瞳を閉じぬ裁定者   作:レガシィ

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テスト期間、進学先の申請、資格取得、etc…
悟ってください。すいませんでした。


第十三話 グライハム領

 国を出て暫く歩いた。オドレアは平原に囲まれた稀有な地形だったため、最初は平原ばかりを歩いていたけど、今進んでいるのは山だ。それも、魔法地図を見る限り、かなり長い山脈になっている。

 

「五日、、、五日か、、、」

 

 もぐもぐ

 

「飛んだりはしないのですか?」

 

「世界を見ろって言われてるのに、飛んじゃったらただの移動でしょ?」

 

「確かにそうですわね。それと、、、さっきから何を召し上がっているのですか?」

 

「その辺の毒草」

 

「理由を伺っても?」

 

「意外と私って毒の耐性低いと思ってね。念の為に上げとこうかと思って」

 

 何かしらの耐性を上げる一番手っ取り早い方法は、欲しい耐性のダメージや物を受け続けること。

 

 今回は毒の耐性が欲しいから、見つけた毒草を採取しては食べている。

 

「まぁ、気休め程度だけど」

 

 山を歩いて二人で他愛もない話をする。でも、お互いに過干渉には触れず、それでも確実に距離は詰まっていく。なにも考えなくていいこの時間は心地よかった。

 

 のに、目の前で面倒なことが起こった。

 

「男は殺せ! 女は売るんだ、絶対に傷つけんじゃねぇぞ!」

 

「「「へい! 頭ぁ!!」」」

 

「お嬢様には指一本触れさせんぞ!」

 

「馬車を守れ!」

 

 高級そうな馬車がなんでこんな辺鄙なところを走ってるのかは置いておくとして、身なりや言動からみるに、彼らは山賊らしい。

 

 白い髭の執事? と武装した騎士が二人で応戦している。片方の馬が殺され、同じ格好の騎士の死体が二つあることから、割と長い間戦ってるらしい。

 

(通り道なんだけどな、、、迷惑だ)

 

「どうします?」

 

「うーん、、、面倒だけど、見殺しってのも良くないよね、多分。助けてさっさと進もうか」

 

 私とスペルビアは山賊に向かって歩き出すが、行動を始めるその前に彼らはこちらに気付いた。

 

「! そこの君達!! 今近づいちゃいかん、逃げなさい!!」

 

 素直に驚いた。普通に誰でもいいから助けを求めるものだと思ったのに。

 

「おいおい、上玉じゃねぇか。お前ら、そっちはやっとけ。俺はコイツ等の味見するぜ」

 

「「「へーい」」」

 

 なんとも身の程知らずな話だ、私を食べるだなんて。

 

「おい動くなよ。面倒くせぇから大人しくしてろ」

 

「、、、こんなに脂ぎったのは食べたくないなぁ、胃がもたれそう。スペルビア、離れてて」

 

「はい」

 

「あ? おい動くなって言ってー」

 

 クイッキュッ

 

 中位土魔法 岩の鋏(ロッククラブ)

 

 ガバァンッ!! ガシッ! 

 

「ヌゥォォアア!?」

 

 山賊の中でも一際大柄な男は私の魔法を止めてみせた。両方から挟み込むようにして潰す魔法だけれど、両手を広げて勢いを殺している。

 

「おぉ、止めるとは思わなかった」

 

「おっっ前ぇ! 魔法士か!!」

 

 正確には魔法士だけど、訂正は面倒だしこのまま潰れてもらおう。死にはしない程度には抑えるけど。

 

「馬車の強盗、売り飛ばす発言から人身売買もかな」

 

 ピッ

 

 中位土魔法岩の礫雨(ロックレイン)

 

 ガラガラガラッ、、、

 

「おっ、おい! 待て! 降参! 降参だ!! 助けて、、、!」

 

有罪(ギルティ)

 

 クンッ、ズドドドォッ! 

 

 、、、、、、、、、、、、

 

「ガボッ、、、」

 

 ガクッ

 

「ひっ、お、お頭ぁ!!?」

 

 この程度で腰を抜かすような山賊がなんで生き残れたんだろうか、甚だ疑問でしかない。

 

「大袈裟だなぁ。ちょっと眠ってもらっただけなのに」

 

「に、逃げろぉ!!」

 

 山賊の残党は蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

 

 別に放置してもいいけど、犯罪の種を蒔くようなものだ。一度関わったからにはしっかり責任を持たないとね。

 

 ズズズッ、、、

 

 特階闇魔法

 

子供の見る夢(リトルナイトメア)

 

「ヒァッ、、、」

 

「? 、、、?」

 

 ガダガダガタガタガタッッ

 

 と、思ったのも束の間。どうやらスペルビアがやってくれたみたい。数名の山賊は急に怯えて胎児のように丸くなる。知識としては知ってる魔導だけど、取得条件が他人がいないと出来なかったから諦めたやつだ。

 

「うぇ、、、不味い。テミス様〜、血か魔力をくださいまし〜」

 

 カプッ

 

 渋い顔をしながら彼女は私の首筋に噛みつく。少しピリッと痛むけど、まぁ食事なら仕方ないし、言ってやめるわけでもないだろうから好きにさせておく。

 

「わざわざ吸わなければいいのに」

 

「だっえまだまだ魔力が満ちてないんですもの」

 

「私の全部じゃ足りない?」

 

「、、、甘く見積もっても三割程度かと」

 

「そう」

 

 逆に安心した。彼女は今は少女の体躯でも最上位悪魔の一角。私の魔力が彼女を満たせるものだとしたら気が変わって私を襲わないとも言い切れない。

 

 多分今は勝てるけど、どんな手札があるか分からないし危険は無いに越したことはない、考えすぎかもしれないけど。

 

「き、君達は一体、、、?」

 

「あぁ、私達は怪しい人じゃないよ。ほら」

 

 チャリッ

 

 ギルドカードは身分証明にも使えるはず。

 

「なんと、、、! これも神の思し召しか。まさかBランクの方と出会えるとは!」

 

「? 私はまだD、、、じゃ、ないみたいだね?」

 

 随分と高待遇だ。寝てる間にマスターが書き換えたのか、Cを飛び越えてランクが上がっている。

 

(Bって、、、最後まで食えない人だ)

 

 Bランクからはその時滞在しているギルドの招集に半強制的に従う必要が出てくる。自由を縛るのに充分。面倒なことをしてくれた。

 

「して、お二方は一体何故このような辺鄙な道を?」

 

 オドレアはかなり小さな国で貴族等の隔たりがほとんど無い。しかし次に向かう、というか大体の国は領地が分けられ、ちゃんと貴族と平民に区別分けされている。その端の領地、なんだったか。

 

「なんだったっけ、ま、いいや。その端の領地に行こうとしてて、、、ていうか、私達の台詞なんだけどそれ。なんでこんな所に貴族の人がいるの?」

 

 私の問に護衛の騎士っぽい人は答える。

 

「、、、それをお話するには、貴方達に依頼を受けてもらう必要が出てくるが」

 

「じゃいいや。頑張ってね」

 

「へっ?」

 

「うん。別に知らなくてもいいし。それじゃ、気を付けてお家まで帰ってね。行こう、スペルビア」

 

「宜しいのですか?」

 

「うん。問題ないよ」

 

 別に今すぐ知りたいことでもないし、さしたる興味もない。お金にも困っていないし疲れているわけでもない、依頼を回りくどく下に無理に受ける必要は無い。

 

「申し訳ございません! うちの者が無礼を働きました!!」

 

 馬車の中に安否確認をしにいった執事さんが頭を下げてくる。

 

「うちの護衛は半数以上が先程の賊にやられ、馬も一頭やられたために移動速度も遅く、格好の的なのです、、、!」

 

「、、、要するに私に依頼したいんだよね?」

 

「はい、その通りでございます!」

 

「いいよ、報酬は道中で決めようか」

 

 回りくどい言い方をされるのは面倒臭い。別に執政の場でもなければ貴族同士の足の引っ張り合いでも無いのにそんなことはしなくていい。護衛の人も駆け引きしたかったのか、単に私が気に入らないのか、怪訝にこちらを見つめてくる。

 

「教えてあげるけどさ。冒険者って大半は報酬しか見てないから回りくどいのはやめたほうがいいよ。私はちょっと特殊かもしれないけどね」

 

 間抜けな表情をする二人だけど、冒険者なんてそんなものだ。私は副業に近い形でやってるから少し違うだろけど。

 

「こほん。では、馬車にお乗り下さい」

 

 倒れ伏す護衛二人を袋に包みながら執事は目配せする。

 

 ガチャリ

 

 ドアを開けて中に入ると、ピンクのふわふわとしたドレスを来たブロンドカラーの髪をした幼い少女が顔を青くしてそこに座っていた。

 

「、、、どうも」

 

 物静かな彼女に一言、静かに挨拶をすると会釈を返してくる。さっきまでの凄惨な現場を知っているためか、単に見知りなだけか、表情は強張り静かになっていた。先程唯一生き残った護衛の騎士も少女の隣に座る。

 

 ゴトゴトッ、、、

 

 なるほど、これが馬車か。緩やかに流れ、私の意志に従わずに見えて消えてを繰り返す景色。それに気づいて記憶しようと思う頃にはまた別の景色が瞳に映りだす。歩いている時とは違う、一度見たら戻らない、儚さ故の美しさというのを感じられる、個人的にはかなり好きだ。

 

(いつか師匠と乗りたいな)

 

 窓を開けて外を見るうちにスペルビアは眠った。魔力が常に欠没しているような状態が続くと、彼女はねむる時間が多くなるらしい。なるべく起きるつもりではあるみたいだけど。

 

「、、、あの、冒険者様」

 

「ん、なに?」

 

「えと、、、あの、、、」

 

「落ち着いて、ゆっくりでいいよ」

 

「は、はい、、、」

 

 少女はゆっくりと深呼吸をして整え、私は自己紹介をする。

 

「私はテミス、一応Bランクの冒険者ってことになるのかな。こっちの子はスペルビア、一緒に旅をしてるの」

 

「わ、私はエリナ=グライハムです。こっちはイオン。私の護衛の一人です」

 

 護衛の人はぶっきらぼうに私を兜越しに睨みつけてくる。余程私のことが気に要らないらしい。

 

「ん、、、あぁ、思い出した。私が行こうとしてるところだ」

 

 グライハム領。端の領地の、農産で有名な長閑な田舎街だった気がする。取り敢えずそこで情報を集めようと思ってたんだった。

 

「それで、何が聞きたいの?」

 

「先程の山賊、、、テミス様が倒したのですか?」

 

「まぁ、そうだけど。殺してはないよ、大丈夫」

 

「私の護衛達は、、、」

 

「、、、仕事を全うしたみたいだよ」

 

 なるべくオブラートに包んだ発言を心がけるけど、聡明そうなこの子にはどんな言葉も無駄だろう。

 

「私の、、、私のせいです、、、! 私が軽率に外に行こうとしたから! 私が考えの足りない無能だから!!」

 

「お嬢様! 落ち着いてください!」

 

 眼の前で泣き崩れる少女、十歳もいってないような子なのに、責任をちゃんと理解してる。だからこそ、ここで心が崩れてしまうのは見たくない。

 

「、、、どれだけ悔やんでも結果は変わらないし、どれだけ努力しても、人は死ぬよ」

 

「っ! 貴様!! 言葉をー!」

 

「でも、何に命を賭けるかくらいは自分で選ぶと思う。少なくとも私なら、無能な少女に命は賭けない」

 

「「!」」

 

 彼女から漂ううっすらとした紙と皮、そしてインクの香り。どれだけあの小さな身体に知識を詰め込んだのかなんてのは、想像に難くない。まぁ、匂い云々は黙るしかないから言わないけど。

 

「ぅ、、、ぅう、、、」

 

「泣くのを我慢する理由なんて無いよ。いっぱい泣きな? それで頭がスッキリしたら、また考え直せばいい。挫折してその場に留まることを、貴方の従者達はきっと望んでないよ」

 

「ぅ、、、ぅぁぁっ!」

 

 馬車の中で下手な泣き声が響く。イオンさんのゴツゴツとした鎧に顔を埋めて彼女は泣きじゃくり続けていた。彼女はきっと多くのことを我慢していたのだろう。オドレアで調べた情報を再び脳内で整理してみる。どうやら、彼女の領地の財政が大分傾いているように思える。

 

(私って意外とお節介焼きなのか、それとも、そういう運が強いのか、、、まぁいいか。これも勉強だと思おう)

 

 ──ー

 

 ガタゴト、、、

 

「暗くなってきたね、、、執事さん、開けた場所はある?」

 

 暗闇の森は危険で満ちている。徒歩で五日、普通の馬車なら二日半、しかし馬は一頭なので三日はかかる。明日は魔法で補助したほうがいいかもしれない。

 

「はい、もう少し進むとございます」

 

「そう。見張りは私とスペルビアでするから、イオンさんと執事さんは安心してゆっくり休んで」

 

「助かります。それと、、、ありがとうございます。依頼とは別の部分でも助けられてしまいましたね」

 

「本当にね。私は相談屋じゃないんだよ?」

 

「ハハハ。っと、着きました。お嬢様とイオンはどうでしょうか?」

 

「エリナは寝てるよ。イオンさんは起きてる」

 

「当然だ! 私はー!」

 

「大声出すと起きるよ」

 

「ぐぅ、、、!」

 

 ディアナ以外の騎士は初めて見たけど、忠誠心が強いと好戦的になるの? 

 

 馬車を止め、簡素な食事を済ませる。エリナは泣き疲れたのか目を覚まさないため、早めに食事を終わらせてなるべく休んでもらおう。

 

「それじゃ、おやすみなさい」

 

「えぇ、助かります」

 

 中位風魔法 防音(サイレント)

 

 念の為、防音の魔法もかけておこう。安眠は大事だし、少し騒がしくなりそうだからね。

 

 ザワ、、、ザワザワッ、、、

 

 むせ返るような汚い臭い。統率が微妙に取れたような感じの動き、ついでに二種類の気配。

 

『ブフゥー!』

 

『グルル、、、』

 

『ゲゲゲッ!』

 

 どうやらコボルトとゴブリンがオークの支配下に置かれてるようだ。

 

「不幸中の幸い、、、だっけ? 数は多くない。せいぜい三、四十程度か」

 

 防音魔法はかけてるし、わざわざスペルビアを起こすほどでもない。私一人で充分なんだけど。

 

「おい冒険者。すごい数だぞ」

 

「この位なら大丈夫。寝てていいよ」

 

「私はお嬢様付きの護衛だ。言っておくが、どこの馬の骨とも分からん貴様を私は信用していない」

 

 護衛としてはいい心掛けだけど、こんな所でそんなこと言われてもって感じがする。

 

「、、、依頼主に寄り添うのも私達の仕事か」

 

 チャキッ

 

「助けはいる?」

 

「不要!!」

 

 ダッ!! 

 

 特に統率が取れてないとはいえ、大量のモンスターの渦に一瞬の躊躇いもなく飛び込んでいった。

 

 無謀にも見えるけど、剣の腕前は流石に護衛というだけある。

 

 ザシュッザシュッ!! 

 

「私も働かなきゃ」

 

 トンッ

 

『ゲッ!?』

 

「こんばんは。あと、さようなら」

 

 スキル 風切り 魔力操作 

 

 無属性 身体強化

 

 残英(ざんえい)

 

 テミスは両手からコノハナサクヤを細く三メートル程度伸ばし、魔力で身体を強化しその場で回転する。

 

 ギュルンッ! ズバババンッ!! 

 

「さて、どんどん行こう」

 

 ズバンッ! バキィ! ドゴッ! ガァンッ! 

 

 テミスは最低限の魔法を使い、どんどん敵を静かに、そして鮮やかに倒していく。

 

 ネオンの剣は荒々しく、しかし剣の鍛錬の成果が垣間見える剣技で敵を薙ぎ倒していく。

 

『ブ、ブモォ!』

 

 防音魔法を使っていて良かった。イオンさんの剣の腕前は凄いけど、いかんせん騒がしすぎる。モンスターも残り少ない、オークは、、、。

 

「あ、逃げるつもりか。イオンさん、耳塞いで」

 

「こうか?」

 

 キインッ

 

 特階空間魔法+低位風魔法

 

 爆音(ボーダーサム)  

 

 ッッバォォンッ!!! 

 

 音を大きくするだけの風魔法を空間魔法で波長を弄って更に大きくする魔法。言ってしまえば大きな音がなるだけだけど、暗闇という中、耳という感覚器官が研がれたこの場では、平衡感覚を失うには充分。一応、私とイオンさんには防音魔法をかけたけど、それでも結構うるさい。馬車には強めにかけておいてよかった。

 

『ン"ァ"ァ"ッ"』

 

 、、、ズバンッ!! 

 

 鼓膜が破れて出血、今のオークは完全な暗闇の中。

 

 それに止めを刺すために彼女は近づいていき、その首を撥ねた。

 

 生体探知

 

「、、、うん。敵影無し、終わりだよ」

 

 ズルゥリ、、、

 

「そうか、、、その、なんだ。ご苦労だったな」

 

 彼女はバツが悪そうに、こちらを振り向くこともなく私に称賛の言葉を贈った。

 

「ご苦労さま。後片付けはやっておくから寝てていいよ。昼から働きっぱなしなんだから」

 

「む、、、すまない、感謝する」

 

 彼女はそう言って馬車へと戻っていき、再びの静寂が夜を支配する。

 

「出来ればもっとキレイに倒してほしかったな」

 

 私が倒したモンスターはともかくとして、イオンさんが倒した後はまるで災害の後のようだ。

 

 ザクッザクッ

 

 討伐報酬が貰える証明部分を剥ぎ取り、残りは燃やすためにまとめる。

 

 血痕や臭いは薬草を使ったり魔法で消す。

 

 起きぬけに惨劇が広がっているのは衛生上良くない。

 

 ──ー

 

 ゴトッ、、、ゴト、、、

 

「えっと、テミス様?」

 

「、、、んー?」

 

「本当に昨日の夜は何もなかったんですか?」

 

 エリナの顔色は昨日よりかなり良くなっている。

 

 でも、反対にほぼ寝てない私の顔色は悪いらしく、彼女に先程からこうして問い詰められている。

 

「何も無かったよ。平和で静かな夜だったって。それより、まだ見えない?」

 

 今朝方馬の身体能力を魔法で強化し、ついでに馬車を軽量化しておいたから速度はかなり速い。計算があってればそろそろ見える頃合いだと思うんだけど

 

「あ、それでしたらそろそろ、、、見えました! あれが父様の治める私の領地、グライハム領です!」

 

 仄かに香る果物や穀物の香り、自然豊かな領地が、馬車の窓から姿を表した。

 

 ここから初めて、私は王都に向かう。

 

 不安半分と期待は充分。次は一体、どんな景色が私を待っているのだろう、楽しみになってきた。

 

 




神器
コノハナサクヤ
天秤の賢者が調合した特殊な合金を特注で武器にしたもの。金属そのものに流動性があり、特定の魔力周波に感応して身体に取り込むことができる。身体のあらゆる部分から白い槍や剣、盾に籠手など千差万別に咲かすことができる。
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