前回、相澤先生から最下位は除籍処分だと言われ、周りが戸惑う中、100m走の準備が行われていた。
隣には緑谷出久と初めて会った時の少年…『爆豪勝己』が立っている。
変身を解除した左来人はバイクのハンドルのような見た目のベルト『アクセルドライバー』を装着し、ストップウォッチの見た目をしたメモリを取り出す。
「初変身だが折角だ。全て…振り切るぜ!!」
《TRIAL!!》
テッ…テッ…テッ…テーン
「ア゛ァなんだその姿は?」
「今
「どういうことだ?」
「言ったはずだ、全てを振り切ると。」
「ハッ、どうせ雑魚なことには変わりはねぇよ」
「一応俺は入試を1位で合格したとだけ伝えておこう」
「なんだと?」
『3…2…1…スタート』
機械の音声が鳴り、走り始める。
すると、アクセルトライアル(トライアルメモリで変身したアクセル。以後アクセルT)は文字通り目にも留まらぬ速さで駆ける。
『左来人、1.06秒デス。』
(…エクストリームに適合したとはいえ流石にまだ照井竜には程遠いか。)
『爆豪勝己、8.18秒デス。』
「チッ、クソが!」
緑谷出久side
『緑谷出久、13.50秒デス。』
ハァ…ハァ…アレだけ特訓したのに、結果が追いついてない…。
「大丈夫かい?緑谷出久。」
「左君、…うん、大丈夫だよ。」
「君はスタートダッシュが他より遅いんだ、気張れよ。」
「…!!うん。」
(そうだ。オールマイトの個性を受け継いだとはいえ、まだ使いこなせていない。それよりも、自分の個性を使いこなせてる人達の方が強いのは当たり前じゃないか。)
「ありがとう、左君。」
「どういたしまして。それより、このままだと君は除籍処分されるけど、どうするんだい?」
「…それに関して、聞きたいことがあるんだけどさ」
「どうしたんだい?」
左side
緑谷出久からの相談の後、俺は記録を出し続けた。
握力測定
《Heat・Metal!!》
『熱き記憶』と『闘志の記憶』の相乗効果で測定器を壊す。
「ハァ…∞だ。」
『無限だって!?』
立ち幅跳び
《Cyclone・Joker!!》
サイクロンハーフボディの風とジョーカーハーフボディの身体能力で跳ぶ
「60m」
「ハッ、雑魚が!!」
「君はコレ以外じゃ俺に勝てないぜ。」
「ンだと…!!」
反復横跳び
もう一度、サイクロンハーフボディの風とジョーカーハーフボディの身体能力で物凄い速度で脚を動かす。
「さ…350回」
ボール投げ(左のみ残り1回)
《XTREME!!》
「プリズムビッカー!!」
(ほう、入試で使っていた姿か)
この姿には相澤先生も興味を示しているようだ。が、悠長にしている暇もないため、呼び出したプリズムビッカーにプリズムメモリと4本のメモリをセットする。
《PRISM!!》
《Cyclone!!》《Heat!!》《Luna!!》《Joker!!》
《 《 《 《マキシマムドライブ!!》 》 》 》
『プリズムの記憶』の力を使い、4本のメモリのマキシマムドライブで発生する膨大なエネルギーが放たれる向きを屈折させる。
最初こそ、力がバラバラに放出されるが、すぐに向きを一方向に定め、緑・赤・黄・黒に発光していた光が白く輝きだす。
「ビッカー・ファイナリュージョン!!」
プリズムビッカーから放たれた強大な
「6000メートル…もう驚かんぞ。」
さぁ、緑谷出久の逆転劇の開始だ。
緑谷出久side
(左君に言われた個性の使い方…まだできてない。少しずつできるような感覚は得られてきてるんだけど…)
さっき僕は、左君に個性の使い方を相談した。
回想
『どうしたんだい?』
『僕の個性ってもしかして、全身に纏えたりとかできるのかな?君の個性みたいに』
『そうじゃないかな。増強系の個性なら手腕だけじゃなく脚に使えても不思議じゃないね。』
『なるほど…なら100m走の時は脚に力を使えばいいのか…』
『一概にそうとは言えないんじゃないかな?』
『と言うと?』
『ボール投げ1つを取っても、複数箇所に力を加えなきゃいけないんだ。
例えば、投げる為の腕、踏ん張る為の脚、上半身を捻らせてボールを速く前へ押し出す為の力。』
『なるほど…1つの動作でも複数箇所に力を…』
回想終了
「今までずっと練習してきたけど、楽にはできないか…でも、これまでは個性を使ったら体が壊れてたのに、今は壊れてない。ということは、ちょっとずつ、できるようになってるはず…!!」
(ワン・フォー・オール・フルトランス!!)
全身に力を込めて、投げるまでの動作を大きく、腕を振りかぶって…
(
「800メートル」
「…やったー!!」
ようやく『ヒーローらしい記録』が出たことに喜んでいる僕に、僕の幼なじみ、かっちゃんが突っかかってくる。
「おいゴラクソデク、テメェどういうことだ!!」
「どうもこうも無いよ。これが今の僕だ。」
「そうかよ。んじゃ死ねぇ!!」
かっちゃんの個性の爆発が…防御が間に合わ「ビッカーファイナリュージョン!!」
《Cyclone!!》《Heat!!》《Luna!!》《Metal!!》
《 《 《 《マキシマムドライブ!!》 》 》 》
僕への攻撃を左君が遮断する。
「喧嘩をするなとは言わないが、周りの迷惑が掛からないところでやってくれないかな?」
「邪魔すんじゃねぇよ!!」
「悪いが、ヒーローってのはこういうのを邪魔する仕事でね。真のヒーローになるために、まずはお前の攻撃を止める。」
そうすると、相澤先生のストールがかっちゃんを拘束する。それをかっちゃんは爆破で壊そうとするが、相澤先生の目が赤く光り、かっちゃんは爆破できなくなる。
「ア゛ァなんで個性が使えねぇんだよ。」
「なるほど、相澤先生の個性か」
「よくわかったな、左。そうだ、俺の個性で爆豪の個性を封じさせてもらった。本来なら、俺の個性の範囲内に入ってる左も個性が消されるはずだが…」
「これでも一応消えてはいますよ。証拠に、ビッカーシールドのメモリが消滅しました。けど、エクストリームメモリは僕そのもの。相澤先生の個性で人が殺せないから僕の変身は解除されない。そういうことです。とはいえ、このCJXのCJの能力は消されていますがね」
「…そうか。次いくぞ」
左来人side
持久走
周りを見ると、百ちゃんがバイクを創造していたので、
「先生、バイクは有りなのですか?」
「個性を使って作ったなら問題ない。」
気になって聞いてみると案の定この答えが帰ってきたので
「それじゃあ…」
《AXELL!!》
「
《AXELL!!》
仮面ライダーアクセル《アクセルフォーム》に変身して、ベルトをドライバーから外す。すると、高く跳躍して身体を捻る。
すると、両脚のタイヤを半分にしたような見た目の装備【ホイールシールド】を1つのタイヤにして、背中のタイヤの側面の見た目をした【ランドホイール】を前に持ってくる。
「振り切るぜ!!」
『いやちょっと待て!!』
「…なんだ?」
「個性でバイクを出すならまだしも自分がバイクになるって何!?」
「俺に質問するな。」
「酷い!!」
「落ち着いてください。今はこんな言い争いをしている場合ではありませんよ。来人さんは後でならちゃんと答えてくれますよ。ですよね?」
「あぁ、こんなことに時間を使うのが勿体ないだけだ。」
「それならそうと早く言ってよ…」
「悪いな。」
『3…2…1…スタート!!』
スタートの合図と同時にアクセル…『パワースロットル』を全開まで引き、周りを置き去りにして走り出す。
長座体前屈
《Luna・Joker!!》
ルナハーフボディの能力で腕を伸ばし続ける
「ほいっと」
「…どこまで伸ばせるんだ?」
「わからないです。」
「…記録∞」
「マジかよ…」
全測定が終わり、相澤先生からの結果発表が始まる…。
試験が終わり、僕達は結果を待つことにした。地球の本棚によれば、相澤先生は昨年、1クラス丸ごと除籍処分にしたとか。僕達は相澤先生のお眼鏡にかなうのか。それとも、見込み無しと判断され、除籍処分を下すのか…。結果は如何に。
次回、Mして発表・彼の眼鏡にかなうのは
これで決まりだ。
第6話より、次回予告について
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作品に合わせた次回予告…嫌いじゃないわ!
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次回予告を書いた作者よ地獄を楽しみな