五等分の奇跡   作:吉月和玖

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3.五つ子

職員室に向かっているところで、先程感じたことを中野さんに聞いてみることにした。

 

「そういえば、さっきふと思ったんだけど、もしかして中野さんも歴史好き?」

 

こんな質問をしたところ、隣の中野さんはビクッと反応した。

分かりやすいなぁ。

 

「誰にも言わないで」

「それは別に構わないけど、何で隠してるの?」

「だって、周りの女の子達が好きなのはイケメン俳優や美人なモデル。でも、私が好きなのは髭のおじさん…変だよ」

(なるほどね。近頃は歴女なんて人達も増えてはきたものの、それでも歴史好きの女の子は少ないのかも知れない)

「まぁでも良かったじゃん。転校してきた隣の席に同じ趣味を持つ同士がいてさ。今度、歴史トークとかどうよ?あ、もちろんみんながいないとことかでさ。後、担任の先生を巻き込むのもいいかも」

 

ちょうどあの先生と語り合いたいって思ってたしね。

うむうむ、色々と考えが膨らむな。

 

「私も変だけど、君も変だよね」

「失礼な!あ、でも中野さんは変じゃないでしょ。好みは人それぞれなんだし、別に髭のおじさんが好きでも問題ないっしょ。自分が好きになったものなんだし、誇りに思ってもいいんじゃない」

 

そんな言葉を伝えると、ビックリしたような顔でこっちを見ていた。

 

「え、何かおかしな事言った?」

「ううん、でもやっぱり君は変な人」

 

そう言って彼女は笑っていた。

 

「う~む納得いかない」

「あ、でも歴史トークをするのはいいと思う。私もさっきまでそう思ってたし。あの教科書もまた見たい」

 

そんな彼女は笑顔を見せてくれた。

 

「そういえば話が変わるんだけど、中野さんって姉妹がいる?」

「何で?」

「いや、実は昼休みに中野五月って子と少し話してさ。中野さんが、教室に入ってきた時はビックリしたよ。さっき会った顔だけど、髪型や雰囲気が違くてさ」

「ふ~ん、五月とももう話してたんだ。しかも私よりも先に」

 

あれぇ~、何だか少し怒気を感じるのだが気のせい?

 

「まぁいいや。想像通り五月は私の妹」

「あ、やっぱそうなんだ!」

(待てよ?目の前にいる中野さんは三玖で、三。食堂で会った中野さんは五月で、五…)

「もしかしなくても中野さんって五つ子だったりして~」

 

そんな冗談を言うと、中野さんは驚いた表情でこっちを見た。

 

「何でそう思ったの?」

「あぁ、いや二人の中野さんにはそれぞれの名前に数字があるでしょ。だから後、一と二と四がいるのかなぁ~なんて思ったりした訳ですよ」

 

何故に敬語?と自分に突っ込みたい!

 

「凄いね。まるで名軍師、竹中半兵衛みたい。当たりだよ、ほら」

 

と、ある場所を指差した。

そこには、中野さんと同じ顔で同じ制服を着た女子生徒が4人立っていた。

 

「ヤッホー!遅かったね三玖」

「遅いわよ!三玖」

「三玖!こっちこっち!」

「あら、あなたは…」

 

四者四葉(こんな言葉はないが…)、それぞれの反応をしている。

 

「おやおやぁ~、隅に置けませんなぁ三玖。転校初日から彼氏と下校ですかなぁ?」

「はぁ!?彼氏って…あんた三玖に何かしたんじゃないでしょうね!」

「三玖、凄ーい!」

「えぇー、そうなのですか?」

 

本当に反応がそれぞれで見ていて楽しいなぁ。

中野さんは中野さんで顔を真っ赤にして俯いてるし。こういうのには慣れてないんだろうね。

 

「ははっ、残念ながら彼氏ではなく友人だよ。席が隣になってね。その縁で職員室まで案内したんだ。そっちの中野さんは昼休みぶりだね」

「はい!その節は大変お世話になりました。後、名前で呼んでいただいて構いませんよ。何かと大変でしょうから」

「そっか、それは助かるよ、えっと…五月。あ、僕の事は好きに呼んで構わないから」

「はい」

 

そう笑顔で返事をしてくれた。

この子も、風太郎の馬鹿な行動がなければいい子なんだよな、と改めて思った。

 

「おやおや、五月ちゃんにまで手を出していたなんて、君もやるねぇ~」

「ちょっと!!私の妹達に手を出してるんじゃないわよ!」

 

こっちはこっちで止まらないね。

 

一花(いちか)二乃(にの)もいい加減にうるさい…」

「そうですよ!それに、直江君はそんな人ではありません」

(これは、しばらく収まらないやつだな…)

「まぁまぁ、みんな落ち着いて!ここ職員室の前なんだし、そろそろ先生のところに行かないと!」

 

そう宥めてるのは大きなリボンを付けている女の子だ。

さっき一花って子と二乃って子に注意をしていたから、この子が四女かな?

名前までは分かんないけど。

とりあえず、ここはさっさと離れた方がいいかな。

このままずっとここにいると周囲の目が気になってくるしね。

 

「それじゃあ、三玖また明日ね!五月も、また分かんないとこがあったら僕のクラスまで来な。三玖もいるから来やすいだろうし」

 

「うん、じゃあねカズヨシ。また明日」

「はい、さようなら。その時は是非お願いします!」

 

二人からのそんな返事を聞きながらその場を離れて行くのであった。

 

(明日から賑やかになりそうだ!)

 

そんな、期待と不安を持ちながら、妹が帰りを待っているであろう我が家に帰ることにした。




1日に2話書けました!
いやぁ、妄想が止まりません。
今日は休みなので、行けるところまで行きたいなと思います!
てな訳で、五つ子全員登場です。
絡みはまだ全然ですが、これから少しずつ絡めていければなって思います。
後、お気に入りにしていただいた皆様ありがとうございます!
この場をお借りしてお礼いたします。
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