世界ノ興廃此ノ一戦ニアリ  ーついでにみんなを曇らせたいー   作:作業員Daoloth

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phase 1 動き出す艦隊旗艦

 

 邪智暴虐蒙昧な愚かな人類は温暖化などによって海面上昇、地上での版図を失っていた。

 そして現れた霧の大艦隊と名乗る者によって海を封鎖され分断される。

 人類は一つの敵に初めての集結を果たしたが、それも霧には無意味。完膚無きに叩きのめされれ、世界は海軍力を失うこととなった。

 人類の伝達の歴史を表す海底ケーブルは切られ、先端技術の星を周回する衛生は撃ち落とされた。

 世界は孤立し、暗い歴史の始まりを告げられた。

 

 人類が霧や同類の戦争に明け暮れる中、隠匿される運命の燃え盛る施設が世界を狂いを表明する。

 そしてパラレルと現実が交わり、運命とも言える名の人間がこの世界に生誕を果たしていたことは本人以外誰も知らない。それ以前に既に(アニメ)は変えてしまっているようである。実際もともと10年の世界のズレがあるが。

 そして今現在、眼の前の海が裂けて、合体した戦艦2隻と囚われた潜水艦1隻を【ミカサ】は見物し、本来の三笠の見せ場を利用する。保存会の会員である私が攻撃しようとしたのを見逃すわけにもいかない。

 

「私の存在だけで生きる屍が、書籍の世界線の人間になるのよ⋯⋯おもしろい」

 

 

 ねぇ、忌々しき我が同類『金鐘規則(アドミラリティ・コード)』の主たるエコンよ

 

 

 

 ○ ○ ○

 

 

 戦艦【ハルナ】【キリシマ】の超重力砲の射線に囚われている潜水艦【イ401】その姿はモーゼの海の開闢に巻き込まれた海幸の姿のよう。

 蒼き鋼は人類の最後の希望の象徴の一つである。しかし、それも今や塵に葬られようとされている。艦長の千早群像は有効な攻撃の一手を興じていたが⋯

 

「キャニスター反応しません‼」

「⋯マズいな。イオナ、そっちも無理か?」

「⋯反応しない。制御権が奪われている。ハルナとキリシマがさっきので警戒している?」

「それはないでしょう。今までの戦闘で三笠を攻撃して潰すと思いますから」

「じゃあ誰がやったんだよ。あーもう本当にマズいぞ」

 

 こちらの武装は有効打を与えられず、身動きも取れない。現在取れる手段は一切なく、諦めの悪い蒼き鋼でさえ諦観してしまう。

三笠にばらまいた活性化したナノマテリアルが流されてしまったのが原因なのか切り札の侵蝕魚雷を搭載した武装コンテナ、キャニスターが反応しなくなった。人類側にはこの艦しか霧の大戦艦に対抗できる船はない。物語の白鯨の名を呈するは遥か北で任務している。今この場で合体戦艦に対抗する手段は一切ないという事実だけがイオナを含むクルーに告げられた。

 

「本当の切り札が使えないとはな⋯すまない皆」

「しゃーない、大戦艦級が合体なんてだーれも予想できないさ」

「艦長⋯いや群像。二人に笑われてしまいますね」

「あぁ、僧。そのとおりだ。⋯イオナ、今までありがとう」

 

 感情に乏しい401も悲しげな声で群像⋯と呟くのみ。全員が死の運命に悟っていた⋯しかし演算に余裕のあるイオナはそのタナトニウム反応を感知できた。

 

「群像、タナトニウム反応」

「なに‼」

 

 先程まで反応していなかった最後の切り札が今になって動き出した。どうしてという疑問よりも目の前のことに集中をし始める。

 

「皆、状況が変わった。まだどうにかなるかもしれないぞ」

「通常弾頭兵器、発射準備したぜ‼」

「操艦は私担います。イオナさんは攻撃の方に」

「了解‼」

 

 キリシマはメンタルモデルゆえの感情で乱れ狂っている。合体した超重力砲の演算処理で簡単に検知できる反応でさえ一歩遅れしまった。

 

「さぁ、終わりだ401‼ハッ!?」

 

 発射された魚雷は完璧なタイミングで起動し、大戦艦の超重力砲を食い止めてみせた。

 

「超重力砲発射シークエンス緊急停止。クラインフィールド展開‼」

「馬鹿なっ‼一体どこから‼ハッ、三笠の影にもう1機‼」

 

 その好機を蒼き鋼は見逃さない。準備していた兵装を一気に開き、攻撃を開始する。

 通常弾頭でも通じる大戦艦は脆く簡単に崩壊していく。メンタルモデルはなんとかその攻撃を往なしているが無意味。

 イオナは概念伝達からキリシマ、ハルナの後悔と死にたくないという声が聞こえてくると同時に大きな爆発が巻き起こり概念伝達の声も聞こえなくなる。

 ただ最後に謎の声が聞こえていたのをしっかりと聞き取っていた。

 

 

 

 ○ ○ ○

 

 

 戦闘の緊張も溶け、皆疲れたようにうなだれる。

 今まで一切反応しなかったキャニスターが作動し、戦艦2隻は運よく倒せた。モニターで確認するとしっかり三笠に隠し置いたコンテナが作動している。

 

「まるで、戦艦三笠が手を貸してくれたみたいに思ってしまいますね」

「もしかしてアレも霧の船なんじゃねぇの?」

「それはない。私たちはあくまで第二次世界大戦の船を元にして造られている」

「何よりも三笠は記念艦で動けないはずですし」

 

 しかし艦長の千早群像と僧はここのクルーを含め、仲が良かった同級生の二人を思い出してしまう。

 全てにおいて完璧で容姿端麗な超人の幼馴染、【天羽琴乃】

 霧に信奉し、人類の可能性を求めている変人、【東郷三笠】

 死んでしまった二人の少女を胸に秘め、人類の希望として再度戦う覚悟をする。

 

 

「⋯群像、二人を沈めた時に謎の声が聞こえた」

「イオナ、なんと言っていた?」

「データがない。声をシュミレートする⋯グッフン、アーアーアー⋯」

「どういうことですか一体」

「おいおい、この声は忘れたくても忘れられないぞ」

 

 彼女のこと知る同級生たちの顔が歪んでいく。それは既に死んでいる人間のはず声。今この場にいるはずがないローレライとも言える声。

 

 

『さぁ、一体どんな航路を魅せてくれる。蒼き鋼』

 

 

 

 

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