五等分の奇跡   作:吉月和玖

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75.誕生日

五月五日-

 

今日は五つ子たちの誕生日である。

なので朝から零奈がキッチンで何やら作っている。

 

『これは私一人で作りたいので、兄さんは手を出さないでください』

 

そう言われて僕はリビングで待つことになった。

今日は日曜日ということもあり、五つ子たちも朝はゆっくりしているようだ。

ちなみに、一緒にジョギングをしている四葉はすでに起きており、僕と一緒にリビングでゆっくりしている。

 

「お母さん何を作ってるんでしょうね?」

「さてね。僕にも教えてくれなかったからな…」

「そうなんですね。ワクワクします!」

 

ニコニコしながらキッチンの零奈を四葉は見ている。

 

「そういえば、風太郎には誕生日プレゼントちゃんと渡せたみたいだね。風太郎から聞いたよ」

「風太郎君喜んでましたか?」

「もちろんだよ」

「ししし、良かったです!」

 

模試が終わった後、姉妹皆が一緒に風太郎にプレゼントを渡したそうだ。照れた風太郎から聞かされた。

そんな風に四葉とまったりしているとぞくぞくと五つ子たちがリビングに入ってきた。

 

「おはようカズ君」

「おはよう…カズヨシ」

「おはようございます和義君。ほら一花、シャキッとしてください」

「ん~…ふわぁー…おはよ…カズヨシ君…」

「皆おはよう。てか、一花はまだ起きてないようだけど…」

 

それぞれが朝の挨拶をして席に着いていく。

そこで零奈が料理を持って皆の前に置いていった。

 

「皆さんおはようございます。そして、お誕生日おめでとうございます。僭越ながら今日は私が朝食を作りました。さあ召し上がれ」

「これって…」

「うわぁー」

 

零奈の置いた料理に二乃と五月が反応を示した。もちろん他の姉妹も喜びの顔をしている。一花は一気に目が覚めたようだ。

 

「へぇ~、スフレパンケーキか…」

 

そう。零奈が作ったのはスフレパンケーキ。フォークで切りながら食べているがふわふわである。それに美味しい。

 

「うん。美味しいよ零奈!…って、どうしたの皆?」

 

五つ子の皆を見ると、誰もが涙を流しながら食べている。

 

「このパンケーキはよくお母さんが作ってくれてたの...」

「このふわっふわな感じ懐かしいわ」

「またこのパンケーキが食べれるなんて思ってもみなかったからさ...」

「やっぱりお母さんのパンケーキは美味しいね!」

「ええ...とても...」

「そっか...」

「ふふっ、腕が落ちていなくて良かったです」

「ねぇ、作り方教えてよ」

「私も教えてほしい...」

「はいはい!私も!」

「あの!私も知りたいです」

 

二乃を筆頭に三玖と四葉、五月が零奈に作り方を教えてほしいと頼んでいる。

 

「別に特別なことはしていませんが。兄さんまだ食べれますか?」

「え?ああ、大丈夫だよ」

「そうですか。では今から作りますので見ていてください」

 

そう言ってキッチンに向かう零奈に、作り方を教えてほしいと言った四人が付いていった。

 

「おやおや。四葉や五月ちゃんまでなんてね。私も見学させてもらおうかな」

 

そしてその後を一花が付いていく。

キッチンでは小学生が料理しているところを高校生が見学しているという、端から見たら異様な風景が広がっている。

でもなぜだろう。一度仏壇で零奈(れな)さんの写真を見たからか、僕には零奈(れな)さんが料理しているところを姉妹仲良く見学をしている、そういう風景に見えてきた。何か良いなこういうの。

 

その後、零奈の追加のパンケーキも食べ終わりお茶を飲みながら一息つくことになった。

 

「よし。次は僕だね」

 

そう言って部屋から持ってきた紙袋から包みを五個取り出した。そしてその包みを皆に渡していった。

 

「開けてもいい?」

「どうぞどうぞ」

 

二乃の質問に答えると皆もそれぞれ開けている。零奈も中身を覗いている。

 

「改めて誕生日おめでとう。大したものじゃないんだけど、ピンブローチにしてみたんだ。一人一人型が違うんだけどね」

「私のは花?」

「うん。一花のはカタバミっていう花だよ。それは五枚の花びらで一つの花なんだ。長女でいつも皆の事を見ている一花には良いんじゃないかなって思ってさ」

「そっか…ありがと」

「それで二乃にはウサギにしてみた。携帯のケースもウサギだったし好きなのかなって思ってさ」

「ありがとう!大切にするわ」

「そんで三玖は言わずもがな武田菱だね。まあ外では着けにくいかもだけど…」

「ううん…嬉しいよ。ありがとうカズヨシ」

「四葉はその名の通り、四葉のクローバーだよ。安直だったかもだけど…」

「いえいえ、嬉しいです!ありがとうございます!」

「で最後の五月は星形だね。ヘアピンと被っちゃうんだけどね」

「ふふっ、ありがとうございます」

 

五つ子はお互いに自分のを見せ合っている。

そんな中零奈が僕に近づき声をかけてきた。

 

「普段から身に付けられますし良いんじゃないでしょうか」

「……本当はね、このブレスレットみたいに同じ型の色違いで最初用意しようとしてたんだ」

 

自分が着けているブレスレットを掲げながら話した。

 

「そうしなかったのですね」

「うん…何て言うか、あの娘達にも個性があるわけでしょ。好きなものや嫌いなものはバラバラ。そんな風にね。だから、今回は敢えて型もバラバラにしてみたんだよ」

「君たち一人一人を見ている、そのようなメッセージを込めてですか?」

「うっ…ま…まあね」

 

何で分かったんだろう。さすがは零奈、僕の考えは筒抜けですか。敵わないな。

零奈の言う通りこれは僕の意気込みでもある。誕生日プレゼントにそういう事をするのは気が引けたが、いつまでもみんな一緒の考えを持っていては駄目だと思った。彼女たちにこれ以上甘えるわけにはいかないしね。

キャッキャッと騒いでいる五つ子達を零奈と二人で眺めながらそう考えていた。

 

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その日の夜。

自室で勉強をしていたが、喉が渇いたのでリビングに下りてくると五月が一人ソファーに座っていた。そろそろ日付も変わろうとする時間である。

そういえば零奈に、あまり五つ子たちに触れないようにとあることを聞いていたのを思い出した。

自分と五月の飲み物を持って五月に近づいた。

 

「隣いいですか?」

「え?和義君。ど…どうぞ」

「ありがとね。ほい、五月の分」

 

冷たいお茶が入ったコップを五月に渡しながら隣に座った。

 

「ありがとう。どうしたの、こんな時間に?」

「僕は自分の勉強してたら喉が渇いて下りてきたんだよ」

「そうなんだ。凄いねこんな時間まで勉強するなんて」

 

チラチラと自分の携帯を見ながら話している。

あれは時間を見ているのか?

 

「今日はたまたまだよ。最近は早く寝る方が多くなってるかな」

「そうなんだ…」

 

五月がそう返答した時0時を回った。

 

「ふむ……誕生日おめでとう五月」

「え!?」

「もし間違ってたらごめんね。もしかして、他の姉妹に遠慮して一人で迎えてたのかなって思ったんだけど」

「知ってたんだ」

「零奈に聞かされてたんだよ。五つ子には触れないようにって言われてたんだけどね。五月だけ日を跨いで生まれたんでしょ?」

「うん…」

「こればっかりは零奈(れな)さんにはどうすることも出来なかっただろうしね」

「そうだね……毎年ね、一人だけ違う誕生日であることが嫌だなって思ってたんだ。姉妹の皆は誕生日は同じだって言ってくれてるけど、頭の片隅では違うって分かってたから。でも…」

 

そこで五月が僕の肩に自分の頭を乗せてきた。

 

「今年はこうやって和義君から私一人にお祝いを言ってくれたから、嬉しいって思ってる。何か独占してる感じがして」

「おいおい…」

「…もし和義君が嫌じゃなければ、もう少しだけこのままでいさせてほしいな」

「…少しだけだよ」

「ふふっ、そういう優しいところ好きだよ。やっぱりこの場所は誰にも渡したくないな

 

恥ずかしい事と小さな声での決意表明を聞いた後は、お互いに何も喋らず、ただただ静かな時間を少しだけ過ごしたのだった。

 

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「先輩、先日は全国模試お疲れさまでした。全国一位なんてさすがです」

 

塾で桜の勉強を見ている時に労いの言葉を贈られた。

 

「ありがと」

「しかし、全国模試でも満点とはさすがの一言ですね。たしか、上杉先輩もほぼ満点だったと聞いております」

「今回は調子良かったからね。風太郎については...まあ自業自得だね。最後の科目で力尽きて死んだように眠ってたよ」

「では、その居眠りがなければ...」

「間違いなく満点取ってただろうね。僕もうかうかしてられないよ」

「ふふっ、先輩今凄くいい顔をしてらっしゃいますよ」

「そ...そうかな。さて、おしゃべりはこのくらいにして続きを始めようか」

「はい!私もお二人に負けないように頑張ります」

 

そう宣言して桜は自身の勉強に取り掛かった。

先日行われた全国模試。僕は満点で全国一位。そして風太郎は最後の科目以外は満点で、最後の科目も寝てしまった部分以外は全て正解していた。それで全国四位。

この間母さんから全国模試の結果についてお祝いの電話があった。その時に他の人の順位も特別に聞けたが武田は全国九位。それだけでも普通に凄いと思う。まあ本人は悔しがってたけどね。

 

そして、二位と三位は僕の思っていた人物だった。小学校までは同じところに通っていたあの二人。

中学からは別の学校に通うことになったから今では音沙汰なし。まあ、連絡先を交換するほど仲は良くなかったしね。

あの二人は私立の中学に。そして僕と風太郎は公立の中学に、と別々になった。

その時に二人の内一人に言われたっけ。『なぜ君ほどの実力を持ちながらその道を選ぶんだ』って。

その時の事を思い出して僕はフッと笑ってしまった。

 

「先輩?」

「ああ、ごめんごめん。ちょっと昔の事を思い出しちゃってさ」

「昔ですか…」

「うん。ツテで今回の全国模試の二位と三位が誰か聞けてね。その人達は僕の知ってる人だったんだ。それでその人達とのやり取りを思い出してたって訳。小学生の頃の話なんだけどね」

「そうなのですね…」

「ごめんね、勉強から脱線しちゃって」

「いいえ。先輩の事を知ることが出来て嬉しく思います。貴方の事をもっと知りたい。(わたくし)の事をもっと知ってほしい。最近はそう思うようになってきました。自分でも不思議に思います」

「そっか…ま、少しずつ知っていければいいさ。さ、続きを始めようか」

「はい!」

 

その後は頭を切り替えて勉強に集中することができた。ただ桜の顔が少し赤かったのが気にはなったのだが、本人に聞いても体調には問題ないとの事だったのでこの時は考えず勉強を続けたのだった。

 

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ギーコ…ギーコ…

 

今僕の目の前で男子高校生二人がブランコを漕ぎながら話している。シュールな光景である。

 

「見事、と言う他ないね。君達が十位以内に入ったとしても勝つつもりで臨んだ全国統一模試。九位というのは僕にとっても願ってもない順位だ。まさかその上をいかれるとはね。上杉君、四位おめでとう。そして直江君、満点での全国一位おめでとう。御見それしたよ」

「どうも」

「そうだ。もうすぐ修学旅行だけど...」

「ちょっと待て」

 

武田が何か話そうとしたところを風太郎がツッコミをいれて止めた。

 

「どうしたの風太郎?」

「いや、なぜ俺はこんな昼間から武田とブランコを漕いでるんだ」

「ははは...」

「昨日の敵は今日の友。これが青春なのかもしれないね」

「帰る」

「風太郎...」

 

帰ると言った風太郎はブランコから飛び降りた。

 

「やるね」

 

確かに。前に四葉から聞いた話によると飛び降りることすら出来なかったらしいからね。十分な成長である。もしかして練習していたのだろうか。

 

「まぁ焦るんじゃない。忘れたのかい?僕らは呼び出されたんだ。ほら、ご到着だ」

 

武田がそう言うと、公園の外に見たことがある車が停まった。そして車内から中野さんが出てきた。

そう、僕達は中野さんに呼ばれてここに集合していたのだ。

 

「待たせてすまないね」

「いえ」

 

今は公園の端にあるベンチに四人で座っている。

 

「まずは武田君、全国九位おめでとう。出来の良い息子を持ててお父さんも鼻が高いだろう。医師を目指していると聞いた。どうだろうか。君のような優秀な人材ならば僕の病院に...」

「申し訳ございません。大変光栄なお話ではありますが、僕の進路についてはもう少し考えたいと思っています」

 

中野さんの申し出に対して武田は頭を下げてそう申し出た。

進路か...

先日風太郎から武田について聞かされた。理事長の息子であること、彼自身は宇宙飛行士を目指しているということ。

この間の僕の飛び級入学の時といい結構先走るところがあるな、あの理事長は。

理事長自身は武田が小さな頃に言っていた、母親と同じ医者になる夢をまだ持っていると思っているようだ。それで今回の模試で結果を残して中野さんとの関係性を強固なものにしようとしたみたいだ。模試の回答を渡してでも。ばりばり不正だけど、本当に手段のためなら何でもする人のようだ。

それでも武田はその道を選ばなかった。

『実力で君を倒す!不正して得た結果なんてなんの意味も持たない!』

模試の回答を破り捨てて武田は風太郎にそう宣言したそうだ。

 

「そうかい。良い返事を期待しているよ。それと直江君、さすがだ。まさか満点での全国一位を成し遂げるとはね」

「あははは、その日は調子が良かったので。それに、良いライバルもいましたしね」

「ふん」「ふっ...」

 

僕の言葉に風太郎と武田は満足そうな顔をしている。

 

「最後に上杉君」

「はい」

「君に家庭教師の仕事を再度頼みたい」

「えっ」

「!!」

「報酬は相場の五倍。アットホームで楽しい職場だ」

「よーく知ってます」

「また君に依頼するのは正直不本意だ。本来ならばプロでさえ手に余る仕事...だが、君にしかできないらしい。やるかい?」

「!」

 

中野さんの問いかけに対して風太郎は笑みを浮かべている。

 

「勿論!言われなくてもやるつもりだったんだ。給料が貰えるのなら願ったり叶ったりですよ」

「それは良かった。君はどうなんだい、直江君」

「分かってて聞いてますよね?風太郎がやるのであれば僕はそのサポートをしますよ」

「そうか...では当初の予定通り卒業まで...」

「あ、そのことで一つお伝えしたいことがあります」

「?」

 

中野さんの言葉に待ったをかける風太郎。何だろう伝えたいことって。

 

「成績だけでいえば、あいつらは卒業までいける力を身につけています。なあ和義?」

「え?まあ、そうだろうね」

「頼もしいね」

「最初は卒業さえ出来ればいいと思っていた。だけど五月の話と...こいつ武田の話を聞いて思い直しました。次の道を見つけてこその卒業。俺はあいつらの夢を見つけてやりたい」

「上杉君...」

「風太郎。おまえ...」

「随分な変わりようだ。就任直後の流されるまま嫌々こなしていた君とはね」

「し、知っていたんですか...」

「どのような方針を取ろうが自由だ。間違っているとも思わないしね。だが忘れないでほしい、君はあくまで家庭教師。娘たちには紳士的に接してくれると信じているよ」

「も、勿論一線を引いています!俺は!俺はね!」

 

風太郎のあのビビり方はあの鐘のところでのキスが原因かな。まあ実際一花と四葉に好意を寄せられているからね。本人は気づいてないけど。

 

「無論、君もだよ。直江君。大切な娘を預けているのだ。紳士的に接していると信じている」

「ふぇっ!?勿論ですよ。妹もいる訳ですし...」

 

まさかこっちにも矛先が向けられるとは。

 

「「はは...ははは...」」

 

風太郎と二人乾いた笑いが出てしまった。

やっぱり心配はしているんだね。直接本人達に心配だって言えば良いのに。

 

その後は僕の家まで僕と風太郎は中野さんの車で送ってもらった。

 

「えっ!?」

「ん?」

 

車から降りて玄関まで向かおうとすると後ろから驚いた声が聞こえた。

 

「か...和義君。それに上杉君まで...今乗ってきたの、お父さんの車じゃ...な...何を...」

「えーっと...な...家庭教師復帰できることになった」

「!功績が認められたのですね!おめでとうございます!」

「ありがとね。で、今日はどうする風太郎?」

「んー?全員揃っているのか?」

「どうだったけ?確か今日は三玖が今の時間バイトに行ってたっけ」

「ですね」

「なら今日くらいはいいだろう。今日は帰らせてもらう」

「分かったよ。今後もよろしくね」

「ああ」

 

そう言って手を挙げて風太郎は帰っていった。

 

「そう言えば、武田と話していた時に話題が出たんだけど、そろそろ修学旅行だったね」

 

玄関に五月と入りながらそう話題を切り出した。

 

「うん。確か京都だったよね」

「京都かぁ...小学校の修学旅行以来だな」

「私たちもそうだよ。懐かしいなぁ」

 

本当に懐かしそうに五月が話している。

 

「五月は風太郎から京都での出来事を聞いたの?」

「え?」

「風太郎が京都である女の子にあった思い出があることだよ」

「何でそう思ったの?」

「いや、風太郎が病院から退院した日に五つ子ゲームをしたじゃない。その時に風太郎は昔自分に会ったことがあるか皆に聞いたの覚えてる?」

「う...うん」

「その質問をする前に五月と何か話しているのを見てたから」

「そ...そっか、見られてたか。うん、和義君の言う通りだよ。上杉君から聞いてる。六年前の京都で私たちの誰かが上杉君と会っているんじゃないかってことを」

「そっか」

「和義君は知ってたんだね。その女の子が私たちの誰かじゃないかって」

「僕は風太郎が持ってる写真を見たことがあるからね。それに二乃が出したアルバムも見てたし」

 

まあ実際は四葉だってことを本人から聞いてもいるんだけどね。

そんな話をしていたらリビングに着いていた。

 

「あら、おかえりなさい。二人一緒だったのですね」

「うん。さっき中野さんにここまで送ってもらったら、丁度五月も帰ってきたところだったからね」

「そうですか。何か飲まれますか?」

「じゃあお願いしようかな。五月は?」

「では、私もいただいてもいいでしょうか?」

「分かりました。五月もほうじ茶でいいですか?」

「はい」

 

五月の返事を聞くとすぐに零奈はお茶の準備に取り掛かった。

 

ねえ。零奈の前でも敬語止めたら?

そう思ってはいるんだけど、和義君の前以外だと何か敬語になっちゃうんだよぉ

何でだよ!

良いじゃん。もう少しこのままじゃダメ?

いや、五月がいいなら僕は別に構わないけどさぁ

なら良し

 

そう自分に言い聞かせる五月。謎だ。

 

「はい、おまたせしました。何の話をされていたのですか?」

「ありがとね。ほらもうすぐ修学旅行があるからその話だよ」

「なるほど。京都でしたか?」

「そうそう。小学校以来だから結構楽しみなんだよね」

「五月達も小学校の時の修学旅行は京都でしたね」

「そうなんです。だから楽しみでしかたありません」

「今更だけどさ。零奈って京都での風太郎の思い出の女の子の事って誰か知ってるんだよね?」

「ええ。写真を見せていただきましたので」

「やっぱか...」

 

てか、あの写真で判別出来るって驚きしかないんだけど。

 

「五月の前でこの話をしているという事は兄さんと五月は知っているということでしょうか?」

「ええ。私は上杉君から私たちの中の誰かではないかと聞いていたので...その誰かは大体予想は出来ています」

「僕も二乃からアルバムを見せてもらえたからね。ちなみに誰かは本人から聞いてるよ」

「え!?そうなのですか!?」

「うん」

「軽っ!」

「まあ兄さんですからね。しかし、やはり知っていましたか」

「僕の場合は写真で見分けたわけではなくて、この娘かなって思った本人にカマをかけたら自白したんだよ」

「それでもしっかりと見ていないと予想も出来なかったと思いますよ。さすがです兄さん。それで?この旅行で風太郎さんに打ち明けるのですか?」

「う~ん...本人が希望したらね。風太郎自身も知りたがってたら教えようかなって思ってるよ。それとなく聞いてみようかな...」

「それが良いと思いますよ」

 

そんな感じで、午後のティータイムを過ごしたのだった。

 

 




五つ子達が居候していることと零奈のこともあり、五つ子の誕生日を軽く書かせていただきました。
零奈(れな)と言えばやはりあのパンケーキを外せないと思っていたのですが、この誕生日回でやっと書けました。
そして五月の誕生日ですね。最初は姉妹と違う誕生日なので書かないつもりでいましたが、作中で五月が言っている通り、和義から姉妹皆にではなく、五月一人に誕生日のお祝いを言われるのは嬉しいかもと思って書いてみました。それでもやっぱり、姉妹皆一緒にお祝いされた方が嬉しいと感じると思いますが。

全国模試の二位と三位ですが、僕の中であの二人だろうと予想して書かせていただいております。もしかしたら原作とは違うかもしれませんが。
原作を見ている方には分かると思いますがあの二人です。
この二人はその内出演してもらおうと思ってます。

いよいよ始まる修学旅行。原作とはほとんど違う構成で書かせていただくと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
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