五等分の奇跡   作:吉月和玖

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52.尾行開始!

~直江家~

 

今日も朝から和義と四葉がジョギングに出掛けている。

そんな朝の食卓に残りの姉妹と零奈が集まっていた。

 

「皆さんお集まりいただきありがとうございます。実は折り入ってご相談がありまして…」

「ふわぁ~……朝からどうしたの?」

 

一花はまだ寝たりない様子で欠伸が絶えなかった。

 

「私達もまだ何も聞いてないのよねぇ」

「うん、朝起きてきたら急に集まってほしいってレイナちゃんが…」

「どうかされたのですか?」

「本日も兄さんは朝から四葉さんと一緒にジョギングに行かれました。その時に兄さんはこう言ったのです。『今日は一人で出掛けてくるから昼御飯はいらない』と」

「ん?別に普通じゃないの?あいつだってたまには一人になりたい時もあるでしょ」

 

二乃がそう述べると他の姉妹も同調した。

 

「私も最初はそう思いました。しかし、私の勘が女性に関する事ではないかと囁いているのです」

「勘、ですか…」

「とても小学一年生が話す内容では無いわね…」

「確かに…流石のお姉さんもビックリして一気に目が覚めちゃったよぅ」

「……それで?レイナちゃんは私達に何をしてほしいの?」

 

興味が出てきた三玖が零奈に質問をした。

 

「私は兄さんが出掛けた後、それを付けたいと思っています。ただ、私では撒かれる可能性がありまして…」

 

言動などが大人びているとは言え体は小さな女の子である。

和義がその気になれば簡単に撒くことが出来るであろう。そこを零奈は危惧しているのである。

 

「なるほどね。尾行を手伝ってほしいと。そうねぇ…」

 

興味が沸かないように話している二乃ではあるが、全く興味がないという訳ではない。最近、和義の事が気にはなっていた。

 

「私は良いよ…」

「三玖!?」

 

すぐに賛同した三玖に二乃は驚いていた。

普段の三玖であれば、どちらかで言えばインドア派なので、こういう事には積極的に関わることがなかったからだ。

 

(やっぱり三玖は和義の事を…)

 

二乃がそんな考えをしていると次の賛同者が名乗り出た。

 

「私も良いよ。レイナちゃんの勘が当たってれば面白いものが見れるしね。もし外れたら、買い物とか行けば良いわけだしさ」

 

一花である。

自分が風太郎の事を好きだということを和義に気付かれてからはからかわれてばかりなので、ここで和義のスキャンダルをゲットできればと考えているようだ。

 

「こういうの好きよねぇ、あんたは」

「良いじゃん、二乃も行こうよ!」

「まぁあんたがそこまで言うなら…」

「決まりっ!後は五月ちゃんだけだけど」

 

そこで全員が五月に注目した。

 

「本当に良いのでしょうか…こんなことをして和義君に悪いように思います…」

「それ…」

「え?」

 

急に三玖から『それ』と指摘されたのだが、五月はどの事を言っているのか分からなかった。

 

「五月、いつの間にカズヨシの事を名前で呼ぶようになったの?」

「それは…今までお世話になってきた事もありますし、今後ひとつ屋根の下で暮らして行きますので。そろそろ名前で呼んでも良いのではと思ったのです」

「ふ~ん…」

 

一応はそれで納得はした三玖ではあったが、完全にということでもなかった。

ただ、学生のうちに恋愛をすることをいつも不純と言っているので、この時は気にしすぎかと思うことにした。

 

「五月ちゃんも気にはなってるんでしょ?なら行こうよ!」

「はぁ…分かりました。一花達が暴走しないよう見張っておきます」

「皆さん、ありがとうございます」

「四葉はどうするのよ?」

「そう言えば四葉も出掛けるって言ってましたよ」

 

二乃の疑問に五月が答えた。

その言葉に全員の目が合ったが、『まさかね』と全員が思うのであった。

 

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ジョギングから帰り、朝食を食べてしばらくゆっくりしてから出掛ける準備を始めた。

昨日四葉と約束をしていたので、出掛けることになったのだが、その四葉が現地で待ち合わせの提案をしてきたのだ。なので、四葉は既に出掛けている。

何でも今日話す内容は、他の姉妹にはあまり聞かれたくないそうだ。

 

「さてと…じゃあ出掛けてくるから。そう言えば、みんなもどっか行くの?」

 

出掛ける事を告げるためリビングにいる人に声を掛けたのだが、そこにはみんながいて既に着替えて、出掛ける準備が出来ているように見える。

それに五月はそわそわしてるし、一花に至っては起きて着替えているのだからビックリである。

 

「今日は中野さん達と買い物に行こうかと」

「ふ~ん、そっか。じゃあみんな零奈の事よろしく。いってきます」

「「「「「いってらっしゃい!」」」」」

 

家を出た僕は今回の目的地であるショッピングモールにまっすぐ向かった。

昨日まではクリスマス一色だったのに、その面影もなく、今では新年の飾り付けになっている。この時期のこういうお店の人達は忙しいのだろう。正に師走である。

そんな考えをしながら辺りを見回すと、目的の人物が佇んでいるのを見つけた。

やはりあの特徴的なウサギリボンは目立つ。

 

「よ!お待たせ四葉」

「直江さん!おー、眼鏡に帽子だと何だか別人みたいです!」

「一応バレないようにやってるから、別人に思われるのは良かったよ。ストール、早速使ってるんだ」

「はい!どうです?」

「うん、似合ってるよ。やっぱ元々可愛いと、何でも似合うね」

「か、かわ……私は直江さんと一緒にいると心臓が持ちそうにありません…」

「ご、ごめん。でもさ、想像してみなよ。四葉が普段着てる着ぐるみみたいなパジャマを風太郎が着てるところとか」

 

想像しているのか少し空を見上げる四葉。

 

「ぷっ…あははははっ…止めてくださいよ!」

「ほら!あれは四葉が着てるから可愛いんだよ」

「~~~っ…」

 

そこで何故か後ろから視線が感じられたので後ろを振り向くも誰もいなかった。

 

「どうかしたんですか?」

「いや、誰かに見られてるような気がして…」

 

不思議そうに四葉も僕が見ている方を見るがもちろん誰もいない。

 

「気のせいじゃないですか?ほら、直江さんは学校でも注目の的ですから、気にしすぎてるんですよ!」

「だと良いんだけど…」

 

気になるところではあるのだが、とりあえずモールの中に向かうことにした。

 

「それで、今からどうする?話は食事しながらで良いと思うけど」

「ですね!直江さんは行きたいところないんですか?」

「僕に合わせてくれるなら本屋寄ってもいいかな?」

「じゃあそれで行きましょー!」

 

四葉の承諾も得られたのでモール内の本屋に向かう事にした。

 

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~尾行組~

 

少し時が戻り、和義と四葉が合流した所を零奈と他の姉妹が目撃していた。

 

「おー。まさか本当に四葉だったとはね。驚きだよぅ」

 

二人の姿を見て感想を漏らしている一花。だが、そこの空気が重いのを誰よりも感じているのも一花であった。

この重い空気をどうにかしたいがために出た言葉なのかもしれない。

 

「「「「………」」」」

(お願いだから誰か喋ってぇ…)

 

無言の圧を感じて、一花は誰にも話しかけることができずにいた。

 

「何よあいつデレデレしちゃって…」

「全くです!」

(カズヨシ君は特にデレデレしてないように見えるのは私だけかな?)

 

二乃と零奈が同調しているが、それに対して一花は心の中で疑問を投げかけている。

 

「むー…まさかの四葉。油断してた…」

「姉妹のみんなと仲良くしてくれるのは彼の美点とは思います。しかし、それはそれで…」

(まさかこの二人からこんな言葉を聞ける日が来るとはね…二人もしっかり恋、してるんだね)

 

三玖と五月の嫉妬心が垣間見える言葉を聞いて、少し嬉しくも思う一花であったが、空気が重く感じるのはまた別の話である。興味本位で来なければ良かったと若干後悔はしていた。

その時、和義が振り向いてこちらを見てきた。

 

「やばっ…!」

「結構離れてると思ったけど、カズヨシ君ってば気配感じるの凄いね」

「見つかったかな…」

「どうでしょう…」

「二乃さん、手鏡持ってますか?」

「持ってるけど、どうするの?」

「こうします」

 

二乃から手鏡を受け取った零奈は、鏡を使って和義の様子を伺っている。

 

「おー、レイナちゃん女スパイみたいだね!」

「よくもまぁ思いつくものね」

「どうやらまだ気付いていないようですね」

 

感心している一花と呆れている二乃の言葉もあるなか、零奈は冷静に観察を続けるのであった。

 

「モール内への移動を開始しましたね」

「どうする?続ける?」

「当然でしょ!」

「愚問…」

「私達も移動しましょう」

 

一花の問いかけに対して全員が続行姿勢である。本来止めに入るはずの五月でさえ止まりそうになかった。

 

(これは…今日は私が止めに入る係になりそうかなぁ…)

 

こういう時は先頭に立っていつもノリノリで行動をしている一花であったが、今日はいつもと違うポジションになると予想して、先を歩く零奈と妹達の背中を追っていく一花であった。

 

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本屋に到着した僕達は雑誌コーナーに来ていた。

 

「歴史の本ですか?」

「そうなんだ。毎月発売しててね、ついでに買えればなと思ってたんだ!ありがとね」

「いえいえ。私は今日これといった予定もないですし、お付き合いしますよ!」

「そう?四葉は何か買う本とかないの?」

「うーん…特には…」

「じゃあ、もう少しだけ付き合ってくれる?」

「はい!」

 

そして、四葉を連れ次に向かった先は。

 

「うっ…参考書ですか…」

「忘れてるかもだけど、みんなはまだ赤点回避してないんだからね」

「忘れている訳では無いのですが…」

「丁度良い機会だし、四葉に合うのを探そうと思って」

「私にですか?」

「あまり四葉に教えてあげれてないけど、僕は姉妹みんなの家庭教師だからね。これくらい当然だよ」

 

そう言いながら、僕は参考書を厳選していった。

 

「そうですか…やっぱりお優しいですね。その優しさが…

「ん?ごめん、何か言った?」

 

あまりに厳選に集中していたせいで、四葉が何か言ったのには気付いたが、内容までは聞こえていなかった。

 

「いえいえ、気にしないでください!それにしても、ここにいると目が回ってきそうです…」

「まったく…はい、これなんてどう?」

「うーん…私が見て分かりますかね?……あ、ここ。上杉さんに教えてもらった事と同じ事が書いてる…」

「流石風太郎だね。ちゃんと一人一人の事を見て教えてるんだね」

「うん!これが良いです!」

 

四葉は僕が渡した参考書を気に入ったようだ。

なのでその参考書を四葉の手から取り、先程の歴史雑誌と一緒にレジに向かうことにした。

 

「おっと…」

「じゃあ一緒に買ってくるから、出たところで待ってて」

「え、あの…」

 

四葉の返事を待たずレジに向かい、商品の買い物を終え四葉が待つ出口に向かった。

 

「お待たせ!」

「いえ、それは良いのですが。参考書まで買っていただいて良かったのですか?」

「ん?問題無いさ。じゃあ他も見て回ろうか?」

「はい!」

 

そして、二人並んで本屋を後にした。

 

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~尾行組~

 

また少し遡り、二人が本屋に着いたところを見ている五人組。

 

「まっすぐ雑誌コーナーに行って、カズヨシ君が雑誌を手に取ってるから、ここはカズヨシ君の希望かな?」

「でしょうね。何を買おうとしているのかしら?」

「あれは毎月刊行されている歴史好きに有名な雑誌…」

「なるほど…三玖も買っているのですか?」

「もちろん。ただ、まだ今月号は買ってない…私も買おうかな…」

「少しの間我慢してください。と言うより、お小遣いあるのですか三玖さん?」

「うっ…そうだった…」

「後で買ってあげるよ三玖」

「ありがとう、一花」

 

そんなやり取りをしていると二人が移動したので、その後を追う五人。その間に三玖は希望の雑誌をゲットした。

 

「私達は先に三玖の雑誌買ってくるね」

「分かったわ」

「二人が向かっているのは参考書コーナーでしょうか?四葉驚いてますね」

「うへぇ~…普通デートで行くとこ?」

「「そうなのですか?」」

「あんたらに聞いた私が馬鹿だったわよ」

 

真面目な五月と零奈には特に疑問に思わなかったようだ。

和義が参考書に手を取り中身の確認をしている頃、一花と三玖が戻ってきた。

 

「お待たせ!って…デートに参考書かぁ…」

「良かったわ。そう感じるのが私だけじゃなくて」

「え?」

 

二乃の言葉に疑問を感じた一花だったが、五月と零奈を見てすぐに納得した。

 

「四葉のために参考書選んでるんだ…」

「私達の赤点回避についてもしっかりと考えているのですね」

「おっ…四葉の参考書決まったみたいだね」

「そうですね、四葉が参考書を掲げています」

「その参考書を四葉から取って、反応も待たずにそのままレジに向かって行ったわね」

「兄さんは少し強引なところもありますから」

「でも、ああやってリードしてくれるのはカズヨシ君の良いところだよね」

「一花…」

(大丈夫だから、そんな目で見ないで三玖っ…)

(あんななんて事ない行動でドキッてするなんて、やっぱり最近の私ちょっとおかしいわね)

 

三玖の無言のプレッシャーに冷や汗をかいている一花の横で、顔を少し赤くして和義を目で追っている二乃には幸い誰も気付いていなかった。

 

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本屋を後にしてモール内を四葉と色々話ながらしばらく探索した。

しかし、今日はやたら監視されているような感じがするのだが…

そんな中、女性用のランジェリーショップに差し掛かったところである考えが過り目が行ってしまったのだが、四葉はそれを見逃さなかった。

 

「おやおや、直江さんも男の子ですね!興味があるんですか?」

「い、いや…ごめん。気になることがあって…」

「気になることですか?」

 

中野姉妹がうちに下宿する事になったのはいいのだが、男の身としては色々と気を遣う事があって何かと大変である。

その一つとして洗濯だ。

最初は分けてやろうか、と僕から申し出たのだが、零奈が時間などが無駄なのでと却下したのだ。

だからと言っていつもしていた僕が洗濯をするわけにもいかず、零奈と四葉と五月が担当してくれたのだ。

 

「知識が無くて申し訳ないんだけど、僕のと一緒に洗濯とかして嫌じゃなかったかなって…」

「?何でですか?」

「ほら、年頃の女の子なんだから、その、下着を一緒に洗いたくないのかなぁ、と」

「おやおや、直江さんでも恥ずかしがるんですね」

 

ニヤリと笑いながらこっちを見ている四葉。下手打ったかもしれない。

 

「私は気にしないですよ!もちろん他の姉妹も気にしてません。直江さんが気にしすぎなんですよ。ご自身の家なんですから、堂々としてください」

「いやぁ、そうもいかないでしょ。流石に女子六人に男一人なら気を遣うって。洗濯だって干しちゃうとその、注意してても見えるわけだし…」

「~~~っ…あ、あの~、一つお伺いしたいのですが、わ、私のがどれかは分からないですよね?」

 

ああ、そう言えば以前一花の説得の時にお子様パンツの事を弄られてたっけ。

 

「大丈夫。流石にどれが誰のかなんて分かんないって。一瞬しか見えてないわけだし…」

「そ、そうですよね!」

「うんうん、お子様パンツなんて知らないよ」

「え?」

「ん?」

「今なんと?」

「いや、だからどれが誰のか分からないって…」

「その後です!」

「その後?えっと……あっ!」

 

やっべぇーやってしまった。

四葉を見ると、これでもかって程顔を真っ赤にしてこっちを見ている。

 

「な、何で知っているんですか!?」

 

うん、それはそれで自滅だよ四葉。

 

「ごめん、前にチラッと小耳に…」

「はわっ…!」

 

四葉は恥ずかしさで顔を手で隠している。

 

「ほ、ほら物持ちが良いんだよきっと……ってごめん」

 

何にもフォローになってないね。

 

「えっと……お詫びに下着を買ってあげると言うことでどうでしょう?」

 

自分で何言ってるか分かんなくなってきたんだけど…

 

「………では、直江さんには一緒に選んでもらいます!」

「はぁー!?何でそんなことに!」

「直江さんにも恥ずかしさを体験してもらいます!さあ、行きましょう!」

 

ガシッと手首を握られた僕は、そのままランジェリーショップに連れていかれた。

店内はもちろん女性ばかりでかなり肩身が狭いんだが…

 

「あの~、四葉さん。そろそろ許していただけないでしょうか?」

「駄目です!さぁ、どれが良いと思いますか?」

 

ニンマリと笑っている四葉。もうどうにでもなれな気持ちだ。

 

「どれって言っても…よく分からんのだが」

「これなんてどうですか?」

「う~ん…それよりこっちはどう?」

 

僕が選んだのは花柄の刺繍が入っており、色もパステルカラーでそこまで派手さはないと思う。

 

「おー、可愛いですね!では、早速試着してみますね」

「え?」

「だ、大丈夫です!自分で見てみるだけですから」

 

そう言って、四葉は店員と話して試着室に入っていった。

これ取り残されるとかなり恥ずかしいのだが。

とりあえず、試着室前で持ち歩いていた小説を読みながら待つことにした。

その間、試着室からは『うわぁー』とか騒いでいる四葉の声が聞こえてきたが、試着とはこんなに騒がしいものなのだろうかと思うのであった。

暫くするとニコニコと四葉が試着室から出てきた。

 

「気に入っちゃいました!これにします」

「それは良かったよ…」

「直江さん、随分とやつれてますね」

「ごめん、本当に悪かったから早く出よう…」

「わ、分かりました!」

 

そのまま会計に向かったのだが、ニコニコと接客をしてくる女性店員さんがやたら気になってしまった。

 

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~尾行組~

 

零奈達も本屋からはずっと後を追っていた。

 

「何だか恋人って言うよりも、本当に友達と出掛けてるって感じだね」

「ま、あの二人ならこんなもんでしょ」

「「ふぅ…」」

 

一花と二乃が話しているのを横に、三玖と五月はそれぞれ自分でも気付かないうちに安心していた。

そんな時だ。

 

「ちょっと待ってください。兄さんと四葉さんが何故かランジェリーショップの前で話しだしたのですが…」

 

零奈の言葉に全員が二人の動向に注目した。そして次の瞬間。

 

「な、何であの二人は一緒に店内に入ってるのよ!」

「嘘…」

「う~ん、四葉がカズヨシ君を店内に連れていったように見えたけど…」

「四葉がそんな子だったなんて…」

 

流石に狭い店内まで付いていく事は見つかる可能性もあることから、店内での様子の確認まで出来ず、二人が出てくるのを待つしかなかった。

 

「う~…待つしか出来ないなんてもどかしいです…」

「まぁまぁ、レイナちゃん落ち着いて。ほら、四葉がからかってカズヨシ君を連れていっただけかもしれないよ」

「それにしても、四葉って下着に興味あったかしら?」

 

二乃の疑問に他の姉妹は肯定できなかった。

 

「と言うことは、兄さんが言葉巧みに四葉さんが下着に興味を持つように誘導したと…ふふふっ」

 

零奈は笑っているが、それは恐怖の笑顔で、そこにいる四人は目を合わせることが出来なかった。

今の雰囲気が、今は亡き母に怒られる前の雰囲気に似ていると全員が感じ取ったからかもしれない。

 

そんなこんなで、暫くすると二人が店内から出てきた。

 

「上機嫌にカズヨシ君に話しかけている四葉…」

「そして、恥ずかしがりながらも受け答えをしている和義…」

「そのカズヨシの手元にはランジェリーショップの袋…」

「端から見たら恋人同士ですね…」

「ふふっ、兄さんには帰ったらたっぷりと白状してもらいましょう」

 

その言葉に、その場にいた四人はもちろん恐怖を感じていたが、聞こえていない筈の和義もその時何故か悪寒を感じるのであった。

 

 




私生活が忙しく、投稿が遅れてしまいました。申し訳ありません。

と言うわけで、今回は和義と四葉のデート?回です。
本当はブラブラした後にすぐ食事に入り、四葉と話をする流れのつもりだったのですが、こんなのもどうだろうと色々と書いていたら、長くなったので一旦キリの良いとところでストップしました。

次回こそは今回のお出かけの目的である四葉との話を書きたいと思っております。
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