~〇月2日~
僕はこの鎮守府の提督だ。そして、ここからから見えるこの景色が大好きだ。夕日が海に沈んでいく様子が最も綺麗に見えるからね。それになんていってもここは鎮守府内で唯一、桜の木が生えている場所だからね、っとそんな事を考えていたら今日も一人の艦娘がやってきた。
彼女の名は北上だ。彼女は僕が初めて建造したときに来てくれた、いわゆる古参メンバーのうちの一人でもあり、僕の唯一の「ケッコン艦」だ。
もともと秘書官ということもあり、一緒に過ごす時間が長かった。そうして過ごしていくうちに僕は彼女に惚れていた。
そんな中、「ケッコンカッコカリ」という制度ができた、そこで僕は勇気を出し、カッコカリの指輪とともに
「君のことが好きだ、北上。僕と結婚してくれませんか?」
そういって本物の指輪を出した。彼女はまるで僕がそうすると知っていたかのように小さく笑い、僕を受け入れてくれた。その瞬間、僕は幸せでどうにかなってしまいそうだった。
そんな僕たちには唯一の約束がある。それは、この時間、この桜の木の下で一緒に海を眺めることだ。そうして彼女は今日もここに来てくれた。
北上「よいしょっと。やっぱり、この季節は寒いねぇ~」
そういって彼女は僕の隣に腰かけた。
よく見ると彼女の耳は赤くなっていて本当に寒そうだった。 でも彼女の身に着けている手袋とマフラーを見て、僕はにやけを抑えられなかった。「自分がプレゼントしたものを身に着けていてくれる」その事実が北上が隣にいてくれて暖かくなった心をさらに暖かくしてくれる。
北上「お疲れ様、提督。提督のおかげで轟沈者ゼロで今回の大規模作戦も乗り切れたよ。ありがとね♪みんなも休暇を楽しんでたよ」
実は僕たちはつい3日ほど前まで深海棲艦たちと激しく戦っていたのだ。それに勝利した褒美として大本営から僕らの鎮守府は休暇をもらっていた。
提督「いや、今回の戦闘で勝てたのは皆のおかげさ、こちらこそありがとう。それと、休暇を楽しんでもらえてるようでよかったよ。」
そう言いつつ僕は休暇と同時にもらった書類の中にあった新型の兵装だという、小さな一枚の紙を懐に入れたままのことを思い出した。
提督「北k…(いや、今はこの時間を過ごそう。いつでも渡せるのだから)‥何でもない、忘れてくれ」
そのまましばらくたった後
北上「そろそろご飯だから、じゃあまたあとでね。」
そういって彼女は去って行ってしまった。
提督「後で渡さなきゃなー、ってかこの紙って何なんだ?まぁ明石あたりに聞いたら何かわかるか。」
そういって僕は暗くなったその場ヲ離れタ。
~○月3日~
提督「んぁ、どこだここ?」
そういってあたりを見回すとそこはいつもの桜の木の下だった。
どうやら僕はここで昼寝でもしていたのかもしれない、
提督「それにしてももう夕方かぁ。北上は、まだだよな?」
そんなことを言ってはみたもののその日は北上が来ることはなかった...
提督「‥(まだ大本営から渡されたコレ、北上に渡せてないんだけどなぁ)‥」
~〇月5日~
北上「はぁ...」
提督「‥(北上が来なかったのは3日だけだ。今日も来てくれた。でもそれ以来ため息ばかりで落ち込んでいる。)」
提督「ナぁ北かm「そろそろ行くね」そうカ。」
昨日からこの調子だ、話しかけようとしたら去っていく。
~○月6日~
何かがおかしい、最近気がついたらこの桜の木の下にいる気がする。でも横にはいつも通り北上がいる。
北上「…アタシ、どうすればいいんだろね...ごめんね提督、こんな弱音はいちゃって、もう行くね」
提督「‥‥‥」
僕は彼女を引き留めることができなかった
~○月7日~
今日は珍しく昼から桜の木の下にいた。
島風「おっそーい、みんなはやく来なよ」
高雄「もう、島風さん 待ってくださいよ。ほかのみんな達もいるんですから」
提督「島風、はやいのは良いことだがみんななことも大切にしろよ?」
島風「‥?‥」
電「島風ちゃんゼェハァ、ちょっと待ってほしいのです。ハァハァ」
北上「いい景色だねぇ~」
どうやら北上も来ているようだ
提督(みんなしてどうしたんだ?ってあれ?おかしい、声が出ない!それに、みんななんでいつもの服じゃなくて...)
その瞬間激しい頭痛に僕は襲われた。
思い出した、僕に何があったのか、どうしてこうなってしまったのかを
そこには彼女たちからすると受け入れがたい真実が、そして僕にとっては守ることができた。喜ばしいその真実ただ一つだけが残っていた。
提督がすべてを思い出したときにはすでに周りには1人しかおらず、北上との約束の時間になっていた。この場に残っていたのは
提督「北上」
その瞬間北上は電気が走ったかのように驚き、こちらを振り向いた。
北上「てい...とく?なんでここに?ていとくはもうっ…」ポロポロ
そこで僕は泣いてしまった北上を抱き寄せ
提督「すまない、北上。そばにいると誓った癖に..君を残して先に逝ってしまって」
そうだ、僕は彼女をおいて先に死んだんだ。
大規模作戦が終わったあの日、大本営から休暇と新型兵装を渡された後の帰り道ではぐれの深海棲艦に襲われ、北上をかばい、喰われて死んだ。
どうやらその後、その深海棲艦は付近にいた艦娘がすぐに処理したようで、北上は無事だったようだ。
提督「でも、君が無事でいてくれて本当に良かった」
そういう僕の瞳からも一筋の涙が零れ落ちた
北上「提督、アタシこれからどうしたらいいんだろね」
そう言って北上は僕にはにかんで見せた。
提督「ごめん、それは僕にはわからない。それは北上、君が決めるべきことだ。」
北上「そんな…」
提督「じゃあさ、1つだけ、死にゆくっていうかもう死んでる僕からのお願いを聞いてほしいんだ。」
北上「いいよ、何でも聞く。だから帰ってきてよ提督、お願い。ははは、アタシってば提督がいないと何もできないダメなヤツだからさ、お願いだよ提督」
提督「僕の知ってる北上はそんなダメなヤツじゃない。っていうか自分のことをダメなヤツって言うな。僕はダメなヤツに惚れた覚えはないよ?」
北上「っ そう、だよね。わかった、せっかく提督が会いに来てくれてるんだからアタシも提督のお願いの1つや2つ聞いてあげないとね~ほら早く言いなよ~イイ女ってのはもたもたしてたら逃げちゃうからさ」
提督「ありがとう、北上。 僕からのお願いはね、北上、絶対に僕の後を追おうとしないこと。それと僕の分まで幸せになってくれ。それが僕から北上にできる最後のお願いだ。」
北上「わかった。アタシは絶対に幸せになって見せるからね。でもアタシは提督の女だからいつでも帰ってこれるよう待ってるからね。それと、アタシが寿命を迎えてそっちに行ったらうんざりするほど話を聞かせてあげるから覚悟しなよ、提督」
提督「ハハッ楽しみにしておくよ。それと北上、今まで本当にありがとう。愛してるよ北上。」
北上「うん、アタシも愛してるよ、提督」
北上「提督っ体が!」
そう言われて体を見ると自分の体が光に粒になって消えていくのがわかった。
最後に北上とこの景色を見れてよかった。ちょうど日が沈み切ろうとしている。
夕が終わろうとしている
提督(いつも夕に目覚めていたのは逢魔が時って事だったのかな)
北上「またね、提督」
~おまけ~
提督(どこだここ、確か僕は北上と別れてそれで…)
あたりを見回してみてもそこにはどこまでも続くかのような平坦な白い空間だった。
提督「うぉ!?びっくりした、妖精…さん?」
そこには艦娘の工廠でよく見かける妖精さんによく似た妖精がいた。
妖精「どうも、提督さん!私は大本営から渡された新型兵装の妖精です」
妖精さんの説明によるとどうやらあの紙は大本営と妖精さんが新たに発明した、装備スロットを消費せずに艦娘に搭載できるようになった応急修理女神のようだ。
提督「それで、妖精さんが僕にいったい何の用ですか?それに僕は人間ですよ?」
妖精「今提督さんがいた世界では1週間が経っています。それでも良ければ…」
提督「ごめんなさい、妖精さん。ちょっと話がよくわからないんですが…」
妖精「そうでしたね、ごめんなさい。」
妖精「まず、先ほど提督さんは自分のことを人間だと言っていましたよね?」
提督「まさか、そうじゃないんですか?」
妖精「その通りです。提督さんは今半分人間ではありません。」
提督「半分ってどういう事なんですか?」
妖精「それはですね、提督さんって食べられて死んだじゃないですか、上半身丸ごと…」
提督「そうですけど、どこまで食べられたとかあんまり聞きたくなかったなぁ」
妖精「それで、提督さんや私が消化されるよりも先にその深海棲艦が倒されたんですよ。」
妖精「それによって流れた深海棲艦の血液と提督さんの血液が混ざっちゃて提督さんは半分深海棲艦になっています。」
提督「マ?」
妖精「マ!です」
妖精「ですので私が治せます」
提督「でもおかしくないですか?」
妖精「何がですか?」
提督「妖精さんって深海棲艦も治せるんですか?」
妖精「いいえ、普通はできません。私が特殊なだけです。」
妖精「それと今の提督さんみたいに半分深海棲艦になるっていうのは、提督さんが深海棲艦や艦娘との親和性が高すぎたから起きたことで、今までこんなことが起きたことは1度もありません。」
提督「そうなんですね。それで僕はこれからどうなるんですか?」
妖精「提督さんが望むのであれば元いた鎮守府までお返しすることが可能ですが…」
提督「ですが?」
妖精「半分深海棲艦になってるだけあって髪の色が白くなったり眼の色が赤くなります。それと、提督さんも海に出て戦えるようになります。」
提督「わかりました。今すぐ治してください!」
妖精「決めるのが早いですね。もしかしたら帰っても艦娘の皆さんに殺されちゃうかもしれませんよ?」
提督「その時はその時です。それに、」
妖精「それに?」
提督「北上がきっと僕だと分かってくれますよ。」
妖精「そうですか。ではいいですか?」
提督「いつでも治しちゃってください!」
妖精「行きますよぉ~」アァースイソノオトォ
~○月14日~
提督とがいない生活にもそろそろ慣れてきた…のかな?
でもやっぱり提督がいないとアタシ寂しいや。
そう思いながらも北上はいつものように桜の木の下へ向かった。
北上「‥(相変わらず桜まで遠いねぇ)‥」
北上「‥(ってあれ?髪の色は違うけどあれって…)‥」
その瞬間北上の足は大地を蹴った
北上「‥(やっぱりだ!)‥」
北上「ー-提督ー-」
提督「ただいま、北上」
北上「おかえり、提督。でもアタシを待たせた罪は重いよ~ってどうしたのさ髪なんか染めちゃってさ、目の色も違うし。」
提督「アーーそれなんだけどね…」
北上「なにさ、もったいぶらないでよ~」
提督「僕さ、どうやら半分深海棲艦になっちゃったみたいなんだ、でもこれで北上と一緒に戦えるようになったよ!」
北上「は?」
~艦~
いや~初めて書いてみましたけど大変っすねこれ。
万超えて書いてる人やばいって(誉め言葉)
というわけでどうでしたか?
気に入っていただけたら幸いです!
それではまた!