日付を勘違いしていて、WBCの準決勝を生放送で観戦出来ました!
いやー、凄い試合で最後なんて一人でテレビの前ではしゃいでました。
また、外伝を作成した方が良いかのアンケートにご協力いただいた皆様。ありがとうございます!
この場をお借りして御礼申しあげます。
というか、以外に皆さんハーレム展開好きなんですね…半分近くがハーレムというのは驚きで、個人的には不人気と思ってました。
また、個人ルートでは二乃が一番投票が多かったのも驚きです。個人ルートだと三玖か五月かな、と僕は思っていましたので。
この結果を元に、今後の活動を行っていこうと思います。
アンケートはもう少しだけ続けたいと思います。
「ねえ、あんたら付き合ってんのよね?」
「ん?」
皆の前で自分の好きな人を発表した日の夕飯時。
全員でご飯を食べている時に二乃から唐突に言われた。
「どうしたのさ、いきなり」
「いやだって、雰囲気とか前と変わらないじゃない」
「ああ...」
二乃が言わんとしているのは何となく分かる。
二人っきりの時はあんなにベタベタしてきた一花ではあるが、皆の前ではいつも通りに接している。
まあ、昨日までは食事時には僕から離れた席に座りがちではあったが今では向かいに座るようになっている。
「別にみんなの前でイチャイチャしてるところを見せたいとは思ってないよ。ね、カズヨシ君?」
「だね。分別はするさ」
「ふーん...」
斜め向かい、一花の横に座っている二乃がジト目で見てくる。
ははは……
「えーっ!和義さん、一花さんと付き合ってるんですか!?」
「ああ、ごめん言ってなかったね。昨日から付き合ってるよ」
「あの、恋に無頓着な和義さんが…」
だんだん言葉が辛辣になってきたねらいはちゃん…
「お兄ちゃん知ってた!?」
「ああ、和義本人から聞いてたさ」
「そうだったんだぁ…」
「……」
「何っ!?一花と!?」
一花とのデートから帰ると、ちょうど風太郎が休憩に入るとの事だったので、事の顛末を話した。
「そうか……」
「?どした?」
「いや、何でもない。他の姉妹や桜には言ってるのか?」
「ああ、さっきね」
「そうだったのか……」
どうにも心ここにあらずって感じだなぁ。
「何にせよ、おめでとう。やはりお前の方が早かったか」
「どうだろうね…何せ、姉妹の中で最初に告白してきた娘は12月だったし……待たせ過ぎでしょ」
窓を開け、下枠に寄りかかり、外を眺めながら言う。
まあ、五月のあの告白は、まだ男として好きなのか分かんないって言ってたけどね。
「そうだったのか…そんな前から……」
「風太郎は2、3ヶ月でしょ?言えた義理ではないけど、早めに答えてあげなよ?」
「確かにお前には言われたくないな」
ぐっ…そうなんだけどさぁ。風太郎に言われるとなんかムカつく。
なーんか、あの時から様子が変なんだよねぇ。
風太郎に一花との話をした時に感じた違和感を思い出していると、隣の三玖に話しかけられた。
「ねえカズヨシ?今日の味つけはどうかな?」
ここでの食事は基本僕が作っているが、今日は三玖が作ったのも含まれている。
「うん。味つけは問題ないよ。美味しく出来てる。後は、野菜とかを均一に切れたらいいかな。味の付け方や火の通りがバラバラになっちゃうしね」
「分かった…また教えてくれる?」
「ああ。空いた時間で良ければね」
「うん…!」
僕の言葉に満足したのか、三玖はニコニコしながら食事を再開した。
「はぁぁ…結局、和義さんは他の方とお付き合いするのですね…」
「き、期待に応えられずすみません…」
「いえ、冗談ですよ。う~ん、今日の和義さんの料理も美味しいですね♪」
「ありがとうございます……」
楓さん、あなたの冗談は冗談に聞こえないから質が悪いんですって。
しかし……
「ほら、まだ残っているではないですか。もう少し食べれるのではないですか?」
「分かっている。ただの食休みだ」
お祖父さんと楓さん、あの防波堤以降ますます仲良くなってないか?
そんな風に考えていると、隣の零奈から服を引っ張られた。
「どした?」
「兄さん、あの二人は前からあんなに仲良かったでしょうか?」
「ふむ…」
そろそろ話すべきかな。あからさまだしね。
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次の日。
今日は撮影があるとのことで、朝早くから一花が出かけようとしている。少し前からよく一花はこんな風に出かけている。
今の僕はその見送りだ。
島だから移動も大変だろうに。
「あーあ、もう少し一緒にいたかったなぁ……」
「仕事なら仕方ないさ。僕だって、今は仕事を抜け出してるわけだしね」
「そうなんだけどさぁ……」
「まったく…こんなんで夏休み明けは大丈夫なの?」
「むー…」
そこでほっぺたを膨らませても困るんだが…可愛いけど。
そんな時一花がキョロキョロと周りを確認している。
「どうした?」
「んっとね………………ちゅっ」
一花は軽くではあるが唇を重ねてきたのだ。
「一花!?」
「えへへ……うん、活力出てきたよ。じゃあ、いってきまーす!」
そう言うや否や手を上げ、足取りも軽やかに行ってしまった。
たく、困ったお嬢さんだこと。
ブブブ...ブブブ...
ん?メッセージ?
『大好きだよ、カズヨシ君♪』
ほんと生き生きしてるな。
『僕もだよ。仕事頑張ってね、いってらっしゃい♪』
そうメッセージを返した。
「さてっ!」
パンパン…!
両手で自分の頬を叩き気合いを入れる。
一花も頑張ってるんだ。僕も頑張んなきゃだね!
そんな思いで厨房に戻るのだった。
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「それで?今度はなんなの?一花はいないけどいいの?」
その日の昼ごはんの後、また皆に集まってもらった。
ちなみに風太郎は仕事中で、らいはちゃんは自分の部屋で宿題をしている。
「悪いね。また、別件で報告があるんだよ。一花抜きで問題ないよ」
そう言って、四葉と桜を見るとコクンと頷かれた。
「別の報告?……それはいいんだけど、なんでレイナちゃんはカズ君の膝の上に座ってるの?」
「いやー、兄妹のスキンシップだよ」
僕は今胡座をかいて、その足の上に僕が抱き抱えるように零奈が座っているのだ。
今から話す内容的に近くにいた方がいいと思ったからだ。
「何?早速浮気?」
「?兄妹なのですから浮気とは違うのでは無いですか?」
「うっ…!」
事情の知らない桜の的確な問いに二乃は反論出来なかった。
「兄さん?いったいどういうつもりですか?」
「まあまあ」
僕にだけ聞こえるように零奈から質問されたが、零奈の方を向かず答える。
「むー……」
「そうだ。今から話す内容については他の人に極秘、てか風太郎やらいはちゃんにも内緒で頼みたいんだけど」
「?ということは、私たち家族に関係するもの?でも、桜がいるけど…」
三玖はそう言いながら桜の方を見る。
「五つ子と桜両方に関連することだよ。あ、零奈は小さいからいいかなって……それで最近だけど、お祖父さんと楓さんが前より仲良くなってるって思わなかった?」
「確かに…それが、今から話す内容に関係してくるのですね?」
「ああ。で、今から話す内容は一花も知ってるからここにいなくても問題ないんだよ。後知ってるのは、四葉と桜だね」
「「「「え?」」」」
話の内容を知らない四人は驚き、四葉と桜を見た。
「まず、今から話すことを知ったのは、この間一花と四葉と三人でジョギングに行った帰り道で桜に会った時なんだけど。その時に防波堤で…………」
と、一通りを話してみた。
「え……つまり、桜のお祖母さんは……」
「お母さんの産みの親…」
「そして、私たちにとってもおばあちゃんということでしょうか……」
「……っ!」
二乃と三玖、五月は驚き僕を見ている。いや、僕ではなく零奈かな。
その零奈は、抱き抱えている僕の中で緊張している様子だ。
そんな零奈を少し強く抱きしめ、手を握ってあげた。
「あっ……兄さん…」
そして、小さな零奈の手が握り返してくる。どうやら、少しは動揺が和らいだようだ。
そんな様子を見て、姉妹達は僕が零奈を抱き抱えている理由を理解したようだ。
「しかし、これだけでも衝撃的ですが……」
「うん…まさか、桜とお祖母さんに血の繋がりがないのも驚き…」
「これ、下手すればゴシップとかになるんじゃない?」
「かもね。まあ、楓さんの事だから握り潰すと思うけどね」
二乃の発言にそう答えたものの、少しは心配ではある。
「それにしても、おじいちゃん再婚とかするのかなぁ」
「そうよねぇ…そうなると、なんだかロマンチックだわぁ~。何十年越しの恋。二人は他の人と結ばれることもなく、そして再開。二人の愛を引き裂く人はもういないんだろうし…」
四葉の言葉に、二乃が一人妄想に浸っている。こういうの好きそうだもんね。
「そうなると、私たちと桜は親戚になるね」
「そうですね。血の繋がりがあっても書類上では私たちの母は娘とならなかったですが、お二人が結婚すれば義理とはいえ、娘になります」
「そうなると、
「うーん…こんがらがってきたぁ…」
四葉の脳は限界のようだ。
その後も皆各々盛り上がっているようだ。
「零奈はどうする?」
「え?」
「
「そ、それは……果たして信じて頂けるでしょうか……」
「信じる、信じないの前に。名乗り出たいか、出たくないか。じゃない?」
ずっと前を見ていた僕は、そこで下の零奈を見る。
すると、見上げてきた零奈と目があったのでニッコリと笑ってあげた。
「まったく、貴方という人は…彼女以外の女性にこのように寄り添ってはいけませんよ。そうするとこんなことが起きてしまうのですからね…………ちゅっ」
次の瞬間僕の唇に、零奈の小さな唇が触れた。
「「「「なーーー!?」」」」
「あら」
「ちょっ!零奈!?」
突然の零奈の行動で、僕は口元を隠しながら顔を離した。
「えっと…これも、兄妹としてのスキンシップに含まれるのでしょうか?」
「含まれるはずないでしょ!何してんのよ、お母さん!」
「いくらなんでも、それは擁護できないよ、お母さん…!」
「そうです!やりすぎですよ、お母さん!私だって、和義君と……ゴニョゴニョ……」
「わー!みんな落ち着いて!みんなレイナちゃんをお母さんって呼んじゃってるよ!」
もうぐだくだだよ。
「えっと、先ほどの零奈ちゃんの行動にも驚きましたが…皆さんお母さんとは…?」
「「「「あ……」」」」
「「はぁぁ……」」
そこで零奈は僕から離れ、姿勢正しく正座で僕の前に座り直した。
「桜さん」
「は、はい!」
「改めまして、直江零奈こと中野
頭を下げながら自己紹介をする零奈。
「えっと…これはご丁寧に………え?
「はい、ここにいる…ああ、一花も入れた五つ子の母です。先日はお墓参りありがとうございました」
「え……えぇぇーー!?」
珍しい桜の大きな驚きの声が響き渡った。
「えっと…つまり、
「何でしたら、この子達のおねしょを卒業した年齢をお伝え出来ますよ?」
「「「「やめてっ!」」」」
おー息ピッタリ。五月も敬語が抜けてるよ。
「あはは...これは本当のようですね。でしたら、お婆様はその...
「はぁぁ...子どもの頃、父には母は私が生まれてすぐに亡くなったと言われていたのですが、こういう経緯があったのですね。なるほど、これは子どもには言えませんね」
「それで?どうするの零奈?楓さんに伝える?」
「............伝えてみようと思います。例え信じてくれなくても......」
「そっか...」
「ま、私たちも一緒にいくから問題ないわよ」
「ですね。一花が帰ってきたら行きましょうか」
「うん。そうしようよ!」
何とかまとまったようだね。そう安心をしていると、三玖が爆弾を落とした。
「ん...それよりもお母さん。さっきのキスは看過できない...」
「そうよ!あれはダメでしょ!」
「反省はしていますが、あんな風に優しく寄り添ってくれたら我慢できませんよ...」
いや我慢してよ。
「それは分かりますが...」
分かるんかいっ!
五月の零した言葉にツッコミを入れてしまった。
何か、四葉以外の目が怖いんだけど...早く帰ってきて、一花...
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「それで?お母さんとキス、したんだ?」
今日は日帰りで帰ってこれた一花の指示で、僕は今自分の部屋で正座をして、一花から詰められている。
「いや、したと言いますか、されたと言いますか...」
「したのは事実だよね?」
「はい......」
何も言い返せない。
「まったく。カズヨシ君は油断しすぎなんだよ。例えば......」
そこで一花にキスをされた。
「ん......んん......カズヨシ君......ん......」
一花の唇が離れていく。
「ふふっ、ほらね...?」
微笑みながらそう話す一花。
「いや、一花には油断してもいいでしょ」
「たしかに...」
お互いに笑みが零れる。
「それじゃあ、今回は私が戻るまでの正座で許してあげる」
「へ?」
「じゃあ、私お風呂に行って、それから桜ちゃんのお祖母さんのところに行くね。一度戻ってくるけど動いちゃダメだぞ?あ、トイレだけは許してあげる」
「いや、ちょっ、待って...」
パタン
部屋から一花が出ていき扉が閉められた。
えーーーっ、放置!?
キー...
「あっ、一花...」
「よう」
「ふ、風太郎!?」
「惨めな姿だなっ...」
口元を押さえながら話している。
「笑うなぁー!てか、何しに来たの?」
「ん?見張りだ」
「は?」
「一花に頼まれてな。おもし...断れなくてな」
今面白そうって言おうとしただろ。
てか、いそいそと勉強の準備してるし...
「正座しながらだったら、勉強は良いってよ。ほら、気が紛れるだろ」
というわけで、正座をしながらの風太郎との勉強会がスタートした。
「ああ、この後らいはも来るからな」
「げっ」
その後らいはちゃんが来たのは良いのだが、なぜ一花に怒られたのかは絶対に言えなかった。
『もう、彼女さんを泣かせたら駄目なんですからね』、と結構な長い時間お小言を言われたのは言うまでもない。
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~楓の部屋~
現在楓の部屋には、五つ子と零奈、それに桜がお邪魔している。
「夜分に遅く申し訳ありません」
一花が代表してそう言いながら頭を下げた。
「良いのですよ。一花さん。あなたはお仕事でお忙しいのですから。それで?大体の予想は出来ておりますが。どういったご用件でしょうか?」
「桜さんから聞いているかもしれませんが、おじいちゃんとの会話を私と四葉、それにカズヨシ君が一緒に聞いていました。それで、他の姉妹に黙っているのも気が引けて、本日カズヨシ君からみんなに話した次第です」
「そうですか......
「はい。私たち五人がいてくれて幸せだったと、最後まで言っていました」
楓の質問に五月が答える。
「大切なのは五人でいること。母が生前より言っていました。そのおかげで、今もこうやって五人仲良く出来ていると思います」
五月の言葉に四葉が続く。
「女手一つで五人もの子どもを育てていた、と聞いていた時は心配をしていたのですが。杞憂だったようですね。良い娘達を持てたようです。しかも、一人はあの和義さんの心を射止めたのですから」
微笑みながら口にする楓に対して、一花は自分の頬をかいている。
「私から一つ皆さんにお願いがあります」
「お願いですか?」
楓の言葉に二乃が質問をする。
「ええ。私のことをおばあちゃんとして接してください。それが、たった一つのお願いです」
「「「「「!」」」」」
「駄目ですか?」
「ダメなんてことない...」
「大歓迎です!」
「「「「「おばあちゃん」」」」」
笑顔で五つ子達が答えたことで、楓の目から涙が流れ出た。
涙も収まったところで、楓は一つの疑問が生じた。
「時に、桜がいるのはまだ分かるのですが、なぜ零奈さんもここに?」
その言葉を聞いた零奈は、六人の前に出て姿勢正しく正座で座った。
「相変わらず、年齢を疑いたくなりますね。良い姿勢です」
「ありがとうございます............今から突拍子もない話をお伝えする事、ご了承ください」
「ふふっ、言葉遣いも立派で。構いませんよ。どうしました?」
楓が話の先を促すと、流石の零奈も緊張して唾を飲み込んだ。
「私、直江零奈には二つの記憶があります」
「え?」
「一つはもちろん、この体の記憶。零奈としての八年間の記憶です。そしてもう一つの記憶は、六年前から持っています。この記憶は、もう一人の私が六年前に死にこの体に乗り移りました」
「それは...」
「こんな非科学的な事は信じられないかもしれませんが事実です。証拠というものがありませんが」
「......私にその話をするということは、私の知っている人物ということですね?」
「はい。と言っても、私自身にはお会いした
「?おかしな話ですね。私の知っている人物なのに、あなたには私に会った記憶がないというのですか?」
「はい。私があなたにお会いしたのは赤ん坊の時だったようですので...」
「赤ん坊...六年前に亡くなった...まさか...」
そこで楓はお祖父さんと話した内容をふと思い出していた。
『
『何ですか?心の中にいるとでも言いたいのですか?あなたにしてはロマンチックですね』
『そうではない。そのままの意味だ。お前に
『?』
その時は遠回しに、心の中で生きているから悲しむな、と言っていると思っていた楓だが、今の零奈の言葉ではっきりとした。
「......
「......はい。この旅館で父と旅館の人達に育てられ、後ろの五つ子達を生み育てた
「あ......あ......」
零奈の言葉を聞いた楓は、言葉にできず零奈に近づき抱きしめた。
「ごめん...なさい...
抱きついてくる楓に対して、零奈は抱き返し伝える。
「良いのです。お母さんも大変でしたでしょう......私を産んでくれて、ありがとうございます」
「うっ......ううっ......」
楓は人生で一番の嬉し涙を流したのかもしれない。
それにつられて零奈はもちろんの事、五つ子や桜も涙を流して二人を見守っていた。
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「ツンツン」
「ま、マジで止めて。本当に痺れてるんだから...」
「まったく情けないですね」
誰のせいだと思ってるのかな、
楓さんのところでの用事も終えた一花と零奈が僕の部屋に来ていた。
それを見計らって、風太郎はすでに寝てしまっているらいはちゃんを抱え自分の部屋に戻っていった。
一花はと言うと、正座から解放されて仰向けに倒れている僕の足をつついている。
「それで?そっちは問題なく終わったの?」
「ええ、おかげさまで。ありがとうございます。お母さんとも色々と話せました」
「みんなもこれからはおばあちゃんとうまくやっていけると思うよ」
お母さんにおばあちゃんね。
うまくやれて良かった良かった。
「それで…今日は一緒に寝ては駄目ですか兄さん?」
「は?」
「ちょっとぉ!昼の事忘れてないよね?」
「はて…」
一花からのツッコミに目をそらす零奈。
何か珍しい光景だな。
「では、こうしましょう!」
零奈が取った提案はというと…
「ねえ?なんで私とカズヨシ君の間にお母さんなの?」
「いくらお付き合いをしているからと言って、隣同士で寝るには早すぎます。なので間を取ってこの形です」
そう。僕と一花の間に零奈が入った謂わば川の字状態で、僕達は布団に入っている。ちなみに、僕が一人で寝るという案は速攻却下された。
「ま、いっか。カズヨシ君と同じ布団で寝るには変わりないしね」
「二乃と三玖、五月の文句が凄かったですが…」
「ここに乗り込んできそうな勢いだったもんね」
「はぁぁ…何やってんの…」
「ふふっ…」
「どうしたのですか、一花?」
急に可笑しそうに笑った一花に零奈が質問する。僕も気になって一花の方を見ると、一花はこっちを見た状態で寝ていた。
「こうやって三人で寝てると、なんだか家族って感じがしてさ。お母さんは私たちの娘でさ」
「確かに。端から見たら、そう見えるかも」
「それはそれで心外ですね」
「まあまあ。お母さんはまだ小学二年生なんだしさ」
その言葉、日本語がおかしいよ一花。
「それでは兄さん。娘の私におやすみのキスを」
「何調子に乗ってんの」
「やはり駄目でしたか」
兄妹二人でふざけてると一花が真剣な顔で口にした。
「……ほっぺたならいいよ」
「は!?」
「ほら、ほっぺたなら私だって付き合う前にしたわけだしさ」
「やはり一花でしたか」
「あ……」
ホントこの姉妹は墓穴を掘る娘が多いよね。
「うー……」
「というわけで兄さん。彼女の許可も出たことですのでお願いします」
「はぁぁ…もう眠いからさっさとするよ?」
「じゃあ、私が反対側からするね」
「一花?」
「「ちゅっ…」」
零奈の言葉を気にせず、僕と一花二人で零奈の両頬にキスをした。
「それじゃあおやすみ。一花、零奈」
「ふふっ、おやすみ。カズヨシ君、お母さん」
「うーーー…」
零奈は恥ずかしそうに布団を頭から被ってしまっている。
その光景に、一花と二人吹き出してしまった。そのまま、僕と一花は同時に零奈を抱きしめるように近づき眠りにつくのだった。
「ん……」
翌朝。よく眠れたのか寝起きの気分が良かった。
「すー…すー…」
「ふっ…」
隣では気持ち良さそうに零奈が寝ている。
何度も思うが、年相応な寝顔が可愛い。垂れている前髪を上げてあげるように頭を撫でる。
「んっ…んん……すー…」
「ふふっ…可愛いね」
「一花。おはよう」
「おはよう、カズヨシ君。ふふっ、いいなぁこういうの」
「ん?」
「起きたら一番に大好きなカズヨシ君とお話しができるんだもん」
「そっか……て…」
そこで一花のある異変に気付いたので、顔をそらす。
「ん?どうしたの、カズヨシ君?」
「……なんで、上を何も着てないの?」
「あっ……たはは…これは、お見苦しいものを」
「別に見苦しくないけど…外に出てるから着替えると良いよ」
「……カズヨシ君ならもっと見てもいいよ?」
「え?」
一花の言葉に振り替えると、恥ずかしそうにしながらも自分の体を隠している布団をずらそうとしている一花の姿があった。
「何を言っているのですか?」
「へ?お母さん!?」
驚いている一花を他所にムクリと起き上がる零奈。
まあ、ここまで二人で話してたら起きるよね。
「一花?」
「な、何かな、お母さん?」
「私のいるところで兄さんを誘惑するなんて、いい度胸してますね?」
「それはお母さんだって言えるじゃんか!カズヨシ君は私の彼氏さんなんだよ?」
「「むーー…!」」
お互い睨み合っている二人。
とりあえず、僕は朝食の準備があるのでさっさと厨房に向かうことにした。
この時ほど仕事があることに喜びを感じたことはないな。
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「色々とお世話になりました」
その後、夏休みも後二日となった日。学校も始まるので全員で家に帰ることにした。
「なーに、こっちも助かった時もあったからな。ここで働きたい意志があれば、卒業後待っている」
「もちろん!この娘達と卒業したらまた戻ってきます。お体には気を付けてください」
「大丈夫ですよ。私が付いていますから」
「……」
楓さんの言葉にお祖父さんは言葉が詰まった。
「お、お婆様……もしかしてずっといらっしゃるつもりですか?」
「ええ。ここにいても問題ないですから」
「し、しかし、お客様のお相手は……」
「桜の父親が行えば良いでしょう。もしくはここまで来れば良いのです。私はここを離れるつもりはありませんから」
頑なに動こうとしない楓さん。
桜も大変だなぁ。
「お祖父さん、めっちゃ好かれてるじゃないですか」
「むーー……」
困ってる声を出してるが、反対しないのであれば満更でもないんだろう。
桜が説得するのを諦めたのを見計らって旅館を離れることにした。
「さーて、明後日から新学期か」
「まだまだ遊び足りなかったわ」
渡船場に歩いて向かっているところで、僕の言葉に二乃が反応した。
「いやいや。十分遊んだでしょ。海水浴にバーベキュー、花火だってしたじゃん」
「どれも面白かったなぁ。学校が始まったら友達に教えてあげるんだ」
「くぅー。私はもっとらいはちゃんと遊びたいです!」
「少しは勉強のことも考えろよ…」
四葉がらいはちゃんに抱きつきながら言うものだから、風太郎は呆れて呟いた。
「しかし、毎日夜は勉強をしていたので大丈夫と思いますよ。仕事でお疲れのところ、勉強を教えてくれてありがとうございました、和義君」
「別にどうということでもないさ。風太郎に三玖も手伝ってくれたしね」
「私は料理の学校に行くから受験しなくていいし…少しでも役に立てたのなら良かった…」
「十分さ。社会はもう三玖に任せても問題ないよ」
「そうですね。私も社会だけは三玖に勝てませんから」
「ふふっ…これだけは負けられないよ…」
笑みを溢しながら、三玖は五月に伝える。
「受験……あと少しで皆さんは学校に来られなくなるんですね。一花さんにしては、もう学校で会えるかどうか…」
「桜ちゃん...」
桜の零した言葉に一花が心配そうに桜を見ている。
桜はこの中で唯一の高校一年生。僕達が先に卒業すれば、桜だけが高校に残ることになる。
「まあ、先の事を今話してもしょうがないさ。今を楽しんでいこうよ」
「和義さん......はい!」
僕の言葉に笑顔で桜は返事をした。
「まったく...彼女になっても、まだまだ気が抜けないなぁ。仕方ない...」
「ん?」
一花が何か言ったかと思って、一花の方を向くと...
「ん...」
「んんっ!?」
「「「「「なーーーっ!!」」」」」
「「はわぁー!」」
「はぁぁぁ...」
一花の唇で唇を塞がれた。
二乃、三玖、五月、零奈、桜が過剰に反応している。
四葉とらいはちゃんは顔を両手で隠しながらビックリしている。
風太郎は呆れているのか、頭をかきながらため息をついている。
「な...なん...」
「何してんのよ!一花!」
「何って、キスだよ」
二乃の言葉に、そう答えながら僕の腕に抱きついてくる一花。
「私はカズヨシ君の彼女なんだし問題ないでしょ?」
「むーーー...」
「ひ、人前でなんて不純です!」
「そ、そうです。はしたないですっ!」
「だって、こうでもしないとみんなに取られちゃいそうだし、ね」
僕にウィンクをしながら皆にけん制をする一花。
全く、深めに帽子をかぶっているからって人前で...自分が有名人なのをもっと自覚してほしいものなんだが。
てか、零奈。一花から許可をもらって僕と手を繋いでるけど、そんなにギュッと握らないで…
はぁぁ...彼女が出来たから平和になると思ってったけど、二学期も一波乱ありそうだな。
そんな予感を持ちながら帰路につくのだった。
今回のお話で零奈の正体を楓だけでなく、桜にも明かしました。
さらに、一花のキス魔も継続中です。
夏休みもこれで最後ですので、次回より二学期に突入です!
二学期と言えば文化祭ですね。
あの人物も登場予定でもありますので、今後も読んでいただければと思います。
では、今後とも宜しくお願いいたします。
外伝的に他のヒロインのお話も書いた方が良いでしょうか?
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外伝はいらない
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二乃
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三玖
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四葉
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五月
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零奈
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桜
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ハーレム