五等分の奇跡   作:吉月和玖

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2.転校生

「チャイムは鳴ってますよ。皆さん席に着いてください!」

 

チャイムが鳴ってから少し遅れて、担任の先生が教室に入ってきた。

それを機に皆自分の席に戻っていく。

 

「授業を始める前に皆さんに紹介したい人がいます」

(お、もしかしてさっきの中野さんかな?ふふ、風太郎と同じクラスじゃなくて良かったじゃん)

 

そう思って、入ってくる生徒に注目した。

というか、転校生を紹介するのは普通午前中だと思うのだが…

 

(あれ?たしかに中野さんの顔なんだけど、髪型が違うような?それに、ちょっと雰囲気も違う…)

 

転校生が黒板の中央辺りまで来ると自己紹介を始めた。

 

中野三玖(なかの みく)です。よろしく…」

 

その一言だけで自己紹介が終わった。

どうやらさっき会った中野さんには姉妹がいたみたいだ。

 

(にしても、似てるなぁ。髪型とヘッドフォン?があるくらいしか違い分かんないかも)

 

そんな風に感じていると担任は席を誘導する。

 

「直江くんの隣がちょうど空いてますね。そちらにお願いします。」

 

コクンっと頷くと彼女はこちらに歩いてくる。

 

(あぁ、せっかく隣は誰もいなくて結構楽だったんだけどな…ま、しゃぁないか)

「よろしく」

 

そう一言言っただけで、彼女は席に着いてしまった。

周りの事など無関心であるかのように。

 

「では、授業を開始しましょう。あ、中野さんの教科書ですが今日中には用意できると思うので、今日だけは直江くんが見せてあげてください」

「(げっ!?)分かりました」

 

そう言って、中野さんの席に自分の席を持っていく。

 

「悪い、ちょっと見にくいかもしんないけど勘弁してね」

 

そう言って、自分の教科書を開き中野さんに見えるようにした。

なぜ見にくいかと言うと、色々と落書きをしているからだ。

いや、絵を書いたりだとかそういった類いの落書きではない。

僕は歴史が好きで、所々にその人物に関係する事をメモしたりしていた。

自分で見る分には全然構わないのだが、果たして他人が見ると読めるのだろうか…不安しかない。

 

「凄いメモ。歴史が好きなの?」

「ん?あぁ、特に日本史の源平辺りから江戸初期にかけてだけどね。ははっ、見にくいよね。今日だけは勘弁してくれると助かるよ」

 

そう言って、彼女を見るとさっきよりも雰囲気が柔らかくなったように感じた。

気にはなったが、いかんせん今は授業中である。授業に集中せねば。

なんたって、今の授業は歴史。担任の先生は所々に逸話を交えて授業をするから、この授業は割りと好きな部類に入る。

まぁ、歴史をそんなに好きでもない人から見たら、ただの眠たくなる授業かもしれないが…

そして、先程までの疑問がなかったかのように授業に集中したのであった。

 

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三玖視点

 

この教科書、凄いメモの量。

この辺のメモとか、本当に歴史好きの人しか分からないのに。

それに、授業も生き生きとして受けてるし、黒板に書かれてないこともどんどんメモを取ってる。

でも分かるな。

だってこの先生がたまに話してる逸話とか聞いてると楽しくなるから。

あ、今の話知らない。メモ取っておこう。

ふふっ、学校の授業で楽しいって感じたの初めてかも…

 

(この人になら、私の秘密を教えてもいいかな…)

 

そう思いながら、隣の彼をチラッと見たのだった。

 

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授業の終了のチャイムが鳴る。

 

「では、本日はここまで。今日はこれが最後の授業なので、このまま帰りのホームルームも終わらせましょう」

 

そう言って、伝達事項などを担任が喋っている。

 

「伝達事項は以上です。では、気を付けて帰ってください」

 

そう言って、担任が教室から出ていく。

 

「あっと、中野さんはこの後職員室に来てくださいね」

 

思い出したといった感じで、教室に顔だけ出してそう一言言ったらまた出ていった。

 

(いやぁ~、今日の授業もまじで面白かったわ。あの先生どこでこんな知識見つけてくるんだろう?今度聞いてみようかな)

 

そんな事を考えながら、自分の席を元に戻す。

 

「今日は悪かったね、教科書見にくかったでしょ。まぁ、明日からは自分の教科書があるから問題ないよね」

 

しかし、彼女からは意外な返答があった。

 

「そんな事ない。見ていてとても面白い教科書だった。ずっと見ていたいくらい」

 

そう言った彼女は、はっとした顔して顔を埋めてしまった。

 

「まぁ、好評だったのなら何よりだよ。こんなので良かったら、言ってもらえればまた見せてあげるよ」

 

そう笑って彼女に話しかけた。

顔を上げた彼女の顔は少しだが喜んでるように感じられた。

 

「そういえば、職員室に行かないとだっけ?何かの縁だし、案内するよ」

「うん、よろしく」

(良かった、もう少し彼女と話せたらって思ってたし)

 

彼女の承諾を得て二人で職員室に向かう。

この後に、とんでもないことが待ち受けているとは、この時の僕は露も思っていなかった。

 




う~む、やはり文章に起こすのは難しいですね。。。
何とか第3話の投稿ができました。
ついに三玖登場です!
しかし、オリジナルで文章書くと、こんな風に喋るっけ?と疑問に思ってきますね。。。
もう少しだけオリジナルを書きたいと思います。
読みにくかったりするかもですが、お付き合いいただければ幸いです。
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