そんな……レース中に叫ぶのはお兄さんの専売特許ではなかったのか…。
そんなわけで投稿です
「――――今だっ! いけっ、ヒシミラクル!」
「君ならできる! 期待の新人! 未来の三冠ウマ娘!」
とある選抜レース。
ワキちゃんことスズカに加えてグラス、テイオー、アヤベ、ゼファー、カフェと大分大所帯の担当になってしまった俺だが、偵察はちゃんとやっておけとおハナさんに言われ―――そして自動的にスズカが付いてきて今に至る。
「―――――お兄さん、これです…!」
「いやどれだよ」
めっちゃキラキラした目でこっちを見てくるスズカ、というかワキちゃん。
言わんとすることはまあ分かるのだが、一応無駄な抵抗を試みてみる。
「お兄さんもあれくらい叫んでください」
「嫌だが」
というかむしろ、あんなに目立っていたのかと思うと死ぬほど恥ずかしい。
「最終直線だ、頑張れッ!」
………いや、うん。
超ズブいヒシミラクルが見事に上がっていっているし間違ってなさそうだけど。
という選抜レース、ここまで9連敗していたヒシミラクルの好走ににわかに観客席のトレーナーたちも色めき立つ。……まあ、あんなに叫んでるトレーナーがいるから担当どうこうの話はないが。
「あの調子で行くと愛を叫ぶことになりそうだなー」
「いやいや流石にサイレンススズカにはならないだろ……」
「まああそこはトレーナーも頭サイレンススズカだからな…」
めっちゃ不本意な声が聞こえてくるし…!?
「お兄さんの頭の中が私でいっぱい……ということですか?」
「多分この場合スズカのことしか考えてないとかそういう揶揄になると思うんだが?」
くっ、先輩じゃなければ反撃することも考えなくもないのに…!
「どうしますか? ちょっと走ってきますか?」
「ちょっと締めますかみたいな感じで言うんじゃない……」
だから頭サイレンススズカって言われるんだぞ。言い出したの俺だけど。
「凄いぞミラクル! これで本契約だなっ!」
「ああー、もう――――」
とはいえ、満更でもなさそうなウマ娘と嬉しそうなトレーナーはそう………尊い。
非常に良いものだ。なんか隣で昇天しかかってるアグネスデジタルがサムズアップしてきたので、同じように返しておく。こいつどこにでも現れるな…。
「……お兄さん。えっと……カッコイイ! 好き! ………えいっ」
なんか褒めようとして何も思いつかなかったのか、抱き着いて誤魔化そうとしてくるスズカ。それを見てデジタルの魂が更に出てきた。死にそう。もうやめて、アグネスデジタルのライフはもう0よ!?
「どうですか、お兄さん。私の好きなところも叫んでくれてもいいですよ…?」
「走りが素敵、とかでいいか?」
「お兄さん、トレーナーさんなのに…?」
「プロ意識煽るのやめてくれる?」
しかし、うーん。
引退しても走るのが趣味なスズカなだけあって全く衰えてないからな。……まあ休養挟んでドリームトロフィーリーグに出るので当然といえば当然なのだが。
「いやでもスズカにあんまり褒められた気がしないしなー」
「………そんな。お兄さんのために色々と本で勉強してるのに……。うまぴょいとか」
「外でとんでもないこと口走らないでくれる!?」
「お兄さんって、うまぽい好きですよね」
「えっ? えっ、何? うまぽいって何……? いや待て言わなくていい。後で家で聞くから!」
とりあえず逃げ安定。
逃げ切り、この手に限る。
なんか妙に綺麗な笑顔を返されたけど。
くっ、ただの天然なのか成長して意味深なムーブができるようになっただけなのか分からない…。
「よし分かった、とりあえず走りに行こうスズカ」
「……お兄さん、私べつに走ることしか考えていないわけじゃないんですけれど…」
「え? 走らないの?」
「走りますけど」
びみょーな顔をしているスズカ。
ええい仕方ない!
「走ってるスズカが世界一好きだなぁ! 惚れなおしちゃうなぁ!」
「――――行ってきます」
これが最大集中ってヤツかな、という見事なスタートで駆けだしたスズカが選抜レースが終わったコースに殴り込み。
「さ、サイレンススズカだー!?」
「サイレンススズカが出たぞー!?」
妖怪かな?
「―――よしっ、行けミラクル! 君に決めたッ!」
「いや無理ですけどっ!? 今わたし走り終わったところですけどっ!? というかそもそもサイレンススズカさん!?」
「――――ミラクルならやっと調子が出てきたところ! ここからが君の真骨頂だ!」
「いやいやいや―――!? ああっ、なんか凄い勢いで来てる!?」
うーん、めっちゃ仲いいな。流石未来のGⅠウマ娘とそのトレーナー。
なんのかんのと言いながら素晴らしい勢いで駆けだしたヒシミラクルを、サイレンススズカが猛追する。
「いける! ミラクル、エンジンかかった君なら誰にだって負けない!」
「そんなこと言っても―――!?」
と、めっちゃスズカがこっちをチラチラ見ている。
というかキラキラした目でガン見してると言ってもいい。ちょっと怖い。
じゃあちょっとダメージ少なそうなやつで…。
「――――スズカァ! 俺たちの絆を見せつけてやれ!」
「………」
めっちゃ不満そうだ!? 速度落ちてるし!
「できるできるどうしてそこで諦めるんだ! 今日からお前は富士山だ! もっとライス食べろ! しじみがぶわーって頑張ってるんだよ!」
「どうした急に」
「なんでシューゾーなんだ……?」
………あれ、これなんか愛を叫ぶより恥ずかしいかも…?
スズカも耳絞ってるし。
………ままよ!
「スズカ―――ッ! 好きだーーー!」
「――――――!」
語彙力は消えたが気持ちは伝わったのか、完全にギアが入ったスズカが一気にヒシミラクルに迫る。そしてそのまま最終直線に。
「ミラクル、君ならやれるーー! もう少しだけふんばれー!」
「スズカー!」
「「(君の走りが)好きだ―――!」」
「えっ」
「――――ッ!」
かつてない好走を見せたヒシミラクルだったが、トレーナーからの突然の愛の告白?に仰天している間にスズカにぶち抜かれてゴール。
まあ実際はスタート位置のハンデがあったからあんまり参考にはならないのだが、GⅠ級の素質は見られた気がする。
「えっ、あの……えっ?」
「くっ、惜しかったなミラクル………でも凄いぞ、やっぱり君はトゥインクルシリーズで……いや、GⅠで活躍できる!」
「おにーさーん!」
「はいはいよしよし」
「いや、その、トレーナーさん? え? その………え?」
「? まだまだ伸びしろが沢山あるからすぐにはGⅠは出ないけど、君なら絶対やれる!」
「お兄さん、もっとぎゅってして下さい」
「……はいはい」
「あの、トレーナーさん……なんて?」
「いや、だからGⅠ……」
「お兄さん…?」
「いやスズカ、公衆の面前では駄目」
そんな感じで、ヒシミラクルのトレーナーと同類認定されたのは誠に遺憾であった。
やっぱりレース中に妙な事叫ぶの良くないかなと思わないでもなかったんですが、ヒシミラクルのトレーナーがついに公式化してくれましたね!
これまでは叫んでも「スぺちゃーん!」くらいでしたし。
やはり愛じゃよ。
あとなんかリーグオブヒーローズもうちょいで始まるんですね。まだスズカさんしか完成してないんですけど。
一応、アヤベさんの個別ルートはちょっと書いたんですがまだお出しできそうにないですね…
次の中で気になるキャラは
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トウカイテイオー
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グラスワンダー
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ヤマニンゼファー
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マンハッタンカフェ
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アドマイヤベガ
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アストンマーチャン
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カレンチャン
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メジロマックイーン
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セイウンスカイ
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ファインモーション
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ライスシャワー
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ナリタタイシン
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キタサンブラック
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サトノダイヤモンド
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上記以外
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サイレンススズカ(本物)
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サイレンススズカ(ワキちゃん)
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桐生院トレーナー
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樫本トレーナー
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ライトハロー