瞳を閉じぬ裁定者   作:レガシィ

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第六話 Sランク冒険者 

 今日もクエストをこなそう。ギルドの規約によればG、Fランクは一ヶ月に一度の試験でランクアップが可能で、その試験までにクエストを二桁クリアしている必要があるらしい。次の試験は二日後だから、一日大体五つクリアすれば安全圏かつ最短だ。

 

 この近くに図書館もあるらしいから行ってみたい。

 

(よし、やることは決まった。午前中はクエストをクリアして午後は図書館に行こう)

 

 私は足速に朝食と準備を済ませ、住民が活動を開始する時間あたりにギルドへ向かった。

 

 ギイッガタン

 

 スイングドアを開けて中に入ると、相変わらず奇異の目線を受ける。それを見てみぬ振りをして、私は依頼を受けるためにカウンターへと向かった。

 

「おはようございます! 依頼はどれになさいますか?」

 

「同じ場所の依頼を適当に。種類は問わないので」

 

「では、採集クエスト四つと小型モンスター、カウブルの肉の納品などどうでしょう。いずれも眠りの森で集まる物です」

 

「じゃあそれで」

 

「はい、依頼受諾を確認しました。お気を付けて!」

 

(ディアナ達を探さなきゃ)

 

 私は予め聞いておいたレオーロって宿に向かったけど、、、これ、本当に合ってるのかな。

 

 目の前の宿は私が泊まっている宿よりも、なんというか、屋敷? に近い印象を受ける。

 

(どうしよう、、、入っていいのかな)

 

 カチャッチリンッ

 

 こ気味のいい鈴の音で扉は軽く開く。受付の為だけのスペースがもう広い。アンティークばかり。そうやって視線を右へ左へ移していたら、黒い燕尾服の人が慣れた仕草でこちらへ来た。

 

「いらっしゃいませ。本日は当宿にいかがな御用でございましょう。ご宿泊ならばあちらの受付へ」

 

「いや、客じゃなくて、ディアナ、、、天冥ってパーティーがここにいるって聞いたんだけど」

 

「申し訳ございませんが、宿泊してるしてないに限らず、個人情報の秘匿は義務ですので」

 

「一応そのパーティを今は雇ってるんだけど、それでもだめ?」

 

「、、、なにか証明できるものはございますか?」

 

 証明できるものは何もない。そもそも口約束だから、これを律儀に守る義務ははっきり言って皆には無い。

 

「、、、今は持ち合わせてないから、また今度にします。時間を取らせて申し訳ありません」

 

「いえいえ、とんでもございません。ぜひ今度は、当宿へ宿泊にいらしてください。スタッフ一同、心よりお待ちしております」

 

 一礼して私はその場を立ち去った。

 

 眠りの森はEランクダンジョンに指定されているけど、パーティーを組めばGランクでも挑戦できるギルド指定のダンジョン。でも、パーティーがいないんじゃ流石にどうしようもない。

 

「、、、どうしようか」

 

 予定を変えるのは癪だし、連絡を取る方法もないわけではないけどできれば使いたくないし。

 

「ようテミス。何やってんだ?」

 

「あ、ロック。と、メル」

 

「おはようございます、テミス」

 

 考え事をしていたら私服の二人が声をかけてきた。

 

 格好を見るにどうやら今日の活動は休みらしい。

 

「道端で考え事か?」

 

「うん、パーティーが無いから眠りの森にどうやって行こうかと思って」

 

「へぇ、なら俺達が一緒に行ってやろうか? なぁ、メル?」

 

「そうですね、今日は特に予定も無いですし。最近は物騒ですから」

 

 そういえば、ロック達はD級の冒険者だった。

 

 二人でもパーティーと認められるらしいし、丁度いい。ここは厚意に甘えておこう。

 

「じゃあ、お願いしてもいいかな」

 

「おう、任せとけ。つっても、ルール守る為に同行するだけだし、お前の実力に問題はないだろうけどな」

 

 私は即席のパーティーを作ってロック達と一緒に眠りの森へと向かってクエストを終わらせることにした。

 

「やっぱ朝早いと人居ないな」

 

 ロックの呟き通り、人が極端に少ない。冒険者にとって朝は眠る時間なのだろうか。

 

「そんで、クエスト五つか。多いな」

 

「そうですね、お金に困ることでも?」

 

「いや、F級に上がる為の試験に必要だからさ」

 

「あぁ、規定クエストクリア数か。次の試験っていつなんだ?」

 

「明後日」

 

「早いな。でもまぁ、そんなに難しくないしお前なら楽勝だろ」

 

 無駄話をしながらも二人の手は止まらずに薬草を採取し続けている。よっぽど薬草を採取したのだろう、手元を見ずとも手の感覚で殆ど分かるようだ。

 

 ものの数分で薬草を集め終え、それを束にして魔法鞄(マジックバッグ)にしまっておく。

 

「次はカウブルの納品ですか」

 

「すばしっこいんだよなアイツ」

 

「確か小さいんだよね、小型だから私の半分くらい?」

 

「そんなもんだ、時々バカでかいやついるけどな」

 

 草木を分けながら歩き、休憩がてらに取り敢えず見つかるまで無駄話をする。

 

「、、、ずっと気になってたんだけどよ、お前昨日のアレからどうなったんだよ」

 

「一緒にクエストやっただけ。今日の朝は門前払いもらったけど」

 

「、、、因みに、ディアナ様はどんな人でした?」

 

「?、、、破天荒で能天気で、騎士みたいな強い人」

 

 正直、闘技場で見た以上の情報はないと思う。

 

 でも絶対にあの人は強い。近くにいるだけで肌が逆立つくらいの気配がするし、それを隠そうともしないから。

 

「あの人さ、二つ名が"天駆(あまがけ)"っていうんだ」

 

「?へぇ」

 

「「やっぱり」」

 

「??」

 

「いいか? よく聞いとけ。お前と昨日から一緒にいる人、は時期剣聖筆頭候補で、この世に七人しかいないSランク冒険者の、"天駆"ディアナ=ガブリエラだぞ」

 

 さすがに情報過多過ぎて、逆に思考が凍る。強いのは分かってたけど、剣聖候補でまさかSランクとは、、、。

 

「あれ、その人を無償で雇ってる私って、、、ひょっとしてヤバい人?」

 

「そのくらいの自覚があって安心したわ」

 

「あくまで噂ですが、SランクはAランク百人分の力らしいですよ」

 

「まぁ、流石にそれは眉唾だろうけどさ。とにかく、もうそんな凄い人が近くにいるんだから利用できるだけ利用しちまえよ」

 

 確かにロックの言うとおりだ。別にあの人が偉くても強くても私には大して関係ないし、物知りな友人くらいに考えておこう。

 

「テミス、気配を消しとけ。カウブルの足跡だ」

 

「10分くらい前でしょうか」

 

「だろうな。しかも群れだ、ツイてるな」

 

 私の嗅覚の外にいるから近くにはいないみたいだけど、痕跡を発見する。私の鼻はいるのは分かっても場所はわからないから、場所を特定できるのはありがたい。

 

 ガササッ

 

「いたぞ、丁度納品分三匹だ」

 

 丸いフォルムに二本の角、顔は温厚で少し可愛い。

 

「メル、頼むぜ」

 

「大地の神よ、我が前に遮る壁を、、、土壁(アースウォール)!」

 

 ボココッ! 

 

 低位魔法土壁の詠唱、逃げる方向に壁を作って退路を塞いだのか。

 

「行くぞテミス! 飛び出せ!」

 

「事前に言ってほしかったかな」

 

 バサンッ!! 

 

『ブムォッ!?』

 

 草むらから飛び出し、二人で一斉にカウブルの首を捻る。

 

「よし、クエストクリアだな。コイツラはダンジョン産みたいだし、あとはほっときゃドロップするしな」

 

「二人共ありがと。なにかお礼するよ」

 

「これくらいのこと、別に構いませんよ」

 

「そうだな、暇だったし。お礼って言うんなら次の試験に合格してくれよ」

 

「それだとロック達に利益がなふぃっ?」

 

 ブミッ

 

 突然ほっぺたを掴まれた。なんで? 

 

「小難しい話はやめてくれ、俺バカなんだよ」

 

「、、、変わってるね?」

 

「これから先、自分のほうが変わり者だって嫌でも気付くぜ。さ、帰ろう」

 

 何事もなく森から抜け、国までの帰り道を歩く。

 

 なにか嫌な予感というか、悪寒というか、胸騒ぎがする。

 

「、、、今日って国の方でなにかあったっけ?」

 

「いや、何もないと思うけど、どうした?」

 

「なにか胸騒ぎがするんだよね、何かはわからないけど」

 

「具合が悪いとかでないなら良いんですが、何かあったらすぐに言ってくださいね」

 

「うん、ありがと」

 

 正体不明の不安感を抱いたまま、私は国の門を通って中に入る。そして、クエストクリアの報告のためにギルドに入ろうとしたら、見慣れた三人の冒険者を発見した。

 

「あ、テミス。丁度いいタイミングだねー」

 

「今日はなんのクエストに行く?」

 

「あー、、、クエストはたった今終わったんだけど、、、」

 

 もしかしたら、嫌な予感はこれだったのかも知れない。

 

「えぇ!? なんで!?」

 

「会いに行ったけど門前払いになったから」

 

「あー、、、そうか、あそこってそういう場所だっけ」

 

 こめかみに指を当ててカトレアは後悔を向ける。

 

 ユーリとディアナも同じように、思い出したようにジェスチャーを挟む。

 

「じゃあ、今日の分は終わっちゃったの?」

 

「まぁ、、、うん、、、」

 

「後ろの君達が同行したんですか?」

 

「は、はい! Dランク冒険者のロックです!」

 

「同じくメルーナです。テミスさんとは縁あって、仲良くさせてもらっています」

 

 二人は萎縮したようにディアナ達に挨拶をする。私が思っている以上にランクの上下関係は厳しいのかもしれない。おじさんに謝るべきかな。

 

「そんなにかしこまらなくても大丈夫だよ。ランクや知名度なんて上辺でしかその人を測れない、ただの飾りだよ」

 

(、、、どっちなんだろう?)

 

「まぁクエストをクリアしたなら報告に行っといで、テミスは今から行くところがあるから」

 

(どこかあったっけ?)

 

 とりあえずといった感じに報告を終わらせて、ロックとメルとは分かれた。太陽が完全に上ったくらいの時間帯、午後まではまだまだ時間があるのは嬉しい誤算だ。

 

「よしテミス、昨日言ったお店に行こうか」

 

「?、、、、、、、、、あ、魔石のお店か」

 

「随分長いこと考え込んだね」

 

 苦笑されるのも無理はないくらい、完全に忘れていたため時間を取ってしまった。

 

「じゃあレッツゴー」

 

 そういって、連れて行かれたのはギルドよりも中央に近い広場。全く気にしていなかったけど、ふと見たら立派な王城があり、遮る建物もないためよく見える。

 

「はい、着いたよ」

 

「魔道具店、、、ドレス?」

 

 見た感じは普通の服屋だけど、魔道具? 装備を売ってるのかもしれないけど、こんな私服みたいなのに防御力とからあるのかな。

 

「聞くより見たほうが早いわ。さ、入りましょう」

 

 ガランガランッ

 

 重めの鈴の音と共に扉を開け、店内へと入る。やはり中は服屋というイメージがしっくりくる。でも、普通の店と決定的に違うのは、何故か店内にあらゆる魔力が充満しているってこと。

 

「店長ー、やってるー?」

 

 ダダダダッ

 

「あ〜らぁ! 天冥ちゃん達いらっしゃ~い!!」

 

 ディアナが呼びかけると、奥から慌ただしく出てきたのは、筋骨隆々の身体をピッタリとした服で着こなしているお姉さん? 

 

「、、、? おと──」

 

「ハイストップ。店長はお姉さんだよ」

 

「あら? どうしたのその子? 可愛いわねぇ」

 

 私が疑問を口に出す前に、カトレアが後ろから口を塞いで止める。耳元でその理由を教えてくれるようで、カトレアは顔を近づけてくる。

 

「彼女はそういう人なの。あまり軽はずみに言っちゃ駄目だよ」

 

「へぇ、、、そうなんだ」

 

 正直よくわからないけど、別に人に迷惑をかけるわけでもないし、好きなことをしてるだけなら気にしないでおこう。

 

「アナタ、ここがどういうお店か分かる?」

 

「ぱっと見た感じ、、、魔道具も売る服屋って感じですかね」

 

「その答えじゃあ100点はあげられないわねぇ。私の仕事は魔石を使った強い私服を作ることよん」 

 

「、、、なんで私服を強くする必要が?」

 

「いい質問ね、その答えは冒険者よ!」

 

「私達?」

 

 先程から疑問符を浮かべてばかりで失礼じゃないかと心配になるが、杞憂なようで笑顔で踊るように店長は話していく。

 

「貴方達はいつ何時でも戦うように心の準備はしているわ。でも、お洒落を楽しみたい時間や恋人との一時を過ごしたい時間が必ずやってくる。そんな時に犯罪者が現れたら? モンスターの襲撃が起こったら?」

 

「大変、、、ですね?」

 

「そう!! だから私の作る服のコンセプトは戦う淑女!! お洒落を楽しみつつ緊急事態にも優雅に対応する! 女だからなんて古い価値観はナンセンスなのよ! だから私はこの店をオープンしたのよー!!」

 

 パチパチパチ

 

 とても暑く、そして熱い気持ちが痛いくらいに伝わってきた。言ってることもやってることも凄くて思わず拍手してしまった。

 

「はぁ、はぁ、、、。はい、ウチのことを分かってもらえた上で、何にしましょ? ドレスは勿論、スカートやズボン、シャツやコートなんかもあるわよん」

 

「遠慮します。私今お金無いですし」

 

「あら? じゃあ天冥ちゃん達?」

 

「いえ、今日はテミスのオーダーメイドをしてもらおうかと」

 

「あらぁ。申し訳ないけどオーダーメイドなら二週間先まで予約いっぱいよ?」

 

「構いませんよ。むしろもっとかかると思ってたから早いくらいです」

 

 私のことを話してるはずなのに、私抜きで話が進んでる。二週間、、、確かにそれくらいなら獅子の賢者にも会えるかもしれないけど。

 

「テミスちゃん? は、それでいいのかしら?」

 

「お金は気にしなくていいよー」

 

「じゃあ、、、折角だからお願いします。でも、スライムの魔石くらいしか無くて、これから何が作れるんですか?」

 

「スライムならアクセサリーくらいかしらねぇ」

 

「アクセサリー、、、皆は何か作ってもらったの?」

 

 参考程度に三人にも聞いてみよう。

 

「私は指輪、それなりの魔石だから力upのスキルがついててね。斧使いの私には助かるよ」

 

「私は弓につける小型のストラップですね。暗視のスキルがついてて便利ですよ」

 

「私はなんにも。壊しちゃいそうだから勿体なくてね」

 

(、、、それはもはや鍛冶屋では?)

 

 私の疑問もそのままに、店長は私の答えを待っている。

 

(お洒落、、、考えたこともない、、、)

 

「、、、うふふ、無理をして考えることは無いわ。ただ、覚えてほしいのは、自分に磨きをかけたい時、好きな人を魅了する時、自分に自信が欲しい時。お洒落は女を強くする武器ってことよ」

 

「、、、もう少し、考えてみます。絶対に買いますから、もうちょっとだけ待っててください」

 

「いつでも歓迎するわよ♡」

 

 今は言われた意味をもっと深く考えてみたい。私は師匠が思わず見惚れる女になると宣言したのだ、そのために、この決断はきっと重要になってくるはず。

 

「忙しいだろうに悪いね、冷やかしになっちゃって」

 

「客商売だもの、気にしてないわ。今度は買いに来てちょうだいねー」

 

 にこやかに手を振る店長に、私はお辞儀をしてお店を出ていく。三人も揃って私の後に出てくる。

 

「じゃあ、今日はクエストもないし解散かなー」

 

「そうですね、専任ですから私達も何もできませんし」

 

「別に私が許可したらいいんじゃないの?」

 

「一応罰だしね。ちゃんと規定は守るよ」

 

「じゃあ最初から破んな」

 

「ごめんなさい」

 

 たった二日しか経ってないのに、この三人の関係性がよく分かった気がする。

 

「じゃあ、私は図書館に行くから」

 

「「ばいばーい」」

 

「また明日ね」

 

 "また明日"まだ数える程度しかあったことのない知り合いでも、言われたら胸が弾むように嬉しい気持ちになる。図書館にも、そんな経験があることを期待しよう。

 

 ──ー

 

 夜、少しばかり長居しすぎたようで、周りはもう暗かった。宿に戻ったらご飯が残っているか不安なくらい。人通りは全く無く、昼間の喧騒は嘘のように静かだ。

 

 コッコッコッ

 

「足音だけが響くって、不自然だと思わない?」

 

 ギュアッ! ガキンッ

 

「death.or.die」

 

「悪いけど、どっちも遠慮しようかな」

 

 黒いローブの男が斬りかかってきた。DかE辺りの隠蔽魔法だろう。気配は隠れてないし音も聞こえる。

 

 夜中の奇襲には無価値の魔法。それか、単に対象に恐怖を与えたいからとかかも。

 

 市街地だし、下手に騒音は出したくないから魔法は避けたい。

 

 ヒュッボギンッ!! 

 

 雑なナイフの振り、カウンターで刃先を折るくらいわけはない。

 

「どうする? 私一応冒険者なんだけど、あなたを捕まえたら報奨金とか出るのかな?」

 

 別にコイツを捕まえる義務は無い。勝てないとわかった上で向かってくるなら、倒すしかないけど。

 

「、、、強いな、Gランクのクセに」

 

「あなたが弱いんだと思うよ?」

 

「チッ、癪に障る野郎だ」

 

「私女だし」

 

 どうでもいいけど喋れたんだこの人。実力的にはおじさんよりも多分弱いけど、隠蔽魔法を使って人に危害を加えるんなら放っておくのも悪い気がする。

 

 キインッ

 

「あぁ、逃げる気あるんだ」

 

「そうだな、ここは大人しィっ!?」

 

 特階闇魔法 黒い触手(ブラックテンタクルズ)

 

 逃げようとするところを闇の拘束魔法、闇拘束(ダークバインド)の上位魔法で止める。

 

 この魔法は拘束だけでなく、私の意のままに動かせる。

 

 逃げようとする彼を私は引きずって目の前に縛り広げる。

 

 ズリズリッ

 

「逃げられないね?」

 

「、、、てめぇ何者だ!?」

 

「知る必要無いでしょ。それよりギルド開いてるかな、宿に泊めるわけにもいかないし」

 

 触手でこちらの方に引きずり、男をどうしようかと思案する。でも、それは間違いだった。

 

「ハハハハァ!!何にもてめぇ等にはくれてやらねぇよ!!」

 

 ピインッ

 

「!囲めっ」

 

 シュルルルッボギュンッ!! ギュルルル

 

「まさか自爆するとは、、、」

 

 咄嗟に触手で囲んで威力を殺したから周りに被害はない。でも音や痕跡も残さず消えてしまった。

 

 黒い触手で囲むと、一定量の衝撃は殺せるし音も大して出ない。

 

 中位土魔法 空穴修復(ホールリペア)

 

 ガゴゴッビキビキ

 

「、、、どうしようかな」

 

 歪な音を出しながら道路を修復する。無かったことにしてしまおう。

 

(気になる、、、自己満足の類には見えなかった。個人で動いてるとは思えない、何をする気なんだろう)

 

 いつまでも考えていては始まらない。今は師匠がいないのだから、私が行動しなければ。

 

「取り敢えず、今は試験の方に集中しよう」

 

 この時、テミスは深く考えるつもりはなかった。後に起こる、大災害の始まりの準備だというのに。

 

 

 

 

 

 




キャラNO5
レノン
橙の髪をして中盾を持つ盾役(タンク)
主に前線でロックと共にヘイトを集めるのが役割。
武器を持っていないので盾役専門、パーティーに入ったのは一番最後だが、明るい性格のおかげですぐに馴染むことができた。
スキル
D級肉体強化、D級盾術 威嚇、我慢
魔法 無し
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