか?」

「そうですよ!私たちの中に洗脳解除の魔法を使える人はいませんし」

 

 俺の発言に、疑問を口にするハジメとシア。だが実際、全魔法の適性のあるユエでも、回復魔法を苦手としているため。洗脳解除の魔法は持っていない。

 

「よく言うだろ?『強いショックを与えれば洗脳は解除される』って」

「強いショックって...お前まさか」

「あぁ、『あれ』を使う」

 

 俺の考えた策、それは【アルテミス・アグノス】を使って強化した一撃を叩き込むというシンプルな物だ。早速俺は詠唱を開始しようとした瞬間、ハジメから待ったをかけられた。

 

「待ってくれ、そいつを使うのはもう少し後でも良いか?」

「別に良いが、どうした?」

「1つ妙案が浮かんでな...それを試してからでも良いか?」

「妙案ねぇ...とりあえず内容を聞いてからだな」

 

 黒竜が俺たちを警戒してるのか、未だに対空して襲ってこない隙に手短にハジメから説明を受ける。説明を聞いた俺たち3人は、その内容も内容のためなんとも言えない表情を浮かべてしまった。

 

「あー...うん、確かにあり得そうではあるが...」

「ね、ねぇハジメ...他にやりようはないの?」

「いや、少なくとも俺は思いつかないが不満か?」

「不満というか...」

「......可哀想」

「うっ...でもなぁ...」

 

 するとハジメは、俺の方を向き。ハジメもなんとも言えない表情を浮かべる。

 

「弓人が『あれ』使って殴ると...あいつ死にそうだしなぁ」

「「あー...」」

「お前らなぁ...まぁ良いや、ハジメの案で行こう」

 

 もうこいつらの俺に対するイメージは払拭できないだろう...俺は心の中で泣きながら弓を構えようとすると、後ろからクラスメイトたちが近づいてきた。

 

「あのさ南雲...私たちにもやれることないかな?」

「そうだな...じゃあ、あっちでウィルと先生を守っててくれ」

「うわっ...って重!」

 

 ハジメは黒竜のブレス時に取り出していた大盾を園部に渡すと、その重量にバランスが崩れそうになるがなんとか立ち直す。

 

「お前ら体震えてんぞ、こういう時は適材適所だ」

「...ごめん」

「謝んな、俺たちが戦ってる時は先生たちを守ることが出来ない。だから頼んだぞ」

「分かった...死なないでよ!」

 

 ハジメの言葉に、園部は大盾を引き摺って畑山先生たちの方へ行く。他のクラスメイトたちも一言ずつ激励を言いながら畑山先生たちの方へ駆けていった。

 

「それじゃあ...作戦開始と行こうか!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 黒竜は未だに空中を羽ばたいており、その視線はウィルに向けられている。そのお陰もあり、俺たちが準備を整える間も何もしてこなかった。

 

「行くぞ!」

 

 ハジメが作戦開始の合図と共に、シュラーゲンを構え『纏雷』を発動する。赤いスパークが迸らせる。

 ウィルを見ていた黒竜も、シュラーゲンの脅威を本能で感じ取ったのか。迎撃するためブレスの準備を行う。

 

「今だ、弓人!」

「任せろ!」

 

 俺は宝物庫から、1本の巨大な矢を取り出す。その矢は、自身の身の丈と同じほどの大きさを誇っており、もはや槍と表現できる大きさだ。

 

 俺はその矢を番え放つ。矢は風を切りながら、黒竜へと迫る。

 黒竜は矢の存在に気づき、即座に回避する。そしてブレスを放とうとした瞬間

 

 避けたはずの矢が黒竜の皮膜を貫いた。

 

「グガァ!?」

「さっきの矢に比べて遅かったから油断したな?速度を落とした分...『弾道』に力を入れたからな」

 

 これがミレディの迷宮を制覇した時に手に入れたスキル【弓芸百般(トリック・ショット)】だ。

 

 弓矢限定ではあるものの、発射時の弾道や速度を任意に変化させることができる。今回は、速度を落とした代わりにブーメランのような軌道にさせた。

 

「ナイスだ弓人!くらいやがれ!」

「グルアアアア!」

 

 シュラーゲンの充填を終え、引き金を引くハジメ。轟音と共に発射される弾丸。黒竜も負け時とブレスを発射するが、皮膜を片づけられた時に魔力が霧散したのか先程より威力が落ちている。

 

 シュラーゲンの弾丸と黒竜のブレスがぶつかり合う。威力が落ちていてもシュラーゲンと拮抗しているのには驚いたが、ここまで全てが想定通りだ。

 

「頼んだぞ!ユエ!」

「......『禍天』」

 

 ユエの魔法により、再び黒竜の頭上へ現れる重力の球体。黒竜は先ほどのことを思い出したのか球体から離れようとするが、今回避のためブレスを止めるとシュラーゲンの弾丸が襲ってくるためブレスを止めることが出来ないでいる。

 

 その結果、黒竜は再び地面へと磔になってしまう。口内の魔力も完全に霧散してしまい、ブレスも途切れている。

 

「......シア!」

「今度こそ、当てます!」

 

 シアはドリュッケンを構え、今度は縦振りではなく横振りでフルスイングをする。

 重力魔法により更なる加速を得たドリュッケンは、黒竜の顔面を完璧に捉える。

 

「ガァアア...」

 

 脳が揺さぶられたのか、抵抗する力が弱まり咆哮も小さな物となっている。

 

 そしてこの作戦の最後は、黒竜の背後でパイルバンカーを構えたハジメによって終わる手筈になっている。

 

「そういえばこの世界にはこんな言葉があるんだってな?『竜の尾を蹴り飛ばす』って」

 

 これは、護衛中モットーから聞いたこの世界の諺の一つだ。

 

 この世界の竜は硬い鱗と甲殻に覆われており鉄壁の防御力を誇るが、目や口内を除けば唯一尻穴の付近は鱗がなく弱点となっている。防御力の高さ故に、眠りが深く、一度眠ると余程のことがない限り起きないのだが、弱点の尻を刺激されると一発で目を覚まし烈火の如く怒り狂うという。昔、それを実行して叩き潰された阿呆がいたため、教訓として伝わっている。

 

「こいつを食らって目を覚ましやがれ!」

 

 そして、パイルバンカーが黒竜の『そこ』へ勢いよく突き刺さった瞬間

 

「なんじゃあああああああああああ!!?」

 

 黒竜の目が見開き、突如人の言葉で絶叫した。

 

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三星弓人 Lv.6

     

  力: I : 45 → I : 60

 耐久: I : 25 → I : 37

 器用: I : 32 → I : 42

 俊敏: I : 30 → I : 40

 魔力: I : 40 → I : 51

 頑健: E

対魔力: F

千里眼: E

 直感: H





当初予定は弓人の案で行くつもりでしたが...

アザンチウムレベルの鎧をぶっ壊す威力の拳だったな...

あかん!このままじゃ黒竜が死ぬぅ!

ということで急遽変更しました
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