そうじゃない人は……生温かい目で見て下さい。
チェーン処理はパッションです。
追記
※お願いという名のお手上げ宣言※
あまりにもガバが極まりすぎていて明らかに処理がおかしい所を直しまくった結果、もう手札枚数の整合性が取れてないです、多分。
ですんでもうほんと、デュエル内容については勘弁してください……
水底へ降り立った俺達が見たのは、鞭によって拘束されたキトカロスとさっきまでこちらに攻撃を仕掛けて来た下手人の姿だった。
そいつはティアラメンツのみんなと似た意匠の鎧を着こみ、長髪が特徴の男。奴がレイノハートだろう。
レイノハートは薄笑いを浮かべながら、
「おやおや。逃げ出したと思っていていたが、わざわざ戻って来るとは……中々感心な奴隷達ではないか」
「……奴隷?」
奴の言っている事がすぐには理解できなかった。
だが、奴が話し始めてからシェイレーン、メイルゥ、ハゥフニスの三人は明らかに表情が固くなり、緊張している事が分かる。そして、その奴隷というのが一体誰の事を示していたのかも。
「くっ……皆! 今すぐ逃げなさい! でなければ……」
「お前は黙っていろ、キトカロス」
「あ……うぅ……」
「ああ! キトカロス様が……」
キトカロスを拘束してた鞭によって彼女はレイノハートの方へと引き寄せられる。奴がキトカロスの身体に手をかざすとまるで身体が溶けるかのように崩れ去り、レイノハートの左手へと吸収されていく。
「こいつ……」
「しかし、この世壊によそ者を招き入れたのは褒められた事では無いな」
勝手に話を進めて行くレイノハートは今度は俺の方に目をやると、今までの薄笑いの表情から一転、こちらを威圧してくるような傲慢な表情へとなる。
「人間、その
「ふざけるな……」
好き勝手言い放つレイノハート。挙句の果てに三人娘を置いて行けと言う。
彼女達が普段からどんな扱いを受けていたのか、そう言った詳しい話は敢えて聞くことはしなかった。そんな事をしても、嫌な思いを再びさせるだけだと思っていたからだ。そして、その予想はどうやら正しかったようだ。
国が変われば常識も変わる。世界が違えばそれはもっとだろう。
もしかしたらこの世界では三人娘には耐えられない何かが常識で、彼女達は少しだけ我慢出来なかっただけという可能性もほんの少し考えていた。
それだったら、お互い腹を割って話し合えば状況を打開出来たかもしれない。
だが、三人娘は尋常じゃない程怯えていた。それは俺が人間だから分からない認識のずれとかそんな物ではなく、確実に許されざる行いによる事が原因だ。
あくまで穏便にレイノハートを抑えようとしていたキトカロスすらも手を掛けられた。彼女と言葉を交わしていた時間は僅かだったが、少なくとも彼女はレイノハートの事を悪く言ったりすることは無かった。
そんなキトカロスですらも、奴にとってはその程度の存在とでも言うかのように。
間違いない。
こいつは俺が思っていた以上に度し難いクズ野郎だ。
「人間、口を謹め。あまり私を怒らせるのは賢い選択では……」
「レイノハート、俺と
「……決闘? この私がよそ者と……」
何故か躊躇う様な素振りを見せたレイノハートだが、それも一瞬の事で元の傲慢そうな表情へと戻る。
「ふっ……バカバカしい事だ。この私に決闘を挑むとは。だが、良いだろう、最近暇を持て余していた所だ」
レイノハートは鞭を
「覚悟しろ、人間。このデュエル、負けた者は全てを失うものと心得よ!」
「当たり前だ」
俺も腰に装着したホルダーからデッキを取り出し、デュエルディスクに挿入する。デッキを読み込んだデュエルディスクは自動でリアルソリッドビジョンによるディスク盤面を展開する。
レイノハートが話し始めてからまともに喋ることも難しそうだった三人娘。
シェイレーンが俺の服の裾を力なく掴んでいる事に気が付いた。
「絶対勝ちなさいよ」
メイルゥが不安げな表情でこちらを見つめている。
「無茶はしないで下さい」
ハゥフニスが気合いを入れるように俺の背中を一叩きする。
「……勝とうね……」
マスカレーナはいつもの調子で俺に言う。
「あんな外道はさっさとのしちゃいましょう!」
四者四葉の言葉を受け、
「ああ、任せろ」
いつか言えなかった一言。
こんな状況でありながら、何故か今日はすんなりという事が出来た。
シェイレーン、メイルゥ、ハゥフニス、マスカレーナは俺のデッキに眠る自身のカードへ力を宿すために実体化した姿を消す。
「「
世良 VS レイノハート
LP4000 LP4000
「先行は私だ。手札から『ティアラメンツ・レイノハート』を召喚」
『ティアラメンツ・レイノハート』
レベル4 ATK1500 水
フィールドに現れたのは奴自身。
対面しているレイノハートと同じように薄ら笑いを浮かべ、右手には鞭、左手に溢れんばかりの真珠を握りしめている。
(奴自身のカードか。効果は……ッ! 確認できない!?)
デュエルディスクに搭載されている相手のカードを表示して確認する機能が使えなかった。ここが異世界だからか、はたまた奴が使うカードがデュエルディスクの情報に無いからなのか……。
理由は不明だが、知らないカードを使われた時に効果の確認が出来ないのは厳しいと言わざるを得ない。
それなら、今までの自分の経験とデュエリストとしての勘に従ってデュエルをするだけだ。
「そしてこのカードの召喚に成功したため効果を発動する」
「レイノハートの効果にチェーンして手札のハゥフニスの効果を発動する!」
「何? 小癪な真似を……」
俺は手札に有ったハゥフニスを相手に見せて発動を宣言する。
「相手がフィールド上の効果を発動した時に発動し、このカードを手札から特殊召喚する」
『ティアラメンツ・ハゥフニス』
レベル3 DEF1000 闇
『……ふんす……』
ハゥフニスは自身の武器である二本の短剣を構え、防御姿勢を取る。
「さらに、俺はデッキの上から三枚墓地へ送る」
デッキトップから三枚のカードを引き抜き、確認したらそのままデュエルディスクの墓地ゾーンへと置く。
墓地へ行ったカードは『ティアラメンツ・メイルゥ』、『シャドール・ビースト』、『影依融合』。
俺のカードの効果処理が終わり、今度はレイノハートのカードの効果処理が行われる。
「ふん、私はデッキからこのカード以外の「ティアラメンツ」モンスター一体を墓地へ送る。デッキから『ティアラメンツ・シェイレーン』を墓地へ送る」
『あいつ……私のカードを……』
精霊体で現れたシェイレーンはレイノハートに自分のカードが使われている事を知り、苦虫を噛みしめたような表情をしている。
「私の所有物をどう使おうが私の勝手だろう? シェイレーンが効果で墓地に送られたことで効果発動。墓地のシェイレーンを含む融合素材モンスターを手札・フィールド・墓地から好きな順番で持ち主のデッキの下に戻し、融合モンスターを一体をEXデッキから特殊召喚する。素材とするのはシェイレーンとフィールドの私自身!」
「いきなり使って来たな」
相手の墓地のシェイレーンとフィールドのレイノハートがデッキに戻って行く。
これこそティアラメンツデッキの真骨頂。
普通の融合召喚は融合素材となるモンスターと『融合』を消費する事で行うことが出来る特殊召喚方法。普通にやれば三枚以上のカードを必要とするため手札消費が激しい召喚方法だ。
しかし、ティアラメンツは融合系魔法カードを使う事無く融合召喚を可能とするため、少ない手札消費で融合召喚をすることが可能。しかも、墓地へ行くことで効果を発動するティアラメンツはその性質上リソース不足に陥ると思われるが、ティアラメンツの効果で融合素材としたカードはデッキに戻るため、リソース回復も同時にこなすことが出来る。
「融合召喚! 現れろ、水底の王にひれ伏す忠実なる我が僕。『ティアラメンツ・キトカロス』!」
『ティアラメンツ・キトカロス』
レベル5 ATK2300 闇
現れたキトカロスは顔の上半分を隠すようなバイザーを付けており、その表情を確認することは出来ない。
唯一見える口元は、真一文字に結ばれており、先ほど言葉を交わした人物とは似ても似つかない。
あれは本当にキトカロスなのだろうか?
「だが、俺もハゥフニスの効果で墓地へ送られたメイルゥとビーストの効果を発動する!」
シャドール・ビーストも効果で墓地へ送られた時に発動する効果を有している。そして、メイルゥの効果はここで使える!
「ビーストの効果で一枚ドロー。さらにメイルゥを含む融合素材をデッキの下に戻し、EXデッキから融合召喚する!」
ティアラメンツの融合を使うことが出来るのは何もレイノハートだけではない。
俺のデッキも奴と同じくティアラメンツデッキ。モンスター効果によるアド損の少ない融合召喚はこちらも得意とするところだ。
「墓地のビーストと闇属性であるメイルゥをデッキの下に戻し、融合召喚!」
ここで一つ気にかかる事があった。
それは、奴が召喚したキトカロスがEXモンスターゾーンでは無く、メインモンスターゾーンに置かれた事だ。その配置方法は前世で所謂リンクショックと呼ばれた新マスタールールが数年後に改定された事によって可能となった行為である。まさかティアラメンツは未来のカードとでも言うのだろうか?
しかし、俺のデュエルディスクはVRAINS世界、つまりEXデッキから召喚されるモンスターはEXモンスターゾーンに置かなければならない世界の物。
相手は改訂版マスタールールが適用されているが、果たして俺もそのルールに準じているのか。早急に確かめる必要がある。
「影に魅入られし風の巫女、今その軛を逃れて再び羽ばたけ! ッ……」
デュエルディスクが示す召喚可能なゾーンはEXモンスターゾーンのみ。やはり、俺は改定前の新マスタールール下でデュエルを行う必要がありそうだ。
こんな変則マッチはやった事が無いが……やるしかない!
「融合召喚! 現れろ、『エルシャドール・ミドラーシュ』!!」
『エルシャドール・ミドラーシュ』
レベル5 ATK2200 闇
水底でありながら光が差すこの空間に出来ている俺の影。それがデュエルフィールドにまで伸びたかと思うとそこからミドラーシュが出現する。
「ミドラーシュがモンスターゾーンに存在する限り、その間はお互いに1ターンに一度しかモンスターを特殊召喚出来ない」
「厄介な人形だ。だが、問題は無い。私は融合召喚に成功したキトカロスの効果を発動する。デッキから「ティアラメンツ」カード一枚を選び、手札に加えさせて貰う。そして、カードを二枚伏せてターンエンド」
相手の場にはキトカロスと伏せカードが二枚で残り手札が二枚。
一方で、1ターン目先行である相手のターンにも関わらず、俺はフィールドにミドラーシュとハゥフニスを立てつつ、手札は四枚。
まだターンが回って来ていない後攻0ターン目とも言える段階でこれだけの盤面を築けているのは上々だが、相手の伏せカードも油断ならない。
何より、まだ俺の知らない何かがあるような気がしてならない。デュエリストとしての嫌な予感を感じる。
まだ決闘は始まったばかりだ。