~ホテル・宴会場~
旅行初日の班行動も終わり、学生全員で班毎にホテルの宴会場で今夕飯を食べている。
「皆聞いて。盗撮犯に追われているわ」
「「「えっ…」」」
「モグモグ…」
中野姉妹は同じ班でもあるので、今は五人で夕飯を食べている。
そんな時に突然二乃から突拍子もないことを言われ、五月以外の他の姉妹はキョトンとした。五月はご飯を食べるのに集中しているため反応が薄いようだ。
「二乃…どうしたの急に?」
「京都駅にいたころからずっと感じてたの、間違いないわ。修学旅行生がターゲットにされるって、前にニュースで見たもの」
三玖の至極当然の質問に対して、自信満々に二乃が答えている。
「だとしてもなぜ二乃なのですか?」
「ど、どういう意味よ!」
カシャッ
「!!やっぱり!」
二乃がシャッター音に振り返ると。
「ご馳走だねー」
「インスタあげよー」
「……」
女子学生が豪華な夕飯の写真を撮っている姿があった。それを見た二乃は言葉が出てこなかった。
「…二乃の勘違いじゃない?」
「一花の言う通り。自意識過剰…」
「三玖…あんた本当に言うようになったわね」
「あ、でもでも。もしかしたら一花のファンかもしれないよ」
「うーん…四葉の言葉は嬉しいけど、私もそこまでまだ有名じゃないしなぁ。ここ、他県だし」
「はぁー…まあ良いわ。で、明日は何があるんだっけ?」
「明日は団体行動で色々回る予定だよ」
「さっすが学級長。場所はどこだっけ?」
「清水寺を中心とした、寺院や神社ですね」
「やっぱ地味ねぇ」
「二条城とか行きたかった…」
「………」
「ん?四葉、どうしたの?」
明日の行動計画について雑談をしている姉妹をよそに、静かな四葉が気になった一花が四葉に声をかけた。
「え?何が?」
「ううん。ただ、何かあったのかなって…」
「何もないよ。明日は団体行動だけど、誰と一緒にいなきゃいけないとかないから。そうなってくるとまた上杉さんや直江さんとも行動できるなって思ってただけだよ」
「そうよ!」
四葉の言葉に勢い良く立ち上がった二乃。
「明日は有象無象の女子たちがカズ君に近づいてくるに違いないわ。なんとしても死守しないと」
「うん…!」
「三玖は今日ほとんど和義君と一緒だったではないですか!」
あの抱きつき事件の後、お昼ご飯も終えて一ノ峰を目指したのだが、やはり三玖には辛い道のりだった。そして、最終的には和義がおんぶして頂上まで運んだのだ。
ちなみに零奈も限界が来たが、零奈は四葉の手によって運ばれたのである。
「あれは…仕方がない。本当に体力の限界だったから…」
「はぁぁ…まあ良いわ。どうせお母さんたちも合流するでしょ」
そこで全員の夕飯が終わったので、五つ子達は自分達の部屋に戻ることになった。その途中。もうすぐ部屋に着くだろう時に、やはりいつもとおかしい四葉に一花が声をかけた。
「ねぇ四葉?本当に…」
その時だ。
カシャッ
「「「「「!」」」」」
自分達の背後からカメラのシャッター音が聞こえてきたので、全員がビクッと反応した。
「は、はは…二乃が変なことを言うから私まで幻聴が聞こえてきました…」
「そ、そうよね。幻聴よね。いくらなんでもホテルの中まで…」
二乃がそう言いながら姉妹全員が振り返ると、通路の先でカメラだけが陰から出ているのが見えた。さらに、
カシャンッ
「「「「「キャアアアアア!」」」」」
恐怖を感じた五つ子達は、あたりに響き渡る程の大音量で悲鳴をあげ、そのまま走り去ってしまうのだった。
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時は少し戻り、五つ子達が夕飯を終えて広間から出ていこうとした時。
「何度もすまない。トマトも苦手なんだが食べてくれるかい?」
武田は好き嫌いが多いようで、基本的に何でも食べる風太郎にどんどん渡している。
風太郎は風太郎でたくさん食べれるので問題ないようだ。
「前田のトイレ長いね」
「そういや、そうだな」
「ちょっと様子見てくるよ」
「すまないね。面倒をかけるよ」
まあ本当にトイレかも疑問ではあるが。何しろ前田にはあることをお願いしているからね。張り切ってなきゃいいけど。
「やっぱいないか…」
念のためトイレを確認したが前田の姿はなかった。
うーん…ちょうど前田が帰ってくるであろう時に五つ子達が広間から出てったからなぁ。
そんな考えをしながら廊下を歩いていると。
「「「「「キャアアアアア!」」」」」
聞き覚えがあるような叫び声が聞こえてきた。
「まさかっ!」
叫び声が聞こえてきた方に走ってみると、向かいから五つ子達が逃げるように走ってきた。
「直江さん!」
「カズヨシ君!」
「カズ君!」
「和義君!」
「カズヨシ!」
僕の存在を確認するや否や全員が抱きついてきた。
「何々?どうしたの?て、さすがに苦しいって…」
「はうっ!ごめんなさい!でも…」
一番最初に抱きついてきた四葉が謝りながらも離れようとしない。これはよっぽどの事が起きたかな。
「盗撮犯よ!盗撮犯!」
「はぁ!?」
「うー…通路の陰からカメラだけが出てきていて、私たちを撮ってたんですぅ…」
「マジかっ!」
「さすがのお姉さんでも恐怖を感じたね…」
「夢に出てきそう…」
全員が本当に怖かったようで震えているようだ。
「部屋まで送るから、とりあえず離れようか」
「「「「「……」」」」」
「あのー…このままだと歩きにくいしさ」
「「「「「……」」」」」
えー、何で誰も答えてくれないの…
はぁー、仕方ない。歩きにくいが歩けない事はないか。
そう考えて彼女達の部屋に歩みを進めるのだった。
「ほら着いたよ」
「ありがと。やっぱりカズヨシ君は頼りになるなぁ」
「ごめんなさい。その…取り乱したりして…」
「別にいいさ」
「やっぱりカズヨシの近くは落ち着く…」
「そうですね。そこは同意します」
「ははは…あ、四葉」
「はい?」
「この後学級長のミーティングだけど難しそうなら先生に言っとくけど」
「あっ……直江さん、迎えに来てくれますか?」
「それは構わないけど、無理に参加しなくていいよ」
「いえ。直江さんがいてくれるのであれば安心です!」
いつもの屈託ない笑顔で返事をされたので強がっているわけではないと思った。なので、
「分かったよ。じゃあ、30分後くらいにまた迎えに来るから」
「はい!よろしくお願いします!」
そう四葉と約束をして部屋から離れた。
しばらく廊下を歩いていると、
「兄さん」「和義」
前方から零奈と母さんが僕の方に早足で近づいてきた。
て、同じホテルに泊まってたのね。母さんは抜かりないなぁ
「先ほどあの子達の悲鳴が聞こえたのですが…」
「何かあった?」
本当に心配しているようで、二人とも母親の雰囲気が出ている。
「ちょっとね。でも、もう解決したから大丈夫だよ」
「そう。和義がそう言うなら大丈夫なんでしょ」
「それより…よくこのホテルの予約できたね」
「そこは抜かりないわ」
えっへん、とどや顔で答える母さん。この人の情報網って本当にどうなってんだろう。
「と…悪い。この後、一旦大広間に戻ってから学級長のミーティング参加だからもう行くね」
「むー…仕方ないなぁ。じゃあ、また明日だね」
「兄さん、おやすみなさい」
「ああ。おやすみ、零奈」
ポンポンと零奈の頭を撫でながら答えるとご機嫌になったのでこれで合っていたようだ。
母さんからの視線が気になったが、さっさと零奈が連れていったのでまあ良しとしよう。
その後、大広間に戻ると前田はすでに席に座っていた。
「さっきのって、前田の…」
「悪ィミスった…つい気合いを入れすぎちまった」
「はぁぁ…」
「何かあったのかい?」
「ここでは話しづらいから部屋でね。そろそろ戻ろうか。僕は学級長のミーティングに参加しなきゃだから」
「そいつはご苦労なこった」
「そうだね。誰かさんの推薦があったからね」
風太郎の言葉にニッコリと笑顔を向けて答えると、風太郎は目をそらしながら味噌汁をずずずっと啜りながら、『そうか…』と答えるのだった。
ミーティングでは、先の盗撮騒動の件があがり生徒全員、特に女子に注意喚起を促す事となった。
まあ、あれだけ悲鳴が木霊すればホテル側も関与してくるよね。
そして、ミーティングも終わり四葉を部屋まで送っているのだが。
「まだ消灯まで時間あるよね?少し話さない?」
自販機と椅子が並んでいるちょっとしたスペースを親指でさしながら四葉を誘った。
「直江さんからなんて珍しいですね。少しなら…」
四葉からの許可をもらい、椅子に座らせた後自販機で飲み物を買って渡した。
「ありがとうございます」
「いえいえ。誘ったのは僕だしね…………で?何か悩み事?」
自分の飲み物を一口飲んでストレートに聞いてみた。
「いきなりですね…何でそう思ったんですか?」
「まあ、短い期間だけど一緒に暮らしてきた仲だからね。ほれほれ、お兄さんに相談してみ」
「ぷっ…あはは…一花の真似ですか?」
「まあね。どう似てた?」
「まあ、40点てところですね」
「厳しいなぁ…まあ赤点じゃないからいっか。それで?さっきのは冗談とかでもないんだけど、お兄さんに話してみな。四葉達は妹みたいなもんだし、これでも心配してるんだよ」
「妹……三玖達も報われませんね」
「ぐっ…そこは誠意頑張ってるよ…」
ふふふ、と笑っている四葉。少しは和らいだかな。
「仕方ないなぁ。じゃあ、何に悩んでるか当ててあげようか?」
「え?」
「ズバリ!明日のスケジュールにある清水寺、でしょ?」
「な、何で!?」
「言ったじゃん。僕は風太郎から写真を見せられてるって。あの写真撮ったのって清水寺でしょ?」
「はぁー…やっぱり直江さんには敵わないなぁ……当たりですっ」
悔しそうにゴクゴクと僕があげたジュースを四葉は飲んでいる。
「何?正体を明かす決心でもした?」
「悩んでます...私は約束を守れなかったので...でも、それとは別にあの女の子は私だよって言いたい気持ちも最近出てきて...」
四葉は下を向いて、自分の飲んでいたジュースの缶をギュッと握っている。
「......風太郎にさぁ、写真の女の子に会いたいか旅行の前に聞いてみたんだ」
「え...?」
僕の言葉に四葉は顔を上げて僕を見ている。
「そしたらね、風太郎はこう答えたんだ。分からん、て。今更会ったところで何を話せばいいかが分からないからなんだって」
「そっか...そうですよね...」
残念そうな表情をしている四葉。
「だけどね。ここからはあくまでも僕の想像でしかないんだけど。あいつも会いたい気持ちはあると思うんだよ。だけど、今の四葉と同じように会う事に躊躇していると思うんだよね」
「大丈夫ですよ。そんな慰めとか...」
「まあまあ聞きなさいって。何で躊躇しているか想像したのはね、あいつの勉強をする理由に直結してくると思うんだよ」
「勉強をする理由...」
「風太郎が言ってたんだけど、四葉は自分がいることに意味を見出すために勉強をするって言ったんだよね?勉強して給料のいい会社に入ってお母さんを楽させることで、自分がいることの意味が出来ると」
「そ...そうです」
「じゃあ風太郎は?」
「えっと...妹さん、らいはちゃんに不自由ない暮らしをしてもらうためにお金を稼げる会社に入るため、だったと」
「そう。だけど、根本的な理由はそこじゃないと思うんだよね」
「え?」
「あいつとは小学校の修学旅行以前には全然接点がなかったんだよね」
「そ、そうだったんですか!?」
「まあね。それが、旅行から帰ってくるなり教室で僕にこう言ってきたんだ。『お前頭がいいんだってな。だったら俺に勉強を教えてくれ!俺は必要とされる人間になりてぇんだ!』、てね」
「あ...」
「そう。あいつの勉強をする理由は必要とされる人間になること。そのために今まで死に物狂いで勉強をしてきたんだ。してきたんだけど...あいつ人との関わりを勉強の邪魔だって全部シャットアウトしちゃってたからねぇ。そのせいでどうせ、俺は必要とされる人間になれているのか、て思ってるんだよきっと。それが会うのに躊躇している理由と思ってるわけ」
「で、でも。今ではちゃんと私達姉妹にとっては必要な人になれてます」
「もちろん僕もそう思ってるよ。それに僕にとってもずっと前から必要な人間だって思ってる。だけどなぁぁぁ...」
そこで頭を抱えて下を向いてしまった。
「あいつ捻くれてて気づけてないんだよ」
「あー...ありえますね...」
「まあ、そのために今頑張ってるんだけどね」
「直江さん?」
「いや、何でもない」
その時ふと中野さんに家庭教師延長の話をされた時の風太郎の話を思い出した。
『次の道を見つけてこその卒業。俺はあいつらの夢を見つけてやりたい』
そんな言葉が風太郎自身から出た時には驚いたものだ。
「ま、そんな訳で約束云々は気にしなくていいと思うよ。要は四葉が話したいか話したくないかだね」
「私が話したいか話したくないかだけ...」
う~ん、と悩んでいる四葉。その姿を残っていたお茶を飲みながら眺めていた。
羨ましいな、こんなにも一生懸命悩めるなんて。
偉そうに四葉の背中を押しているが、実際に自分はどうなんだ?
『いいのかな?...ひっく...君とフータロー君二人の事...好きでいてもいいのかな...?』
風太郎と僕との間で葛藤をしている、そんな中でもいつも通りでいてくれる一花。
『恰好付けすぎなのよ、ばーか。でも、そういうところが大好き!!』
暴走気味ではあるが正面から堂々と好きという気持ちを表現している二乃。
『やっぱり好き...大好き...!』
内面的な性格だと思っていたが堂々と自分の気持ちを言えるようになった三玖。
『私、風太郎君と同じくらい直江さんの事も好きですよ!』
六年もの間想い続けた風太郎と同じくらい好きだと言ってくれた四葉。
『他の姉妹にもお母さんにも負けない!絶対に君を振り向かせてみせる。私は、家族としてではなく一人の男性として君が大好きだから!』
男性に対して信用を持つことができなかったが、家族としてではなく一人の男性として好きだと言ってくれた五月。
『一人の女性として、直江和義という男性が好きです。あなたの優しいところ、頼りになるところ、聡明なところ、それにたまに意地悪なところも。あなたの全てが私は好きなんです』
妹としてではなく一人の女性として、今の関係が崩れるかもしれないが自分の気持ちを正面から伝えてくれた零奈。
僕は彼女達とちゃんと向き合おうとしているのか?好きという感情が分からないと言っているが、実際には逃げているだけじゃないのか?
「...え...ん。な...え...ん」
僕は......
「直江さんっ!」
「...っ!」
自分の考えに没頭しすぎていたのか、すぐ目の前に四葉の顔があるのに気付かずビックリしてしまった。
「え...え、何?」
「何じゃないですよぉ。ふと直江さんの方を見ると、眉間に皺を寄せて怖い顔でいるんですもん。しかも呼びかけても反応ないですし...」
「そうだったんだ。ごめん、ちょっと考え事をね。て、四葉近いって。男の人にこんな風に近づいちゃ駄目だって」
「大丈夫です!こんな事は直江さんと風太郎君にしかしません!」
ニッコリと笑いながら言う四葉。それもどうなんだろう。
「それより大丈夫ですか?はっ!まさか悩みすぎている私に対して、そんなに悩むなよって思ってたんじゃ...」
「思ってない、思ってないって。これはとても重要なことですぐに決断できないことだって分かってるから」
「ふぅ~、良かったです」
四葉はそう言いながら胸をなでおろしている。そして意を決したように僕に伝えてきた。
「私は自分の事を話そうと思います。そして今の気持ちを...」
「そっか...」
「はい!一緒に悩んでくれてありがとうございました!」
そして、敬礼ポーズをしながら、とびっきりの笑顔を僕に向けてきたのだった。
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~一花side~
夕飯の時から四葉の様子がおかしかったから、ミーティングから帰ってきたら話を聞いてあげようと思ったけど…
ミーティングから帰ってきた四葉は垢が抜けたようなスッキリとした顔をしている。
前にもこんなことがあったような……そうだ!年末にもおんなじように感じたんだ。たしかあれは、私たちの転校に負い目があったはずの四葉が、カズヨシ君に相談した後から雰囲気が変わってたっけ。
ミーティングはカズヨシ君との参加だったし、その後にもしかしたら彼が話を聞いてあげたのかも。彼はこういうのには敏感だから、四葉の変化に気づいて聞きだしたのかもね。恋愛関係には鈍感なのにね。
可笑しくなって笑いが出てしまった。
「ふふっ...」
「何笑ってんのよ一花」
「あー...うん、楽しいなぁって思ってね」
「どうしたの?急に...」
三玖が不思議そうに聞いてきた。まあそうだよね。
「でも分かるよ!こうやって皆で修学旅行を楽しめるのってやっぱり良いよね!」
「そうですね。明日も楽しめるといいです」
「さあ!明日もカズ君と観光よ!」
「どこ見て回ろう…」
「寺院や神社が中心ですからねぇ」
「清水の舞台は外せないよね!」
みんなは明日のスケジュールに没頭しだした。
そっか、明日もフータロー君とカズヨシ君、二人と一緒にいられるんだ。
でも、いつまでもこんなことが続かないことは分かってる。
あの二人に好きな人が出来て、その人と結ばれたら…
私の気持ちも早く決めないと他の姉妹やお母さんに取られちゃうかもしれない。
そんな考えをしていると携帯に着信が入った。おや、カズヨシ君からじゃん。
個人でメッセージ送ってくるなんて珍しいなぁ。ふふっ、なんだか嬉しくなってきちゃった。
さてさて何かな?
「えっ...?」
そこには驚くべき文字が書かれていた。
『一花にだけは共有しておいた方がいいと思って。四葉が明日、風太郎に想いを告げるって』
そっか四葉もとうとう...
『教えてくれてありがと。でも何で私だけ?』
『一花は風太郎の事好きでしょ?だから一応教えておいた方がいいかなって。おこがましいけど僕は二人の事を応援してるから』
おこがましいなんて...全然そんな事ないのになぁ。
ていうか、君の事も好きだって事分かってるのかなカズヨシ君は。
はぁ...これがダメなんだろうなぁ、きっと。
でもそっか、さっきまではこの事で悩んでたんだね四葉は。それは私には相談できないよね。
『ありがとね。四葉の背中を押してくれたんだよね。私にはできないことだったから助かったよ。フータロー君がどんな答えを出すか分からないけど見守っていようと思う。その...近くにいてくれるかな?』
ちょっと強引だったかな。そう思っていたけど、返信はすぐにきた。
『分かった。なるべく明日は一花の近くにいるようにするよ。おやすみ』
返信された文字が嬉しくって今にも感情が爆発しそうなのを抑えながら『おやすみ』のスタンプを送った。
ごめんね皆...
私はいつになったらあの輪の中に入れるのかな...
楽しそうに話をしている姉妹を、直接的には近いけど心はどこか遠くにいるように感じながら見守っていた。
すみません。
前回の後書きでは、修学旅行の2日目まで書く予定と書きましたが、結局1日目で終わってしまいました。
しかも、人によってはこっちの方が1日目のメインに感じる人がいるかもしれませんね。。。
もう消灯時間になるので当たり前ですが、次回から修学旅行2日目を書かせていただきます。
勇気を出して四葉は風太郎に想いを告げることができるのか。
そして、和義に重くのしかかった姉妹や零奈との向き合い方についてどう考えるのか。
そういったものが書ければなと思います。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。