瞳を閉じぬ裁定者   作:レガシィ

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第五話 E級中規模ダンジョン 眠りの森

 コンコンコンッ、ガチャッ

 

 ギルドの紋章が描かれた大きな扉が開く。

 

 高く上ったままの太陽の日が部屋へと差し込み、それを逆光にしてギルド長は私に向かって立っていた。

 

「、、、まずは座れ」

 

(人払いがされてる、、、あぁ、そういうこと)

 

 ガタリ

 

「さて、、、今からいくつか質問をするが、人払いは済ませておいた。嘘をつくとお前のためにならならん。素直が一番だと心得ろ、、、賢者の弟子よ」

 

「!」

 

 キインッ

 

 S級鑑定スキル 神眼(しんがん)

 

(白い光の眼ってことは、鑑定のS級スキル、、、)

 

「ちょっと予想外、、、でも、考えてみれば当たり前かも。ここは龍森から一番近い国だもんね」

 

「さて、何から聞いたものか、、、まず、その名前は本名なんだな?」

 

「ちゃんと本名、、、か、どうかは知りません。師匠がくれた名前だから」

 

 私は捨て子だった。本当の親がつけた名前があるかもしれないけど、そんなものはいらない。今のこの名前が本名だ。

 

「お前の習得

 

 している魔法、スキル、、、どれもが未成年の少女のそれではない。話せ、お前がどこから来て、そこで何をしていたのかを」

 

「、、、一つ。師匠のことは賢者であること以上は詳しく話せません。それだけは譲れない」

 

「構わん。それ以外は聞かせてもらうぞ」

 

 ──ー

 

「つまり、、、お前はその師匠とやらに拾われ、15年もの時を、還らずの龍林で過ごしたと」

 

「そこで師匠に色々教えてもらいましたよ」

 

「なるほど、、、嘘はついていないのは分かった。まぁ、出自が特殊な者がいないわけではない。かなりレアケースではあるがな」

 

「それで、次の質問は?」

 

「ん? あぁそれなんだが、実は俺とあの人は知り合いでな。正直、この尋問も形式的なもので意味はない」

 

「、、、は?」

 

「いやすまない、最初はお前を魔女だと思っててな。S級の隠蔽スキルを使っている可能性もあるし、多少の質問をさせてもらった」

 

 師匠の友達? 人間に友達がいたの? ←失礼

 

 正直、師匠と付き合いがある人がいるのは不思議でしかない。

 

「ほんとうに、、、?」

 

「ふむ、、、その仮面、彼のものだろう? 大方、お守りにとでも言ったんだろう」

 

「師匠と知り合いって本当なんだ、、、」

 

「昔色々あってな」

 

 師匠の言ったことをちゃんと当ててきた。きっと本当のことなんだ。

 

「まぁ、そんなわけだ。試すようですまんかったな」

 

「いや、それは別に良いんですが。師匠の弟子だからって急にランクあげたりするのはやめてくださいね」

 

「ハッハッハッ! 心配するな、お前の実力ならすぐにでも正式にAランクになれるさ」

 

(別にいらないなぁ、、、、)

 

「問答はもう終わりだが、なにか聞きたいことはあるか?」

 

 話が終わりかけた時、次に私は自分のするべきことを質問する。

 

「あ、そうだ。この国に来た主目的。獅子の賢者様に会いたいんですが」

 

「あー、、、あの人は今は南の方に遠征中でな。半月後には戻る予定らしい。丁度いいだろう、その前にここで色々学んでけ」

 

「へぇ、、、あ、あと、リゼルグって人知ってます?」

 

「リゼルグは俺だがどうした?」

 

「え、あぁ、ギルド長だったんですか。ここに来るまでの村に、ボルグという人が"偶には飲みに行こう"と」

 

「そうか、、、面倒くさいな。さて、今度こそ話は終わりだな」

 

「そうですね、では──」

 

「おっと、忘れるところだった。遅れてすまないが、G級冒険者おめでとう。これからの活躍を期待している」

 

 ギルドマスターは退出しようとする私の肩を掴んで引き止め、一言そう言うと、ギルドカードを渡してそういった。

 

「あ、ありがとうございます。頑張ります」

 

 バタンッ

 

 ドアを開けて外へと出ていく。彼女は今からクエストを受けるつもりだろう。

 

「、、、"Aランク"にはなれるだろうな。あらゆる面の敗北を知りたまえ、、、賢者の弟子よ」

 

 リゼルグは一人になったギルド長室で含みのある言葉で笑い、呟いた。

 

 ──ー

 

「お帰り〜」

 

「、、、随分飲んだね」

 

 私が席を外したのは三十分程度だったと思うんだけど、エールを飲んだ後のジョッキが机の上を埋め尽くしていた。

 

「言っとくけど私は飲んでないからね。全部カトレア」

 

「私は毒に強いからね。ぶっちゃけほとんど水」

 

(それ飲む必要あるの?)

 

「代金はちゃんと私達が持つから安心してくれ」

 

「でなきゃ困るよ。お金持ってないんだから、、、あ、そうだ。スライムの魔石売るところって向こうの買い取り所?」

 

「んー、スライムの魔石? そんなの売っても大したお金にならないよ。その程度の魔石ならもっと良い使い道あるから、明日連れてってあげる」

 

 ディアナさんは紅茶を飲みながらそう言う。破天荒な人であることに変わりはないけど、やっぱりそういう知識は持ってるようで、ビギナーの私にはありがたい。

 

「ここから北上すると、すぐ近くに自然発生した森型のダンジョンがあるので、今日はそこの薬草採取にしましょう」

 

「薬草採取ぅ? テミスの実力なら岩巨人(ゴーレム)討伐とかでもいいんじゃないのー?」

 

「まずは冒険者としての基礎を教えるの。戦闘なんて、まだGランクなんだし試験だってあるんだから二の次でしょ」

 

 依頼内容は低級ポーションの材料、バイタル草とキガニ草の納品。目的地は森型のダンジョンだからすぐに見つかるだろう。

 

「よし、じゃあ行こっか」

 

 出発の準備を終え、私達は王国の入り口まで向かう。ギルドカードを提示し、王国を出る。やっぱり、中よりもずっと空気が澄んでいて気持ちがいい。ダンジョンまでの道中、モンスターをいちいち相手にしてたらキリがないから威圧スキルをONにして少し早足で歩き出す。

 

 道中では主に私の話をしながら進んでいった。

 

「片道歩いて30分くらい? 意外と遠いね」

 

「そうですね、騎獣騎士とか猛獣使いとかいれば色々楽になるんですが」

 

「あ、見えてきた。中規模ダンジョン、眠りの森」

 

 E級中規模ダンジョン 眠りの森

 

 無駄話をしているとダンジョンが見えてくる。そしてそれは予想とは大分違った。入り口は整備されていて、業者? のような人が露店を開いて数種のパーティやソロの冒険者が集まっている。

 

「いやー、懐かしい場所だね。新人の頃はここが我が家みたいなもんだったからさ」

 

「、、、周りの人達、凄い皆のこと見てるけど。有名人なの?」

 

「きっとテミスが可愛いから見てるんだよー」

 

 そんなはずはない。明らかに視線は三人に集まっている。特にディアナさんの方へ向けられる視線は、そう、、、敬意と共に畏怖がこもっているようにも思える。まぁ、いきなり斬りかかる人だし、もしかしたら被害者の人達かもしれない。ていうか多分そうだ。

 

「ダンジョン、、、普通の森と何が違うの?」

 

「一番の相違点は魔物が湧くかどうかですね。生物の原則である繁殖を無視してダンジョンには際限なく魔物が沸き出(ポップ)します。もちろん、その過程で繁殖する魔物もいますが」

 

 なるほど、魔物はあくまでも生物の域を出れないのか。沸くというのは多分、魔素が集約して生物の形を成すのだろう。

 

「、、、因みに、還らずの龍林は?」

 

「「「禁足地」」」

 

「、、、禁足地?」

 

「そう。あんな場所、命がいくつあっても足りませんよ」

 

「私は少し行ってみたいけどね」

 

「ギルドが決めた規定にあるランクはGからSで、基本的にパーティーなら一つ上まで挑戦できます。ですが、禁足地だけは話が別です」

 

 ユーリさんは苦い表情で説明を挟んでくれた。

 

「禁足地はギルドが手出しを禁じた場所。ダンジョンに挑む上で命の保証はしないけど、禁足地の扱いは別格。あらゆる制約の上で各国が共同して管理してる。間違っても挑もうなんて考えちゃ駄目だよ」

 

 ディアナさんがそこまで言う場所。私、そこの出身なんだけど、、、。

 

「ま、無駄話もほどほどにそろそろ行こうか」

 

「はい、お願いします」

 

「あ、そうだ。テミス、私達に敬称はいらないよ。面倒だし連携に遅れが出る」

 

「なるほど、、、分かりました」

 

 私達は前衛職のディアナとカトレアを先頭に、ユーリと私は弓兵と魔法使いだから後衛で進む。のが普通らしいけど、今回は薬草採取。ニ種類の薬草で、群生地も離れているらしく、二手に分かれることになった。

 

「じゃ、私はテミスと組むからそっちよろしく」

 

「ダメ。そう言って適当なタイミングで戦うつもりでしょ。アンタは私と来なさい」

 

「えー、前衛が偏るのは駄目でしょ」

 

「師匠から近接戦闘も教えてもらってるから、私はどっちでもいいよ」

 

「おっけ、元々危険の少ない森だし大丈夫。じゃあユーリ、頼んだよ」

 

「二人も気を付けてね」

 

 カトレアはディアナの首根っこを掴んで私達とは反対の方向に歩いていった。

 

 私達は順路を辿りながら、無駄話を挟んで歩く。

 

「じゃあ行こうか。薬草探しは任せて、森に関することなら詳しいから」

 

「流石はエルフ。でも、私も森は詳しいよ、鼻も効くし」

 

「鼻? 匂いってこと?」

 

「私達が探すのはキガニ草。あれは毒素を含む薬草だから、独特の刺激臭がするの」

 

(それは知ってるけど、、、探せるの? この森の中を匂いで?)

 

 ザァッ

 

 やっぱり森は良い。自然を一番近くに感じられる。

 

 私が元いた場所は龍やモンスターが闊歩してたから気を使って歩く必要があったけど、ここまで穏やかだと散歩感覚になってしまう。エルフだからか、ユーリも穏やかな表情になっている。

 

「あ、見つけた」

 

 前方にキガニ草の群生地を見つけ、二人で駆け寄る。

 

「この時期は黄色い花が近くに咲くから、分かりやすくていいわね」

 

「そうだね、これだけあればクエストの分は達成できそう、、、」

 

 ピクッ

 

「なるほど、だから眠りの森ですか」

 

 E級鳥獣型モンスター ヒプノチョウ

 

 非常に大人しい中型モンスターではあるが、尾の先と羽の付け根には睡眠毒があり、受ければ強烈な眠気に襲われる。

 

「この森の主という程ではありませんが、この子以上に強いモンスターは出てはきません。E級の中でも特に危険な部類ではありませんし、刺激しなければ大人しいので通常は無視ですね」

 

 のそのそと気だるそうに歩く姿はそれだけで眠くなりそう。ヒプノチョウの主食はキガニ草、そこから毒素を抽出して睡眠毒を作り出しているらしい。

 

(龍林ではすぐに捕食されるだろうから住めないんだろうな)

 

「目的は同じようですが、彼の縄張りというわけでも無さそうですし、有り難く頂戴しましょう」

 

 プチチップチ

 

 納品数は三十束程度、ものの数分で集まり入り口へと戻ろうとする。

 

「ディアナ達も熟練の冒険者だから、大丈夫だとは思うんだけど」

 

 不安だ。なんとも言えない、実力的には全然大丈夫なんだろうけど、なんか不安だ。

 

 、、、、ド、、ドドドドド

 

「「?」」

 

 こっちに向かって走る音がする。追いかけられているのは三人、、、。

 

「あれ、さっきのヒプノチョウだ」

 

「はぁ、、、時々いるのよ、闇雲に喧嘩をうってモンスターから反感を買う冒険者って」

 

 なるほど、E級だからと高を括って挑んだら実力に合わずに敗走してるのか。見るからに若い冒険者達が鬼の形相で走ってる。

 

「放置でいいんじゃないの?」

 

「私一応上のランクだし、そういうわけにもいかないのよね。テミスって拘束系か強襲系の魔法使える?」

 

「討伐するの?」

 

「いえ、冒険者には獲物を横取りしてはいけないという暗黙の了解があるの。だから、彼等が助けを求めるか、狩猟を放棄するまで待ちましょう」

 

「おい呑気に話してんなよ! お前等危ねぇって! 逃げろ!!」

 

『グァァ!! ァァ!』

 

「ひぃ! ごめんなさいごめんなさい!!」

 

「誰でもいいから助けてー!!」

 

 自業自得とはいえ、少しかわいそうな気もする。

 

 助けての声が聞こえたから、もうやっていいのかな、、、ユーリの目配せからして問題なさそうだ。

 

 火は森ではダメで水も効果が薄そうだし、土かな。

 

「中位土魔法、土拘束(アースバインド)

 

 ボココッガシッ

 

 土は触手の形になり、ヒプノチョウの足に絡みつく。そんなに強い魔法じゃないから、すぐに解けるだろう。難癖つけられてもアレだし、一応確認しておこう。

 

「あれ、貰ってもいいんだよね?」

 

 ブンブンブンッ

 

 縦に顔を何回も振るから、言葉がなくても肯定の意思と汲み取っておこう。

 

「初の戦闘が森の主的モンスターとは」

 

 ガゴンッ

 

「大丈夫よ。サポートはしてあげ、る!」

 

 バヒュンッ! ドスッ

 

『ガァァ!!』

 

(おぉ凄い、流石はエルフ。一射で両目と鼻と眉間に命中させた)

 

 視覚を失ったヒプノチョウは暴れまわり、毒のついた羽根を鋭くこっちに飛ばしてきた。

 

(おっと)

 

 パシッ

 

「へぇ、、、これが毒付きの羽根か」

 

 何かの薬に使えるかもしれないし、飛ばしてきた羽根は回収しておこう。

 

 ドシュシュッ

 

「足を潰したわ、今よテミス!」

 

 あっ、しまった。ユーリからは魔法の構築中に見えたのか。威力そこそこに周りに迷惑がかからないレベルで即撃てる魔法、、、。

 

「高位土魔法、大地の槍(ガイアランス)

 

 ドズンッ! 

 

『ガァッ、、、』

 

 ビグッビクンッ

 

 狙い通り、腹と首と鳩尾の辺りを貫いた。即死だろうし、必要以上に苦しむこともないだろう。

 

 尖った槍を三つほど対象の真下の地面から生やす魔法。高位土魔法の中では予備動作も少ない便利な魔法だけど、消費魔力や殺傷力はその場の地面の質に左右されるから状況によっては使いにくい。

 

 パチパチパチ

 

「お見事〜」

 

 ユーリは軽い表情で拍手して弓をしまう。

 

 さっきまで怯えてた冒険者の人達は口を開けて唖然としている。

 

「解体する?」

 

「ううん。ダンジョン産のモンスターは討伐が確認されると勝手に消えるの。丁度あんな風に」

 

 指を指したほうのヒプノチョウは光の粒子のようになって消えていき、その場には魔石と爪が残された。

 

 ヒョイッ

 

「なるほど、、、生態系が壊れることもほぼなく、冒険者にも利益がでる。上手く出来てる」

 

「お、おいアンタ達、、、」

 

「ん、どうしたの?」

 

「すまねぇ、、、なしつけちまって」

 

 なしつけ? なんのことだろうか。そう疑問符を浮かべているとユーリは横から説明してくれた。

 

「なしつけっていうのはね、他の冒険者にモンスターが襲うように仕向けるという行動のことをいうの」

 

「へぇ。でも今回は助けてって言ってたし大丈夫じゃない?」

 

「そういうことよ、気にしなくていいわ。そろそろディアナとカトレアも集め終わってるだろうし、戻りましょう」

 

 ユーリは私の肩を掴んで足速にその場を脱した。

 

「、、、ねぇ、あの人って」

 

「やっぱり、あれだよね」

 

「もしかして、"天冥"のユーリ=シルケンダ、、、?」

 

 ──ー

 

 私達は眠り森の入り口に無事に辿りつき、少し時間を潰しているとディアナ達とも無事に合流する。

 

「やっほー、特になんも無かったよ。報告終わり」

 

「適当な報告だけど、ホントにそうなんだよね。そっちはなんかあった?」

 

「ヒプノチョウをテミスと狩りましたよ。それだけです」

 

「戦闘なんて二の次ってカトレアが怒ったのに」

 

「他のパーティが困ってたから助けたのよ、積極的にやったわけじゃないわ」

 

 済ました顔でディアナの睨み顔をあしらうユーリ。温厚そうだけど、もしかしたら怒ると一番怖いタイプかも。

 

 私達はその後、同じ道を辿ってオドレア王国のギルドへと戻った。

 

 さっき会った受付のお姉さんに、薬草の束と依頼用紙を渡してクリアの判子を貰った。

 

「はい、テミスさん! 初のクエストクリア、おめでとうございます! こちらは成功報酬です!」

 

「、、、どうも」

 

 褒められた、、、師匠とは違うような喜びをいっぱいに表すような元気な褒め方。

 

 正直に言うと、とても嬉しい。背を向けて三人の元へ戻りながらそんなことを思った。

 

「はい、戻ったよ、、、なに?」

 

 戻ると三人はニコニコと笑って私を見ていた。

 

「ふふ。いえ、初めて子供らしい表情を見れたと思いまして」

 

「はい、女の必需品」

 

 パカッ

 

 カトレアは私に手鏡を向けてくる。私の顔は、、、気持ち悪いくらい綻んでる。

 

 カチャッ

 

「、、、見ないで」

 

 師匠の仮面をこんなことに使うのもどうかと思ったけど、、、いや、やっぱり見られたくない。

 

「え、なにその仮面」

 

「恥ずかしがらなくていいのになー、可愛いよ?」

 

「、、、もういいでしょ、今日は解散」

 

「宿は決まってる? 私達のところに来る?」

 

「いや、今日はギルドに併設されてる宿泊施設を使おうかと思ってるけど」

 

「「「絶対ダメ」」」

 

 三人の言葉が重なった。今日の昼間にも似たようなのを聞いた気がする。やっぱり仲が良いんだと改めて思う。

 

「なんで?」

 

「だって、男女同じの大部屋だよ?」

 

「? なにか問題があるの?」

 

「そういえば師匠さんとの二人暮らしだったんだっけ、、、」

 

「とにかく絶対ダメ!」

 

「だって皆の宿高そうだし、金銭感覚が狂うのはちょっと、、、」

 

「いやいや、まだ日は傾き始めたばかりなんだから、宿なんていくらでも見つかるよ」

 

 三人はどうしても私をギルドの宿に泊めたくないらしい。経験豊富な三人がここまで言うんだから、きっと不都合があるんだろう。結局、私は気圧される形で、近くの宿を探して泊まることにした。

 

 ガチャッ

 

(ヤドリギ亭より施設は良い宿だ、、、)

 

 値段もそこまで変わらず、店主の愛想も良かった。

 

 カチャリ

 

 私は師匠の仮面をなんとなくもう一度着けてみる。

 

(、、、エグいスキルばっかり)

 

 三帝龍の鱗をそれぞれ使ってるから当たり前だ。でも、これはあくまでもお守り。戦闘や売却に使うつもりはない。今は唯一の師匠を思える確かな物だから。

 

 真っ暗で穴も空いていないから全く見えない、でも考え事をするのにはとても安心するし、丁度いい。

 

「、、、、、、師匠。私は貴方のそばにいなくても、なんとか生きていけそうです」

 

 仮面を師匠代わりに見立て、私は一人で呟いた。




現在公開可能情報
キャラNO4 
トア 
黒く長い前髪が特徴の偵察(シーク)
主に索敵や戦闘中の短弓によるサポートを担っている。四人のパーティの中では一番年上で、パーティ外ではリーダーシップを発揮する。
動きやすい軽鎧と短弓、麻痺毒などを常備している。
スキル
D級短弓術、E級肉体強化、E級感覚強化
F級薬剤調合学
魔法 
低位探知魔法
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